Amazonおすすめタイムセールで売上1.5倍|競合ターゲティング広告とCVR改善事例


株式会社Proteinum ECコンサルタントマネージャー
Amazonで広告を配信していて、「広告枠には表示されているのに、なかなか購入につながらない」「セールを実施しても、値引き分だけ利益が削られている気がする」と感じたことはないでしょうか。実は、おすすめタイムセールは“いつ実施するか”と“広告との掛け合わせ方”次第で、成果が大きく変わる施策です。この記事は、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が、Amazonのおすすめタイムセールを活用して店舗売上を約1.5倍に伸ばした事例をもとに解説します。自社で再現するための考え方が分かる内容です。
Contents
Amazonの売上が伸び悩むとき、見落としがちな「セールのタイミング」
Amazonで売上を伸ばそうとすると、多くの店舗様はまず「割引率をどうするか」「広告予算をいくらにするか」を考えます。もちろんどちらも大切ですが、同じ割引率・同じ広告費でも成果が大きく変わる要素があります。それが、セールを実施する「タイミング」と、広告との「掛け合わせ方」です。
たとえば、大型セールの真っ最中はライバルも一斉に値引きをするため、自社の割引は価格競争に埋もれてしまいがちです。反対に、競合が値引きを止めているタイミングであれば、同じ20%OFFでも一覧の中で際立ち、購入につながりやすくなると考えられます。
この記事では、こうした「タイミング」と「広告の掛け合わせ」を意識した結果、店舗売上を約1.5倍に伸ばした事例をご紹介します。広告を配信しても購入につながりにくいと感じている方は、自社の施策を見直すヒントとしてご覧ください。
Amazonおすすめタイムセールとは?他の販促との「見え方」の違い
おすすめタイムセールは、Amazon上で一定期間、商品を割引価格で販売できる販促メニューのひとつです。Amazonにはこのほかにも、価格割引、ポイント変倍、クーポン、プロモーションなど複数の販促手段があり、それぞれ商品一覧での「見え方」が異なります。
ここでまず、本記事で登場する用語を簡単に整理しておきます。
- ASIN:Amazonが商品ごとに割り当てる識別番号です。広告で「競合ASIN指定」という場合、特定の競合商品ページに自社広告を表示することを指します。
- スポンサープロダクト広告:検索結果や商品ページに表示される、検索連動型の広告です。ユーザーの検索や閲覧行動に応じて配信されます。
- CVR(転換率):アクセスのうち、購入に至った割合です。
- CTR(クリック率):広告が表示された回数のうち、クリックされた割合です。
- ROAS:広告費に対して何倍の売上が得られたかを示す指標です。
販促タイプごとの見え方を比べると、おすすめタイムセールの特徴がよく分かります。
| 販促タイプ | 商品一覧での主な見え方 |
|---|---|
| おすすめタイムセール | セールラベル・割引率・割引後価格をすべて表示 |
| 価格割引 | 割引率の表示が中心 |
| ポイント変倍 | 付与ポイントの表示が中心 |
| クーポン | 「○%OFFクーポン」を表示 |
| プロモーション | 「○%OFF」を表示 |
| Amazonおすすめ・ベストセラー | バッジ表示(価格訴求ではない) |
注目したいのは、おすすめタイムセールがセールラベル・割引率・割引後価格の3点をまとめて表示できる点です。価格の安さが一目で伝わるため、他の商品と並んだときに目立ちやすくなります。特に、他社が販促を実施していないタイミングでは、この「見え方の強さ」が効果につながりやすいと考えられます。
【事例】おすすめタイムセール×競合ASIN広告で店舗売上を約1.5倍に

ここからは、食品・健康食品ジャンルのAmazon店舗様の事例をご紹介します。なお、各表の数値は匿名化のため、傾向が分かる範囲で丸めて記載しています。
改善前の状況:広告枠に表示されても競合に流れていた
この店舗様は、通常時からスポンサープロダクト広告を配信していました。しかし、広告枠に表示されても他社商品に流れてしまい、売上やROASが思うように伸びないという課題を抱えていました。
特に、競合商品ページに自社広告を表示する「競合ASIN指定」のキャンペーンは、通常週の段階ではCVRが約2.5%、ROASは約1.8倍と低調で、売上件数も数件程度にとどまっていました。表示はされていても、価格やページの見せ方で競合に見劣りし、選ばれていなかったと考えられます。
実施した施策:競合が値引きしない週(ブラックフライデー直後)に20%OFFを集中投下

そこで実施したのが、次の2つを組み合わせた施策です。
- 大型セールの翌週に、主力商品でおすすめタイムセール(20%OFF)を1週間実施:ブラックフライデーのような大型セールの直後は、競合が一旦値引きを止めることが多いと考えられます。あえてこのタイミングを狙うことで、自社だけが値引きをしている状態をつくりました。
- 同時に、競合ASIN指定のスポンサープロダクト広告を配信強化:価格優位の状態で競合商品ページに自社広告を表示し、比較された際に選ばれやすい状況を意図的につくりました。
狙いは、「自社だけが安い」状態を、広告の力で競合の商品ページ上にまで届けることでした。
改善後の成果:競合ASIN広告のCVRが約3倍、店舗売上は約1.5倍に

まず、店舗全体の変化です。
| 指標 | 通常週 | 施策週 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 店舗売上 | 330万円 | 490万円 | +約49%(約1.5倍) |
| アクセス人数 | 8,400人 | 17,600人 | +約110%(約2.1倍) |
| 売上件数 | 430件 | 800件 | +約86%(約1.9倍) |
| 転換率(CVR) | 5.1% | 4.5% | −約0.6pt |
| 客単価 | 7,700円 | 6,200円 | −約20% |
店舗売上は通常週の約1.5倍に伸びました。伸びをけん引したのは、アクセス人数が約2.1倍に増えたことと、売上件数が約86%増えたことです。
一方で、値引きを行ったぶん客単価は約20%下がり、店舗全体の転換率もわずかに低下しています。これは、流入が大きく増えたことや、割引をきっかけにした購入が増えたことが影響したと考えられます。ただし、件数の伸びがこれらを上回ったため、売上全体としては大きく増加しました。値引き施策では、客単価の低下を件数で補えるかどうかが一つの分かれ目になります。
次に、スポンサープロダクト広告全体の変化です。
| 指標 | 通常週 | 施策週 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 広告費 | 25万円 | 42万円 | +約67%(約1.7倍) |
| 広告経由売上 | 99万円 | 173万円 | +約75%(約1.7倍) |
| ROAS | 4.0倍 | 4.2倍 | 維持(微増) |
ここで重要なのは、広告費を約1.7倍に増やしてもROASが約4倍を維持できている点です。広告費を増やすとROASは下がりやすいものですが、価格優位によって広告の費用対効果が保たれたため、効率を落とさずに配信量を拡大できました。
そして、今回のポイントとなった競合ASIN指定キャンペーン単体の変化が、次の通りです。

| 指標 | 前回(通常週) | 今回(施策週) | 変化 |
|---|---|---|---|
| 広告費 | 1.2万円 | 14万円 | 約12倍 |
| 広告経由売上 | 2.1万円 | 64万円 | 約31倍 |
| 表示回数 | 3万回 | 26万回 | 約8.7倍 |
| クリック数 | 120 | 1,500 | 大幅に増加 |
| CTR | 0.4% | 0.6% | +約0.2pt |
| CVR | 2.5% | 7.4% | 約3倍(+約4.9pt) |
| 売上件数 | 3件 | 110件 | 大幅に増加 |
| ROAS | 1.8倍 | 4.7倍 | 約2.6倍 |
競合商品ページ上で自社だけが値引きをしている状態になったことで、価格を比較したユーザーに選ばれやすくなりました。その結果、CTRが改善しただけでなく、CVRが約2.5%から約7.4%へと約3倍に伸び、ROASも約1.8倍から約4.7倍へと大きく改善しています。同じ広告枠でも、価格優位があると成果が変わることがはっきりと表れた結果です。
事例から学べる、Amazonおすすめタイムセールを活かす3つのポイント
スポンサープロダクト広告のCVR改善については、以下の動画でも具体的に解説しています。あわせてご覧ください。
ポイント1:競合が動かない「タイミング」を狙う
同じ割引率でも、競合が一斉に値引きをしている時期と、競合が値引きを止めている時期とでは、相対的な見え方が変わります。大型セールの直後など、ライバルが動きにくいタイミングを意識すると、自社の割引が際立ちやすくなると考えられます。商品カレンダーを組むときは、割引率だけでなく「いつ実施するか」も検討してみてください。
ポイント2:見え方が強い販促タイプを選ぶ
販促タイプによって、商品一覧での見え方は大きく異なります。価格の安さを訴求したい場面では、ラベル・割引率・割引後価格をまとめて表示できるおすすめタイムセールのような、見え方の強い販促が向いていると考えられます。「どれだけ値引くか」と同じくらい、「ユーザーにどう見えるか」を意識することが大切です。
ポイント3:競合ASIN指定広告と掛け合わせ、ROASを保って配信量を伸ばす
価格優位を作れたら、その強みを競合の商品ページにまで届けるのが競合ASIN指定広告です。今回の事例では、価格優位があったからこそ、広告費を約1.7倍に増やしてもROASを落とさずに済みました。広告は「ROASを保てる範囲でどこまで配信量を伸ばせるか」という視点で運用すると、売上の最大化につながりやすくなります。
おすすめタイムセール活用でよくある失敗・注意点
効果的な施策ですが、進め方を誤ると逆効果になることもあります。事前に押さえておきたい注意点を整理します。
- 利益設計をせずに値引きをする:値引きは客単価を下げ、粗利を圧迫します。今回の事例でも客単価は約20%低下しました。値引き後でも利益が残るか、件数増で補えるかを事前に試算しておくことが重要です。
- タイミングを外す:競合も大型セール中など、周囲が一斉に値引きしている時期は価格優位が出にくく、効果が限定的になりやすいと考えられます。
- 競合ASIN指定広告を闇雲に広げる:競合商品ページへの広告は、入札競争でCPC(クリック単価)が高騰しやすい面があります。価格優位など、勝てる根拠がある商品・期間に絞ることをおすすめします。
- ROASだけを追って配信量を絞りすぎる:ROASは高ければ良いというわけではありません。今回のポイントは「ROASを保ちながら配信量を増やした」ことにあります。効率と量のバランスを意識しましょう。
- 在庫・出荷体制の確認を怠る:売上件数が一気に増えるため、在庫切れや出荷遅延が起きると機会損失や評価低下につながります。
まとめ:Amazonおすすめタイムセールは「掛け合わせ」で効く
今回の事例から見えてきたのは、おすすめタイムセールは単体ではなく、「タイミング」と「広告」との掛け合わせで効果が高まるということです。要点を整理します。
- 競合が値引きを止めているタイミングを狙うことで、同じ割引率でも見え方が際立つ
- おすすめタイムセールは、ラベル・割引率・割引後価格をまとめて表示でき、一覧で目立ちやすい
- 価格優位の状態で競合ASIN指定広告を強化したことで、競合ASIN指定キャンペーンのCVRは約3倍、ROASは約2.6倍に改善
- 広告費を約1.7倍に増やしてもROASは約4倍を維持し、店舗売上は約1.5倍に伸びた
一方で、値引きによる客単価の低下や、利益設計・在庫管理といった注意点もあります。割引率や広告予算だけでなく、「いつ・どの見せ方で・どの広告と組み合わせるか」という視点で施策を設計することが、成果を伸ばす近道になります。
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