楽天TDA広告の概要!設定方法や注意点、運用のコツを徹底解説

本記事では、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)がTDA広告について解説します。TDA広告はターゲティングを細かく設定できるため、認知拡大を中心によく利用される広告です。積極的に活用していくと売上アップが見込めるため、本記事をご覧いただいて出稿してみてください。

【本記事でわかること】

  • TDA広告の概要
  • TDA広告の出稿方法
  • TDA広告の効果を最大化するためのポイント

【この記事を読んでほしい方】

  • TDA広告の出稿を検討されている方
  • すでにTDA広告を配信しているもののイマイチポイントがつかめない方
  • TDA広告を継続的に改善されている方
Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

慶応義塾大学を卒業後、楽天グループ株式会社に入社。ECコンサルタントとして、ショップオブザイヤー受賞店舗を含むのべ700店舗以上を支援。その後、小売業を中心に経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、EC戦略策定・実行支援など)し、株式会社Proteinum(プロテーナム)を創業。
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。

Contents

バナー

楽天TDA(ターゲティングディスプレイ)広告とは?

楽天TDA(ターゲティングディスプレイ)広告とは、楽天市場で提供される広告サービスの一つで、店舗側で設定した特定のセグメントに属するユーザーにバナー広告を表示する仕組みです。
RPP広告のように商品に対する広告配信だけでなく、トップページやカテゴリページなどの店舗ページへの集客もできるため、ブランドの認知向上やキャンペーンやセールの告知等にも有効です。

楽天TDA広告の特徴

楽天TDA広告の主な特徴は細かくターゲティング設定をして、ディスプレイ広告を配信できる点です。TDA広告の特徴を生かして売上につなげていけるとよいでしょう。

  1. 属性・行動ターゲティングで楽天利用者のデータを活用してセグメントできる
  2. 検索キーワードターゲティングで検索キーワードでセグメントできる
  3. ブランドの認知度を上げられる
  4. 視覚に訴える訴求が可能
  5. 市場外配信が可能

属性・行動ターゲティングで楽天利用者のデータを活用してセグメントできる

楽天TDA広告は、楽天独自のユーザーデータを活用して広告施策を実施できます。
店舗が広告配信のセグメント設定をする際にユーザーの楽天内での行動履歴をもとに設定できるため、ユーザーの特徴に合わせて訴求可能です。

検索キーワードターゲティングで検索キーワードでセグメントできる

楽天TDA広告は検索キーワードでセグメントできます。imp単価が3円からの設定とかなり高くなるのですが、検索キーワードで設定できる分潜在層から顕在層まで意図的に狙うことができます。

ブランドの認知度を上げられる

楽天TDA広告は多様な箇所に掲載できますので、店舗の認知度を上げる効果も期待できます。
セグメント設定した楽天ユーザーの中で自社商品やブランドについて知らない人に対しても、アピールできるようになります。

視覚に訴える訴求が可能

楽天TDA広告はバナーのデザインは自由に編集可能であるため、工夫次第でユーザーの視覚に直接アピールできます。
しかしバナーのデザインは設定した予算を消化するまで変更ができず、予算消化後の変更の際も再入稿が必要となるため、再配信までに時間がかかってしまいます。
バナーのデザインは慎重に検討しましょう。

市場外配信が可能

広告設定画面で市場外配信を設定した場合には、楽天グループメディアへ配信を行うことも可能です。

TDA広告の楽天市場外配信

※楽天公式「Targeting Display Ad_Media Sheet 」より

楽天TDA広告の表示箇所

RPP広告のように掲載箇所が一箇所に限られているわけではなく、楽天内のあらゆる箇所にバナーを表示することができます。例えば以下の箇所に表示されます。

【楽天TDA広告の楽天市場内の表示箇所】

  • 閲覧履歴
  • ランキング
  • 商品レビュー
  • もっと見る
  • お気に入り
  • 購入履歴
  • 商品価格ナビ
  • お買い物完了ページ
  • 商品レビューページ
  • 一部イベントページ
    ┗楽天スーパーSALE
    ┗お買い物マラソン
    ┗5と0の付く日はポイント5倍 など

【楽天TDA広告の楽天市場外の表示箇所】

  • 楽天市場外配信項目で、【標準】【積極】を選択している場合、楽天グループメディア(楽天市場以外の楽天グループサービスの掲載面)へバナーを配信。
  • 楽天リンク
  • 楽天カード
  • 楽天Infoseek
  • 楽天レシピ など

【楽天TDA広告のイベント時自動入札強化設定の表示箇所】

  • 楽天市場トップページ
  • 商品レビュー
  • スーパーSALEやマラソンなどのイベント関連のページ
  • 購買や閲覧履歴
    など
楽天TDA広告の表示箇所

楽天TDA広告の運用にかかるコスト

運用型のディスプレイ広告になるため、少額から始めることができ、出稿開始からも入札単価の調整が可能です。

【楽天TDA広告の費用】

  • 広告の表示回数で予算が消化されるインプレッション課金制
  • 最低予算額は月額5万円から設定可能
  • 入札単価は0.75円~10.0円まで0.05円刻みで調整可能
    ※ここでのインプレッションの定義は、ユーザーにバナー広告の50%以上が1秒以上表示された回数を指します。

楽天TDA広告の注意点

楽天TDA広告の配信は意外な落とし穴が結構多いので、これから紹介するポイントはしっかりと覚えておいてください。

  1. 入稿バナーが4枚あるため、作成に時間がかかる
  2. 審査着手までの期間が楽天スーパーSALE前月などには15営業日以上となることがある
  3. 入稿審査が細かく、審査に落ちることが多い
  4. パフォーマンスレポートに表示されるROASはビュースルーで計測されている
  5. 登録キャンペーンの上限数は20枠
  6. 広告クリエイティブ生成AIはまだ実用性に欠ける状況

入稿バナーが4枚あるため、作成に時間がかかる

入稿バナーが4枚あるため、出稿しようと思っても、バナー作成に時間がかかります。

審査着手までの期間が楽天スーパーSALE前月などには15営業日以上となることがある

審査着手までの期間が変動する点が他広告と大きく異なる点です。TDA広告の設定数が楽天全体で多くなると審査着手が遅くなります。そのため、楽天のスーパーSALE前は審査期間が1か月ほどかかる場合もあるため、要注意です。また、審査に落ちてからすぐに再入稿したとしても、また再審査までに同じぐらい待たなければならないため、注意が必要です。

入稿審査が細かく、審査に落ちることが多い

TDA広告のバナーのデザインには規定があり、文字の外側に16px以上の余白が必要であることやバナー内の文字の比率を1/3までにする必要があったりします。これらの規定に違反すると出稿は不可能となります。
新しいキャンペーン登録やバナー入稿の期日に間に合うよう、修正する時間などの余裕をもって作業しましょう。

パフォーマンスレポートに表示されるROASはビュースルーで計測されている

通常楽天市場の広告のパフォーマンスレポートのROASはクリックしたユーザーが購入すると計上されるケースが多いですが、TDA広告の場合はビュースルーで計測されます。ビュースルーとは、「ユーザーにバナー広告の掲載面積の50%以上が1秒以上表示された」場合を示します。そのため、ユーザーが全く広告を見ておらず、他の商品を確認するために、該当ページに留まっていただけでも、広告経由の売上に入ってしまう点は知っておいてください。クリックと同程度の計測だと、1/2~1/3程度の効果になります。

登録キャンペーンの月間作成可能数は20枠

楽天TDA広告の作成可能枠数

月あたりに作成可能な枠数は20枠が上限です。それ以上は作成できないので、多くの枠で配信する場合は、間違った枠の作成をしないように気をつけましょう。

広告クリエイティブ生成AIはまだ実用性に欠ける状況

原稿入稿時に「AIでバナー画像を生成」というボタンが表示されます。入稿している商品URLからAIによりバナーを生成してくれる機能です。ただ実際に活用してみるとまだ実用には耐えられない状況のため、今後に期待しましょう。

楽天TDA広告の設定方法

楽天TDA広告の設定方法についてご紹介していきます。設定の流れは以下の通りです。
画面に沿って入力することで、広告設定自体は簡単にできるため、設定時のポイントを解説していきます。

【楽天TDA広告設定の流れ】

  1. 出稿するターゲティングを選定し、キャンペーンの「新規作成」ボタンをクリックする
    • 属性・行動ターゲティング
    • 検索キーワードターゲティング
  2. キャンペーンの登録画面に表示される内容を登録する
    • キャンペーン名
    • キャンペーン期間
    • 予算
    • 枠指定型配信
    • 入札単価
    • イベント時自動入札強化
    • 楽天市場外配信
    • 配信ペース
  3. 対象セグメント
    • 設定URL
    • ターゲティング設定
  4. 原稿入稿

楽天TDA広告の設定時の検討のポイント

楽天TDA広告はかなり細かい設定ができる広告となっているため、ターゲティングを正しく理解し、適切なターゲティング設定ができるかどうかが重要です。各ターゲティング機能について解説していくので、どのような設定をすべきなのか、仕様理解をした上で決めてください。

属性・行動ターゲティングとは?

TDA広告の設定可能セグメント

楽天市場保有する豊富なデータに基づくターゲティング設定を行うことができます。
ターゲティングは、「ユーザーの年齢や性別、居住地域、特定ジャンルの閲覧・購買履歴がある」などのセグメントで実施できます。

検索キーワードターゲティングとは?

検索キーワードターゲティングとは、特定のキーワードで検索した際に、楽天市場内の検索結果ページ最上部にバナーを掲載できる、ビューアブルインプレッション課金型のディスプレイ広告です。

検索キーワードターゲティング配信時の掲載面

検索結果画面の最上部にバナーが表示されるため、対象キーワードを検索している購入可能性が高いユーザーに対してアプローチすることが可能です。

楽天TDA広告の検索キーワードターゲティング掲載面

枠指定型配信とは?

枠指定型配信とは、TDA広告を指定した枠にのみ配信できる機能です。ユーザーの目に留まりやすい掲載面に配信したいという場合に活用すると有効です。
広告配信の目的に合わせて、指定した人気枠に絞って配信をすることができます。(1つのキャンペーンで指定できる枠は1つまでです)
入札単価が1.8円~10円での設定となります。

【指定できる配信枠の対象】

  • 楽天市場TOPページ(APP)、
  • 楽天市場TOPページ(SPウェブ)
  • 楽天スーパーSALE/お買い物マラソン イベントページ(PC/SP Web)
  • 5と0のつく日 イベントページ(PC/SP Web)

イベント時自動入札強化とは?

イベント時自動入札強化とは、イベント時に入札単価を自動的に一定割合強化する機能です。

イベント時期の対象

楽天スーパーSALE、お買い物マラソン、ワンダフルデー、5と0のつく日、ご愛顧感謝デーが対象です。

入札の自動強化割合の決定方法

イベント対象日に強化される仕組みですが、いくつのイベントが対象かによって、強化割合は異なります。(イベントが重なるタイミングでは入札金額のトレンドに合わせ、強化割合が、通常イベントよりも強くなります。)
強化割合は、イベントが重なるタイミングやイベント状況に応じて最大+30%までの範囲で変動します。

イベント時自動入札強化を活用した際の掲載面

以下の配信面に配信されます。

  • 楽天市場内(市場TOPページ、閲覧履歴、購入履歴、お買い物マラソン、楽天スーパーSALE、ランキング、ブックマークなど)
  • 楽天市場外配信項目で、 【標準】【積極】で選択された場合、楽天グループメディアへバナーを配信。(楽天リンク・楽天カード・楽天Infoseek・楽天レシピなど)
TDA広告でイベント時自動入札強化を活用した際の掲載面

楽天市場外配信とは?

「楽天市場外配信」項目は、「標準」「積極」もしくは「なし」から選択できます。「標準」「積極」で選択された場合、楽天グループメディアへバナーが配信されます。(楽天リンク・楽天カード・楽天Infoseek・楽天レシピなど)

すでに楽天市場内の顧客にはアプローチしきってしまって、楽天市場外からも顧客を獲得していきたいという場合に活用すると有効です。

楽天TDA広告|バナーのデザインの考え方

楽天TDA広告におけるバナーデザインの考え方は、広告効果を最大化するために非常に重要です。

ブランドについて訴求する場合

楽天TDA広告でブランドについて訴求する場合、以下のポイントに絞ってバナーをデザインすると効果的です。特に、ハイブランドのクリエイティブや映画のポスターなどを参考にすることで、視覚的に魅力的なデザインを作成できます。

①高品質なビジュアル要素

  • 魅力的な画像を使用
    高品質で美しいビジュアルを使用し、商品の魅力を最大限に引き出します。ハイブランドの広告や映画のポスターを参考に、洗練されたデザインを取り入れます。例えば、プロの撮影による製品写真やブランドのライフスタイルを表現したイメージ画像を使用します。
  • 統一感のあるデザイン
    ブランドカラーやフォント、デザイン要素を統一し、ブランドの一貫性を保ちます。これにより、ユーザーにブランドの高級感や信頼感を伝えることができます。

②印象的なキャッチコピー

  • ブランドメッセージを明確に伝える
    ブランドのコンセプトや価値を反映したキャッチコピーを使用します。例えば、「時を超えるエレガンス」や「真の贅沢をあなたに」といったフレーズで、ブランドの特長を強調します。
  • 感情に訴える言葉
    ユーザーの感情に響く言葉を選びます。映画のポスターのように、短くても心に残るフレーズを使用し、ブランドへの興味を喚起します。

商品について訴求する場合

インパクトを重要視して、具体的な効果や数字を入れると効果が高くなります。
ただしこちらは1つの商品についてや1つの効果についてなど伝えられる範囲が限られてきますのでターゲットが絞られてしまい、長期的な効果は得ることが難しいです。
ペルソナ設定を丁寧に行い、短い期間で集中して配信すると高い効果が期待できます。

楽天TDA広告の成功事例

楽天TDA広告のターゲティングを調整することで、売上アップを実現できた事例を紹介します。

【店舗様のジャンル】
化粧品ジャンルを扱う店舗様

【店舗様の課題感】

新規の獲得に伸び悩んでいる

【検証期間】
2025年6月

【追加したセグメント】

  • 「自店舗来訪履歴のあるユーザーへ配信」
  • 「自店舗購入履歴のあるユーザーを除外」
画像

TDA広告にセグメントを追加した結果

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セグメントに「自店舗来訪履歴のあるユーザーへ配信」、「自店舗購入履歴のあるユーザーを除外」という設定を追加したことで、TDA広告の経由売上が新規で約80万円、ROASも約1400%を達成することができました。
こちらの店舗様では、これまでTDA広告を運用していましたが、ここまで新規顧客経由の売上をROASを維持しながら獲得できていなかったため、成果が上がった施策と言えます。

まとめ:楽天TDA広告を有効活用する方法

楽天のTDA広告について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
TDA広告は効果を出すために知っておくべきことが多いですが、多様な効果が見込めます。
特徴を理解してブランドの認知拡大や売上アップを狙いましょう。

楽天市場の広告については下記記事も参考にしてください。

Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

慶応義塾大学を卒業後、楽天グループ株式会社に入社。ECコンサルタントとして、ショップオブザイヤー受賞店舗を含むのべ700店舗以上を支援。その後、小売業を中心に経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、EC戦略策定・実行支援など)し、株式会社Proteinum(プロテーナム)を創業。
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。

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