楽天RPPの目安CPCは店舗内検索結果への回遊で下げられるのか?店舗内回遊による検証事例をご紹介します!

楽天RPPの目安CPCが上限に張り付き、狙いたいビッグキーワードで実質的に入札できない。この状態は、店舗内の導線を検索結果画面へ変えることで改善できる可能性はあります。ただし本検証では、複数のキーワードで約1か月後に目安CPCの低下が見られた一方、最も検索需要の大きいビッグキーワードは約2か月間まったく動きませんでした

その後、約2か月半後にようやく上限を下回る水準まで低下しましたが、同時期に在庫状況や値引き率も変動しており、導線変更単独の効果として切り分けられてはいません。現時点では「継続検証中」の段階のため、参考情報としてご覧いただくようお願いいたします。

この記事は、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が、楽天RPP広告の目安CPCと店舗内回遊の関係について、実際の検証データをもとに解説します。効果が出るまでの時間差と、検証設計でつまずきやすい落とし穴が具体的に分かります。

この記事でわかること

  • 楽天RPPの目安CPCが上限に張り付く仕組みと、そのとき打てる手の範囲
  • 店舗内の導線を検索結果経由に変える施策の設計方法
  • キーワードの粒度によって効果の出る時期がどれだけ違うのか
  • 目安CPC改善の効果を「何か月・何回」で見るべきかの判断基準
  • 検証の信頼性を落としてしまう典型的な失敗パターン

この記事の想定読者

  • 楽天RPP広告で狙いたいキーワードの目安CPCが高すぎて出稿できずに困っている方
  • サムネイルや価格の改善は一通り試したものの、次の打ち手が見えていない方
  • 広告改善施策の効果検証を、どのくらいの期間で判断すべきか迷っている方

あわせて読みたい

Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

慶応義塾大学を卒業後、楽天グループ株式会社に入社。ECコンサルタントとして、ショップオブザイヤー受賞店舗を含むのべ700店舗以上を支援。その後、小売業を中心に経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、EC戦略策定・実行支援など)し、株式会社Proteinum(プロテーナム)を創業。
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。

「目安CPCが上限に張り付き、RPP広告が出せない」という壁

楽天RPP広告の運用で行き詰まりやすいのが、最も売上に直結するはずのビッグキーワードほど、目安CPCが高くなって手が出せなくなるという状況です。この章では、その状態が具体的にどういうものかを整理します。

ビッグキーワードで実質的に入札できない状態とは

目安CPCが入札可能な上限に達すると、RMSの管理画面ではキーワード単位の目安CPCが具体的な金額ではなく注記表示に切り替わり、事実上そのキーワードでの上位表示を狙えなくなります。今回ご紹介する店舗では、主力カテゴリを代表するカテゴリ名1語のビッグキーワードが、この状態のまま長く固定されていました。

やや厄介なのは、この状態が「入札額を上げれば解決する」問題ではないことです。上限まで入札しても届かないのですから、価格の話ではなく評価の話になります。目安CPCを下げる方向にしか、実質的な打ち手がありません。

商品ページ側の改善だけでは打ち手が尽きる理由

目安CPCを下げる施策として一般に紹介されるのは、そのほとんどが商品ページ側の改善です。価格、サムネイル画像、クーポン、ポイント、レビュー数など、クリック率と転換率を押し上げる要素を整えていく方向性です。

これは正攻法であり、最初に取り組むべき順序でもあります。一方で、すでに一通り整えている店舗にとっては伸びしろが限られます。特に競合の多いカテゴリでは、同じことを競合も実施しているため、相対評価がなかなか動きません。

そこで検討の対象になるのが、商品ページの外側、つまり店舗内の導線設計を変えるアプローチです。次章では、その前提となる目安CPCの考え方を整理します。

前提知識:楽天RPPの目安CPCは何によって決まると考えられるのか

結論から申し上げると、目安CPCの算出ロジックは楽天から公式に公開されていません。この章では、公開されている情報の範囲と、弊社が自社データで検証して得られた示唆を分けてご説明します。

算出ロジックは楽天公式には公開されていない

目安CPCについて楽天が公表しているのは、「そのキーワードで上位に掲載するための参考値」という位置づけまでです。どの指標をどの重みで用いて算出しているかは非公開であり、業界で語られている説明はいずれも各社の推定にとどまります。

したがって、目安CPCを扱う施策は原理からの逆算ではなく、仮説を立てて実測で確かめる進め方が現実的です。この記事の事例も、その進め方に沿ったものです。

自社データの分析で見えた「CTRとの逆相関」

弊社が複数店舗のRPP広告データを分析した結果では、目安CPCはクリック率と逆相関の関係にあるように見えました。回帰分析として明確に有意な指標を特定できたわけではありませんが、クリック率が高いキーワード・商品ほど目安CPCが低くなる傾向は読み取れました。

一方、転換率については明確な傾向が見られませんでした。詳細な分析過程はRPP広告の目安CPCを下げる方法(自社データによる検証)でも公開しています。

ここで重要なのは、目安CPCが複数の変数に左右されている可能性が高いという点です。後述する検証結果の解釈にも直結します。

キーワード経由の実績が評価に影響すると言われる理由

楽天市場では、キーワード経由でのクリックや売上の実績が、検索順位やRPPの目安CPCに影響すると言われています。楽天が自社の流通額を最大化する方向でロジックを組んでいると考えれば、「そのキーワードで売れている商品」を優遇するのは自然な発想です。

この考え方を踏まえると、ひとつの仮説が立ちます。店舗内から検索結果画面を経由させて意図的にキーワード経由の実績を積み上げれば、そのキーワードの評価が上がり、結果として目安CPCが下がるのではないか、という仮説です。楽天SEOの考え方は楽天SEOで検索順位を上げる方法でも詳しく解説しています。

広告側の基本的な考え方については、弊社YouTubeチャンネルの解説もあわせてご覧ください。

【楽天】RPP広告の基本情報 その4 適切なCPCを設定します

検証事例:店舗内の導線を検索結果経由に変えて、目安CPCは動いたのか

ここからが本題です。生活家電ジャンルのメーカー系公式店舗で、店舗TOPページの主要導線を検索結果画面経由に変更し、目安CPCの推移を約1か月ごとに追跡しました。結果はキーワードの粒度によって大きく異なりました。

検証前の状況と課題

検証前の課題は、主力カテゴリのビッグキーワードで目安CPCが上限に達し、RPP広告を実質的に出稿できない状態が続いていたことです。このキーワードは同カテゴリで最も検索需要が大きく、競合出品も多い領域でした。

商品ページ側の改善は一定水準まで実施済みで、価格やクーポンの設定も継続していました。それでも上限表示は動かず、広告以外の経路で評価を動かす必要があるという判断に至りました。

実施した施策:店舗TOPの主要導線を検索結果画面へ変更

実施したのは、店舗TOPページの主要バナーおよびカテゴリ導線の遷移先を、商品ページの直リンクから店舗内検索結果画面へ変更することです。対象は主力カテゴリ(カテゴリA)を含む4カテゴリで、それぞれ狙うキーワードの検索結果に着地させました。

意図は、店舗を訪れたユーザーの一定割合を検索結果経由に通すことで、狙ったキーワード経由のクリックと売上の実績を積み上げることです。同時に、次のリスクも事前に想定していました。

  • 商品ページへ直接遷移できていた導線に検索結果画面が1ステップ挟まるため、店舗全体の転換率が下がる可能性がある
  • 検索結果画面では競合商品も並ぶため、離脱が増える可能性がある

検証条件(比較期間・比較対象・母数)

検証条件は以下の通りです。この事例で最も注意していただきたいのは、比較の起点そのものが不安定だったという点です。

項目内容
比較対象同一店舗・同一商品群における、施策実施前後の目安CPC
計測タイミング実施前を起点に、約1か月ごとに3回、加えて追加確認1回
対象キーワード4カテゴリの主要キーワード(カテゴリ名1語のビッグキーワード+機能・用途を掛け合わせた複合キーワード)
母数対象商品は数点規模。キーワード単位では十数語
制約起点の計測時期が大型セール期間と重なり、目安CPCが一時的に低く出ていた可能性がある

対象商品数・キーワード数がいずれも限られており、統計的な検証ではありません。以下の結果は傾向として捉えてください。

結果①:複合キーワードは約1か月で低下が見られた

実施から約1か月後の時点で、複合キーワードでは明確な目安CPCの低下が見られました。カテゴリごとの変化は以下の通りです。

対象キーワード約1か月後の変化
カテゴリB(機能を掛け合わせた複合キーワード)約4割低下
カテゴリC(形状を掛け合わせた複合キーワード)約6割低下
カテゴリD(上限に張り付いていた1語キーワード)上限の3分の1程度の水準まで低下

約2か月後の時点でも、カテゴリBは起点比で約3割低い水準を維持し、カテゴリCは起点比で約3分の1の水準まで下がりました。下がったキーワードは、その後も水準を維持する傾向が見られました。

注目していただきたいのは、カテゴリDが上限表示から具体的な金額表示に切り替わった点です。上限に張り付いた状態は、必ずしも固定ではないことを示しています。

結果②:ビッグキーワードは約2か月動かず、その後に上限を下回った

一方、主力カテゴリのビッグキーワードは、約1か月後・約2か月後の2回の計測ともに上限表示のままで、まったく変化しませんでした。約1か月時点で判断を打ち切っていれば、「効果なし」と結論していた検証です。

変化が確認できたのは約2か月半後です。この時点で、対象2商品ともにビッグキーワードの目安CPCが上限を下回る水準まで低下しました。ただし、これを施策の成果と呼ぶには次の懸念が残ります。

  • 同時期に対象商品の在庫切れが発生し、転換率が低下していた
  • 期間中に値引き率の変更があり、クリック率に影響し得る条件が動いていた
  • 大型セールの前後で需要そのものが変動する時期を含んでいた

また、商品単位のキーワード一覧で見ると、目安CPCが低下したキーワードと上昇したキーワードが混在し、改善が確認できたのは半数程度にとどまりました。全面的な改善とは言えない結果です。

結果の解釈:導線変更単独の効果とは切り分けられていない

現時点での解釈は、「導線変更が目安CPCを動かした可能性はあるが、単独の効果としては確認できていない」です。理由は、前章で触れたとおり目安CPCがクリック率など複数の変数に左右されると考えられ、今回はその変数が同時に動いてしまったためです。

それでも、この検証から確度の高い示唆が1つ得られました。効果が出るまでの期間は、キーワードの検索需要と競合の多さに応じて大きく変わるという点です。複合キーワードは約1か月、ビッグキーワードは約2か月半。同じ施策でも、見る指標を間違えると評価を誤ります。

この事例から言える、目安CPC改善施策の判断基準

ここからは、同様の施策を検討される場合の判断基準を3点に整理します。いずれも「効果を正しく評価するための条件」であり、成果を保証するものではありません。

判断基準①:効果はキーワードの粒度ごとに分けて見る

効果検証は、キーワードをひとまとめにせず、必ず粒度ごとに分けて評価してください。今回の事例では、複合キーワードとビッグキーワードで効果の出る時期が2倍以上違いました。

実務上は、複合キーワードを先行指標として扱うのが有効です。複合キーワードが動いていれば、施策そのものは機能していると判断でき、ビッグキーワードの評価を焦らず待てます。

判断基準②:最低2〜3か月、同一条件で複数回計測する

目安CPCを対象にした施策は、少なくとも2〜3か月、同じ条件で複数回計測することを前提に設計してください。1回の比較では判断できません。

計測は月1回程度の頻度で、記録は必ずキーワード単位で残します。全体平均でしか記録していないと、今回のような「一部だけ改善している」状態を見落とします。

判断基準③:同時期に価格・在庫・クーポンを動かさない

可能な範囲で、検証期間中は価格・クーポン・在庫といったクリック率や転換率に影響する条件を固定してください。今回の検証で最も悔やまれるのはこの点です。

もっとも、EC運営の実務でこれらを完全に固定するのは現実的ではありません。であればせめて、変更が発生した時期を記録しておくことが重要です。後から解釈を補正できるかどうかが分かれます。

自社の状況でどこから着手すべきか判断が難しい場合は、EC店舗ポテンシャル無料診断もご活用ください。

目安CPC改善でよくある失敗パターンと注意点

最後に、目安CPCを対象にした検証でつまずきやすいパターンを3つ挙げます。いずれも弊社が実際に経験した、あるいは相談を受けた内容です。

約1か月で「効果なし」と判断して打ち切る

最も多い失敗が、1か月時点の結果だけで施策を取り下げてしまうケースです。今回の事例がまさにこの罠にはまりかけました。

ビッグキーワードは、そもそも評価の母数が大きいため、同じ導線量では相対的な変化が小さくなります。動かない期間があること自体は想定内として、検証設計の段階で期間を確保しておく必要があります。

検索結果を跨ぐ導線変更の転換率影響を測らないまま実装する

商品ページへの直リンクを検索結果画面に変更する施策には、店舗全体の転換率を下げるリスクがあります。今回の検証ではこのリスクを事前に想定していたものの、転換率への影響そのものは測定していません

目安CPCが下がっても店舗全体の転換率が落ちていれば、差し引きでマイナスになり得ます。同様の施策を実施される場合は、目安CPCと並行して転換率と回遊指標も記録してください。回遊指標の考え方は楽天市場の回遊率とはで解説しています。

大型セール期間中の数値を比較起点にしてしまう

比較の起点をセール期間中に置くと、施策の効果を正しく測れません。セール中は入札競争と需要の双方が大きく動くため、目安CPCが一時的に平常時と乖離します。

今回の検証でも、起点の数値がセール期間の影響を受けていた可能性が残りました。比較は平常時同士で行うのが原則です。やむを得ずセール期間を含む場合は、その事実を記録に残してください。

楽天RPPの目安CPCに関するよくある質問

目安CPCはどのくらいの頻度で更新されますか?

更新頻度は楽天から公表されていません。弊社の実測では日単位で数値が動くことを確認していますが、施策の効果が反映されるまでには、それよりも長い期間が必要と考えられます。日々の変動に振り回されないよう、月単位での比較をおすすめします。

同じ施策をうちの店舗でやれば同じ結果になりますか?

同じ結果になるとは言えません。今回の検証は対象商品数・キーワード数がいずれも限られており、統計的に一般化できる規模ではありません。加えて、カテゴリの競合状況、店舗のアクセス規模、検証期間に重なるイベントの有無によって結果は変わります。まずは自店舗で小さく試し、キーワード単位で記録を取ることをおすすめします。

商品ページではなく検索結果へ遷移させると、店舗全体の転換率は下がりませんか?

下がる可能性はあります。本検証では転換率への影響を測定していないため、影響の有無を弊社としてお答えできる段階にありません。実施される場合は、目安CPCと転換率を必ず並行して記録し、転換率の低下幅が許容範囲を超えた場合に戻せる形で始めてください。

目安CPCが上限のままでも、RPP広告は表示されないのでしょうか?

そのキーワードでの上位掲載は現実的に難しくなります。ただしRPP広告は指定したキーワード以外の検索語句でも表示され得るため、広告自体が完全に止まるわけではありません。ビッグキーワードで戦えない期間は、複合キーワードで露出を確保する設計が有効です。

目安CPCを下げたい場合、最初に取り組むべきことは何ですか?

まずは商品ページ側でクリック率を高める改善から着手してください。サムネイル画像、価格、クーポン、レビューといった要素の見直しが基本です。今回ご紹介した導線変更は、それらを一通り実施した上での次の一手として位置づけるのが適切です。

まとめ

楽天RPPの目安CPCと店舗内回遊の関係について、現時点で言えることを整理します。

  • 店舗内の導線を検索結果経由に変える施策では、複合キーワードで約1か月後に目安CPCの低下が見られた
  • ビッグキーワードは約2か月間変化がなく、約2か月半後に上限を下回る水準まで低下した
  • ただし同時期に在庫・値引き率・セール需要が動いており、導線変更単独の効果とは切り分けられていない
  • キーワード単位で見ると改善は半数程度で、全面的な改善とは言えない
  • この施策は現在も継続検証中であり、確定した成果としてお伝えできる段階ではない

次に取るべき最初の一歩は、自店舗の主要キーワードの目安CPCを、キーワード単位で月1回記録する仕組みをつくることです。記録がなければ、どの施策が効いたのかを後から判断できません。

「狙いたいキーワードの目安CPCが高すぎてRPP広告を出せない」「施策の効果をどの期間で判断すべきか分からない」「何から改善すればいいか分からない」「やりたいことはあるが手が回らず困っている」

こんなお悩みはありませんか?

弊社では、EC事業のプロフェッショナルが貴社の店舗・サイトを分析し、売上アップのための具体的な改善ポイントをご提案する「EC店舗ポテンシャル無料診断」を実施しています!

毎月先着限定とさせていただいておりますので、枠が埋まってしまう前に、まずはお気軽にご相談ください。

▼弊社のECコンサル/運営代行については以下で詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください▼

詳細はお気軽にお問い合わせください!

お気軽にお問い合わせください。