楽天RMS RーKarte(R-カルテ)の活用方法徹底解説

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弊社サポート実績も多い楽天市場。
楽天市場で店舗運営をされるなかで、「どんな情報をどこから見て分析すればよいのか」また、「その情報を活かしてどのように売上アップにつなげるのか」とお問い合わせをいただく事も多いです。
本記事では、楽天出店者向け管理画面「RMS」で提供されているRーKarte(Rーカルテ)各種データの着眼点や、売上アップにつなげる方法を解説いたします。
楽天市場での売上アップには欠かせないR-Karte(Rーカルテ)を活用し、手軽にデータ分析を進めてみてください。

1.R-カルテとは

R-カルテとは楽天出店者向け管理画面RMS内で提供されている分析メニューです。
店舗運営として日ごろ、商品登録や更新、在庫管理、受注管理、出荷管理、販促管理のメニューを活用している方は多いと思います。
R-カルテは店舗運営ではなく分析に特化したメニューで、売上の公式からどこに伸びしろがあるのかを特定し売上改善アクションにつなげていただくためのものです。

2.売上の公式

実際にR-カルテで得られる各種データを紹介する前に、売上の公式を理解しましょう。
売上の公式は以下の通りです。

売上=アクセス人数×転換率(購入者数÷アクセス人数)×客単価

R-カルテを活用することで、「アクセス人数」「転換率」「客単価」のどこに伸びしろがあるのかが特定できます。
まずは1日5分でも良いので、店舗カルテや主要指標を見る習慣をつけてみてください。
下図は楽天市場における売上アップ施策を策定する際の全体像です。
楽天市場の売上アップを狙うためにはまず伸びしろを特定し、特定した内容にそって施策を立てましょう。
また施策を実施して終わりではなく、実施後の検証にもR-カルテを活用し効果検証を必ず行いましょう。

3.Rーカルテで見るべきデータとは

RMSのデータ分析メニューをクリックすると6つのメニューが展開されます。
店舗運営に追われる中、全てのデータを複合的に活用するのは難しいと思います。
そこで今回は、自身の店舗のどこに伸びしろがあるのか特定するために見るべきメニューに特化してご紹介いたします。

3-1.店舗カルテ

店舗カルテに関しては、毎日チェックされている方も多いのではないでしょうか。
店舗カルテトップでは売上はもちろん、売上を構成する「アクセス数」「転換率」「客単価」を前月比や前年比で比較し確認が出来ます。
現時点の数値を把握するだけではなく、その値が前月や前年同月と比較してどうなのかも必ず確認しましょう。

・施策効果をリアルタイムで確認

スーパーセールやお買い物マラソンの際は特に「店舗カルテ>売上」メニューをご確認ください。
こちらは1時間おきにデータが更新されるため、イベント開始直後のスタートダッシュ施策を実行している場合、その効果が出ているか等を比較的リアルタイムで確認することができます。

・競合店と比較して施策のヒントを得る

店舗カルテの中でも意外と見られていないのが分析用レポートの「比較対象データ」です。
売上を伸ばすうえで、楽天市場内の市場規模の把握や競合調査は必須です。
競合店の売上を正確に把握することは出来ませんが、分析用データ上でサブジャンルTOP10平均や、月商別同サブジャンルとの比較が可能なことはご存じでしょうか。

「店舗カルテ>分析用レポート」から比較したい項目にチェックを付け、比較対象データを選択します。

  • サブジャンルTOP10平均
    自身の店舗と同一ジャンルで売上TOP10店舗平均値のデータと比較してみることが可能
  • 月商別平均値
    自身の店舗と同月商帯の店舗平均値と比較してみることが可能

楽天市場で同一ジャンル売上トップの店舗のアクセス数、転換率、客単価を把握することで、楽天市場における市場規模が把握できるだけでなく、売上やアクセスを日次で比較することも出来るためイベント開催時の競合の施策をキャッチアップするきっかけにもなります。

例えば、自店舗で「ご愛好感謝デー」は特段施策を実施していないが、比較対象データで同月商帯の動向を見ると、アクセスと売上が伸びている事に気が付ければ、どのような施策を実行しているのか確認することができ、次回開催時のヒントになります。

3-2.アクセス・流入分析

売上を構成する要素の一つアクセスは売上に直結する重要な指標です。
日次や月次で確認ができ、楽天で開催されるセールイベントの時期にしっかりとアクセスが伸びているかの確認ができるだけでなく、商品別にも細かく確認できるため、どの商品にアクセスが集中しているのかの特定も可能です。
アクセスは多いが、さほど売れていない商品があるかもしれません。
そういった商品は改善のチャンスです。

・どこから、どんなキーワードで流入してきているか

ユーザーが「どこから」「どのような検索キーワード」で流入してきているのかが確認できるメニューが「参照元・検索キーワード」です。
確認できる内容は「参照元(どこからページに流入してきているか)」と「検索キーワード」の2点です。

中でも重要視いただきたいのが「検索キーワード」です。
検索キーワードごとのアクセス数が100位まで表示され、どのようなキーワードでページに流入が多いのか特定が可能です。

上記と合わせて活用いただきたいのが「楽天サーチ>商品別検索キーワード」です。
「参照元・検索キーワード」では店舗全体の流入時の検索キーワードが特定できましたが、楽天サーチ>商品別検索キーワード」ではさらに細かく、商品ごとの検索キーワードが特定できます。
商品ごとにユーザーがどのようなキーワードで流入してきているのか把握することで、商品の課題を見つける事が出来ます。
極端な例ですが「柔軟剤」を販売している商品ページに対し、流入キーワードの上位が「洗剤」だった場合、戦略(洗剤と言うキーワードで施策を強化している)と実際のページ構成がマッチしておらず、結果アクセス数は多いが、転換率が低い商品になってしまいます。

全商品に対し、1度に対策することは難しいですが、まずはアクセス数の多い商品から現状を分析してみてください。

・どんなユーザーが興味を持ってくれているのか

商品のターゲットを知ることも売上を伸ばすうえで、大変重要です。
流入の大半が女性ユーザーであるにも関わらず、商品ページは男性ユーザー視点で作成されていると、転換率が下がってしまいます。
自身の商品がどのような属性に興味を持ってもらえているのか、もちろん受注データも活用できると思いますが、視覚的に確認できるのが以下2つです。

  1. 楽天サーチ>関連キーワード・ユーザートレンド
  2. 商品ページ>該当商品をクリックし、商品ページ詳細>顧客属性

まず①は流入の多い検索キーワードと関連キーワードが確認できるメニューですが、楽天市場全体の「キーワード検索ユーザーの性別・年齢」の分布も公開されています。
自身の商品ページのアクセス源となっているキーワードで検索しているユーザー属性を知ることができます。



左図の場合、「プロテーナム」と言うキーワードで商品を検索している人の60%以上が30代以上の女性と言う事が特定できる。

②はさらに細かく、商品ごとにユーザー属性を見ることが可能です。
該当商品ページへの訪問者の性別や年齢だけでなくレビューやお気に入り登録者の属性も見ることができます。

・商品ごとの課題を特定する

アクセス・流入分析の中でも、一番見ていただきたいのが「商品ページ分析」です。
「表示期間」「キーワード」「端末」で絞り込むができ、商品ごとに売上軸(アクセス数、転換率、客単価)、集客軸、回遊軸と、どこに伸びしろがあるのかを特定することが可能です。

例えば、アクセス数も売上件数も一見問題ない商品でも、レビュー数が少ない場合、レビューキャンペーン等を実行し、レビュー数を増やすことで転換率が向上するかもしないといった仮説を立てる事が「商品ページ分析」によって可能になります。

4.R-カルテで得たデータを活用するには

前述では、伸びしろを特定するためにまず見ていただきたいデータをご紹介しましたが、ここからは実際に活用し売上アップにつなげていただくためのポイントをお伝えいたします。

4-1.各種データ項目を正しく理解する

せっかくのデータも、正しく解釈できていないと適切な施策を打つことはできません。
R-カルテで得られる各種データ項目を改めておさらいしましょう。

・アクセス数

店舗や各種ページへの訪問回数を示す指標です。
訪問人数ではなく、回数なので1ユーザーが10回訪問すると、「10」でカウントされます。

・ユニークユーザー数

店舗や各種ページに訪問したユーザー数を示す指標です。
こちらは訪問人数のため、1ユーザーが10回訪問しても、「1」でカウントされます。
またユニークユーザー数が多い商品ページは売れやすい傾向があると言われています。

・滞在時間

ユーザーが店舗または各種ページに滞在した時間を示す指標です。
滞在時間が長いページほど、売れやすい傾向があると言われています。

・直帰数

店舗または各種ページに訪問したユーザーが1ページ目で離脱(検索結果に戻ったり、他店舗ページに移動 等)した数値です。
直帰数が多いページは、ユーザーが求めている情報や商品が見つからず、離脱している可能性が高いので、ページの改善を検討してみてください。

・離脱数

店舗に訪問したユーザーが1ページ以上閲覧し、店舗離脱直前(=最後)に見たページとなった数値です。
直帰数は1ページ目、離脱数は最後のページとなり異なるため注意しましょう

4-2.伸びしろのある商品を特定する

「アクセス・流入分析>商品ページ分析」でアクセス数と転換率を軸に商品を仕分けてみると、以下いずれかのパターンに当てはまるかと思います。

No.アクセス数転換率対策
1高い高い現状維持
2高い低い転換率対策
3低い高いアクセス対策
4低い低い全体見直し

まずは商品ごとに上表のどれに当てはまるのか特定しましょう。
そのうえで、No.2、3に当てはまる商品が伸びしろのある商品です。

・アクセス数は高いが転換率が低い商品

商品ページにアクセスされているものの、購入に至っていないケースで転換率に伸びしろがある商品です。
転換率を上げる施策として「値引き」や「クーポン発行」、「ポイントアップ」等が浮かびやすいですが、いずれも利益率を下げて売上を上げる施策になります。
とりあえず安くすれば売れると考える前に、以下2つの着眼点も加えたうえで施策を立てましょう。

  1. 売上につながらない無駄な広告が配信されていないか
  2. ページ内容が商品のターゲットにマッチした訴求内容、デザインになっているか

①は楽天RPP広告等でクリック数は多いが、売上につながっていない商品であるかを確認しましょう。
適切なキーワードやCPCが設定されておらず購買意欲が低いユーザーに広告をクリックされ、結果アクセス数は高くなるが、売上につながらず転換率が低くなっている可能性が無いか、RPP広告のパフォーマンスレポートを確認してみてください。

①のRPP広告等経由アクセスの転換率が低い要因にもつながりますが、②はターゲットとすべきユーザー属性に対し、適切な情報が商品ページで提供できているかを確認しましょう。
前述した通り、流入の大半が女性ユーザーであるにも関わらず、商品ページは男性ユーザー視点で作成されていると、転換率が下がってしまいます。

安易に値引きやクーポン発行による転換率向上を進めると利益率を圧迫する可能性があるため、転換率施策を進める際は「なぜ転換率が低いのか」の「なぜ」を特定して進めましょう。

・アクセス数は低いが転換率が高い商品

低いアクセス数で売上につながっている商品は、集客力を高める事で売上アップが狙える商品です。
商品名やキャッチコピー等のキーワード対策や広告、メルマガやSNSの配信等でアクセス数向上施策の実施を進めましょう。

4-3.商品ページに流入してきたユーザーを逃がさない

「アクセス・流入分析>商品ページ分析」の回遊軸の数値からも伸びしろの特定が可能です。
「滞在時間」「直帰数」「離脱数」「離脱率」4つの数値が確認できる回遊軸ですが、「直帰数」「離脱数」が高いページは店舗を離れるきっかけになっている可能性が高いと想定されます。
「直帰数」「離脱数」が高くなる代表的な原因は以下です。

  1. イメージと違った
  2. 在庫が切れていた(回遊バナー経由でページ遷移後)
  3. 情報が不十分で購入に踏み切れなかった
  4. 欲しいサイズや容量、カラーの商品が無かった

①や②の改善は物理的に不可のケースや、ユーザー起因のため改善は難しいですが、③や④は改善可能な原因です。
商品ページのリッチ化やSKUの統合など、ユーザー視点で商品を魅力的に伝え、購入しやすいページ設計を目指しましょう。

回遊強化施策については以下の記事でも詳しく説明しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

5.まとめ

楽天市場で店舗運営をしていると、日々の受発注やイベント対応に追われ、なかなか分析まで手を付けられていない方も多いと思います。
まずは毎日店舗カルテを見るところから、数字を見る習慣をつけていただければと思います。
R-カルテで得た情報を無理なく、無駄なくできる施策を考えて実行していくには「なぜ」を問い続ける事が重要です。
売上が伸びた時、落ちた時、売上の公式にあてはめどこに原因があるのか、それはなぜかを特定するためにR-カルテは欠かせません。
今回はR-カルテの中でも「どこに伸びしろがあるのか」を特定するためのメニューに特化してご説明いたしました。
原因を特定し、仮説を立て、施策を立てる際に少しでも参考にしてみてください。

Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

大学卒業後、楽天株式会社に入社。 初期配属は東北エリアグループにて、牛タンやりんごなどの東北の名産品の販売支援に従事。 その他、アパレル業界を専門として、大手企業を中心に各種ECコンサルティング活動に従事 (のべ担当店舗数700以上)。楽天を卒業後、経営コンサルタントの道へ進み、小売企業を中心に様々な業界において経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、実行支援、EC戦略策定等)その後、株式会社Proteinumを創業。”EC業界にとってなくてはならない存在に”をミッションに、現在は自社ブランドの立ち上げとクライアントのEC事業の支援に従事。

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