楽天出身者が解説|楽天市場の新規出店方法の流れと出店料

日本国内のECサイトの中では、最大級の規模を誇る「楽天市場」。

これからECビジネスを始めようとしている人は、楽天市場への出店は必ずと言っていいほど候補に入れていることでしょう。

今回は、3大ネットショップの一つであり、利用回数が国内1位でもある「楽天市場」について詳しく掘り下げていきたいと思います。
楽天市場への出店がまだの方は、ぜひこの機会に新規出店のご検討をしていただければと思います。

これから新たに楽天市場に出店を考えている方や、既に出店はしているが制作面で悩んでいる、という方に向けて、失敗しないための制作会社の選び方や成果を最大化するためのポイントについて解説しています。

1.楽天市場とは?どんなECサイト?

1-1.楽天市場の特徴とビジネスモデル

楽天市場は、日本生まれの出店型ECモールです。
世界的な知名度は低いものの、日本ではプロ野球球団を持っていることもあり
認知度は相当な高さになっています。
また、楽天経済圏として銀行や証券会社などのサービスも行っています。
日本における3大ネットショップの1つ、Amazonは出品者が「商品を出品する」という出品型モールであり、商品ページのフォーマットもある程度決まっています。
出品者ごとの「個性」を出すことは難しく、いわばネット上の総合スーパーと言えるでしょう。
販売されている商品のほとんどは、Amazonが管理しています。
Amazonはさまざまな商品を出品、もしくは販売することで利益をあげています。
一方、楽天市場であれば、各ショップがお店を構える「出店型」のモール形式です。
出店者は楽天市場に実店舗で言うところの「テナント料」を支払うことで、自分たちのお店を出すことが可能です。
詳細な商品説明や、店舗の店長オススメポイントなど、リアルな店舗運営同様に、楽天というモール内に出店することができるのです。
まさにネット上にあるショッピングモールのイメージです。
楽天市場の主な収益源は、出店企業からの手数料やシステム手数料、広告費で成り立っています。

1-2.楽天市場に出店するメリット

まず一番の強みは「圧倒的な集客力」です。
楽天会員のID数は、1億人超と他のショッピングモールに比べても群を抜いて多く、
そのため圧倒的な集客力とそれに伴う大きな売上げが期待できます。
大規模のセールやキャンペーンの定期開催を行なっており、楽天市場というモール全体へのリピーター獲得につなげています。
前述の通り楽天市場は、「出店」型モールなので、独自の商品ページを作ることで出店者の個性を出すことが可能なので、よりユーザーに商品の良さを訴求することができます。
そんな楽天市場に特に向いているショップの業種としては、「アパレル系」や「生活雑貨」、「美容・コスメ系」など、そのお店ならではのアイテムを売りとしているような業種です。
いわゆる型番商品ではなく、店舗オリジナル商品や他にはない掘り出し物のような唯一無二のアイテムを求めているユーザーにとっては、楽天市場は非常にささりやすいECモールです。
自社商品のブランディングを強化したい、オリジナル商品で勝負したい、訴求にこだわりたい方はぜひ「楽天市場」を利用することをご検討ください。

画像引用元:楽天出店案内

1-3.楽天市場に出店するデメリット

  • 競争相手が多い
  • 出店にかかる費用が高い

色々ありますが、やはり上記がショップ運営者から多く聞かれます。

楽天市場の出店店舗数は、2024年時点で6万店舗にも迫ろうとしており、競争するライバルが多いことがデメリットとしてあげられます。
特にいわゆる型番商品の場合、まったく同じものが他社からも出品されている可能性が高く、多くの出品者の中から自社を選んでもらうためには、大幅なポイント付与や値引き戦略などが必要になってきます。
また、「費用面」へのコメントも多く聞きます。
「固定費用が割高。」「そもそもの初期費用が他モールと比較して割高。」「ユーザーからアクセスしてもらうように広告費やポイント費用などコストが必要となるため、初期投資費用の回収するまでは一定期間が必要」など。

モールでの販売ですと販促費をかけて販売を伸ばし、検索順位をあげていかないと他社との同一・類似商材にどうしても埋もれてしまいます。
販促コストは最小限に抑えくとも実際はなかなかコントロールが難しいと感じている出店者様も多いようです。

売上げをたてられる注力商品を選定し、勝ちにいけるような運用を確立していけるかどうかがポイントになります。

2.楽天市場の出店プランと費用について

楽天市場には、月額出店料(固定費)が割安の「がんばれ!プラン」と、ランニングコストが割安の「スタンダードプラン」、さらに登録可能商品数や画像容量が無制限の「メガショッププラン」の3つの出店プランがあります。
(※2024年11月確認)

ちなみに、出店プラン選択の基準は「月商178万円」です。
それ以外に商品数が10,000を超える、画像容量が1.5GBを超えるようであればスタンダードプランを選択するようにしましょう。

2-1.楽天市場出店プラン

がんばれ!プランスタンダードプランメガショッププラン
こんな方におすすめネットショップ運営のご経験が少ない
事業者様におすすめ!
目標月商が約178万円以上の
事業者様におすすめ!
商品数や画像量が多く必要な
事業者様におすすめ!
月額出店料(税別)25,000円/月額
年間一括払
65,000円/月額
半年ごとの2回分割払
130,000円/月額
半年ごとの2回分割払
契約期間1年1年1年
登録可能商品数10,000商品まで50,000商品まで無制限※
画像容量1.5GBまで100GBまで無制限
システム利用料パソコン 3.5%~6.5%
モバイル 4.0%~7.0%
パソコン 2.0%~4.0%
モバイル 2.5%~4.5%
パソコン 2.0%~4.0%
モバイル 2.5%~4.5%
メガショッププランの「登録可能商品数」と「画像容量」は無制限ですが、それぞれの初期値は200,000商品と100GBです。上限変更をご希望の場合は、いずれもその都度、商品数・容量アップの申請が必要になります。

2-2.システム利用料金

全プラン共通料金で以下のシステム利用料金がかかります。

楽天ポイント楽天会員の購入代金(税抜)×付与率(通常1.0%)
楽天スーパーアフィリエイトアフィリエイト経由売上の2.6~5.2%
モールにおける取引の安全性・利便性
向上のためのシステム利用料
月間売上高の0.1%
R-Messe月額固定費(税別)
がんばれ!プラン:3,000円
スタンダードプラン・メガショッププラン:5,000円
楽天ペイ利用料月間決済高の2.5%~3.5%
※無料期間中(終了時期未定)です。

2-3.初回出店料

2-1に含まれている項目もありますが、新規契約時には初回出店料として以下の料金がかかります。

がんばれ!プランスタンダードプランメガショッププラン
初期登録費用60,000円60,000円60,000円
月額出店料(税別)25,000円×12ヶ月分=300,000円
※年間一括払
65,000円×6ヶ月分=390,000円
※6ヶ月ごと2回払
130,000×6ヶ月分=780,000円
※6ヶ月ごと2回払
初回支払金額合計(税別)360,000円450,000円840,000

2-4.料金シミュレーション【月商50万円】

楽天市場において月商50万円の店舗にかかる月額料金を楽天ツールにて算出してみました。
以下の条件になります。
※費用試算結果は、入力項目に応じて計算される概算値であり、実際のご請求額をお約束するものではございません。あくまで目安としてご利用ください。

  • 目標とする月商:50万円
  • 予想される客単価:~3,000円
  • 取扱予定の商品ジャンル:ファッション
がんばれ!プランスタンダードプランメガショッププラン
月額出店料25,000円65,000円130,000円
システム利用料(パソコン)6,662円4,100円4,100円
システム利用料(モバイル)27,825円17,888円17,888円
楽天ポイント4,750円4,750円4,750円
楽天スーパーアフィリエイト3,900円3,900円3,900円
モールにおける取引の安全性・利便性
向上のためのシステム利用料
500円500円500円
R-Messe※3,000円5,000円5,000円
楽天ペイ利用料17,500円17,500円17,500円
合計89,137円118,638円183,638円
※無料期間中(終了時期未定)です。

参照: https://www.rakuten.co.jp/ec/plan/cost_simulation/

2-5.料金シミュレーション【月商500万円】

  • 目標とする月商:50万円
  • 予想される客単価:~3,000円
  • 取扱予定の商品ジャンル:ファッション
がんばれ!プランスタンダードプランメガショッププラン
月額出店料25,000円65,000円130,000円
システム利用料(パソコン)63,875円40,750円40,750円
システム利用料(モバイル)246,000円147,175円147,175円
楽天ポイント47,500円47,500円47,500円
楽天スーパーアフィリエイト39,000円39,000円39,000円
モールにおける取引の安全性・利便性
向上のためのシステム利用料
5,000円5,000円5,000円
R-Messe※3,000円5,000円5,000円
楽天ペイ利用料169,000円169,000円169,000円
合計598,375円518,425円583,425円
※無料期間中(終了時期未定)です。

参照: https://www.rakuten.co.jp/ec/plan/cost_simulation/

3.楽天市場出店の流れ・申込から開店まで

楽天市場では、出店の検討や店舗内の初期設定、出店後の店舗運用までECCと呼ばれる専任のコンサルタントがサポートしてくれます。
実際の楽天市場の開店について、具体的な手順は以下の通りです。

  1. 出店申込
  2. 開店準備を行い、開店前審査を受ける
  3. 開店

3-1.出店申込

楽天市場のWEBサイトから出店を申し込みします。
会社の情報や運営責任者名、商品ジャンルなどを入力します。

3-2.開店準備と開店前審査

ショップ側での開店準備ができたら、オープン前の審査を受けます。
店舗運営ルール検定試験を受験して楽天市場から規定された条件でショップが構築されていることの確認を受けます。
手間に感じるかもしれませんが、この規定があるためユーザーからの信頼性が高いモールとなっており、楽天市場全体、ひいては出店者のお店の売上アップにもつながってくるのです。

3-3.店舗開店、運用開始

審査に通過できなかった場合は、修正して再度審査を受けることになります。
審査に合格すれば、楽天市場にショップを無事オープンすることとなります。

4.楽天市場への出店審査について

楽天市場の開店前審査では以下の書類提出が必要になります。
(最初はwebページより、最終的には原本提出)

  • 出店申込書
  • 審査書類

その他ご用意いただくもの

  • 取扱予定商材の販売にあたって必要な営業許可・資格等の書類(古物取扱、酒類販売、食品営業、医薬品販売等)
  • 商材の写真
  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)をご提出いただく場合がございます。

※個人事業主の方は以下も用意

  • 住民票・印鑑証明書(共に契約開始日より3ヶ月以内に発行されたもの)
  • 実店舗の写真

参照:出店審査や取扱商材に関する注意事項

5.楽天市場の取扱商材注意事項

5-1.禁止商材

楽天市場では以下商品の登録、提供(景品・お試し品等として提供することも含む)することおよびその旨を表示することは禁止されています。

  • 法令で販売・所持が規制されているもの(例:銃砲類、銃弾、刀剣類)
  • 公序良俗、モラルに反するもの(例:危険ドラッグ、合法ドラッグ、脱法ハーブ)
  • 商品に関する契約等で譲渡・転売が禁止されているもの(例:預貯金または証券の口座、預貯金通帳、クレジットカード、キャッシュカード、ローンカード)
  • 悪用されるおそれのあるもの(例:免許証、パスポート、健康保険証)
  • 青少年の保護育成上好ましくないもの(例:児童ポルノ作品)
  • 危険なもの(例:爆発物、危険物)
  • 他人の権利・利益を侵害する可能性のあるもの(例:偽ブランド品、真正のブランド品であると証明できない商品)
  • その他楽天市場が不適切と判断したもの(例:「消費期限」の切れた食品)

参照:取扱禁止商材・禁止行為ガイドライン(要RMSログイン)

5-2.事前に審査が必要となる商品

「お取扱いに事前審査が必要な商材に関するガイドライン」で定められた商材は、取扱いに際し事前審査が必要になります。
取扱い許可が出ていない状態で、それらを楽天市場で商品登録、提供(景品・お試し品等として提供することも含む)することおよびその旨を表示することは禁止されています。

  • 医薬品、医薬部外品、医療機器、化粧品
  • 動物用医薬品、動物用医薬部外品
  • 健康食品
  • 製造・販売にあたって行政機関からの許可・届出が必要となる食品
  • おせち料理セット
  • 酒類
  • たばこ
    ※海外からのおみやげたばこを含みます
  • ブランド品
  • ブランドノベルティ品
    ※企業が自社や自社商品の宣伝等の目的で、自社の企業名やブランド名称を入れて無料配布する商品
  • 中古品
    ※中古ゲームソフト、ブランドリサイクル品、中古車を含みます
  • 生体
  • PCソフトウェア
  • 不動産
  • ペットフード 等々

上記以外にも事前審査が必要な商材はございます。詳細は以下楽天市場内のマニュアルをご確認ください。

参照:出店審査や取扱商材に関する注意事項

出店後の運用や制作の困りごとについての記事もご覧ください。

6.楽天市場への出店についてまとめ

楽天市場では2014年に「品質向上委員会」を設立され、どこよりも安心・安全なECモールを目指し、お店や商品の品質を守るためにさまざまな対策をおこなっているため、他ECモールに比べ、出店審査は厳しくなっていると言えるでしょう。

「模造品対策」もそのひとつで、模造品の疑いがある商品については、ブランドの権利者や団体等に協力を依頼し、調査を実施しています。
ルールに違反している店舗を見つけた際には、その店舗のサービス停止や出店契約解除等のペナルティが与えられます。
これらの対策によって、楽天市場ユーザーがさらに安心して買い物を楽しめるようになり、楽天市場全体、ひいては出店者のお店の売上アップにもつながってくるのです。

手間に感じる部分も多いと思いますが、一度楽天市場の出店審査に通ってしまえば、その「圧倒的な集客力」の強さを販売に活用することができるので、他社のECモールでは実現できないロケットスタートに繋がります。
Proteinumは楽天市場での支援実績多数です。ぜひお気軽にお問合せください。

Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

大学卒業後、楽天株式会社に入社。 初期配属は東北エリアグループにて、牛タンやりんごなどの東北の名産品の販売支援に従事。 その他、アパレル業界を専門として、大手企業を中心に各種ECコンサルティング活動に従事 (のべ担当店舗数700以上)。楽天を卒業後、経営コンサルタントの道へ進み、小売企業を中心に様々な業界において経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、実行支援、EC戦略策定等)その後、株式会社Proteinumを創業。”EC業界にとってなくてはならない存在に”をミッションに、現在は自社ブランドの立ち上げとクライアントのEC事業の支援に従事。

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