楽天市場の併売分析でクロスセルを強化!受注データを活用した客単価アップの方法
「客単価を上げたいけれど、何から手をつければいいか分からない」「セット商品を作りたいが、どの商品を組み合わせればいいのか根拠がない」——楽天市場を運営していると、こうした悩みに直面する方は多いのではないでしょうか。
この記事は、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が楽天市場における「併売分析」の具体的なやり方とクロスセル施策への活かし方について解説します。受注データから一緒に買われている商品を特定し、データに基づいたクロスセル戦略を立てるための実践ガイドとして、ぜひ最後までお読みください。
Contents
併売分析とは?楽天のクロスセル戦略を支えるデータ分析手法

通常の管理画面からでは確認できない併売分析について解説していきます。併売分析ができると検討の幅が広がるため、ぜひ実践してみてください。
併売分析の基本的な考え方
併売分析とは、ある商品を購入した顧客が、同じ注文で他にどの商品を一緒に購入しているかを集計・分析する手法です。「バスケット分析」とも呼ばれ、小売業やEC業界で広く活用されています。
たとえば、ある健康食品の店舗で主力のプロテイン商品の併売データを分析したところ、同じ注文内でサプリメント系の商品が高い頻度で一緒に購入されていたことが判明した——というようなケースがあります。このように「実際の注文データに基づいた組み合わせ」を可視化することで、施策の精度が格段に上がります。
クロスセル・アップセルとの関係
客単価を上げるための代表的な手法として、クロスセル(関連商品の追加購入を促す)とアップセル(より上位の商品への買い替えを促す)があります。
併売分析は、このうちクロスセル施策の検討のベースとなるデータを提供してくれます。「この商品を買った人は、実際にこの商品も一緒に買っている」というデータがあれば、セット商品の企画、商品ページ内のレコメンド設計、同梱チラシの内容、メルマガの商品紹介まで、すべてデータに基づいた設計ができるようになります。
併売分析の具体的なやり方|受注データとピボットテーブルで実践

ここからは、実際に楽天市場の受注データを使って併売分析を行う方法をステップごとに解説します。Excelのピボットテーブル機能を使えば、特別なツールがなくても実施できます。
- 受注データの準備
- 関数の入力
- 関数を受注データの行数に合わせて伸ばす
- 分析対象の商品を指定して集計を実行する
- 集計結果の読み取り方
受注データの準備
まず、RMS(楽天の店舗管理システム)から受注データをダウンロードします。
手順:
- RMSの受注管理画面から、分析したい期間の受注データを全カラムでCSVダウンロードする
- Excelで「受注データ」シートを作成し、ダウンロードしたデータをA列〜FF列に値貼り付けする
- FG列より右側に集計用の関数を入力(後述)し、受注データの行数に合わせて下方向にコピーする
分析期間は直近3〜6ヶ月分を推奨します。短すぎると季節要因を拾えず、長すぎると古いトレンドが混在してしまいます。
関数の入力
STEP1の手順3で触れた「FG列より右側の関数」は、併売分析をご自身で実施する場合に難しいポイントです。受注データ(A列〜FF列)に対して、FG列〜FL列の6つの関数列と、FO列・FP列の2つの補助列が連携して動作し、「対象商品と一緒に買われた商品」を自動で抽出できるように関数を入力しましょう。
ここでは、それぞれの列がどのような役割を持ち、何を計算しているのかを具体的に解説します。関数を受注データの行数に合わせて伸ばす際にも、各列の意味を理解しておくと安心です。
FG列:併売分析対象商品フラグ
=IF(BW2=受注データ貼付先シート!$C$3,1,0)
BW列(商品管理番号)の値が、受注データ貼付先シートのC3セル(分析対象として入力した商品管理番号)と一致する行に「1」を、それ以外に「0」を返します。これにより、全受注データの中から対象商品が含まれる行だけにフラグが立ちます。
FH列:フラグ数カウント(累積番号)
2行目: =FG2
3行目以降: =IF(FG2>0,SUM($FG$2:FG3),"")
FG列で「1」が立った行だけに、上からの累積番号(1, 2, 3…)を付与します。対象商品でない行は空欄になります。この累積番号は、後述するFP列で「対象商品が含まれる注文番号」を一覧化するための検索キーとして使われます。
FI列:併売分析対象商品同一注文番号フラグ
=COUNTIF($FP$2:$FP$2238,$A2)
FP列(後述する「対象商品が含まれる注文番号の一覧」)の中に、その行の注文番号(A列)がいくつ含まれるかを数えます。1以上であれば、その行は「対象商品と同じ注文に含まれる商品」であることを意味します。
FJ列:複数購入フラグ
=COUNTIF($A$2:$A$2238,$A2)
A列の全データ内で、同じ注文番号が何回出現するかを数えます。楽天の受注データでは1注文内の商品ごとに1行が記録されるため、この値が2以上であれば「同一注文内で複数商品が購入されている」ことを意味します。値が1の場合は単品購入のため、併売分析の対象外です。
FK列:併売分析対象購入者併売フラグ
=IF(AND(FI2>0,FJ2>=2),1,0)
FI列とFJ列の結果を組み合わせた判定列です。以下の2つの条件を同時に満たす行に「1」を返します。
- FI列 > 0:対象商品と同じ注文番号に含まれている
- FJ列 >= 2:その注文に2商品以上含まれている(=単品購入ではない)
つまり、「対象商品と一緒に買われた可能性がある商品の行」を特定するフラグです。
FL列:併売分析対象商品を除くフラグ(※ピボットテーブルの集計対象)
=IF(FG2=1,0,FK2)
FK列の結果から、対象商品自身の行を除外する最終フラグです。FG列が「1」の行(=対象商品そのもの)は「0」を返し、それ以外はFK列の値をそのまま使います。
このFL列の値が、「併売分析結果出力」シートのピボットテーブルで集計される対象データとなります。FL列が「1」の行を商品管理番号ごとに集計することで、対象商品と一緒に購入された商品の回数ランキングが出力される仕組みです。
FO列・FP列:補助列(対象商品の注文番号一覧を生成)
FO列: 1, 2, 3, 4... (連番)
FP列: =XLOOKUP($FO2,$FH$2:$FH$2238,$A$2:$A$2238,"",0,1)
FO列は単純な通し番号です。FP列はXLOOKUP関数を使い、FH列の累積番号(1, 2, 3…)を検索して、対応する注文番号(A列)を取得しています。これにより、対象商品が含まれるすべての注文番号がFP列に一覧化されます。FI列のCOUNTIF関数は、このFP列の一覧を参照して「同じ注文かどうか」を判定しています。
関数を受注データの行数に合わせて伸ばす
受注データを新しい期間のものに差し替えた際は、FG列〜FL列およびFO列〜FP列の関数を、受注データの最終行まで下方向にコピーする必要があります。
具体的な手順:
- FG列〜FL列について、2行目のセル(FG2〜FL2)を選択し、受注データの最終行までオートフィル(セル右下の■をダブルクリック、またはドラッグ)でコピーする
- FO列・FP列も同様に最終行まで伸ばす
- COUNTIF関数の参照範囲に注意:FI列とFJ列の数式内にある
$FP$2:$FP$2238や$A$2:$A$2238の「2238」は、現在のデータ行数に対応しています。データ行数が変わった場合は、この参照範囲の末尾行番号も合わせて修正してください(例:3000行のデータなら$FP$2:$FP$3000)
参照範囲の修正を忘れると、新しく追加された行のデータが集計に含まれず、分析結果が不完全になります。受注データの行数が大幅に変わった場合は特に注意が必要です。
ポイント: 関数の仕組みを理解していなくても、「FG列〜FP列を最終行まで伸ばし、COUNTIF内の参照範囲を最終行に合わせる」という2点さえ押さえれば、正しく分析を実行できます。
分析対象の商品を指定して集計を実行する
受注データの準備ができたら、併売分析の対象商品を指定して集計を行います。
手順:
- 「併売分析結果出力」シートの「併売分析対象商品管理番号」欄に、分析したい商品の管理番号を入力する
- AA列のピボットテーブルを「更新」する(ピボットテーブルツール → 分析 → 更新)
これだけで、指定した商品と同じ注文番号に含まれる他の商品ごとの購入数が自動で集計されます。複数商品を分析したい場合は、商品管理番号を差し替えてピボットテーブルを都度更新すればOKです。
集計結果の読み取り方
ピボットテーブルの更新が完了すると、以下のような形式で結果が表示されます。
| 行ラベル(商品) | 併売回数 |
|---|---|
| 商品A(同カテゴリ・人気商品) | 10 |
| 商品B(関連カテゴリ) | 8 |
| 商品C(関連カテゴリ) | 4 |
| 商品D(別カテゴリ) | 2 |
| 商品E(別カテゴリ) | 1 |
| 商品F(無関係の商品) | 0 |
※上記の数値は加工した参考値です。
読み取りのポイント:
- 併売回数が多い商品(上位5〜10品):セット販売や同梱チラシの最有力候補です。まずはここから優先的に施策を検討しましょう
- 併売回数が0の商品:対象商品の購入者層とは異なる顧客が買っている可能性が高く、クロスセルの対象としては優先度が低いと判断できます
- 同カテゴリ内の併売傾向:同じカテゴリ内で併売が多い場合は、まとめ買いニーズが強い商品群と考えられます
併売分析の結果をクロスセル施策に活かす4つの方法

併売分析で得られたデータは、以下の4つの施策に直接活用できます。
- セット商品・まとめ買い企画の設計
- 同梱チラシの最適化
- 商品ページ内のレコメンド設計
- メルマガ・LINE配信のパーソナライズ
セット商品・まとめ買い企画の設計
併売頻度の高い商品同士をセットにし、単品購入よりもお得な価格で提供する施策です。「データで実際に一緒に買われている」という根拠があるため、売れ残りのリスクを抑えながら客単価の向上が期待できます。
たとえば、主力商品と併売上位3商品のセットを「人気のまとめ買いセット」として楽天スーパーSALEのタイミングで打ち出す、といった活用が考えられます。
同梱チラシの最適化
注文に同梱するチラシに掲載する商品を、併売データに基づいて選定します。「この商品を買った方にはコレが人気です」というメッセージとともにクーポンを付ければ、リピート購入の促進にもつながります。
従来の「売りたい商品を載せる」発想から、「買われやすい商品を載せる」発想に転換することで、チラシの反応率が変わります。
商品ページ内のレコメンド設計
商品説明文やPC・スマートフォンの回遊バナーに、併売上位の商品リンクを設置します。「この商品を購入された方はこちらもご覧になっています」といった形で自然に誘導することで、ページ回遊率と客単価の両方に効果が見込めます。
メルマガ・LINE配信のパーソナライズ
特定商品の購入者リストに対して、併売データに基づいたレコメンド商品を配信する施策です。「あなたが購入された○○と一緒に買われている商品」というパーソナライズされた訴求は、開封率・クリック率の向上が期待できます。
併売分析でよくある失敗パターンと注意点

併売分析は有効な手法ですが、やり方を誤ると期待した成果につながらないケースもあります。ここでは、よくある失敗パターンをご紹介します。
- 分析期間が短すぎる・長すぎる
- 分析結果を「見て終わり」にしてしまう
- 併売回数だけで判断してしまう
- 定期的なデータ更新を怠る
分析期間が短すぎる・長すぎる
1ヶ月分のデータだけで分析すると、季節要因やイベント(スーパーSALE等)の影響を受けた偏ったデータになりがちです。逆に1年以上のデータを使うと、すでに廃番になった商品が上位に出てきたり、トレンドの変化を反映できなくなります。
3〜6ヶ月分のデータを基本とし、季節商材を扱う場合は前年同期間のデータも参考にすると、より精度の高い分析ができます。
分析結果を「見て終わり」にしてしまう
併売データを出しただけで満足してしまい、具体的な施策に落とし込めていないケースは非常に多いです。分析はあくまで手段であり、目的は「その結果を使って何をするか」です。
分析を行う前に「セット商品の企画に使う」「同梱チラシのリニューアルに使う」など、活用目的を明確にしてから取り組むことをおすすめします。
併売回数だけで判断してしまう
併売回数が多い=必ずしもセット商品に向いている、とは限りません。たとえば、そもそもの販売数が非常に多い定番商品は、併売回数も自然と高くなります。
可能であれば、併売率(=併売回数 ÷ 対象商品の総注文数)も計算し、「どれくらいの確率で一緒に買われているか」という視点でも評価すると、施策の精度がさらに上がります。
定期的なデータ更新を怠る
商品ラインナップの変更、季節変動、新商品の投入などによって、併売傾向は変化します。一度分析しただけで放置せず、四半期に1回程度は最新の受注データで分析を更新することを推奨します。
楽天市場の併売分析まとめ
楽天市場で客単価を改善するためには、「感覚」ではなく「データ」に基づいたクロスセル戦略が不可欠です。併売分析は、受注データとExcelのピボットテーブルがあれば実施できるシンプルな手法でありながら、施策の精度を大きく高めてくれます。
今回の記事のポイントを整理します。
- 併売分析とは、同一注文内で一緒に買われている商品の組み合わせをデータで可視化する手法
- 楽天RMSから受注データをダウンロードし、Excelのピボットテーブルで集計すれば、特別なツールなしで実践可能
- 分析結果はセット商品企画・同梱チラシ・商品ページ改善・メルマガ配信の4つの施策に直結する
- 分析期間は3〜6ヶ月が目安。定期的にデータを更新し、最新のトレンドを反映させることが重要
- 併売回数だけでなく併売率も確認し、活用目的を明確にしてから分析に取り組む
データに基づいたクロスセル施策は、一度仕組みを作ってしまえば継続的に活用できる資産になります。まずは自社の主力商品から、併売分析を始めてみてください。
「客単価を上げたいが、どの商品をセットにすればいいか分からない」「併売分析に興味はあるが、自社でやるリソースがない」「何から改善すればいいか分からない」「やりたいことはあるが手が回らず困っている」
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