楽天市場出店は儲からない?儲からない店舗の特徴と解決策を徹底解説!
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楽天市場は国内ECモールの中でAmazonと並び流通額が大きく、売上を伸ばしやすいと言われていますが、その一方で儲からず、撤退率が高いとも言われています。
本記事では、楽天市場出店が本当に儲からないのか、実際の撤退率や儲からない店舗の特徴と、解決策を開設いたします。
Contents
1.楽天市場出店が儲からないって本当?
楽天市場は日本が誇る大型のECモールで、出店店舗数は5.7万店舗、2023年度の流通総額は楽天グループ全体で6兆円を突破、楽天IDの発行数は日本の人口より多いと言われています。
そんな日本を代表するECモールである楽天市場ですが、出店すれば儲かる、という訳ではありません。むしろ「楽天市場に出店しても儲からない」と言われることも数多くあります。
実際に出店したのち、撤退(退店)する店舗も少なくありません。
まず、実際の撤退率や楽天市場が儲からないと言われている主な理由から開設していきます。
2.楽天市場 出店後の撤退率
楽天市場での退店率は、70%以上だといわれています。
年次出店数の増加率から鑑みると、毎年数千の店舗が撤退していると想定されます。
競合店舗の多さや高い手数料によって利益率が下がることや、楽天独自のルールによって運営が厳しくなることが大きな理由と言われています。
昨今中小店舗だけでなく、大手でも楽天市場からの撤退を決めるところが散見されます。
店舗によっては、利益率の観点等から戦略的に撤退を決めているところもありますが、それ以上に売上を伸ばし続けるための運営のハードルが高いと言えるでしょう。
3.楽天市場が儲からないと言われているのはなぜ?
では実際、なで楽天市場が儲からないといわれているのか主な原因は、以下の5つです。
3-1.月額出店料、各種手数料が高い
儲からないと言われる原因の一つに、手数料が高いことが挙げられます。
2024年6月より月額出店料の値上げがあり、利益率に影響が生じた店舗も少なくありません。
2024年11月時点 楽天市場各種費用は下図の通りです。
がんばれプラン | スタンダードプラン | メガショッププラン | |
---|---|---|---|
月額出店料_旧 | 19,500円/月 | 50,000円/月 | 100,000円/月 |
月額出店料_2024.06~ | 25,000円/月 | 65,000円/月 | 130,000円/月 |
システム利用料 | PC:3.5~6.5% SP:4.0~7.0% | PC:2.0~4.0% SP:2.5~4.5% | PC:2.0~4.0% SP:2.5~4.5% |
ただ月額出店料値上げにより商品登録上限数や画像容量も増えたので、商品数が多い店舗にとってはプラン変更による固定費の大幅増を回避できる内容であるため、大型点にとってはメリットもあると言えます。
また新規で出店する際は初回出店料がかかり、ランニングコストとしても上記月額出店料やシステム利用料のほか、カード決済システム利用料やポイント費用、アフィリエイト費用が全プラン共通で発生します。
加えて、より販促をつよめるためのSNS連携機能や商品データCSV一括登録機能などはオプション費用が発生します。
主な費用は下図の通りです。
費用(税別)・料率 | |
---|---|
初期登録費用 | 60,000円 |
楽天ポイント | 楽天会員の購入代金(税抜)×付与率(通常1.0%) |
楽天スーパーアフィリエイト | アフィリエイト経由売上の2.6~5.2% |
モールにおける取引の安全性・利便性 向上のためのシステム利用料 | 月間売上高の0.1% |
R-Messe | がんばれプラン:3,000円/月 スタンダードプラン・メガショッププラン:5,000円/月 ※2024年11月時点無料キャンペーン中(終了時期未定) |
楽天ペイ利用料 | 月間決済高の2.5%~3.5% |
R-SNS利用料金 | 全プラン共通:3,000円/月 |
CSV商品一括編集機能利用料金 | 全プラン共通:10,000円/月 |
便利に使おうとすればするほど、様々な手数料が積み重なり、出店者に重く負担としてのしかかり、利益を圧迫しやすいと言えるでしょう。
3-2.競合が多く、価格競争に巻き込まれやすい
楽天市場には5.7万店舗以上が出店し、商品も3億点以上もの商品が掲載されています。
規模が大きく流通総額もユーザーも多いことはメリットですが、競合の相手も商品も数多く存在します。
中でも食品や日用品、美容ジャンルは出店数、商品数ともに多く価格競争が激しい状況です。
楽天市場にはサイト内で同じ製品コードをもつ商品をまとめて表示し、価格やレビュー、在庫などを比較できる「商品価格ナビ」という機能が導入されており、ユーザーは最も安い店舗を見つけることが可能です。(下図赤枠ボタンクリックで確認が可能)
競合がひしめく中で自店舗の商品を買ってもらうためには、競合店との差別化が必須ですが、仕入れ販売している店舗に関して一番の差別化の要因となるのはやはり価格です。
ユーザーからすれば、同じような商品であればより安く購入したいと考えるため、競合商品と比べて価格を低く設定することが必要になってきますが、利益率を考慮すると値下げも厳しい店舗も多いとおもいます。
楽天手数料や価格競争を踏まえ、利益率をどこまで確保するか、しっかり検討した上での運用が必要です。
3-3.楽天市場独自のガイドラインへの理解と対応
楽天市場には店舗運営についての独自のガイドライン非常に多く、改正も定期的に実施されます。
近年ではSKUプロジェクトや最強翌日配送に伴い、バタバタされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
仕様変更の度に、新たなルールを覚える必要があり、またそのルールに則した対応が必要になるため、本来売上につながる施策実行に充てるべき時間を、ガイドラインや仕様変更に伴う対応で大幅に奪われる形になります。
また本来ガイドラインは悪徳業者からユーザーを守るために設定されているため、基本的に善良な運営をしていれば破ることはないのですが、知らずにうっかり抵触してしまう可能性もありますので、注意が必要です。
違反すると違反点数が加算され、1年間の累積の点数が既定の数字を超えた際には、利用制限や営業停止などの厳しい措置を取られてしまう場合があります。
ガイドラインの多さも儲からない原因の一つとして挙げられるでしょう。
楽天市場独自のガイドラインについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
3-4.検索システム
楽天市場の検索システムは、売上上位または人気ショップの商品が検索結果の上位に表示されやすくなっております。
そのため、人気ショップの商品と競合する商品を販売する場合、最初は新規ショップの商品は不利になります。
商品検索で上位の商品にユーザーのアクセスが集中しますので、新規ショップは何とかして上位に表示されるよう対策を打つ必要があります。
広告を増やして目につくようにする、検索対策をする、地道にファンを増やして売上をあげていく等、戦略的に実施していくことが必要です。特に短期間で売上を上げようとすると、広告等で間違いなく費用がかさみます。
売上獲得のための費用がかさむことも、儲からないとされる原因の一つです。
検索システムについて詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
3-5.店舗負担の販促費率が高くなりやすい
これはどの様なECモールでも共通ですが、基本的に販促費は自社の負担になります。
※一部楽天負担・Qoo10負担の販促も存在します。
「3-2」にて価格競争について触れましたが、類似商品・同価格帯の場合、ユーザーは主に検索上位の商品かついポイント還元率やクーポン有無で判断します。
ただでさえ価格競争に勝つために、値下げをしているにも関わらず、検索結果の上位に表示させ、購入してもらうためには、「広告費」「ポイント」「クーポン」による販促が必要です。
値下げに加え、上記販促費がかかるため利益率が悪く儲かりにくいと言われています。
しかし利益率を確保するあまり販促費を抑えてしまうと、そもそもアクセスが伸びず売上にもつながりにくい状況に陥る可能性もあります。
4.楽天市場出店で儲からない店舗の特徴
これまで、楽天市場での出店が儲からないと言われる理由について開設しましたが、もちろん全ての店舗が儲からない、儲かっていないわけではございません。
実際年々出店数や流通額が増加しているため、実際に売上を伸ばしている店舗が多く存在してると言う事です。
ここからは、楽天市場に出店しても儲かりにくい店舗の特徴を開設していきますので、1つでも当てはまる場合は早急に改善し、売上アップにつなげましょう。
4-1.商品の利益率が低い
楽天市場では月額出店料やオプションなどの手数料が高いため、費用が掛かることを踏まえた上での価格設定をする必要があります。
薄利多売の商品については、出店初期は楽天市場での売上が赤字になることも多々あると思います。
もちろん一定の売上が上がってくれば解消されるケースも多いですが、楽天RSLを使っているケースなどについては売れても手数料で利益を圧迫する可能性が高いため注意しましょう。
競合よりも価格を低く設定しないと売上が上がらない、ということはありますが、とは言え利益を削ってまで低い価格に設定してしまうことは良いとは言えません。
楽天市場で販売する商品は、なるべく原価率が低く、利益が取れる商品を出品する必要があるでしょう。
4-2.商品に需要がない
楽天市場の中だけでも同じようなショップや商品は多いので、ただ何となく出品して並べているだけ、では埋もれてしまい、検索もされずに売れないまま残ってしまいます。
真夏にダウンジャケットを販売しても売れないのは一目瞭然だと思います。
楽天市場も同様に、シーズンやトレンドに応じた商品を販売することが求められます。
そこで必要になってくるのが「入口商品」です店舗の入口となる商品を見定め、育成していくことでアクセスが伸び、店舗認知度が上昇し、最終的にリピーター増加につながります。
トレンドや売れ筋商品は何なのか、どういう特徴があるのか、どんな施策をしているのか等、売れている商品がなぜ売れているのか?を把握した上で、ユーザーの需要に合う商品を出品し、売れるために必要な施策を実行していく必要があります。
4-3.商品の質が低い
利益率が高い商品であっても、商品自体のクオリティーが低いと、レビューで低評価をつけられたり、クレーム対応に時間を要したりと、運用コストが余計に掛かってしまいます。
上記の需要の話もそうですが、どういう商品が求められているのか、どんなものが喜ばれるのか、ユーザーが実際に購入する際の目線は必ず持つようにしましょう。
4-4.商品ページを作り込めていない
楽天市場でお買い物をする際、ユーザーが把握できる情報は商品ページがすべてです。
だからこそ、商品ページ自体が魅力的でないと、ユーザーの興味を惹くことができず、売上に繋がりません。
商品画像から、商品紹介の内容、デザイン等、商品ページすべてを魅力的なものにする工夫が必要です。特にサムネイルを含めた画像は一番初めにユーザーの目に入り、一番注目する部分なので、商品の魅力が伝わるように画像を撮影したり、選定したりする必要があります。
また、近年はPCよりもスマートフォンから利用するユーザーの方が多いため、スマートフォンのページで見やすいように画像やデザインを調整する必要があります。
4-5.競合調査・分析不足
楽天では競合が多く、競り勝っていくためには競合調査と分析が不可欠です。
ただ何となくで出店しても、売れる可能性は極めて低いです。
事前に調査すべきポイントは主に以下6点です。
- 価格(通常時/セール時)
- ポイントの倍率(通常時/セール時)
- クーポンの配布状況
- 送料
- 配送リードタイム
- サムネイルや商品ページの作りこみ
昨今楽天RPP広告CPCも高騰傾向になるため、楽天内に限らずGoogle等の検索画面でヒットしやすいような施策を打つ、SNSを活用するなどの戦略を立てていないと、売上は伸びにくいでしょう。
4-6.広告活用できていない
楽天市場において売上アップを狙うためには、広告活用が必須と言っても過言ではありません。
広告活用が必要な大きな理由として、最も大きいのが楽天の検索順位と売上の関係性です。
楽天市場の検索順位の変動は大きく、主に直近の売上額が影響していると言われています。
そのため、広告活用で出店初期に売上を作ることで、相対的に検索順位に大きな影響があります。
スーパーセールやお買い物マラソンなど、楽天市場の大きなセールイベント時に広告活用することで、短期間で売上伸ばし、検索順位が上がるとその後も1ヶ月程度は順位を維持する店舗も多く、楽天市場において好循環を目指すことが可能です。
5.楽天市場出店で儲けるためにすべきこと
5-1.競合店舗と商品の徹底調査
自店舗の商品が楽天市場に参入する余地がどれだけあるのか、まずは競合店舗とその商品をリサーチし、どういう商品なのか、どういった施策をしているのか、を把握する必要があります。
競合店舗の品ぞろえや商品自体の販売価格はもちろん、ポイント還元率やクーポンの有無等の施策も店舗ページや商品ページで確認し、新規で展開できる余地があるかどうかを事前に判断しましょう。
ご自身で調査する場合は以下手順を参考に進めてみてください。
- 楽天市場トップページ検索窓に検索したキーワード(自身が販売している商品で狙っているキーワード)
- 検索結果一覧から以下をピックアップ
- 広告表示されている商品
- 非広告上位商品
- 「4-5」で上げたポイントを確認
- 商品ごとに確認した項目をExcelなどでまとめる
勝てる見込みがないところに参入しても、失敗してしまう可能性が高いです。
まずはライバルの動向をしっかり把握したうえで、差別化を図り売上アップにつなげましょう。
5-2.検索結果で上位に表示されるようにする
商品を検索した際に、1ページ目に表示されている商品と10ページ目に表示されている商品でアクセスは雲泥の差です。
検索対策で最適化を図ることで、検索順位を上げることにおいては効果がありますが、必ずしも上位に表示されるわけではありません。
商品を出品してすぐに上位に表示したい場合には、費用は掛かりますが広告によって上位に表示させることが有効です。
RPP広告を活用すれば、スマートフォンであれば上位5件、PCであれば上位3件に商品を表示させることができます。
まずは商品をユーザーに見つけてもらわないと、アクセスが集まらないため転換率の高い商品に関しては優先的にRPP広告を活用することをおすすめいたします。
5-3.商品ページを作り込む
楽天市場でお買い物をする際、ユーザーが得られる商品情報は商品ページに表示されている内容が全てです。
そのため、商品ページにはユーザーに「この商品を買いたい!」と思わせるように、過不足なく購入の意思決定に必要な情報を盛り込むことが必要です。
基本的な商品情報から、具体的なセールスポイントやその商品の何がすごいのか等の商品詳細情報、また期間限定なども含めたキャンペーン情報など、今この商品を買いたい!と思わせる情報を盛り込むと良いでしょう。
また、商品画像はユーザーの目に一番初めに入る商品情報ですので、サムネイルにこだわるのはもちろん、他の魅力的な画像もできる限り多く揃えて掲載しましょう。
5-4.クーポン・ポイント・ギフト配送などの対策を行う
競合店舗と商品のリサーチの話をしましたが、競合の状況を把握したら、その店舗や商品に対して優位に立てる施策を考え、実行していきましょう。
クーポンを付与する、ポイントを変倍して多く付与する、ギフト配送を準備する、いち早く配送する、メルマガでリピートを促すクーポンを付ける等、よりユーザーに満足してもらう対策を実行していきます。
一つ一つ対策を実行し、ユーザーの満足度を高めていくことが、良いレビューの獲得やリピートの購入、店舗内を回遊してもらうことに繋がり、売上向上にも繋がってくるでしょう。
5-5.販売価格を見直す
価格競争が激しい楽天市場では、売上が伸びても利益率が悪化する店舗も珍しくありません。
楽天市場で儲けを出すためには、利益率を意識した価格設定が重要です。
利益率を上げるためには、利益率の高い商品を多く取り扱う、商品価格を値上げするなどの手段があげられます。
利益率が高い商品には、それだけ販促費もかけられるため、売上アップが狙えます。
また値上げを検討する場合は競合と比較し何が優れているのか、価格の裏付けを商品ページでしっかりアピールし、ユーザーに納得感を与える必要があります。
5-6.楽天に強いECコンサルタントにサポートしてもらう
月額出店料や物流費高騰の影響で、売上が横ばい、または微減傾向にある店舗や、短期間で売上をアップを目指すのであれば、楽天に強いECコンサルタントにサポートしてもらうこともおすすめです。
もちろん費用はかかりますが、楽天コンサル実績豊富なコンサル会社を選ぶことで、楽天独自のガイドラインへの対応はもちろん、競合調査・分析、店舗の現状から最適な施策を実施してくれます。
その結果、コンサルタントに依頼したほうが短期間で高売上が見込めます。
プロテーナムは楽天出身者により立ち上げられたECに特化したコンサルティング会社です。
楽天市場の運営や売上にお悩みでしたら、ぜひ一度弊社にお問合せください。
楽天市場売上アップについては弊社Youtubeチャンネルでも紹介しております。
6.まとめ
楽天市場は競争相手も競合商品も多く、新規の商品はよほどの優位性を持たない限りは放っておいても売れるということはないと思うので、何も対策をしないままでは確かに儲けることは難しいでしょう。
しかし、ここまで述べてきたようにしっかりと対策を行い、適切な施策を実行していくことで、儲けを増やしてくことができる可能性が高くなるのもまた事実です。
楽天市場に参入する際は、リサーチをしっかり行った上で、考えた施策を一つ一つ実行していき、売上を増やしていけるようにしましょう。
株式会社Proteinum 取締役