【出店者向け】楽天市場の置き配を徹底解説|導入設定と運用の全手順


株式会社Proteinum 代表取締役
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。
楽天市場の置き配機能、自店舗でどう設定すればよいかお悩みではありませんか?2025年12月16日より、楽天市場では佐川急便・日本郵便・ヤマト運輸の主要3キャリアに対応した「置き配」機能が全店舗で利用可能になりました。物流業界の2024年問題を背景に、再配達削減と顧客の利便性向上を目的として導入されたこの機能は、出店者にとっても配送コストの圧縮や顧客満足度の改善に直結する重要な施策です。
しかし、「配送キャリアごとに契約手続きが違う」「RMSでの設定方法がわからない」「トラブル時の責任範囲が不明確」といった課題を抱える店舗運営担当者も少なくありません。
この記事は、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が楽天市場の置き配に関する制度概要から具体的な導入手順、トラブル対策までを網羅的に解説します。
【この記事の対象者】
- 楽天市場に出店しており、置き配機能の導入を検討している店舗運営担当者
- 配送キャリアとの契約手続きやRMS設定に不安がある方
- 置き配に伴うトラブルリスクへの対策を事前に把握しておきたい方
【この記事を読んでわかること】
- 楽天市場における置き配の制度概要と主要キャリア版・RSL版の違い
- 配送キャリア別の契約手続きとRMSでの具体的な設定手順
- 受注管理システムの対応状況と、盗難・紛失時の責任範囲・対策方法
Contents
楽天市場の置き配とは?導入の背景と制度の概要

楽天市場の置き配とは、購入者があらかじめ指定した場所(玄関前、宅配ボックス、車庫、物置など)に、非対面で荷物を届ける配送サービスです。2025年12月16日のリリースにより、楽天市場に出店する全店舗で置き配機能を利用できる環境が整いました。本セクションでは、置き配サービスの基本的な仕組みと、出店者が理解しておくべき制度の全体像を解説します。
楽天の置き配サービスの定義と仕組み
置き配とは、配送業者が受取人の指定した場所に荷物を置くことで配達を完了する仕組みです。従来の対面受け取りと異なり、受取人が不在でも荷物の受け取りが可能になる点が最大の特徴といえます。
楽天市場における置き配は、購入者が注文時の買い物かご画面で「置き配指定」のプルダウンから希望の置き場所を選択する形式で運用されています。指定可能な場所としては、玄関前・宅配ボックス・車庫・物置などが用意されており、購入者のライフスタイルに合わせた柔軟な受け取りが可能です。
この機能が導入された背景には、物流業界における「2024年問題」があります。トラックドライバーの時間外労働規制強化に伴う人手不足や、EC市場拡大による宅配便取扱個数の増加が重なり、再配達の削減が社会的な課題となっていました。国土交通省の調査においても再配達率の低減が重要指標として位置づけられており、楽天市場の置き配機能はこうした社会課題への対応策としてリリースされたものです。
なお、楽天市場ではかつて「Rakuten EXPRESS」という独自配送サービスで置き配を提供していましたが、2021年5月にサービスが終了しています。その後、2024年12月にRSLお届け日時表示サービス版の置き配が先行導入され、2025年12月16日に主要キャリア版が全店舗向けにリリースされたという経緯があります。
主要キャリア版とRSLお届け日時表示サービス版の違い
楽天市場の置き配には、「主要キャリア版」と「RSLお届け日時表示サービス版」の2つの方式が存在します。どちらも買い物かご上で購入者が置き配を指定できる点は共通ですが、対象商品や出店者側の対応事項が異なるため、正確に把握しておく必要があります。
主要キャリア版は、佐川急便・日本郵便・ヤマト運輸のいずれかで配送される商品が対象です。出店者は各配送キャリアとの置き配に関する契約締結または利用規約への同意が必要であり、さらにSKU単位での置き配表示設定とRMS上での利用申込みを完了する必要があります。
一方、RSLお届け日時表示サービス版は、楽天スーパーロジスティクス(RSL)のお届け日時表示サービスを利用中の商品が対象です。こちらは出店者側での追加の対応事項はなく、RSLお届け日時表示サービスを利用中の商品には自動的に置き配が表示されます。置き配を表示したくない場合のみ、別途設定の変更が必要です。
自社発送とRSLお届け日時表示サービス版を併用している商品で、自社発送分にも置き配を適用したい場合は、主要キャリア版の申込みが別途必要となる点にご注意ください。
| 表示方法 | 対象商品 | 置き配表示のために必要な対応事項 |
|---|---|---|
| 主要キャリア版 | 佐川急便・日本郵便・ヤマト運輸のいずれかの配送キャリアで配送される商品 | ・各配送キャリアと置き配に関する契約を締結又は利用規約に同意すること。 ・SKU単位で置き配の表示/非表示の設定が可能です。「置き配指定」で「受け付ける」に設定すること。 ・RMS上から「置き配指定」の利用申込みを完了すること。 ※申込み方法および設定方法は、本ページの下部に詳細がございます。ご確認ください。 |
| RSLお届け日時表示サービス版 | RSLお届け日時表示サービスをご利用中の商品 | ・対応事項はございません。 ・RSLお届け日時表示サービスをご利用中の商品は、自動的に置き配が表示されます。置き配を表示したくない場合は、こちらをご確認ください。 |
置き配が指定可能な条件と対象商品
楽天市場の置き配は、すべての注文に対して無条件に利用できるわけではありません。購入者が買い物かご上で置き配を指定するためには、以下のすべての条件を満たす必要があります。
- 購買種別:通常購入であること
- お届け先:日本国内の単一送付先であること
- 配送キャリア:日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便のいずれかであること
- 配送方法:宅配便、宅配便[特定送料]、小型宅配便のいずれかであること
- 注文単価:各配送キャリアの定める輸送可能上限額以内であること(ヤマト運輸は15万円、日本郵便・佐川急便は30万円まで)
上記の条件を満たしている場合でも、決済方法が代金引換の場合は置き配を指定できません。購入者が買い物かごの「注文内容の確認」画面上部で置き配指定可能と表示されていても、途中で代金引換に切り替えた場合は置き配の指定が解除されます。
出店者としては、自店舗で取り扱う商品の特性(価格帯・サイズ・配送方法)に応じて、置き配の対象となるかどうかを事前に確認しておくことが重要です。
楽天の置き配を店舗が導入するメリットとは?

置き配機能の導入は、購入者側の利便性向上だけでなく、出店者にとっても多くのメリットをもたらします。再配達の削減によるコスト面の改善から、顧客満足度の向上、さらには社会的課題への貢献まで、店舗運営に直結する効果が期待できます。ここでは、出店者目線で特に重要な3つのメリットを解説します。
再配達削減による配送コストの圧縮
置き配導入における最も直接的なメリットは、再配達の削減を通じた配送コストの圧縮です。
宅配便の再配達は、配送業者にとって追加の人件費・燃料費が発生するだけでなく、出店者にとっても間接的なコスト増加要因となります。再配達が頻発する店舗では、配送業者からの送料交渉で不利になるケースや、配送遅延に起因するクレーム対応コストが膨らむケースも見られます。
置き配を導入することで、購入者が不在であっても1回の配達で荷物を届けられるため、再配達にかかるコストを構造的に削減できます。特に、日用品や消耗品など購入頻度の高い商品を扱う店舗では、再配達率の低下が配送コスト全体の最適化に大きく寄与するでしょう。
顧客満足度の向上と購買促進効果
置き配は、購入者の受け取り体験を大幅に改善するサービスです。共働き世帯や単身世帯の増加により、日中に荷物を受け取れないユーザーは年々増加しています。こうしたユーザーにとって、不在時でも指定場所に荷物が届く置き配は非常に利便性が高く、ショップの配送サービスに対する満足度向上に直結します。
また、置き配に対応している店舗は、対応していない店舗と比較して購入者から選ばれやすくなるという競合優位性も見逃せません。Amazonでは「玄関先への置き配」がすでにデフォルト設定となっており、楽天市場のユーザーも同様の利便性を求める傾向が強まっています。置き配に対応していないことが、購入者の離脱要因となる可能性も十分に考えられます。
配送の利便性向上はリピート率の改善にもつながるため、LTV(顧客生涯価値)の向上という観点からも、置き配の導入は店舗運営に有効な施策といえるでしょう。
物流現場の負担軽減とCO2排出量削減への貢献
置き配の普及は、出店者の利益にとどまらず、物流業界全体の課題解決にも寄与します。再配達の削減は、配送トラックの無駄な走行を減らし、CO2排出量の抑制につながります。環境負荷の低減は企業のCSR(社会的責任)としても重要性を増しており、置き配対応はサステナビリティへの取り組みの一つとして位置づけることができます。
さらに、ドライバー不足が深刻化する物流現場において、再配達の発生を抑えることは配送員一人あたりの配達効率向上に直結します。配送品質の安定は、結果的に出店者が利用する配送サービスの維持・改善にもつながるため、長期的な視点で見ても置き配の導入は合理的な判断です。
置き配は、購入者・出店者・配送業者の三方にメリットがある取り組みであり、楽天市場全体の物流品質向上を支える基盤として、積極的な導入が推奨される施策です。
楽天の置き配を導入する際の配送キャリア別の準備事項とは?

楽天市場の主要キャリア版置き配を導入するにあたり、出店者は利用する配送キャリアごとに異なる準備を進める必要があります。日本郵便・佐川急便・ヤマト運輸の3社それぞれで、契約形態や申込手順、対応完了までのリードタイムが異なるため、自店舗が利用するキャリアの要件を正確に把握しておくことが重要です。以下に、キャリア別の準備事項を整理します。
日本郵便で置き配を導入する場合の手順

日本郵便を利用する場合、出店者側での追加の契約手続きは不要です。日本郵便は置き配に関する利用規約への同意のみで対応が可能であり、3キャリアの中では最もシンプルな導入フローとなっています。
ただし、送り状の発行にあたっては、日本郵便が提供する印字システムの「指定場所ダイレクト」のレイアウトを利用する必要があります。独自システムで送り状を発行している場合は、事前にレイアウトの確認を日本郵便と行う必要があるため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めてください。
佐川急便で置き配を導入する場合の手順

佐川急便を利用する場合は、佐川急便の公式サイトから置き配に関する申込手続きを行う必要があります。具体的な申込方法や必要書類については、佐川急便のホームページで確認してください。
送り状の発行については、ユーザーが選択した置き配場所の情報を送り状に登録する必要があります。利用するシステムによって登録箇所が異なり、「e飛伝Ⅲ」を利用する場合は「品名」欄、「BeCCL」を利用する場合は「記事欄」にそれぞれ置き配場所を記載します。送り状発行時の設定ミスは配達トラブルに直結するため、オペレーション上のルールを事前に整備しておくことが重要です。
※佐川急便公式サイト
https://www.sagawa-exp.co.jp/
ヤマト運輸(EAZY)で置き配を導入する場合の手順

ヤマト運輸を利用する場合は、楽天市場専用のリンクからの「EAZY」契約が必要です。他モールなどですでにEAZYを利用している場合でも、楽天市場用の契約を別途締結する必要がある点にご注意ください。詳細はこちらをご確認ください。
EAZY契約にはヤマトビジネスメンバーズへの登録も必要ですが、楽天専用の申込フローで一括して手続きを完結できます。申込みから利用開始までは約2週間が目安ですが、年末年始などの長期休暇期間は対応が遅れる場合があります。
また、申込み完了までに出店者側で対応が必要なメールが2通届きます。見落としや入力ミスがあるとリードタイムがさらに延びるため、以下のメールには特に注意してください。
- ①契約署名待ちメール:送信元「support@cloudsign.jp」、件名「EAZY申込受付担当者様から『EAZY_運送基本契約書・覚書』の確認依頼が届いています」
- ②ヤマトビジネスメンバーズ登録待ちメール:送信元「rakutenycs@y-cs.co.jp」、件名「【ご利用開始のご案内】楽天市場向けEAZY」
送り状はEAZY専用の送り状を発行する必要があり、規定のフォーマットに沿ってユーザーが選択した置き場所を登録します。
以下に、配送キャリア3社の準備事項を比較表としてまとめます。
| 比較項目 | 日本郵便 | 佐川急便 | ヤマト運輸 |
|---|---|---|---|
| 契約手続き | 利用規約への同意のみ | 佐川急便HPから申込 | 楽天専用リンクからEAZY契約 |
| 追加の会員登録 | 不要 | 不要 | ヤマトビジネスメンバーズ登録が必要 |
| 申込〜利用開始の目安 | 即時対応可能 | 佐川急便に要確認 | 約2週間 |
| 送り状発行様式 | 「指定場所ダイレクト」レイアウトを使用 | e飛伝Ⅲ:「品名」欄 / BeCCL:「記事欄」に登録 | EAZY専用送り状を発行 |
| 置き配上限金額 | 30万円 | 30万円 | 15万円 |
楽天の置き配をRMSで設定する手順とは?
配送キャリアとの契約が完了したら、次はRMS(楽天市場の店舗管理システム)上での設定作業に進みます。RMSでの設定は大きく分けて3つのステップで構成されており、いずれも漏れなく完了させる必要があります。以下の手順に沿って、順番に設定を進めてください。
- SKUごとの置き配表示設定を行う
- RMS上で置き配指定の利用申込みを完了する
- 送り状発行の様式を確認する
SKUごとの置き配表示設定を行う

楽天市場の置き配は、SKU(在庫管理単位)ごとに表示・非表示を設定できる仕組みです。置き配を買い物かご上で表示したい商品については、R-Storefrontの商品編集画面で「在庫・配送」タブ内の「置き配指定」を「受け付ける」に設定してください。
なお、置き配機能の初期値は「置き配を受け付ける」に設定されています。そのため、置き配に対応しない商品がある場合は、該当SKUの設定を「受け付けない」に変更する作業が必要です。高額商品や精密機器、温度管理が必要な食品など、置き配に不向きな商品については個別に設定を見直しましょう。
また、商品数が多い店舗では、CSV(normal-item.csv)を利用した一括設定も可能です。CSVの「置き配指定」項目には「受け付ける」「受け付けない」「(空欄)」の3種類を入力できます。助ネコ商品登録システムなどの外部ツールを活用すれば、RMS側の置き配設定を一括で変更することも可能です。
RMSでの置き配指定の利用申込みを完了する
SKUごとの設定に加え、RMS上での利用申込みを完了させる必要があります。申込みの手順は以下のとおりです。
RMSにログイン後、「店舗様向け情報・サービス」→「3 オプション機能利用申込み・解約」→「置き配指定」→「申込・解約」→「申込み/利用状況一覧」の順に進み、利用申込みを完了してください。
ここで押さえておくべきポイントは以下の3点です。
- 店舗ごと、配送キャリアごとに個別の申込みが必要です。複数キャリアを利用している場合は、それぞれ申込みを行ってください。
- 利用申込みが完了した時点から、「置き配指定:受け付ける」に設定されている商品の買い物かごに置き配表示が反映されます。
- 利用料金は無料です。置き配機能の利用にあたって、楽天市場から出店者に対して追加の費用は発生しません。
利用申込みを行っていない店舗は、2025年12月16日以降「置き配指定を受け付けない」状態に自動設定されています。導入を検討している場合は、速やかに申込み手続きを完了させることを推奨します。
配送キャリア別の送り状発行様式を確認する
置き配注文に対応するためには、各配送キャリアが定める送り状発行の様式に従って、購入者が選択した置き配場所を正しく反映した送り状を発行する必要があります。
送り状に置き配場所が正しく反映されていない場合、配送員が置き配を実施できず、通常の対面配達や持ち戻りとなるケースがあります。これは購入者のクレームにつながるだけでなく、再配達の発生によって置き配導入のメリットが損なわれることにもなりかねません。
各キャリアの送り状発行様式については詳細を確認し、自店舗の送り状発行フローに漏れがないか確認してください。特に、受注管理システムや送り状発行ソフトを利用している場合は、置き配フラグと置き場所情報が正しく連携されているかをテスト出荷などで事前に検証しておくことが重要です。
楽天の置き配をユーザー(購入者)が設定する手順とは?

出店者が置き配機能を適切に運用するためには、購入者側の操作フローを正しく理解しておくことが欠かせません。ユーザーからの問い合わせ対応やカスタマーサポートの品質向上にも直結するため、購入者がどのような画面で、どのように置き配を指定・変更できるのかを把握しておきましょう。
買い物かごでの置き配指定の操作フロー
購入者が置き配を指定するタイミングは、注文時の買い物かご画面です。置き配に対応した商品を購入する場合、買い物かごの「配送方法」セクション内に「置き配指定」のプルダウンが表示されます。
購入者はこのプルダウンから、以下のような置き場所を選択できます。
- 玄関前
- 宅配ボックス
- 車庫
- 物置
- その他(配送キャリアにより選択肢が異なる場合あり)
楽天市場では、盗難や情報漏えいのリスクを低減するため、人目につきにくい場所の指定を推奨しています。また、買い物かご画面上部に「置き配指定可能」と表示されていても、途中で決済方法を代金引換に変更した場合は、置き配指定が解除される仕様となっています。
出店者としては、置き配に関する問い合わせがあった際に、購入者へ適切にご案内できるよう、この操作フローを把握しておくことが重要です。
購入履歴からの置き配場所の変更方法
購入者は、注文後にも購入履歴の画面から置き配の置き場所を変更することが可能です。ただし、変更が可能な配送キャリアは限定されており、現時点では日本郵便およびヤマト運輸で発送された置き配指定可能な商品が対象となっています。
日本郵便の場合は、購入履歴から配送キャリアの送り状番号追跡画面へ遷移し、「ご自宅等の指定場所への配達」を選択して置き配場所を変更できます。なお、楽天倉庫から出荷される1万円以上の商品については、購入履歴からの置き配指定はできません。
ヤマト運輸の場合は、購入履歴の「日時を変更する」ボタンから置き配場所を変更できます。商品によってはクロネコメンバーズへの登録が必要な場合があります。
佐川急便については、購入履歴からの置き配場所変更には現時点で対応していません。出店者としては、佐川急便で発送する商品の購入者から置き配場所の変更依頼があった場合に、変更が難しい旨を適切にご案内できるよう、あらかじめ対応方針を定めておくとよいでしょう。
配送キャリア別の配達完了通知の仕組み
置き配で配達が完了した際の通知方法は、配送キャリアによって異なります。購入者からの「届いていない」という問い合わせに対応するためにも、各キャリアの通知仕様を把握しておくことが重要です。
ヤマト運輸の場合は、出荷後のお届け予定通知および配達完了通知がメールで送信されます。さらに、置き配の配達完了時には配達完了の画像が注文者に送付される仕様となっており、購入者が配達状況を視覚的に確認できます。
佐川急便の場合は、「スマートクラブ」に登録しており通知をオンに設定している購入者に対して、配達完了のメールが送信されます。スマートクラブ会員でメール受信をオンにしている方には、配達完了の画像も送付されます。
日本郵便の場合は、置き配の配達完了写真を楽天市場の購入履歴上で確認することはできません。購入者から配達状況の問い合わせがあった場合は、追跡番号による配送状況の確認を案内する対応が必要です。
出店者は、利用する配送キャリアの通知仕様に応じて、カスタマーサポートのFAQやテンプレートメールを事前に整備しておくことで、問い合わせ対応の品質と効率を向上させることができます。
楽天の置き配に対応する受注管理システムの状況とは?
楽天市場の置き配機能を実務レベルで運用するには、利用中の受注管理システムが置き配に対応しているかどうかの確認が不可欠です。受注管理システムが対応済みであれば、注文データに含まれる置き配フラグや置き場所情報を自動で取り込み、送り状発行まで一気通貫で処理できます。一方、未対応のシステムを使用している場合は、手動での情報転記が必要となり、オペレーションミスや業務負荷の増加につながる恐れがあります。
対応済みの主要受注管理システム一覧
以下の表は、主要な受注管理システムにおける楽天市場の置き配(主要キャリア版)への対応状況をまとめたものです(2025年11月24日時点の情報)。
| 受注管理システム | 対応状況 | 備考 |
|---|---|---|
| BOSS | 対応済み | 主要キャリア版リリース時点から利用可能 |
| ネクストエンジン | 一部対応 | 佐川急便・日本郵便は3月末対応予定。ヤマト運輸「EAZY」は調整中 |
| CROSS MALL | 対応済み | 主要キャリア版リリース時点から利用可能 |
| GoQ System | 対応済み | ヤマト運輸「EAZY」については今後対応予定 |
| TEMPOSTAR | 対応済み | 主要キャリア版リリース時点から利用可能 |
| 通販する蔵 | 順次対応予定 | 要望のある店舗から順次案内予定 |
| 助ネコEC管理システム | 対応済み | 主要キャリア版リリース時点から利用可能 |
多くのシステムがリリース時点で対応を完了していますが、一部キャリアへの対応が未完了のシステムも存在します。特にヤマト運輸のEAZYについては、システムによって対応スケジュールが異なるため、最新の対応状況は各ベンダーに直接確認してください。
受注管理システム選定時のチェックポイント
置き配機能の運用を前提とした受注管理システムの選定・見直しにあたっては、以下のポイントを確認しておくことを推奨します。
まず、置き配フラグおよび置き場所情報の自動取込みに対応しているかを確認してください。この機能が未対応の場合、注文ごとに手動でRMSから情報を転記する必要が生じ、業務負荷が大幅に増加します。1日あたりの出荷件数が多い店舗ほど、自動取込みの有無が運用効率に直結するポイントです。
次に、送り状発行システムとの連携が確保されているかも重要な確認事項です。置き配注文では、各配送キャリアが定めるフォーマットに沿って置き場所を送り状に反映する必要があります。受注管理システムから送り状発行ソフト(e飛伝Ⅲ、ゆうパックプリントR、EAZY専用システムなど)へのデータ連携が途切れている場合、置き配場所の反映漏れが発生するリスクがあります。
さらに、今後の機能拡張へのロードマップも選定時の判断材料となります。楽天市場の置き配機能は今後さらに対象範囲の拡大や仕様変更が見込まれるため、ベンダーが継続的にアップデート対応を行う体制を持っているかどうかは、長期的な運用安定性に関わる要素です。
現在利用中のシステムが置き配に未対応、もしくは一部対応にとどまっている場合は、ベンダーへの早期の問い合わせと、代替システムの比較検討を並行して進めることを推奨します。
楽天の置き配で想定されるトラブルと店舗側の対策とは?
置き配は利便性の高い配送方法ですが、非対面での受け渡しという性質上、従来の対面配達とは異なるリスクが伴います。出店者としては、想定されるトラブルとその責任範囲を正しく把握し、事前に対策を講じておくことが重要です。本セクションでは、置き配にまつわる代表的なトラブルと、店舗側で実施すべき具体的な対策を解説します。
盗難・紛失発生時の責任範囲と補償制度
置き配において最も懸念されるトラブルが、荷物の盗難・紛失です。出店者として最も重要なポイントは、置き配の盗難・紛失における責任の所在を正確に理解しておくことです。
原則として、置き配での盗難・紛失の責任は購入者側にあるとされています。出店者(発送元)は配送業者に荷物を預けた時点で業務が完了し、配送業者は指定場所に荷物を届けた時点で業務が完了するという考え方が基本です。
楽天市場の「楽天あんしんショッピングサービス」では、置き配による不着(盗難)・汚破損等について補償適用はありません。ただし、楽天スーパーロジスティクス(RSL)から出荷され、日本郵便が配達する荷物に限り、日本郵便の「置き配保険」が利用できる場合があります。この保険はゆうパックで配送された場合に1万円を上限として盗難を補償するもので、補償対象外の条件や申請期限が設定されています。
出店者としては、盗難・紛失が発生した際の対応フローを事前に整理し、以下の点を明確にしておくことを推奨します。
- 購入者への初期案内テンプレートの準備(第2希望の置き場所やポストの確認依頼、家族への確認依頼など)
- 配送キャリアへの問い合わせ窓口と必要情報(伝票番号・注文番号など)の整理
- 自店舗独自の補償方針の有無と、その適用基準の明文化
誤配・破損リスクへの予防策
置き配では対面での本人確認が行われないため、誤配(異なる住所への配達)のリスクが通常の配達よりも高くなります。配送業者側のミスだけでなく、出店者側の出荷時に送り先情報の入力を誤ることで誤配が発生するケースもあるため、注意が必要です。
また、屋外に荷物が放置される時間が長くなることで、雨天による濡れ・強風による転落・直射日光による劣化など、天候に起因する破損・汚損が発生する可能性もあります。特に食品や化粧品など温度・湿度に敏感な商品を扱う店舗では、商品特性に応じたリスク評価が重要です。
出店者側で実施できる予防策としては、以下の取り組みが有効です。
- 出荷前の送り先情報ダブルチェック体制の構築
- 置き配対象商品に対する耐水性・耐衝撃性を考慮した梱包の実施
- 商品ページや注文確認メールにおいて、置き配利用時の注意事項(「配達完了後は速やかにお受け取りください」等)を購入者に事前に告知する対応
誤配や破損は購入者の信頼を大きく損なう要因となるため、置き配導入と併せて梱包品質の見直しを行うことも検討すべきでしょう。
置き配を「受け付けない」設定にすべき商品の判断基準
すべての商品を置き配対象にすることが最善とは限りません。商品の特性によっては、置き配による配達がかえってトラブルやクレームの原因となる場合があります。出店者は、以下の基準に照らして、SKUごとに置き配の適否を判断することが重要です。
置き配を「受け付けない」に設定すべき商品の例は以下のとおりです。
- 高額商品:盗難時の損害が大きく、補償でカバーしきれない可能性がある商品。特にヤマト運輸では上限15万円、日本郵便・佐川急便では上限30万円の制限があるが、補償制度が十分でないことを考慮すると、高額商品は対面受け取りが望ましい
- 精密機器・壊れやすい商品:屋外放置による衝撃・振動で故障リスクが高い商品
- 温度管理が必要な商品:冷蔵・冷凍食品やチョコレートなど、放置時間が長くなると品質劣化が生じる商品
- サイズ・重量が大きい商品:指定場所に収まらない可能性がある商品
- ギフト商品:受取人が置き配を想定していないケースが多く、贈答品としての体験を損なうリスクがある商品
置き配の初期設定は「受け付ける」となっているため、上記に該当する商品は能動的に「受け付けない」へ変更する必要があります。商品カテゴリごとに基準を策定し、新商品登録時のチェックリストに組み込むことで、設定漏れを防止できるでしょう。
楽天の置き配に関するよくある質問
Q1:置き配の利用に費用はかかるか?
A1:楽天市場における置き配機能の利用料金は、出店者・購入者ともに無料です。 RMS上での利用申込みやSKUごとの設定に対して追加費用は発生しません。ただし、配送キャリアとの契約内容によっては、EAZY契約など個別の送料体系が適用される場合があるため、利用する配送キャリアの契約条件は別途確認してください。
Q2:置き配を導入しない場合どうなるか?
A2:置き配の利用申込みを行っていない店舗は、「置き配指定を受け付けない」状態に自動設定されます。 2025年12月16日の機能リリース以降、申込みを完了していない店舗の商品には買い物かご上で置き配の選択肢が表示されません。置き配に対応していないこと自体がペナルティとなるわけではありませんが、購入者の利便性という観点では競合店舗に対して不利に働く可能性があります。導入の判断は各店舗の商品特性やオペレーション体制を踏まえて検討してください。
Q3:代金引換の注文で置き配は利用できるか?
A3:代金引換の注文では、置き配を利用することはできません。 置き配は非対面での配達を前提としているため、配達時に代金を受領する代金引換とは仕組み上の矛盾が生じます。買い物かご画面で一度置き配指定が表示されていても、決済方法を代金引換に変更した時点で置き配指定は自動的に解除されます。
Q4:置き配の配達完了写真は確認できるか?
A4:配達完了写真の確認可否は、配送キャリアによって異なります。 ヤマト運輸の場合は、配達完了時の画像が注文者に送付されます。佐川急便の場合は、「スマートクラブ」に登録しメール受信をオンにしている購入者に対して配達完了画像が送付されます。日本郵便の場合は、配達完了写真の送付サービスは提供されていません。なお、いずれのキャリアの場合も、楽天市場の購入履歴上では配達完了写真を確認することはできません。
Q5:置き配指定で購入者が選べる場所はどこか?
A5:玄関前、宅配ボックス、車庫、物置などが指定可能です。 具体的な選択肢は配送キャリアによって一部異なる場合がありますが、楽天市場の買い物かご上で購入者がプルダウンから選択する形式となっています。楽天市場では、盗難や情報漏えいのリスク低減のため、人目につきにくい場所の指定を推奨しています。配達完了後は速やかに商品を引き取るよう、購入者への案内を行うことが望ましいでしょう。
楽天の置き配についてのまとめ
いかがでしたでしょうか。ここまで楽天市場の置き配について解説してきました。
本記事でお伝えした要点を以下に整理します。
- 楽天市場の置き配は、2025年12月16日に主要キャリア版がリリースされ、佐川急便・日本郵便・ヤマト運輸に対応した全店舗利用が可能になった。主要キャリア版とRSLお届け日時表示サービス版では、対象商品や設定方法が異なる
- 出店者にとってのメリットは、再配達削減による配送コストの圧縮、顧客満足度の向上による購買促進、物流現場の負担軽減とCO2排出量削減への貢献の3点に集約される
- 配送キャリアごとに導入準備が異なるため、日本郵便は利用規約同意のみ、佐川急便はHP経由での申込、ヤマト運輸は楽天専用リンクからのEAZY契約が必要。キャリアによってリードタイムや送り状発行様式も異なる
- RMSでの設定は3ステップで構成される。SKUごとの置き配表示設定、オプション機能の利用申込み、送り状発行様式の確認を漏れなく完了させる必要がある
- 受注管理システムの対応状況は各ベンダーで異なり、一部キャリアへの対応が未完了のシステムもある。置き配フラグの自動取込みと送り状発行ソフトとの連携可否を事前に確認することが重要
- 盗難・紛失時の責任は原則として購入者側にあり、楽天あんしんショッピングサービスの補償対象外となる。出店者は対応フローの整備と、置き配に不向きな商品のSKU別設定の見直しを行う必要がある
楽天市場の置き配は、購入者・出店者・配送業者の三方にメリットをもたらす重要な物流施策です。一方で、配送キャリアごとの契約手続きやRMS設定、トラブル時の対応など、導入前に準備すべき事項は多岐にわたります。本記事の内容を参考に、自店舗の商品特性やオペレーション体制に合わせた最適な運用方針を策定していただければ幸いです。
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