楽天のセット販売で売上改善|送料の価格負けを解消した施策と成果を公開

株式会社Proteinum 代表取締役
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。
「商品単価では負けていないのに、送料を含めると競合に価格で負けてしまう…」。楽天市場で店舗を運営していると、こうした”送料の壁”に悩まされるケースは少なくありません。
この記事は、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)がセット販売による売上改善施策について、消耗品ジャンルの商品で2個セットSKUを追加し、送料込みの価格競争力を改善した事例を、具体的な数値とあわせてご紹介します。
セット販売の導入を検討している方はもちろん、客単価アップや転換率の改善にお悩みの方にも参考にしていただける内容です。
Contents
楽天市場の「送料込み価格」で競合に負けていませんか?
楽天市場で商品を販売していると、商品の本体価格だけでなく「送料込みの総額」で競合と比較されるシーンが非常に多いことに気づきます。
特に、商品単価が2,000〜3,000円程度の価格帯では、送料が500円前後かかるだけで、送料無料の競合商品と比べて大きなハンデになります。ユーザーが検索結果画面で「送料無料」のバッジが付いた商品と並べて見たとき、たとえ本体価格が同等でも、送料がかかる商品はどうしてもクリックされにくくなってしまいます。
こうした課題に対して「値下げ」で対抗するのは利益率を圧迫しますし、送料を無料にするだけでは原価構造的に難しいという店舗も多いのではないでしょうか。
そこで有効な選択肢のひとつが、セット販売の導入です。複数個をまとめて販売することで1個あたりの送料負担を実質的に軽減し、送料無料ラインをクリアしやすくする方法です。
セット販売が楽天市場で有効な3つの理由
セット販売が楽天市場で効果を発揮しやすい背景には、いくつかの構造的な理由があります。
送料込みの「実質価格」で競争力が高まる
楽天市場では、3,980円以上の購入で送料無料となる「39ショップ」の仕組みがあります。しかし、単品で3,980円に届かない商品の場合、送料が上乗せされてしまい、ユーザーの離脱要因になります。
2個セットにすることで合計金額が送料無料ラインを超えやすくなり、結果として「送料無料」の表示が可能になります。検索結果画面でのクリック率にも好影響が期待できます。
消耗品はセット購入のハードルが低い
日用品や消耗品カテゴリの商品は、まとめ買いへの心理的ハードルが比較的低いジャンルです。「いずれ使うものだから、まとめて買っておこう」というユーザー心理が働きやすく、セット販売との相性が良い傾向にあります。
客単価の向上につながる
セット販売は、1回の購入あたりの客単価を引き上げる効果もあります。単品購入と比べて1注文あたりの売上が増えるため、広告費に対するROAS(広告費用対効果)の改善にもつながりやすくなります。
【事例】2個セットSKU追加で送料の価格負けを解消した改善施策
ここからは、実際に弊社が支援した楽天市場の店舗で、2個セット商品のSKU追加によって送料問題を解消した事例をご紹介します。
改善前の状況 ─ 送料を含めると競合に価格で負けていた
今回の事例は、楽天市場で消耗品ジャンルの商品を販売している店舗です。月商は400万〜600万円規模で推移しており、主力商品の単価は約2,500円でした。
この商品は、競合商品と本体価格だけを比べると大きな差はありませんでした。しかし、送料を含めた総額で比較すると、競合に大きく負けてしまうという課題がありました。具体的には、送料が約500円かかるため、ユーザーから見た実質価格は約3,000円。一方、競合の中には2本セットで送料無料にしている店舗が複数見られました。
楽天市場の検索結果画面では「送料無料」のバッジが目立つため、同じような商品が並んだとき、送料無料でない商品はクリック率の面で不利になります。実際にこの店舗でも、アクセス数が伸び悩む傾向が見られていました。
実施した施策 ─ 2個セットSKUの追加と商品ページ統合
そこで弊社が提案したのが、既存の単品商品ページに2個セットのSKUを追加するという施策です。
具体的な施策内容は以下のとおりです。
- 同一商品ページ内にSKUを追加: 単品(約2,500円+送料)と2個セット(約5,000円・送料無料)を、1つの商品ページ内で選択できる構成にした
- 2個セットは送料無料に設定: セット購入時に送料無料ラインを超えるよう価格を調整し、「送料無料」バッジを表示可能にした
- ページを分けずに統合: 単品と2個セットで別ページを作るのではなく、SKU統合によって1ページに集約。レビューや検索順位の分散を防いだ
この施策のポイントは、新しい商品ページを作成するのではなく、既存ページにSKUを追加する形をとったことです。これにより、すでに蓄積されていたレビューや検索順位の評価をそのまま活かすことができました。
改善後の成果 ─ セット商品が売上構成比の約3割に
SKU追加後、約1か月分のデータが取れた時点で、以下のような成果が確認できました。
- セット商品の売上構成比が約3割に: 商品ページ全体の売上のうち、2個セットが約30%を占めるようになった
- 客単価の向上: セット購入が増えたことで、1注文あたりの客単価が改善した
- 転換率(CVR)の上昇傾向: SKU追加前後で、商品ページの転換率が約5%台から7〜8%台へと上昇する期間が見られた
一方で、注意すべき点もありました。セット商品の売上は好調でしたが、商品ページ全体の売上金額が大きく伸びたわけではなかったのです。これは、もともと単品で購入していたユーザーの一部がセット購入に移行した(いわゆる「カニバリゼーション」)可能性があります。
また、同時期にアクセス数が減少傾向にあったことも影響しています。転換率が上がっていてもアクセス数が減れば、売上の伸びは限定的になります。この店舗では、RPP広告(楽天プロモーションプラットフォーム)の広告費を抑えて運用していた時期と重なっており、アクセス数の減少は広告露出の縮小が一因と考えられました。
アクセス数・転換率・RPP広告から見る施策効果の多角的な分析
セット販売の効果をより正確に把握するためには、売上だけでなく、アクセス数や転換率、広告の実績も含めて多角的に分析することが重要です。
アクセス数と転換率の逆転現象
この事例では、SKU追加後にアクセス数は月間約2,000前後から約1,700程度に減少していました。しかし、同時期に転換率は約5%台から約7〜8%台に上昇しています。
この「アクセスは減っているのにCVRは上がっている」という現象は、セット販売導入の効果としてひとつの仮説が立てられます。送料無料のセット商品が選択肢に加わったことで、ページに訪問したユーザーが購入に至る確率が高まった可能性があるということです。
ただし、アクセス数の減少が続けば、CVRの改善だけでは売上をカバーしきれません。セット販売による転換率の改善と、アクセス数の確保は両輪で取り組む必要があるという点は押さえておくべきポイントです。
RPP広告との連動を考える
同店舗のRPP広告を見ると、年間を通じて広告費を縮小しながら運用しており、後半にかけてアクセス数が減少していました。ROASは月によってばらつきがあり、安定的な売上貢献にはつながっていない状況でした。
セット販売を導入して転換率が改善した状態であれば、RPP広告で獲得したアクセスがより効率的に売上に転換される可能性があります。つまり、セット販売によるCVR改善は、広告投資の効率を高めるレバレッジにもなり得るのです。
▼RPP広告の効果的な運用方法については、こちらの動画もご参考ください。
セット販売を自社の楽天店舗に導入する際の3つのポイント
この事例から学べるポイントを、自社に応用するための具体的なアドバイスとして整理します。
ポイント1:新規ページを作らず、既存ページにSKUを追加する
セット商品を販売するとき、既存の単品ページとは別に新しい商品ページを作ってしまうケースがあります。しかし、ページを分けると、レビューが分散し、検索順位も別々に評価されてしまいます。
既存ページにSKUを追加する形であれば、これまでに蓄積されたレビューや検索評価をそのまま活用できます。ユーザーにとっても、1つのページで単品・セットを比較して選べるため、利便性が高まります。
ポイント2:送料無料ラインを意識した価格設計をする
セット販売の最大のメリットは、送料無料にできる点です。価格を設定する際は、セット購入時に送料無料ラインを超える価格帯になるよう設計しましょう。
また、「2個以上のお買い上げで500円引きクーポン」のようなインセンティブを付与することで、セット購入への誘導をさらに強化できます。
ポイント3:セット販売に向いている商品を見極める
すべての商品がセット販売に向いているわけではありません。以下のような特徴を持つ商品は、セット販売との相性が良い傾向にあります。
- 消耗品・日用品: 定期的に使い切るため、ストックしておくニーズがある
- 単価2,000〜3,000円程度の商品: 送料が加算されると価格差が目立ちやすい価格帯
- 競合がすでにセット販売を行っているジャンル: ユーザーがセット購入に慣れている
逆に、嗜好品や高単価商品は、まとめ買いの心理的ハードルが高いため、セット販売の効果が出にくいケースもあります。
セット販売でよくある失敗パターンと注意点
セット販売は有効な施策ですが、導入時に気をつけたい落とし穴もあります。
単品の売上をセットが「食ってしまう」カニバリゼーション
今回の事例でも見られたように、セット商品の売上が好調でも、もともと単品で購入していたユーザーがセットに移行しただけで、商品ページ全体の売上が伸びていないケースがあります。
セット販売の目的が「新規顧客の獲得」なのか「客単価の向上」なのかを明確にし、施策の成果を正しい指標で評価することが大切です。
アクセス数の確保を忘れてしまう
転換率が改善しても、そもそものアクセス数が減少していれば売上は伸びません。セット販売は**「来てくれたユーザーに買ってもらいやすくする施策」**であり、集客施策ではありません。
RPP広告やSEO対策、イベント施策など、アクセスを集める取り組みとセットで考える必要があります。
在庫管理の複雑化に備える
SKUが増えると、在庫管理が複雑になります。単品とセットで在庫を共有する場合、セット用の在庫が足りなくなったり、逆に単品の在庫が過剰になったりするリスクがあります。事前に在庫管理のルールを決めておきましょう。
まとめ ─ セット販売は「送料の壁」を超える有効な一手
本記事では、楽天市場で送料込みの価格競争に負けていた商品に対して、2個セットSKUを追加することで課題を解消した事例をご紹介しました。
記事のポイントをまとめると、以下のとおりです。
- 商品単価で勝っていても、送料込みの実質価格で負けているケースは意外と多い
- 2個セットSKUの追加は、送料無料を実現し価格競争力を回復させる有効な施策
- 既存ページへのSKU追加であれば、レビューや検索評価を活かしたまま導入できる
- セット商品の導入後、転換率は改善する傾向が見られた(約5%台→約7〜8%台)
- ただし、カニバリゼーションやアクセス数の減少には注意が必要
- セット販売は「CVR改善施策」であり、集客施策との両輪で取り組むことが重要
セット販売は、大きなコストをかけずに始められる施策です。まずは主力商品や消耗品カテゴリから検討してみてはいかがでしょうか。
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