楽天市場の初回限定クーポンで新規獲得を促進|利用率約30%を実現した効果検証事例

楽天市場新規限定クーポン効果検証
Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

慶応義塾大学を卒業後、楽天グループ株式会社に入社。ECコンサルタントとして、ショップオブザイヤー受賞店舗を含むのべ700店舗以上を支援。その後、小売業を中心に経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、EC戦略策定・実行支援など)し、株式会社Proteinum(プロテーナム)を創業。
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。

楽天市場で「新規顧客がなかなか増えない」「クーポンを出しているのに思ったほど使われない」と感じていませんか?クーポン施策は楽天市場における代表的な販促手法ですが、割引率やターゲット設定によって効果は大きく変わります。この記事は、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が、初回限定クーポンの効果検証事例をもとに、新規顧客獲得に効くクーポン設計のポイントを解説します。自社のクーポン施策を見直すきっかけとして、ぜひ参考にしてください。

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楽天市場のクーポン施策、「なんとなく発行」していませんか?

楽天市場ではさまざまなクーポン機能が用意されており、多くの店舗が販促施策として活用しています。しかし、「お買い物マラソンのたびに10%OFFクーポンを出している」「とりあえず割引率を設定して配布している」といった運用になっていないでしょうか。

クーポン施策で成果を出すためには、誰に・どんな条件で・どのタイミングで届けるかを明確に設計することが重要です。特に「新規顧客の獲得」を目的とする場合、既存顧客向けのクーポンとは異なるアプローチが求められます。

新規のお客様にとっては、初めて購入するブランドや商品に対する心理的なハードルがあります。そのハードルを下げるための「初回限定クーポン」は、正しく設計すれば非常に有効な施策です。今回ご紹介する事例では、初回限定の割引率を通常のイベントクーポンより高めに設定したことで、利用率に明確な差が生まれました。

楽天市場で使えるクーポンの種類と特徴を整理

楽天市場で使えるクーポンの種類と特徴を整理

初回限定クーポンの効果を理解するために、まずは楽天市場で活用できる主なクーポンの種類を整理しておきましょう。

クーポン種別主な目的配布方法設定の自由度
配布型クーポン(RaCoupon)新規獲得・CVR向上店舗が任意で発行高い(割引率・条件・期間を自由に設定)
サンキュークーポンリピート購入の促進購入後に自動配布中程度(タイミング・割引率を設定可)
クーポンアドバンス広告ターゲティング配信楽天の購買データに基づく広告配信高い(商品・CPC・割引率を設定可)
レビュー投稿特典クーポンレビュー促進・リピートレビュー投稿後に自動配布低め(割引率の設定が中心)

配布型クーポンは、店舗が自由に割引率や利用条件を設定して発行できるクーポンです。商品ページや検索結果に「クーポン利用可」の表示が出るため、新規ユーザーの目に留まりやすいのが特徴です。初回限定クーポンも、この配布型クーポンの仕組みを使って設定できます。

サンキュークーポンは、購入後のお客様に自動的に配布されるクーポンで、主にリピート購入の促進が目的です。

クーポンアドバンス広告は、楽天の購買・閲覧データをもとにターゲティング配信される広告型クーポンで、クリック課金型のため費用対効果を管理しやすい反面、広告費が別途発生します。

レビュー投稿特典クーポンは、レビューを書いてくれたお客様に対して割引クーポンを発行する仕組みです。

このように目的ごとに使い分けができるのが楽天市場のクーポン施策の強みですが、「新規顧客獲得」に特化して設計しているケースは意外と少ないのが実情です。

【事例紹介】初回限定15%OFFクーポンで利用率約30%を達成

【事例紹介】初回限定15%OFFクーポンで利用率約30%を達成

ここからは、弊社が支援したある健康食品ジャンルの店舗様における、初回限定クーポンの効果検証事例をご紹介します。

  • 施策の背景・課題
  • 実施したクーポン施策の内容
  • 検証結果:各クーポンの利用率比較

施策の背景・課題

この店舗様では、楽天市場のお買い物マラソンなどのイベント時に10%OFFの配布型クーポンを定期的に発行していました。クーポン自体は一定の利用実績がありましたが、利用者の多くが既存のリピーターであり、新規顧客の獲得が思うように進んでいないという課題を抱えていました。

また、競合店舗も同様にイベント時のクーポン発行を行っているため、10%OFFでは差別化が難しい状況になりつつありました。そこで、新規のお客様に限定した、通常よりも高い割引率のクーポンを発行し、初回購入のハードルを積極的に下げる施策を検討しました。新規の顧客に限定することで本来クーポンがなくても購入するはずだった層を避けて新規獲得する狙いです。

実施したクーポン施策の内容

施策の概要は以下のとおりです。従来のイベント連動型クーポンとの違いが分かるように、設計の比較を表にまとめました。

設計項目従来のイベント連動型クーポン今回の初回限定クーポン
クーポン種別配布型クーポン配布型クーポン(初回購入者限定)
割引率10%OFF15%OFF
利用条件条件なし条件なし
配布期間イベント期間中のみ(5〜7日間)約1か月間(常時配布)
主なターゲット全ユーザー(新規・既存問わず)新規顧客に限定

ポイントは、通常のイベントクーポン(10%OFF)よりも5ポイント高い割引率を設定したこと、そしてイベントのタイミングに縛られず常時発行とした点です。初めて店舗を訪れたユーザーがいつ来ても「初回限定のお得なクーポンがある」と認識できる状態を作りました。

検証結果:各クーポンの利用率比較

初回限定15%OFFクーポンを含む、同時期に運用していた複数のクーポンの利用率を比較した結果が以下です。

クーポン種別割引内容利用率
イベント連動型クーポン(お買い物マラソン等)10%OFF約14〜21%
初回限定クーポン15%OFF約30%
予約限定クーポン30%OFF約20%
LINE友だち登録特典クーポン500円OFF約25%
レビュー投稿御礼クーポン10%OFF約60%

初回限定15%OFFクーポンの利用率は約30%となり、定期的に発行しているイベント連動型の10%OFFクーポン(利用率14〜21%程度)を上回りました。

特に注目すべきは、同じ「率引き」であるイベントクーポン(10%OFF)と比較して、わずか5ポイントの割引率アップで利用率に約8〜15ポイントの差が生まれた点です。10%OFFクーポンの中で最も高い利用率のものと比べても約8ポイントの差があり、初回購入という心理的なハードルを超えるためには、10%から15%への引き上げが意味のある差になり得ることが示唆されます。

一方で、レビュー投稿御礼クーポン(利用率約60%)が最も高い数値を示していますが、これは「すでに購入・レビュー投稿を完了したお客様」が対象であるため、購入意欲の高いユーザー層に配布されており、あくまで参考値として理解してください。

初回限定クーポンの効果を高めるための応用ポイント

初回限定クーポンの効果を高めるための応用ポイント

この事例から読み取れるポイントを整理し、自社の施策に応用するためのアドバイスをまとめます。

  • ポイント1:割引率は「10%以上」を目安に設計する
  • ポイント2:イベント期間に限定せず「常時発行」を検討する
  • ポイント3:利用条件はできるだけシンプルに

ポイント1:割引率は「10%以上」を目安に設計する

今回の事例では、イベント時の10%OFFに対して15%OFFを設定しました。楽天市場全体として、10%程度の割引率を設定するケースが多いため、10%以上の割引率を設定すると、新規ユーザーに「今がチャンス」という印象を与えられます。

ただし、割引率を上げすぎると利益を圧迫するため、粗利率とのバランスを見ながら設定することが重要です。

ポイント2:イベント期間に限定せず「常時発行」を検討する

楽天市場のクーポンはお買い物マラソンやスーパーSALEに合わせて発行するのが一般的ですが、初回限定クーポンについてはイベント外の通常期間にも常時配布しておくことで、日常的にアクセスしてきた新規ユーザーの取りこぼしを防げます。

イベント時はポイント還元やDEALなどの施策が重なるため、クーポンの存在が埋もれがちです。むしろ通常期間にこそ「初回15%OFF」の訴求力が発揮されるケースもあります。

ポイント3:利用条件はできるだけシンプルに

今回の事例では「利用条件なし」で設定していました。「〇〇円以上で利用可」などの金額条件を付けると、客単価の底上げには有効ですが、初回購入のハードルを下げるという目的とは相反する場合があります。

新規顧客獲得を最優先にする場合は、まず条件なしで広くクーポンを利用してもらい、2回目以降の購入ではサンキュークーポンや条件付きクーポンで客単価アップを狙う、という段階的な設計がおすすめです。

以上の3つのポイントをまとめると、次のようになります。

ポイント推奨する設計期待できる効果
割引率の設定10%OFF以上「初回限定」の特別感が生まれ、利用率が向上
配布期間イベントに限定せず常時配布通常期の新規ユーザーの取りこぼしを防止
利用条件金額条件なし(シンプルに)初回購入のハードルを最小化

クーポン施策でよくある失敗パターンと注意点

クーポン施策でよくある失敗パターンと注意点

クーポンは手軽に始められる施策だからこそ、いくつかの落とし穴があります。よくある失敗パターンを事前に把握しておきましょう。

  • 失敗1:割引率だけ上げて、目的・ターゲットが曖昧
  • 失敗2:複数クーポンの併用ルールを把握していない
  • 失敗3:効果検証をせずに「なんとなく継続」
  • 失敗4:クーポンの存在がユーザーに伝わっていない

失敗1:割引率だけ上げて、目的・ターゲットが曖昧

「売上を上げたいから割引率を高くする」というだけでは、利益を削るだけの結果になりかねません。そのクーポンが新規向けなのか、リピーター向けなのか、客単価アップ目的なのかを明確にした上で、割引率・利用条件・配布対象を設計しましょう。

失敗2:複数クーポンの併用ルールを把握していない

楽天市場のクーポンには「併用可」「併用不可」の設定があります。複数のクーポンを同時に発行している場合、意図しない併用によって想定以上の割引が適用されてしまうケースがあります。特に、1回の決済で複数商品を購入した場合のクーポン適用範囲は事前に確認しておく必要があります。

失敗3:効果検証をせずに「なんとなく継続」

クーポンの利用率や、クーポン経由での新規・リピートの比率、客単価への影響などを定期的に検証していないと、効果のない施策を続けてしまいがちです。クーポンの種類ごとに利用率を比較する習慣をつけることで、次の施策の改善点が見えてきます。今回ご紹介した事例のように、複数のクーポンを並行運用して利用率を比較するのは、効果検証の第一歩として非常に有効です。

失敗4:クーポンの存在がユーザーに伝わっていない

せっかくクーポンを発行しても、商品ページやバナーで訴求していなければ気づかれません。特に初回限定クーポンは、商品ページの目立つ位置にバナーを設置したり、LINEやメルマガでの告知と組み合わせたりすることで、獲得枚数(=認知数)を増やすことが大切です。

楽天市場新規限定クーポン検証まとめ

今回は、楽天市場における初回限定クーポンの効果検証事例をご紹介しました。ポイントを振り返ります。

初回限定15%OFFクーポンは、通常のイベント連動型10%OFFクーポンと比較して利用率が約8〜15ポイント高く、新規顧客獲得の施策として有効な結果が出ました。効果を最大化するためには、「通常クーポン+5%程度の割引率設定」「イベント外の常時配布」「利用条件のシンプル化」の3点を意識することが重要です。

クーポン施策は手軽に始められる反面、目的やターゲットが曖昧なまま運用すると効果が見えにくくなります。まずは自社の既存クーポンの利用率を把握し、新規向けの施策として初回限定クーポンの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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