楽天市場の広告運用を外注するメリット・デメリットとは?

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楽天市場の広告運用は売り上げを伸ばすために重要な施策です。
しかし専門的な知識が必要で、自社だけでは手こずっている企業も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では広告運用を外注・代行を利用する際のメリットやデメリット、注意点を解説いたします。

1.楽天市場の広告とは

楽天市場の広告とは、楽天市場に出店しているショップが、自社の商品やブランドをより多くのユーザーにアピールし、売上や集客を向上させるために利用するプロモーション施策です。
主に、楽天市場内の検索結果や商品ページやトップページなどに広告を表示させることができ、ユーザーの購買行動に合わせた効果的なアプローチが可能です。

広告の形式には、検索キーワードに連動して商品を表示する「RPP広告(検索連動型広告)」や、ユーザーの行動履歴に基づいて最適な商品を表示する「ディスプレイ広告(RPP広告)」などがあり、多くはクリックごとに費用が発生する「クリック課金型(CPC)」を採用しています。

楽天市場の広告は、購買意欲の高い楽天会員に直接アプローチできる点が大きな特徴であり、商品やショップの認知拡大・新規顧客の獲得・リピート促進といった様々なマーケティング目的に活用されています。

2.楽天市場の主な広告

2-1.RPP広告(検索連動型広告)

楽天市場のRPP広告(Rakuten Product Promotion広告)とは、楽天市場に出店しているショップが、自社の商品を効率的にプロモーションするために活用できるクリック課金型の広告サービスです。
RPP広告は、楽天市場内の検索結果ページやカテゴリページ、商品ページなどに商品を広告として表示し、購入意欲の高いユーザーに向けて露出を高めることができます。

RPP広告の大きな特徴は、楽天が保有する膨大な購買データやユーザー行動データを活用して、自動的に広告の掲載場所や表示内容を最適化してくれる点です。
広告対象の商品や入札単価(CPC)を設定することで、楽天のアルゴリズムが、最適なユーザーに向けて商品を表示するため、運用の手間を軽減しながら高い費用対効果を狙える広告手法となっています。

また、広告の効果は楽天の管理画面(RMS)上で確認でき、クリック数や売上、ROAS(広告費用対効果)などの指標をもとに改善を図ることも可能です。RPP広告は、楽天市場内での競争が激しい中で、商品露出を拡大し、売上を伸ばす有力な手段として多くの店舗に利用されています。

2-2.TDA広告(ターゲティングディスプレイ広告)

楽天市場のTDA広告(ターゲティングディスプレイ広告)とは、楽天の保有する膨大な会員データや購買履歴、閲覧行動などのユーザー情報を活用して、ターゲットを絞って広告を表示するディスプレイ型広告です。
楽天市場内だけでなく、楽天グループの各種サービスや外部提携メディアなどにも広告が配信されるため、楽天会員のオンライン行動全体にアプローチできるのが特徴です。

TDA広告は、特定のユーザー層(たとえば「過去30日以内に◯◯商品を閲覧したユーザー」や「購入経験があるが最近離脱しているユーザー」など)に対して、バナー広告や商品画像広告などを通じて再訴求することが可能です。このような広告配信により、認知拡大・見込み顧客の再獲得・購入促進など、マーケティングのさまざまな目的に対応できます。

広告の料金は主に「インプレッション課金(CPM)」または「クリック課金(CPC)」で設定されており、目的や配信先に応じて柔軟に運用できます。また、配信結果はレポートで確認でき、広告効果の改善にも活用できます。

TDA広告は、楽天市場に出店している店舗や楽天グループ内で商品を展開しているブランド企業などにとって、楽天会員の中から“本当に興味のある層”へピンポイントでアプローチできる強力な広告手段です。

2-3.CA広告(クーポンアドバンス広告)

楽天市場のCA広告(クーポンアドバンス広告)とは、楽天市場に出店している店舗がクーポンと広告配信を組み合わせて集客・売上促進を図る広告手法です。ユーザーに引きのあるクーポンを提示することで、クリック率や購入率を高めながら、効率的に店舗や商品の露出を増やすことができます。

この広告では、あらかじめ設定した値引き額や条件(例:○○円以上の購入で△△円オフ)によるクーポンを発行し、それを楽天市場内の検索結果ページや商品ページなどの広告枠に表示します。
ユーザーはそのクーポンに興味を持つことで広告に反応しやすくなり、通常のディスプレイ広告よりも高いコンバージョンが期待できるのが特長です。

CA広告はクリック課金型(CPC)で、広告費に加えて、実際に使われたクーポンの割引分が別途発生します。そのため、費用対効果のバランスを見ながら戦略的に運用することが重要です。
さらに、楽天のユーザーデータを活用して、過去に商品を閲覧したユーザーや購買傾向の近いユーザーに対して広告を表示できるため、高精度なターゲティングも可能です。
「価格訴求」と「広告配信」を融合した楽天独自の広告施策であり、特に価格感度の高いユーザー層に対して効果的にアプローチしたい店舗にとって、有力なマーケティング手段となっています。

2-4.楽天市場広告(ディスプレイ広告)

楽天市場広告(ディスプレイ広告)は、楽天市場のトップページ・特集ページ・ジャンルページなどに掲載される広告です。
広告メニューも豊富に用意されており、広告の掲載期間も掲載枠によって異なります。
ディスプレイ広告特徴として、ユーザーの目に留まりやすい位置に掲載されることが多いため、楽天市場内を回遊している潜在顧客へのアプローチに効果的です。
また、広告掲載枠と露出する商品の親和性が高いほど多くのアクセス、売上が見込めるのが特徴です。

3.楽天市場の広告運用代行会社を利用するメリット

楽天市場の広告運用を外注(代理店や運用代行会社に委託)することには、多くのメリットがあります。特に、広告の成果を最大化したいけれど「社内に専門知識や人手が足りない」といったショップにとって、外注は非常に有効な選択肢です。以下にそのメリットを詳しく解説します。

3-1.広告のプロによる最適運用で効果を最大化できる

広告代理店は、楽天市場の広告(RPP広告・TDA広告・CA広告など)に関する豊富な運用経験と最新のノウハウを持っています。
出稿のタイミング、入札単価の調整、ターゲティング戦略、クリエイティブの改善などをデータに基づいて最適化し、費用対効果(ROAS)を高めることが可能です。

また、売上が伸びやすいイベント時期に合わせた運用が可能で、楽天スーパーSALE、お買い物マラソン、ブラックフライデーなど、楽天市場の大型イベント時には広告運用が重要です。
プロに任せることで、イベントに合わせた広告設計・クーポン連動・在庫調整など、トータルで戦略的な運用が可能になります。

3-2.社内の負担を大幅に削減できる

楽天広告は設定や運用だけでなく、効果測定・分析・改善のサイクルが非常に重要です。
自社で対応するには時間もリソースもかかりますが、外注することで日々の広告運用業務から解放され、本来の業務(商品開発・接客・在庫管理など)に集中できます。
特に楽天市場は仕様変更や広告メニューの追加・アップデートが頻繁にあります。
運用代行会社・広告代理店は楽天との情報共有ネットワークを持っていることが多く、最新の情報やアルゴリズム変更への対応が早く、柔軟な運用が可能です。

3-3.運用レポートの提供で数値を「見える化」できる

多くの広告代理店は、定期的な運用レポートの提出と分析レポートをまとめています。
広告費の使われ方や効果(クリック率、CVR、ROASなど)が可視化され、運営方針や経営判断に活かしやすくなります。

また、複数の楽天店舗の広告運用を担当しているため、特定ジャンルや季節商戦に関する市場全体の傾向や競合の動きなども把握しているため、広告だけでなく販売戦略全体のアドバイスがもらえるケースもあります。

4.楽天市場の広告運用代行会社を利用するデメリット

上記の通り楽天市場の広告運用を外注することには多くのメリットがありますが、すべての店舗にとって必ずしもメリットがあるとは限らず、デメリットやリスクも存在します。外注を検討する際は、以下のようなポイントをしっかり把握したうえで判断することが重要です。

4-1.外注コスト(手数料)がかかる

外注する場合、基本的には月額費用が発生します。
広告運用代行は「月額固定」の場合もあれば「広告費の○%」という手数料型の料金体系を採用しており、15〜25%前後が一般的な相場です。
運用代行会社ごとに料金体系は異なり、報酬が高額になる場合もあるため費用対効果や予算を検討しておきましょう。
また、契約期間がどのくらいかも検討する重要なポイントです。

4-2.自社にノウハウが蓄積されにくい

広告運用を代行会社に任せきりにすると、広告運用の細かな調整や効果検証が社内で理解できなくなるリスクがあります。
将来的に自社運用への切り替えを検討している場合は社内に知識が残りにくいため、どのレベルまで外注業者からノウハウ共有が可能かも確認しておきましょう。
レポートを共有してもらったり、定例MTGなどを通じて知識を少しずつ社内に吸収する姿勢も重要です。
特に代行業者との意思疎通は重要で自社の商品やブランディング意図と異なる広告運用をされてしまうことがないよう、運用方針・KPI・ターゲット像などをしっかり共有・合意しましょう。

4-3.広告運用代行会社ごとに運用スキル・品質に差がある

すべての広告運用代行会社が同じレベルのサービスを提供している訳ではありません。
「楽天広告に強いかどうか」は会社ごとに差があり、さらに言うと担当者ごとにも差があります。
高額な手数料だからといって必ずしも運用スキル・品質が高い訳ではなく、あくまで会社ごとにある強みをしっかり検討しましょう。
過去の実績やクライアント事例を事前に確認しておくのも有効です。
また、Yahoo!ショッピングやAmazonなど包括的にお願いしたい場合は、楽天市場以外のECモールの運用実績を確認しておくことも重要です。

5.楽天市場の広告運用会社を選ぶポイント

楽天市場の広告運用会社を選ぶ際には、広告の成果を最大化するために、料金体系だけでなく、実績・専門性・対応力などを総合的に見て判断することが重要です。以下に、失敗しないための選定ポイントを詳しく説明します。

5-1.楽天広告に特化した実績があるかどうか

楽天市場の広告運用(RPP広告、TDA広告、CA広告など)は、GoogleやYahoo!の広告運用とは仕組みや最適化方法が異なるため、楽天広告に特化した知識と実績が求められます。
また、広告は売上の一部を支える要素であり、商品ページの作りやレビュー、在庫管理、価格戦略などの改善と連動させることで初めて効果を最大化できます。そのため、広告運用だけでなく店舗全体の改善提案ができるかといったサイト運用代行も含めてサポートしているかも検討材料の一つです。

5-2.レポート・報告体制と担当者の対応力

広告運用の成果を確認し次のアクションにつなげるには、定期的なレポートや報告体制が欠かせません。
月次・週次の運用レポートを提供してくれるか?
レポートの内容が、単なる数値だけでなく、課題と改善提案まで含まれているか?
など、事前に気になるところは問い合わせましょう。レポートのサンプルを見せてもらえる場合もあります。
また、実際に運用を任せるのは広告運用代行会社の中の「担当者」です。知識だけでなく、対応スピードやコミュニケーション力、柔軟性も非常に重要な検討ポイントです。初回打ち合わせなどのやり取りから信頼関係を築けるかもチェックしましょう。

5-3.料金体系が明確かつ納得感があるか

一概に料金が高ければ良いサービス、安ければ質の低いサービスという訳でもありません。
広告運用会社の料金は一般的に「広告費の15〜25%前後の運用手数料」が多いですが、契約前に必ず明確な料金体系を確認することが大切です。

最低出稿額や契約期間の縛りがあるか?
成果が出なかった場合の対応はどうなるか?
「手数料だけ」か「月額固定+手数料」か?

上記を含め、どこまでが基本料金か、追加費用は発生するかもしっかり確認しておきましょう。

▼おすすめの運用代行会社については下記を参考にしてください▼

6.まとめ

楽天市場の広告運用を外注する場合、専門知識を持つプロに任せることで、広告効果の最大化や社内リソースの節約が可能になるという大きなメリットがあります。
特に、RPP広告やTDA広告、CA広告など楽天特有の広告メニューを効果的に活用するには、高度な運用スキルと最新情報への対応力が求められます。

外注することにより広告の最適化や改善提案・効果測定などを継続的に行える一方で、手数料などのコストが発生し、自社にノウハウが蓄積されにくいというデメリットも存在します。そのため、信頼できる代理店を選ぶことが非常に重要です。

広告運用会社を選ぶ際は、楽天広告に特化した実績があるか、レポート体制や担当者の対応力、料金体系が明確であるかなどをチェックし、まずは話を聞いてみることをお勧めします。

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Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

大学卒業後、楽天株式会社に入社。 初期配属は東北エリアグループにて、牛タンやりんごなどの東北の名産品の販売支援に従事。 その他、アパレル業界を専門として、大手企業を中心に各種ECコンサルティング活動に従事 (のべ担当店舗数700以上)。楽天を卒業後、経営コンサルタントの道へ進み、小売企業を中心に様々な業界において経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、実行支援、EC戦略策定等)その後、株式会社Proteinumを創業。”EC業界にとってなくてはならない存在に”をミッションに、現在は自社ブランドの立ち上げとクライアントのEC事業の支援に従事。

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