Amazon在庫切れ発生時のリスクとは?対処法と対策を解説

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いかなるECサイトでも避けるべき「在庫切れ」。
Amazonにおける「在庫切れ」、皆さん軽視していませんか?
Amazon出品者にとって在庫切れはのリスクは甚大で、タイミングによっては致命傷となる場合もあります。
本記事では、Amazon在庫切れ時におけるリスク、発生した際の対処法、発生させないための対策について解説いたします。

1.在庫切れが発生した際の5つのリスク

Amazonで在庫切れになった場合、以下5つのリスクがあります。

  1. 販売機会の損失
  2. カートボックスが他社に奪われる
  3. 広告が非表示になる
  4. SEOが低下する
  5. 顧客の信頼度が低下する

1つずつ詳細を解説していきます。

1-1.販売機会の損失

最初かつ最大のリスクは「機会損失」です。
在庫切れが発生している期間は商品の販売が不可になります。
具体的にはユーザーがAmazonの検索窓にキーワードを入力し、商品を検索しても商品が表示されなくなります。
ユーザーが商品を検索しても自社の商品が表示されないため、販売機会の損失が起き、結果的に売上低下に直結します。

商品ページ自体は存在しているにも関わらず、検索結果に表示されない理由としては、在庫切れ商品はAmazonがユーザーにとって有益な商品ではないと見なし、非表示にしているものと考えられます。
あくまでも検索結果上、非表示になっているだけなのでユーザーがURLを直接入力すれば商品ページにアクセスすることは可能です。
アフィリエイトサイト等で、自社の商品が紹介され購入先としてAmazonのリンクが設定されている場合も商品ページへのアクセスは可能です。

ただ、過去に購入した事があるユーザーが購入履歴から再度同じ商品を購入しようとした際や、外部サイトの紹介を見て、商品に興味関心を抱き商品ページに訪れた際に在庫が切れていた場合のユーザー心理はどうでしょうか。
他出品者または、楽天市場やYahoo!などから類似商品を購入し、再び戻ってくる可能性は極めて低くなります。
在庫切れによる「販売機会損失」は新規ユーザーのみならず、リピートユーザーにも影響を及ぼす可能性があるのです。

1-2.カートボックスが他社に奪われる

2つ目はカート獲得権についてです。
Amazonでは同一商品と見なされた商品に関しては、複数の出品者が存在したとしても、1つの商品ページにまとめられます。
ユーザーが商品ページに訪れた際、「カートに入れる」ボタンが最初に表示されている商品が、同一商品を販売している複数出品者の中で最優先となり、俗に「カート獲得」出来ている状態となります。

Amazonでカートを獲得する条件の1つとして「在庫数」が含まれます。
そのため在庫切れが発生した時点で、2番手、3番手の出品者にカートを奪われてしまうのです。

大半のユーザーが初回表示商品をカートに入れます。
Amazonで売上を伸ばすためには、「カート獲得」をいかに維持するかが重要になりますので、カートが他社に奪われてからでは遅いのです。

Amazonショッピングカート獲得率アップに関しては以下の記事もご参考にしてみてください。

1-3.広告が非表示になる

3つ目は広告についてです。
1つ目のリスクでお伝えした通り、Amazonで在庫切れが発生すると、検索結果から非表示になります。
Amazonスポンサープロダクトは検索連動型のため、検索結果非表示=広告も非表示となります
広告商品にも関わらず、在庫切れで購入不可となると、ユーザーからクレームが発生することもあります。
そうした理由からも、Amazonは広告出稿対象として設定できる商品を「在庫がある商品」に限っています。

広告経由の売上比率が高い商品が在庫切れになった場合、売上低下は必至です。
また一度停止された広告を、元の表示位置に改めて表示させるには時間も費用もかかります。

1-4.SEOが低下する

4つ目はSEO(検索順位)についてです。
Amazonの正式な検索アルゴリズムは公開されていませんが、売上だけでなく「在庫状況」も比較的重要視されていると言われています。
その背景として、Amazon最大の特徴とも言えるユーザーに満足いただける配送スピードを保つためと考えられています。
価格競争が激しいなか、ユーザーが商品購入を決める要因として「配送スピード」があげられます。
在庫切れ商品は、もちろん配送不可のため、そういった理由からも在庫切れになった瞬間検索順位が急落する傾向にあります。

加えて、ランキングに入る可能性が低くなります。
Amazonではカテゴリーごとにランキングが設けられていますが、在庫切れ期間中、競合商品の売上が伸びたり、カートを新たに獲得した出品者にランキングを抜かれる恐れがあります。

もし、自社商品でランキング1位の商品が在庫切れになってしまった場合、競合に1位の座と、検索結果一覧に表示される「ベストセラー」タグも奪われてしまうのです。

在庫切れが解消されても、検索順位が即時に戻ることはないため、売上への影響も長引く可能性があります。
以下記事では在庫保持率とSEOの関連性にも触れています。

1-5.顧客の信頼度が低下する

最後5つ目は顧客からの信頼度の低下です。
「販売機会の損失」でも述べた通り、興味を持った(又はもう一度購入したい)ユーザーが商品ページにアクセスした結果、在庫切れだった際とてもガッカリします。
中には「在庫がないなら販売しなければ良いのに」と怒りに似た感情を抱く方もいます。

一度そのような体験をしたユーザーは、商品に対してではなく出品者に対し不信感を抱き、商品検討時の選択肢から除外されてしまうかもしれません。

5つのリスクを取り上げましたが、要するにAmazonで在庫切れが発生すると目の前の売上だけでなく、未来の売上にも影響が生じる可能性が大きく、在庫切れ対象商品のランキングや在庫切れ期間によっては致命傷になりかねないという事です。

2.Amazonで在庫切れを起こさないための5つの対策

Amazonで在庫切れが発生した際のリスクはご理解いただけたでしょうか。
売上低下に直結するだけでなく、検索順位を元に戻すのも一苦労です。
在庫切れを未然に防ぐために以下5つの対策を徹底してみてください。

  1. 売上予測を立てる
  2. 商品ごとの納期管理
  3. 商品ごとの在庫管理
  4. 在庫拠点の増加
  5. 商品価格の値上げ

対策についてもリスク同様1つづつ詳細を解説していきます。

2-1.売上予測を立てる

在庫切れを防ぐための対策1つ目は、当たり前だと感じる方も多いと思いますが売上予測です。
自社の商品がどの時期、どのくらい売れるのか予測を立てる事で、必要最低在庫数が概ね把握できます。
売上予測を立てる際は昨年同月、直近数ヶ月、季節需要やイベント開催時期など様々な期間を比較し立てる事が重要です。

また倉庫に納品すべき在庫数は、売上予測のプラス10~20%と言われていますので、倉庫納品時の参考にしてみてください。

2-2.商品ごとの納期管理

2つ目は納期管理で、仕入れ販売している出品者は特に注意です。
商品の発注をかけても、即時納品されません。
海外から取り寄せている際は特に注意が必要で、予期せぬ納品遅延が発生したり、中華圏では春節や国慶節といった日本にはない長期休暇等もあるため、余裕を持った発注対応が必要です。
売上予測と合わせて、仕入れ元のスケジュールも考慮し納品管理しましょう。

2-3.商品ごとの在庫管理

3つ目は在庫管理です。
どれだけ売上予測を立て、納期管理をしていても、在庫管理まで出来ていないと在庫切れリスクは高いままです。
日々の受発注対応に追われるなか、商品個々の正しい在庫を管理するのは手間がかかります。
また運用のしくみが曖昧な中実施した場合、知らぬ間に在庫数がズレてしまい、結果在庫切れが発生してしまったというケースもあるかと思います。

そのためツールを導入した在庫管理がおすすめです。
Amazonに「出品コーチ」と言うメニューがあり以下実績が確認できます。

  • 過去30日間の販売数
  • 過去14日間の販売数
  • 現在の在庫数

例えば過去30日間の販売数と現在の在庫数を確認し、あと何日くらいで在庫が切れそうかと言った予測を立てることが可能になります。

出品コーチではAmazon独自のアルゴリズムで「在庫補充が必要な商品」もピックしてくれるので、忙しい出品者こそ活用いただきたい機能です。
出品コーチはセラーセントラルのレポートメニュー内からアクセス可能です。

2-4.在庫拠点の増加

4つ目は特にプライムデー等Amazon大型イベント期にご対応を検討いただきたい在庫拠点の増加です。
セール時期は通常期と比較し、多くの注文が入ります。
ただどれくらい注文数が伸びるのか正確に予測を立てるのは難しいと思います。

中には「FBAに納品しているから大丈夫」と安心している方もいるかもしれませんが、セール期間中FBA在庫が切れてしまったらその時点で在庫切れになります。
またセール直前に慌ててFBAに納品しようとしても、同様に他出品者も納品を試みていることが多く、FBAの混雑によりなかなか在庫が反映されないケースもあります。

そこでご対応いただきたいのが、セール期間中のみでも良いので、FBA在庫切れ時は自社発送に切り替えるです。
セール商戦で機会損失を起こさないためにも、在庫拠点のダブルスタンバイを検討してみてください。

2-5.商品価格の値上げ

最後5つ目は販売価格の値上げです。
最も手軽ではありますが、当然値上げにより商品は売れにくくなります。
商品が売れないと検索順位も下がるため、正直あまりおすすめ出来る対策ではござません。
ただ、在庫切れを起こし、リスクを被るよりは良いと思います。

あくまでも在庫が切れそうになった際や、倉庫への納品が間に合わない時の最終手段としてお考え下さい。

3.それでも在庫切れを起こしてしまったら

Amazon在庫切れのリスクと対策について5つづつ紹介させていただきましたが、事後対処できる事は1つだけです。

それが『商品入荷予定日の設定』です。(出品者自身からの発送限定)
入荷予定日の設定がされている=販売意思があることをユーザーに示すことが可能です。
もちろん、その場で購入いただく事は出来ないため、売上が低下することに変わりはありませんが、リスクで紹介した「顧客の信頼度の低下」に関しては出展者の誠意が伝わることで、多少低減するかと思います。

入荷予定日が設定できる条件は以下の通りです。

  • 30日以内の発送が可能
  • FBAを利用せず、出品者自身(自社倉庫)から発送すること
  • 本・メディア・ビデオ・DVDに該当する商品でないこと

入荷予定日の設定手順は以下の通りです。

  1. セラーセントラル>在庫>在庫管理メニューを選択
  2. 入荷予定日を設定する商品の「詳細の編集」をクリック
  3. 「出品情報」タブ内の「商品の入荷予定日」に指定日を入力する
  4. 保存して終了

4.在庫復活後に対応すべきこと

リスクで述べた通り、一度在庫切れを起こしてしまうと、在庫切れ前の状態(検索順位やランキング)に戻すことは簡単なことではありません。
出来るだけ早く元の状態に戻すために実施いただきこと2点をお伝えいたします。

4-1.Amazonのプロモーションを活用する

検索順位やランキングが落ちることで、アクセスが減少します。
減少したアクセスを回復させるために、Amazonのプロモーションを活用しましょう。

Amazonのプロモーションには以下2種類があります。

  1. 購入金額による割引
  2. 同一商品、複数購入時の割引

①は「3,000円以上の購入で、10%OFF」といった最低購入金額を条件とし割引を付けるものです。
②は「〇点以上の購入で10%OFF」といった最低購入個数を条件とし割引を付けるものです。
いずれのプロモーションを活用する場合は「大口出品」であることが条件となり、月額は4,900円です。
大口出品への切替は広告メニューより可能ですので、早期に在庫切れにより生じたマイナスを挽回したい場合は大口出品への切替も検討してみてください。

4-2.スポンサープロダクトで露出の最大化を図る

Amazonスポンサープロダクト広告は、ユーザーが入力した検索キーワードに連動して商品が表示される検索連動型広告で、競合の商品ページ等にも商品露出が可能になります。
スピード重視でアクセスを回復させるためには、スポンサープロダクトでCPCを高めに設定し、予算を増加することでアクセス向上が期待できます。

ただ、どれだけアクセスを集めてもユーザーに購入してもらわないと意味はありません。
広告によるアクセス強化を進める前に、ユーザーが買いたいと思う情報、画像が商品ページでアピール出来ているのか必ず確認しましょう。
Amazonスポンサープロダクト広告については以下の記事も参考に、設定を進めてみてください。

5.まとめ

いかなるモールであっても避けるべき「在庫切れ」ですが、Amazonに関しては発生時のリスクが甚大であることはご理解いただけたでしょうか。
検索結果や広告が非表示になり、今見込めたはずの売上だけでなく、未来の売上も手放すリスクがあります。
それだけでなく、在庫切れ発生前の状態に挽回させるためには時間も費用もかかり、売上だけでなく利益にも影響します。
日々の運営に合わせて、売上予測や在庫管理をデイリーで実施することは難しいと思います。
そういった方はぜひ、Proteinumにご相談ください。

Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

大学卒業後、楽天株式会社に入社。 初期配属は東北エリアグループにて、牛タンやりんごなどの東北の名産品の販売支援に従事。 その他、アパレル業界を専門として、大手企業を中心に各種ECコンサルティング活動に従事 (のべ担当店舗数700以上)。楽天を卒業後、経営コンサルタントの道へ進み、小売企業を中心に様々な業界において経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、実行支援、EC戦略策定等)その後、株式会社Proteinumを創業。”EC業界にとってなくてはならない存在に”をミッションに、現在は自社ブランドの立ち上げとクライアントのEC事業の支援に従事。

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