ECモールごとのフルフィルメントサービスの違いとは?

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楽天、Amazon、Yahoo!ショッピングの大手ECモールや自社サイトのご支援実績のもと、EC売上向上のノウハウをお届けします。

モール型フルフィルメントとは?

ECの運営においては、保管と発送業務から成り立つ物流業務が欠かせません。
EC運営で不可欠な物流業務を代行する業者を「フルフィルメント」、「物流代行」、「物流倉庫」等と呼びます。
物流業務を外注する場合は、従来では倉庫業者を選定し、倉庫業者と業務フローをすり合わせて運用する必要がありました。
一方で近年では、Amazonを皮切りに各ECモールがフルフィルメントサービスを展開しており、モール運営においては、各モールに連動した倉庫サービスを利用するケースが主流になってきています。

モール型フルフィルメントのメリット・デメリット

メリット

モール型フルフィルメントは1つの拠点で大量出荷を行うため、送料が通常の倉庫から発送する場合と比べ安価に抑えられる特徴があります。
また、通常の倉庫でありがちな最低数量が無く、出荷量の少ない立ち上げ直後のショップでも利用可能な点が大きなメリットです。
更に、モールが管理している倉庫なので発送スピード等の品質が担保されているということで、Amazonにおける”Primeマーク”のような認証を商品ページに表示することができ、購入者に安心感を与えることもできます。

デメリット

モール型のフルフィルメントは納品時のルールや、対応範囲などのSLAを厳格に定めることで、非常に多くの納品と出荷に対応しています。
そのため、オリジナルの梱包を使いたい、同梱物を入れたいといったカスタマイズには対応していません。
また、保管期間に生じる保管費用に関してはやや高めです。
特に梱包資材や同梱物といった対応は、自社ECでブランド作りを志向するショップではマストになってきます。
独自の世界観を重視してショップを展開したい場合は、モール型フルフィルメントではなく、業務に柔軟に対応できる物流倉庫を選定した方が良いでしょう。

各フルフィルメントサービスの特徴

楽天市場のフルフィルメントサービス(RSL)

楽天スーパーロジスティクス(RSL)は、楽天が運営しているフルフィルメントサービスです。こちらはFBAと比べて新しいサービスになります。2012年にスタートしています。
他モールへの注文に関しても対応できますが、楽天グループ子会社のハングリード株式会社が運営するアプリの「BOSS」の有料プランを利用する必要があります。
「BOSS」は楽天、Amazon、Yahoo!の国内主要モールと、カートツールのMakeShopに対応しています。

楽天市場のフルフィルメントサービス(RSL)のメリット

・他モールへの発送であっても比較的単価が安い
・15時までの注文は即日出荷が可能

楽天市場のフルフィルメントサービス(RSL)のデメリット

・カスタマイズができない
・問い合わせ対応や返品対応の機能がない
・キャンセル対応で費用が発生する
・保管費用は割高
・料金について要問い合わせ
・Shopifyには未対応

RSLについては、下記記事で詳しく解説しているので読んでみてください。

Amazonのフルフィルメントサービス(FBA)

フルフィルメント by Amazon(FBA)はAmazonが運営するフルフィルメントになります。
全国のフルフィルメントセンターに商品を納品しておくことで、Amazonで発生した注文は自動で、それ以外のモールで発生した注文はCSVデータのアップロードかシッピーノを利用することで発送されます。
納品先は必ずしも固定ではなく、納品時の各倉庫の空き状況により都度指定があります。発送はAmazonで発生した注文分はAmazonロゴの箱、他のモールで発生した注文分は無地箱で発送されます。更に、FBAのみ配送に関する問い合せや返品の対応まで代行に含まれており、物流に関する業務は完全委託が可能になります。

Amazonのフルフィルメントサービス(FBA)のメリット

・Amazonの配送スピードで出荷できる
・カスタマーサポート、返品対応も含まれており、配送関連業務の完全委託可
・Primeマークが付与される
・見積の問い合わせをせずに、料金をシミュレーションできる

Amazonのフルフィルメントサービス(FBA)のデメリット

・カスタマイズができない
・RSLと比べ、他モール展開時のコストが高い

Yahoo!ショッピングのフルフィルメントサービス(ヤマトフルフィルメント)

ヤマト運輸が提供するフルフィルメントサービスですが、Yahoo!ショッピング、PayPayモールと提携しています。

Yahoo!ショッピングのフルフィルメントサービス(ヤマトフルフィルメント)のメリット

ネコポスに対応しているため、ポストに投函できるサイズの配送料が安い
大きいサイズに関してもFBAよりは送料が安い
Yahoo!ショッピング、PayPayモール内にて「優良配送」マークを得られる
FBA同様、問い合わせをせずにコストのシミュレーションが可能

Yahoo!ショッピングのフルフィルメントサービス(ヤマトフルフィルメント)のデメリット

・RSLと同様に、問い合わせ対応や返品対応の機能はない
・まだ連携しているサービスが多くない

料金比較

下記ご参照ください。

使い分けのポイント

モール型フルフィルメントサービスは、対応するモールの出荷で特に料金が安かったり、Primeマークなどの認証を受けられるメリットがあることは、上述の通りです。
これを踏まえると、楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの3モールを展開する場合では、それぞれ対応するフルフィルメントを使うという選択肢もあるかと思います。
費用面からは、モールとフルフィルメントを対応させる運用にアドバンテージがある一方、複数のフルフィルメントサービスを使い分けることで納品の工数がかかってしまったり、在庫を分散することによる売り逃しのリスクが高まるといったデメリットもあります。
多くのショップ様には、注力するモールとそうではないモールがあると思います。
その場合は最も注力するモールに対応するフルフィルメントを利用し、自動化ツールを用いて他のモールからの注文を自動で取り込み出荷する業務フローにすると、最小の工数で複数モールの運営に対応できます。

まとめ

ここではECモールごとのフルフィルメントサービスの違いについてご紹介しました。
各特徴や自社内での各モールの立ち位置を明確化し、有効に活用しましょう。

Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

大学卒業後、楽天株式会社に入社。 初期配属は東北エリアグループにて、牛タンやりんごなどの東北の名産品の販売支援に従事。 その他、アパレル業界を専門として、大手企業を中心に各種ECコンサルティング活動に従事 (のべ担当店舗数700以上)。楽天を卒業後、経営コンサルタントの道へ進み、小売企業を中心に様々な業界において経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、実行支援、EC戦略策定等)その後、株式会社Proteinumを創業。”EC業界にとってなくてはならない存在に”をミッションに、現在は自社ブランドの立ち上げとクライアントのEC事業の支援に従事。

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