楽天市場の売上が上がらないのはなぜ?初心者でもわかる明確な理由と改善方法を解説

この記事では、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が、楽天の売上が上がらないときの主な理由と改善方法について解説します。

【結論】楽天市場の売上が上がらない原因とは?

楽天市場で売上が思うように伸びない理由は、突き詰めると次の3つに集約されます。

  • 検索対策(SEO)が弱く、お客様に見つけてもらえていない
  • 商品ページの訴求が不足しており、購入につながる情報が不足している
  • 競合店舗に比べて魅力が弱く、比較された際に選ばれにくい

多くの店舗が「広告を出しても売れない」という悩みに直面しますが、その根本原因は広告ではなく“土台”が整っていないことにあります。
楽天市場はモール型のため、「見つかる」→「興味を持たれる」→「選ばれる」という3段階ができて初めて売れます。もし売れていない場合、このどこかに原因があります。

この記事では売上が伸びない原因について、より具体的な詳細をお伝えいたしますので、ぜひ最後までご覧ください。

【記事の対象となる方】

  • ずっと商品として販売しているが、売れていない商品があり、どうにか売れるようにしたい方
  • 売れると思って販売を始めた商品がほとんど売れていない商品がある方
  • 一部の商品で売上は立っているものの、それ以外の商品が全く売れておらず悩んでいる方
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1.売上の基本構造とは?

ネットショップの売り上げを作る必要な要素として、まずは以下の考え方を正しく認識することが重要です。

売上 =アクセス人数(UU)×転換率(CVR)×客単価

指標説明施策方針
アクセス人数自店舗を見に来たお客様の数アクセス流入元を細分化し、各経路に合わせた対策を行う
転換率(CVR)アクセスしたお客様のうち、購入に至った割合ページクオリティの向上やLPの最適化など、購買意欲を高める施策を行う
客単価お客様1人あたりの購入金額商品単価の見直しや、複数購入促進施策などを行う

この考え方に基づいて、施策を検討することが必要です。続いて、各指標についてご説明します。

1-1.アクセス人数

その名の通り、どれくらいのお客様が自店舗を見に来たか、という指標です。
アクセス人数を考えるときのポイントとしては、「アクセス流入元を細分化して考える」という点です。
以下、楽天市場における主なアクセス経路と、簡単な施策方針になりますので、概要を確認しておきましょう。

アクセス経路概要施策方針
検索楽天市場内の検索経由SEO対策(キーワード選定、ページ反映など)
広告自社が出稿している広告経由運用型広告を活用(RPP、CA広告など)
メルマガ自社が発行したメルマガ経由過去購入者へのメルマガ実施(開封率、送客率などを確認)
SNSR-SNS経由そもそも工数がかかるため、楽天用のアカウントを作るかどうか、要検討
アフィリエイト楽天市場外から流入外部サイトからの流入強化(ブロガーへのサンプル配布など)

1-2.転換率(CVR)

転換率とは、「アクセスしてきたお客さんのうち、何人が買ってくれたか」という指標になります。
例えば、転換率が1%のとき、「100人アクセスしてきて、そのうちの一名が購入まで至った」という理解になります。

そもそもアクセス人数が入っていない状態では、転換率もなにもないので、
まずはアクセス人数を増やすことにフォーカスしましょう。
転換率を伸ばす施策としては、大きく以下3点になります。

  • ページクオリティ向上
  • 定期的な新商品情報や特集ページの運用
  • LPの最適化(PC,スマホページともに)

1-3.客単価

最後に、客単価になります。
これはそのままの意味ですね。
客単価は基本的には商品単価に依存するため、最初のうちはそれほど気にしなくてもよいかと思います。
少しずつ売れてきたら、「二個購入で10%OFF」などの施策を入れてあげてもよいかと思います。

2.楽天市場で売上が上がらない時の具体例は?

ここでは、実際に売れない原因となっている“具体例”を紹介します。
「自社もこれに当てはまっているかも」と気づける内容をまとめています。

具体例1:商品名が検索されない

商品名が最適化されていないと検索に出ません。
楽天は「キーワードの入れ方」で検索順位が大きく変わるため、とても重要です。

以下の表で、NG例と改善例を見比べてみましょう。

項目【NG例】売れない商品名【改善例】売れる商品名
商品名「バッグ レディース かわいい」「トートバッグ レディース 大容量 A4 仕事 通勤 撥水 軽量」
理由検索キーワードが曖昧すぎて、強力な大手店舗の商品に埋もれてしまいます。「検索意図」「特徴」「利用シーン」が明確なため、目的を持ったお客様に検索されやすく、上位表示も狙いやすくなります。

改善のためのチェックリスト

商品名を作成する際は、以下の要素が含まれているか確認しましょう。

  • サイズ情報を入れる(A4・12L・幅30cm)
  • シーンを入れる(通勤・旅行・学校)
  • 特徴を入れる(軽量・撥水・大容量)

具体例2:商品ページの訴求が弱い

多くの店舗では、画像の質が低かったり、必要な情報が少なかったりして、商品の“魅力が伝わらない”状態になっています。これでは転換率(CVR)は上がりません。

【NG例】

  • 画像が3枚しかない
  • テキストばかりで読みにくい
  • メリットや使い方の説明がない

【改善例】

  • ファーストビューで強みを一言で伝える
  • 使用シーンの画像
  • before/after のイメージ
  • Q&A形式の安心材料
  • レビューの引用画像

訴求力を高めるチェックリスト

  • スペック情報は画像化
  • 画像は10枚以上
  • ファーストビューでメリットを伝える
  • 利用シーン画像を追加

具体例3:競合より魅力が弱い

競合分析をしていないと、知らず知らずのうちに「絶対に勝てない状況」で勝負してしまっていることがあります。

以下の比較表を見てください。お客様はどちらの店舗で購入するでしょうか?

比較項目【NG例】自社の状況競合他社(強い店舗)
価格4,980円4,480円(安い!)
レビュー数12件120件(安心!)
ポイント特典なし(通常)ポイント10倍(お得!)
結論この状況で選ばれるのは非常に困難です。圧倒的な好条件で選ばれやすい状態です。

このような状況を打破するための改善策と対策ポイントは以下の通りです。

具体的な改善施策例

  • ポイント変倍施策(2倍、5倍など)を行う
  • 割引クーポンを配布して価格競争力を補う
  • レビューキャンペーンを実施して評価数UPを狙う
  • 商品画像(特に1枚目)をリニューアルしてクリック率を高める

競合対策のポイント

  • 商品ページを格段に良くし、価格以外の価値を適切に伝える
  • 価格で無理に勝負しない
  • ポイント・クーポンで「お得感」を出す
  • レビューを増やして競争力をつける

3.楽天市場で売上を改善するための手順は?

ここからは、「売上を上げるために何をすべきか」を
ステップ形式(1〜5) でわかりやすく解説します。

ステップ1:楽天検索(SEO)キーワードを最適化する

SEOの改善は、売上の最短ルートです。
以下の手順でキーワードを見直します。

やるべき4つのアクション

具体的にとるべきアクションは以下の4つです。

  1. 楽天サジェストで検索されるワードを調査
  2. 競合の人気商品名からキーワードを抜き出す
  3. 商品名にキーワードを自然に盛り込む
  4. キャッチコピーも検索意図に合わせる

まずは上記の4つのアクションを順番に対応してみてください。改善のチェックポイントは以下の通りです。

SEO改善のチェックポイント

  • 「特徴」「悩み」「用途」「サイズ」が入っているか
  • 検索されやすいキーワードが含まれているか
  • 競合が使っているキーワードを含めているか

検索対策の詳細については以下のYouTubeや記事でも紹介しておりますので、参考にしてみてください。

ステップ2:タグID・カテゴリ設定を見直す

タグIDとカテゴリは「裏側のSEO」と言われるほど重要です。

改善ポイント

  • タグIDを売れ筋タグに寄せる
  • 成約率の高いカテゴリへ移動
  • 競合のカテゴリを確認して参考にする
  • タグを複数試して改善する

タグやカテゴリがズレていると、検索順位が下がり、売上が落ちてしまいます。

ステップ3:商品ページのファーストビューを強化する

ファーストビューは“勝負の3秒”です。
ここで興味を引けなければ、すぐ離脱されます。

改善すべきポイント

  • メリットを大きく1枚目で伝える
  • ポイント倍率やクーポンを目立たせる
  • 注文殺到中などの実績をアピール
  • 信頼感を感じるデザインにする

ファーストビュー改善チェックリスト

  • メリット1行キャッチコピー
  • シンプルで高品質な画像
  • 送料無料・即日発送などを記載
  • 競合より目立つデザイン

ステップ4:競合分析で勝てる要素を作る

競合分析で売れない原因が必ず見つかります。

比較すべき項目

  1. 価格
  2. レビュー数
  3. 評価点
  4. ポイント倍率
  5. 画像の質
  6. ブランドの安心感
  7. 付属品・保証

競合と比較し、「勝てる部分」を増やすことで、選ばれる確率が一気に上がります。

ステップ5:広告は“土台が整ってから”出す

広告は最後のステップです。
土台が整っていない状態で広告を出すと、赤字になります。

広告は以下の順でかけるべき

  1. SEOを整える
  2. ページ改善する
  3. 競合に勝てる要素を作る
  4. 成約率が安定してから広告で拡散

広告は「完成した商品ページを広める装置」として使うのが正解です。

4.集客施策の具体的な種類と運用方法は?

ここからは、具体的な集客施策の運用例をご紹介します。

5-1.RPP広告

  • 楽天市場で検索をした際、検索結果上部に掲載される広告
  • 表示された商品は、商品名の横に「PR」と表示
  • ユーザーに最適な商品が自動配信されるため、運用不可が小さい

RPPは検索連動型広告のため、ROAS(広告費用対効果)が高い広告となっています。売れない商品にRPP広告を設定することで、購買意欲の高いユーザーのアクセスを確保することができます。ただ、これまで売れていない商品ですので、表示回数を上げるためには、さらに以下の追加アクションを実施することが重要です。

  • CPC(クリック単価)調整
  • キーワード調整(ECCに確認)
  • 効果検証

RPPはCPCを上げることで、表示回数を上げることができるため、許容可能な広告費を見極めて、できるだけ高いCPC設定(クリック単価設定)をすることで、よりアクセスを獲得できます。また、ただCPCを上げるだけではなく、購買につながりやすいキーワードを選定し、商品ページにいれるとともに、RPP広告に設定するとよいでしょう。
ただ、設定しっぱなしでは、改善できないため、定期的に効果検証を行い、広告効果を改善していきましょう。
上記を徹底できれば、売れるポテンシャルがある商品は必ず売れるようになっていきます。

★弊社では、RPP広告を効率的に運用できるシステムをご提供しております。広告運用を手間に感じられている方におすすめです!
▼詳しくは下記動画をご覧ください▼

5-2.クーポンアドバンス

クーポンアドバンスは楽天の独自アルゴリズムにより、購買意欲が高いであろうユーザーに対し、クーポンを表示する広告です。以下の特徴があります。

  • 自社商品に興味を持ちそうな潜在ユーザーに対してクーポン表示
  • お客様が興味を持ち、クーポンをクリックすると、クーポンの獲得と同時に、商品ページへ移動する(この時点でクーポン獲得単価として、40円が発生する)

クーポンアドバンスを設定し、割引額を大きくすることで、購買意欲の高いユーザーに対して、お得な状態の商品を見せることができるため、転換率が大きく上がります。売れるはずなのに売れない商品にぜひクーポンアドバンスを設定して、人の目に触れる機会をつくりましょう!

5−3.スーパーDEAL

スーパーDEALは15%以上のポイントバックを設定する広告です。設定したポイントバック分に加え、売上の10%を広告費として支払う必要があります。これだけだと費用が高くて費用対効果が合わなそうだな、と思う方もいらっしゃると思いますが、そんなこともありません。詳しく見ていきましょう。
まず特徴について紹介します。

  • 「スーパーDEAL」のロゴが表示される
  • 楽天スーパーDEALの企画ページへの掲載や、対象商品のみが表示される検索窓、対象商品を絞る機能など、導線が多く用意されている
  • ポイント還元はするが、値下げはしないため、値崩れを防ぎつつ、お得感を演出できる

「スーパーDEAL」のロゴが表示されることで視認性が高まり、一目でポイント還元額が多いことが分かります。結果として、クリック率の向上、アクセス数のアップに繋がります。当然ながらアクセス後のページでの購入率も高くなります。

また、スーパーDEALの企画ページへの掲載や、対象商品のみが表示される検索窓、対象商品を絞る機能など、導線が多く用意されている点もメリットです。通常販売されている商品と比べて、有利なアクセス環境で販売可能です。

さらに、値下げをせずにお得感を訴求できるため、卸先に提示している価格より安くは販売しにくいメーカーや値下げを絶対にしたくないショップでも活用可能です。

5.楽天市場で売上が上がらない時のよくある質問(FAQ)

売上が上がらない店舗からのよくある質問は以下の通りです。

Q1:広告を出しても売れないのはなぜ?

広告の前に商品ページやSEOが改善されていないからです。
広告はページの完成度に比例して効果が出るため、
SEO → ページ → 競合対策
の順で改善しないと効きません。

Q2:楽天SEOは何をすれば上がりますか?

最も効果があるのは以下の3つです

  • 商品名のキーワード最適化
  • キャッチコピーの改善
  • タグID・カテゴリの最適化

特に商品名は影響度が高く「検索されるキーワード」が入っているかが非常に重要です。

Q3:レビューが少ない場合はどうしたらいい?

以下の取り組みがおすすめです

  • 写真付きレビューでプレゼント
  • 次回使えるクーポンを配布
  • 購入後にレビュー依頼メールを送信

レビューは信頼に直結するため、増やすことで売上が安定します。

Q4:価格競争に巻き込まれたくない場合は

価格以外の武器を作ることが大切です。

  • 使いやすい画像
  • 付属品・保証
  • ブランドの物語
  • 特別な梱包
  • 丁寧な説明

「高くても買われる理由づくり」が競合対策になります。

Q5:最短で売上を上げる方法は?

最も即効性があるのはこの4つです

  1. 商品名のSEO改善
  2. 画像・ファーストビューの改善
  3. クーポン施策
  4. セール時の露出戦略

翌日から数字が動くこともある、即効性の高い施策です。

6.まとめ:楽天で「売れない」を解決する手順と改善施策一覧

本記事では、感覚的な運営から脱却し、データに基づいた改善を行う重要性をお伝えしました。 楽天で売上が伸び悩んだ際は、以下の表に沿って「どこにボトルネックがあるか」を診断し、適切な処方箋を選んでください。

ステップ・課題見るべき指標・公式打ち手の方向性(具体例)
① 現状把握売上 = アクセス × 転換率 × 客単価まずはRMSで自店の数値を出し、競合や目標値と比較して**「一番弱い数字(ボトルネック)」**を特定する。
② アクセス不足
(人が来ていない)
アクセス人数
(検索順位・インプレッション)
「露出を増やす」
・RPP広告の調整
・楽天SEO(商品名・キーワード最適化)
・サムネイル画像(1枚目)の改善
③ 転換率が低い
(見てるけど買わない)
転換率(CVR)「接客力を上げる」
・商品ページ(LP)のデザイン改善
・レビュー施策で購入不安を払拭
・配送スピードや決済手段の見直し
④ 客単価が低い
(利益が残らない)
客単価「ついで買い・まとめ買いを促す」
・セット商品の作成
・松竹梅の価格設定
・回遊バナーの設置(クロスセル)

売上改善に必須の「3大施策」比較表

具体的な施策としては以下の3つをご紹介いたしました。

推奨施策特徴・メリット狙える効果
RPP広告検索連動型広告。購買意欲の高いユーザーにピンポイントで商品を露出できる。アクセス数増加
新規獲得
クーポンアドバンス購買履歴に基づき、最適なユーザーにクーポンを自動表示する。転換率(CVR)改善
お得感の演出
楽天スーパーDEAL高ポイント還元で強力に訴求。検索結果でも目立つため集客効果も高い。アクセス×転換率
ランキング獲得

これらは個別に使うだけでなく、組み合わせることでより高い成果を発揮します。まずは少額からでも運用を開始し、自店舗に最適な勝ちパターンを見つけましょう。

弊社Proteinumでは、上記のような広告運用の最適化から、戦略的なECコンサルティングまでを一気通貫でご支援しております。「何から手をつければ良いかわからない」という店舗様は、ぜひ一度ご相談ください。

Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

慶応義塾大学を卒業後、楽天グループ株式会社に入社。ECコンサルタントとして、ショップオブザイヤー受賞店舗を含むのべ700店舗以上を支援。その後、小売業を中心に経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、EC戦略策定・実行支援など)し、株式会社Proteinum(プロテーナム)を創業。
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。

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