楽天市場を複数人で管理する方法とは?安全な運営のためのR-Login設定・RMS権限付与ガイド

楽天市場を複数人で管理する方法とは?安全な運営のためのR-Login設定ガイド

楽天市場の店舗運営において、売上が拡大しスタッフや外部パートナーが増えてくると、必ず直面するのが「管理画面(RMS)のログイン管理」という課題です。

「店長のメインIDを全員で使い回しているけれど、セキュリティ的に大丈夫かな?」「スタッフに受注データは見せたいけれど、振込口座などの重要設定は触らせたくない……」といった不安を感じてはいませんか?

この記事は、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が楽天市場を複数人で管理する方法について解説します。

この記事の対象となる方

  • 楽天市場に出店しており、スタッフが増えてきた店舗運営者様
  • 外部の運営代行会社やコンサル会社にRMS操作を依頼する予定の店長様
  • メインのログインIDを共有して運営することに不安を感じている方

この記事を読むメリット

  • 楽天市場を複数人で安全に管理するための正しい仕組み(R-Login)が理解できる
  • スタッフごとの権限設定方法が分かり、情報漏洩や誤操作のリスクを軽減できる
  • 複数人管理による業務効率化の具体的なステップが把握できる
Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

慶応義塾大学を卒業後、楽天グループ株式会社に入社。ECコンサルタントとして、ショップオブザイヤー受賞店舗を含むのべ700店舗以上を支援。その後、小売業を中心に経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、EC戦略策定・実行支援など)し、株式会社Proteinum(プロテーナム)を創業。
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。

Contents

楽天市場を複数人で管理する正しい仕組み「R-Login」とは?

楽天市場を複数人で管理する正しい仕組み「R-Login」とは?

楽天市場の管理画面(RMS)を複数人で使いたいが、1つのIDを使い回しても大丈夫か?

いいえ、1つのID(メインID)を複数人で共有することは推奨されません。楽天市場では「R-Login(アールログイン)」という仕組みを使い、各担当者に個別の利用者IDを発行して管理するのが正しい方法です。

楽天市場の運営システムであるRMS(Rakuten Merchant Server)は、売上データや非常に重要な個人情報(顧客の氏名、住所、電話番号など)を取り扱う場所です。そのため、「誰が、いつ、どのような操作を行ったのか」を明確にするログ管理が極めて重要になります。

R-Loginを活用すれば、店舗オーナーのメインID(マスターID)を他人に教える必要はありません。スタッフ一人ひとりに専用のIDとパスワードを発行し、それぞれの役割(制作、受注、分析など)に合わせた必要な権限だけを付与することで、安全な複数人管理が可能になります。

楽天市場のメインID使い回しに潜む3つの重大なリスク

楽天市場のメインID使い回しに潜む3つの重大なリスク

パスワードを教え合うのは手間がかからないし、少人数ならリスクは低いのではないか?

いいえ、たとえ2〜3人の少人数であっても、メインIDの共有には「店舗閉鎖」にも繋がりかねない致命的なリスクが潜んでいます。

楽天市場のメインID(マスターID)は、店舗の全ての権限を持つ「全能の鍵」です。これを共有するということは、本来店長のみが知るべき重要情報まで誰でも操作できる状態を意味します。

1. セキュリティの脆弱性と情報漏洩の恐怖

最も恐ろしいのは、スタッフの退職時です。メインIDを共有している場合、退職者がパスワードを知ったままの状態になります。

もし悪意を持ってログインされた場合、顧客の個人情報を持ち出されたり、振込先口座を書き換えられたりするリスクがあります。 パスワードをその都度変更する手間も膨大になり、管理が形骸化しやすくなります。

2. 「誰がやったかわからない」責任所在の不明確化

複数人で1つのIDを使うと、RMS上の操作履歴(ログ)が全て同じIDで記録されます。

  • 商品価格を誤って「0円」で更新してしまった
  • 発送前の注文を誤って「キャンセル」してしまった

このようなトラブルが発生した際、誰がいつ操作したのかが特定できないため、再発防止の教育もできず、現場に不信感だけが残る結果となります。

3. 二要素認証(ワンタイムパスワード)による業務の停滞

現在、楽天市場ではセキュリティ強化のため、ログイン時に登録メールアドレスや電話番号への「二要素認証」が頻繁に求められます。

共有IDを使っていると、認証コードが届くたびに店長へ「コードを教えてください」と連絡を取らなければならず、店長が不在や会議中であれば、全スタッフの手が止まるという深刻な効率低下を招きます。

個別ID発行(R-Login)で楽天市場を複数人管理するメリット

個別ID発行(R-Login)で楽天市場を複数人管理するメリット

個別IDを発行することで、具体的にどのような「プラスの効果」が得られるのか?

セキュリティの向上はもちろん、スタッフの「専門化」が進み、売上アップに向けたPDCAサイクルが高速化します。
R-Loginを活用した個別管理は、単なる守りの施策ではなく、攻めの運営体制を作るための土台です。

1. 業務に合わせた「最小限の権限」によるミスの防止

個別IDでは、担当者の役割に合わせて「触れる画面」を制限できます。

  • 制作担当者:商品ページやバナーの編集はできるが、注文情報は閲覧不可
  • 受注担当者:注文処理はできるが、店舗のデザイン設定は変更不可このように制限をかけることで、不慣れなスタッフが誤って重要な設定を書き換えてしまう物理的なリスクを排除できます。

2. 最大100名までの登録で大規模なチーム運営が可能

楽天市場のR-Loginは、1店舗あたり最大100名まで登録が可能です。

「自社スタッフ10名 + 撮影外注会社 + 運営代行会社 + 広告代理店」といったように、多くの関係者が関わる大規模な店舗であっても、それぞれに専用のIDを発行して効率的に管理できます。

3. 操作ログの活用による品質管理と教育の効率化

「どのスタッフが、どの商品を、何時に更新したか」が明確になるため、万が一のミスが発生しても迅速にリカバリーが可能です。
また、優秀なスタッフの操作履歴を分析することで、「売れる商品ページの作り方」のノウハウをチーム全体で共有し、スタッフ全体のスキルアップに繋げることも可能になります。

複数人管理体制の構築事例

比較項目メインID共有(旧体制)個別ID管理(新体制)
ログイン店長の認証待ちで時間がかかる各自がいつでもログイン可能
セキュリティパスワード漏洩のリスク大退職者のIDだけ即停止でき安全
トラブル対応原因特定が困難で責任を押し付け合う操作ログから即座に原因を解明
分業効率全員が全画面を触るため混乱役割が明確になり作業スピード向上

EC売上の方程式:複数人管理が売上アップに直結する理由

EC売上の方程式:複数人管理が売上アップに直結する理由

ECサイトの売上は、以下の方程式で成り立っています。

売上=集客数×転換率×客単価

店長一人が全てを管理している状態では、これらの要素を同時に改善することは困難です。
「R-Login」を活用して複数人で管理・運営を行うことで、各要素への専門的なアプローチが可能になります。

  • 集客数向上:広告運用担当者が日々のRPP広告を微調整する。
  • 転換率向上:制作担当者が商品ページのABテストや商品紹介コンテンツ(A+)を磨き込む。
  • 客単価向上:CRM担当者がメルマガやクーポン施策で合わせ買いを促進する。

このように、複数人管理体制を整えることは、単なるリスクヘッジではなく、売上の最大化に向けた攻めの施策と言えるのです。

楽天市場を複数人で管理するためのR-Login設定手順とは

楽天市場を複数人で管理するためのR-Login設定手順とは

管理者が行うべき設定の手順を具体的に解説します。スタッフ本人がR-Login登録を行った後、管理者が「承認」することで利用可能になります。

1.R-Login「利用者管理」へアクセス:管理者のIDでログインし、[利用者管理]を選択

出典:楽天店舗運営ナビ

2.スタッフの承認:一覧から[承認待ち]となっているスタッフを選択し、利用を許可

出典:楽天店舗運営ナビ

3.有効期限と権限の設定:「有効期限」(最長3年)とサービスごとの利用範囲を設定

出典:楽天店舗運営ナビ

4.内容確認と保存:設定内容を確認し、[変更する]をクリックして完了

出典:楽天店舗運営ナビ

業務別・担当者別の推奨権限付与一覧

複数人で管理する場合、誰にどの権限を付与すべきか。業務内容に合わせた推奨設定をまとめました。

担当者の区分主な業務内容種別(ロール)付与すべき主な権限
店長・責任者運営全般、重要設定の変更管理者サービス操作全般、利用者承認・権限変更
受注・CSスタッフ注文確認、出荷指示、問い合わせ対応スタッフR-Backoffice(受注・顧客管理)
制作・デザイン担当商品登録、ページ編集、画像管理スタッフR-Storefront(商品・店舗編集)
外注業者(制作)バナー更新、特集ページ作成外注業者等R-Storefrontのみ(ダブルアカウント活用)
分析・マーケ担当売上分析、施策立案スタッフR-Datatool(データ分析)

【ポイント】 外注業者には「ダブルアカウント」設定を活用し、受注管理(個人情報)を除外した「R-Storefrontのみ」の権限を渡すのが安全です。

複数人管理を成功させる!Before/Afterで見る運営の効率化

複数人管理を成功させる!Before/Afterで見る運営の効率化

複数人管理を導入することで、具体的に運営はどう変わるのか?

ボトルネック(停滞箇所)が解消され、店舗運営のPDCAサイクルが劇的に速くなります。

Before:店長一人が全てを管理していた状態

  • 店長が受注、在庫更新、ページ作成、広告設定を全て一人で行っている。
  • 店長が不在の際、急な注文変更やキャンセルに対応できる人がいない。
  • 作業過多によりミスが増え、顧客対応の質が低下する。
  • 売上を伸ばすための「戦略立案」に時間が割けない。

After:R-Loginで権限を分けて複数人で管理する状態

  • 受注担当者:朝一で注文を確認し、迅速に発送指示を出す。
  • デザイン担当者:店長に相談せずとも、最新のトレンドに合わせたバナーの差し替えを行う。
  • 広告・分析担当者:売上データを元に、次の買い回りイベントの戦略を練る。
  • 結果:店長は経営判断や新商品開発といった重要業務に集中できるようになり、事業全体の成長スピードが加速します。

運用を安定させるためのポイント

  • 定期的なアカウントの棚卸し:退職したスタッフや、契約が終了した外部パートナーのアカウントは即座に停止する必要があります。
  • パスワードポリシーの徹底:簡単なパスワード設定を禁止し、定期的な変更を促す運用ルールを設けることが重要です。

外部パートナーへの権限付与状況

多くの店舗様では、外部の運営代行会社を活用する際、「商品管理」と「デザイン管理」に限定した権限を付与し、売上金振込口座の変更などが含まれる「店舗基本情報」の権限は自社のみで保持する構成をとっています。
これにより、セキュリティリスクを最小限に抑えつつ、プロの知見を運営に取り入れることに成功しています。

楽天市場の複数人管理に関するよくある質問(FAQ)

1店舗に最大何人まで登録できますか?

R-Loginの利用者として、1店舗につき最大100名まで登録可能です。

外部の代行会社に権限を渡すのは安全ですか?

R-Loginで必要な範囲(例:デザインのみ)に限定した個別IDを発行し、機密保持契約(NDA)を結んだ上で管理すれば安全です。マスターIDを教えるのは絶対に避けてください。

スタッフがパスワードを忘れた場合は?

メインIDを持つ管理者が、R-Loginの管理画面から該当スタッフのパスワードをリセットしたり、再設定用メールを送ったりすることが可能です。

まとめ:楽天市場を複数人で管理して売上アップを目指そう

楽天市場での売上拡大には、一人で全てをこなす「職人型運営」から、正しい仕組みを使った「チーム型運営」への脱却が不可欠です。

  • メインIDの共有は厳禁:セキュリティと履歴管理のため、必ずR-Loginを活用する。
  • 個別IDの役割分担:スタッフごとに「受注」「制作」「分析」など、適切な権限を付与する。
  • 最大100名の登録枠を有効活用:事業規模に合わせて柔軟に体制を構築する。
  • 定期的なメンテナンス:不要になったIDの削除を徹底し、安全性を保つ。

楽天市場を複数人で管理する体制が整えば、運営のスピード感は劇的に向上し、結果として売上の最大化に繋がります。

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