【楽天 vs Yahoo!】ポイント施策の効果を比較|実データで見る投資対効果

Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

慶応義塾大学を卒業後、楽天グループ株式会社に入社。ECコンサルタントとして、ショップオブザイヤー受賞店舗を含むのべ700店舗以上を支援。その後、小売業を中心に経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、EC戦略策定・実行支援など)し、株式会社Proteinum(プロテーナム)を創業。
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。

楽天市場とYahoo!ショッピングの両モールに出店している事業者の方であれば、「同じポイント原資を投入するなら、どちらのモールに注力すべきか?」と悩んだ経験があるのではないでしょうか。

ポイント倍率アップは一般的な販促手段として定着している一方で、同一のポイント原資を投入した際にモールごとにどのような数値の差が生じるのか、その定量比較データは限られているのが実情です。結果として、多くの事業者が経験則に基づいた運用を行っているのが現状です。

本記事では、Proteinumが実店舗の運用データをもとに楽天とYahoo!のポイント施策効果を比較検証した結果から見えてきた、最適な販促戦略のヒントをご紹介します。

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なぜ今ポイント施策が重要なのか

なぜ今ポイント施策が重要なのか

経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」によれば、2024年の物販系BtoC-EC市場規模は約15兆円、前年比で約+4%成長と拡大が続いています。EC化率も約10%まで上昇し、消費者にとってオンライン購入はますます身近な選択肢となりました。

令和6年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました (METI/経済産業省)

その中で注目すべきは、ECモール利用者の購買理由です。各種調査によれば、ECモール利用者の約半数が「ポイントが貯まる・使えるから」を購買理由に挙げており、これは「価格の安さ・お得さ」(約46%)を上回る最大の動機となっています。公式オンラインストア利用者(約23%)の約2倍であり、ポイント施策がECモールにおいて、いかに強力な販促手段であるかが分かります。

ネットショッピングの購買行動に関する調査(2025年)|株式会社エクスクリエ

楽天 vs Yahoo!ポイント比較検証の概要

楽天 vs Yahoo!ポイント比較検証の概要

両モールに出店している以下2店舗の運用データを用い、ポイント発行期間と通常期間(未発行期間)の伸び率を比較しました。

  • 店舗A:冷凍食品を扱う店舗(検証期間:2025年3〜6月)
  • 店舗B:日用品を扱う店舗(検証期間:2025年1〜3月)

分析指標は売上・アクセス人数・転換率・客単価の4項目で、日次データを平均化し、イベント有無別に比較しています。なお、本記事に掲載する数値は実データを丸めて表記しています。

検証結果① 店舗A(冷凍食品):ポイント5倍施策

指標楽天Yahoo!差分(楽天−Yahoo)
売上約+80%約+85%数pt差
アクセス約+5%約+50%約−40pt
転換率約+2.3pt約+2.5ptほぼ同等
客単価約−6%約+4%約−10pt

売上の伸びは両モールほぼ同等でしたが、アクセス数の伸びはYahoo!が約+50%と、楽天の約+5%を大きく上回る結果となりました。

検証結果② 店舗B(日用品):ポイント10倍施策

指標楽天Yahoo!差分(楽天−Yahoo)
売上約+60%約+85%約−25pt
アクセス約+7%約+65%約−55pt
転換率約+3pt約+4.5pt約−1.5pt
客単価約+2%約+2.5%ほぼ同等

店舗Bではより明確に差が現れ、売上の伸び率自体もYahoo!が20pt以上リード、アクセス・転換率ともに大きな差が出ました。

楽天とYahooのポイント比較から見える3つの示唆

1. 売上の伸び率はYahoo!が優位

両モールともポイント施策により売上は大きく伸びましたが、店舗A・BともにYahoo!の方が伸び率が高く、特に店舗Bでは差が顕著です。同じポイント原資を投じても、Yahoo!の方が高いリターンを得やすい傾向が見られます。

2. アクセス数の伸びは圧倒的にYahoo!

特筆すべきはアクセス数の伸び差です。楽天では一桁%台の伸びにとどまる一方、Yahoo!では+50〜65%程度と大幅な集客効果が見られました。Yahoo!ショッピングではモールイベントとポイント発行の組み合わせが、強力な流入要因になっていると考えられます。

3. 転換率の伸びもYahoo!が大きい

ポイント施策実施時の転換率の伸びも、Yahoo!の方が大きい結果となりました。「ポイント付与」という動機付けが、楽天以上にYahoo!のユーザー層に刺さっている可能性が高いといえます。Yahoo!ショッピングはPayPayポイントとの連携によりポイント還元の即時性・実用性を訴求しやすい一方、楽天はSPU等の常時還元施策が定着しているため、追加倍率に対する反応が相対的に鈍化している側面も推察されます。

なお、ポイント発行(モールイベント日)と未発行(通常日)の比較である点には留意が必要です。Yahoo!のイベント日における集客の伸びが楽天より大きいことが結果を押し上げている可能性もあり、「ポイントの魅力」と「イベント流入」の合算効果として捉えるのが妥当です。

両モール出店事業者のための実践的戦略

両モール出店事業者のための実践的戦略

戦略1:販促費アロケに迷ったらYahoo!ポイント施策を優先

両モール出店中で販促予算の配分に悩む場合、店舗規模やモール別売上比率にもよりますが、Yahoo!のポイント施策を優先実施することを推奨します。同一原資投入時のリターン(伸び率)の観点で、Yahoo!の方が効率的に売上拡大に寄与する傾向が見られるためです。

戦略2:Yahoo!ではアクセスブーストとの併用を

Yahoo!でのポイント効果は「ポイントの魅力」だけでなく「モールイベントによる流入増」が売上を押し上げる大きな要因と考えられます。イベント時にはアクセスをさらに伸長させる広告ブースト設定や露出強化施策を組み合わせることで、効果の最大化が期待できます。

戦略3:楽天では客単価・転換率向上施策と組み合わせる

楽天ではポイント施策による集客効果が限定的だった一方、転換率は着実に伸びています。ポイント施策と並行して商品ページ改善・レビュー強化・セット販売による客単価向上など、流入してきたユーザーを確実に購入へつなげる施策の組み合わせが有効です。

まとめ:データに基づく販促最適化が利益率を変える

まとめ:データに基づく販促最適化が利益率を変える

本記事では、楽天とYahoo!のポイント比較検証データをもとに、ポイント施策の効果差と最適な販促戦略を解説しました。結論として、今回の検証ではポイント施策のROIはYahoo!ショッピング側が優位であり、両モール出店事業者は販促費アロケに際してYahoo!を優先する選択肢を検討する価値があります。

ただし、これは検証期間・店舗商材・モールイベントのタイミング等によって変動する可能性があります。自社のデータをもとにモール別の効果検証を継続することが、最適な販促戦略の構築には欠かせません。

「楽天とYahoo!のどちらに注力すべきか分からない」「とりあえず複数モールで同じ施策を展開しており、最適化ができていない」「やりたいことはあるが手が回らず困っている」

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