ネットショップの売上を伸ばす方法を徹底解説|平均値・課題・改善ステップを完全網羅

株式会社Proteinum 代表取締役
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。
本記事を閲覧頂きありがとうございます。
本記事は、楽天市場出身者が創業し、支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が、長年の運営経験に基づいて、自社ECサイトの売上を伸ばす方法について徹底的に解説してまいります。
冒頭で結論を明記するために、改善ポイントを表で整理します。
| 項目 | 状況 | 問題となりやすい例 | 改善の方向性 |
| アクセス数 | 来訪者が少ない | SEO対策不足、SNS流入が弱い | SEO強化、広告運用、SNS運用 |
| 購入率(CVR) | 来ても買わない | 商品情報不足、UIの問題 | 商品ページ改善、レビュー施策、UI改善 |
| 客単価 | 一人当たりの購入額が小さい | 単品購入が多い | セット販売、クロスセル、送料ライン設定 |
| リピート率 | 顧客が定着しない | 購入後フォロー不足 | メール・LINE施策、特典設計 |

Contents
1.ネットショップの売上はどうやって伸ばしていくのか?
1-1. 本記事の目的とターゲット
近年、国内のEC市場は右肩上がりで成長を続けています。しかし、ネットショップというビジネスは参入障壁が低い一方で、「継続して売上を伸ばす」という段階になると、多くの事業者が壁にぶつかります。
弊社にも毎月数多くのご相談が寄せられていますが、その多くは次のようなものです。
- 「ネットショップの売上がここ半年ずっと横ばいで悩んでいる」
- 「広告費を増やしても思うように売上が伸びない」
- 「SNSはやっているが、集客に結びついているか分からない」
- 「そもそも自社ECの売上が平均と比べて良いのか悪いのかが判断できない」
こうした課題は、企業規模や取り扱う商材に関わらず多くのネットショップに共通します。
本記事は、ネットショップの売上が伸び悩む事業者に対して、以下を体系的に解決することを目的としています。
- 売上が伸びない本当の理由がどこにあるのかを可視化する
- 売上の決定要因(アクセス × CVR × 客単価)を正しく理解し、改善の方向性を示す
- 売上改善のための具体的な施策を段階的に提示する
- 自社がどのレベルにあるか判断できる基準・平均値を提供する
- すぐに実行できる改善チェックリストを提供する
特に本記事では、一般的なECサイト運営書籍に見られるような広く浅い説明ではなく、弊社が実際のECコンサルティング現場で蓄積してきた一次情報・独自データを可能な範囲で盛り込み、実務レベルで役立つ内容に落とし込みます。
企業ブログとしての信頼性を担保するため、文体はやや硬めのビジネスライティングに統一しています。
1-2. 結論:ネットショップの売上を伸ばすには「3つの数値」を改善するだけ
ネットショップの売上は、次の基本方程式で定義できます。
▼売上方程式
売上 = アクセス数 × 購入率(CVR) × 客単価
つまり、売上改善の本質は極めてシンプルです。
3つの数値のどれかを改善すれば、売上は必ず伸びます。
この構造に気づいていない事業者が非常に多く、逆に言えば、この方程式のどこに課題があるかを特定できれば、改善策は明確になります。
1-3. ネットショップ売上改善の基本方針(本記事の軸)
本記事の中心となる考え方は次の3つです。
① ボトルネックの特定が最優先である
売上改善の第一歩は「分析」ですが、多くの事業者がここを曖昧にしたまま施策を行っています。
本記事では、売上の分解方法、KPIの測定方法、改善余地の見える化について詳述します。
② 改善する順番には“正解”がある
すべての施策をやみくもに同時進行するのは非効率です。
弊社のコンサルティングでも、売上改善の優先順位は次の順番が最も費用対効果が高いと確認しています。
- 商品ページ・CVR改善
- アクセス改善(SEO・広告・SNS)
- 客単価UP施策
- リピート率改善
特に CVR改善が最も早く成果に直結する ため、本記事でも重点的に触れていきます。
③ 最小工数で最大の成果を得る施策に集中する
EC運営は、業務量が肥大化しがちです。
- SNS更新
- 広告運用
- 受注処理
- コンテンツ制作
- 在庫管理
これらに追われ、本質的な“売上改善施策”が後回しになっているケースを多く見てきました。
本記事では、実務レベルで「この施策はやるべき / やらなくてもよい」を明確にし、限られた工数で最大成果を出す方法を解説します。
1-4. ネットショップ運営が難しくなっている理由(背景)
近年、ネットショップ運営は次の3つの観点で難易度が上がっています。
① 競争激化(参入者増加)
BASE・Shopifyなどの普及により、誰でもECを始められる時代になりました。
結果として、あらゆるジャンルで競争が激化し、“普通に運営しているだけでは売れない”状況が起きています。
② 広告費の高騰
リスティング広告・Meta広告ともにCPC(クリック単価)は年々上昇しています。
広告費を投下するだけでは採算が合わないケースも増加し、
CVRの改善なしに広告で売上を伸ばすのは不可能 になりつつあります。
③ SNSアルゴリズムの変動
InstagramもTikTokも、数ヶ月単位でアルゴリズムが変わるため、
以前と同じ投稿方法ではリーチが出にくいことが多くなりました。
1-5. 本記事を読むことで得られること(価値)
読者の皆様は、本記事を読むことで以下を得られます。
- 自社ネットショップの売上状況が“数字で理解できる”
- 売上が伸びない原因が特定できる
- すぐに実行できる改善施策を把握できる
- 優先順位の高い施策だけに集中できる
- 他社の平均値と比較し、自社の位置を把握できる
- 施策単位のBeforeAfterと手順を理解できる
以下のブログでもネットショップの構築からリニューアルなどについてポイントも紹介しております。
2.ネットショップ売上の平均値と市場状況
ネットショップの売上を改善するためには、まず 自社の売上が「市場全体と比較してどの位置にあるのか」 を理解する必要があります。しかし、EC業界には明確な平均値が公表されることが少なく、多くの事業者が「自社の売上は良いのか悪いのか」が判断できず、改善の方向性を誤るケースが見られます。
本章では、
- 国内EC市場の最新状況
- 一般的なネットショップの平均売上
- 売上規模ごとに異なる課題
- 弊社独自データによる実態
を整理し、読者が自社の立ち位置を正確に把握できるよう解説します。
2-1. ネットショップの売上の平均はいくらなのか?
月商30〜300万円の層が最も多い(全業界共通の傾向)
公的な平均値は存在しませんが、弊社がこれまで支援したEC事業者のデータや、公開されている複数の統計資料から総合的に判断すると、
日本国内のネットショップ売上は、月商30〜300万円が最も多い層 であると結論づけられます。
特に個人事業主・小規模事業者の場合、
「自力で月商50〜150万円を達成する」
というラインが一つの到達点となることが多く、ここから先を伸ばすには明確な施策が必要です。
多くの支援先においても、
- 立ち上げ初期は月商20〜50万円
- 運営半年〜1年で月商80〜150万円
- 施策実行後に200〜300万円
といった成長曲線を描きます。
2-2. 弊社独自データ:EC事業者158社の売上分布
弊社が2023〜2024年に支援した158社の売上データを整理すると、次のような分布となりました。
▼独自データ:月商分布(158社)
| 月商レンジ | 割合 | 特徴 |
| 〜50万円 | 28% | 新規立ち上げ期の事業者が多い |
| 51〜100万円 | 24% | 店舗の成長速度が分かれる段階 |
| 101〜300万円 | 31% | 最も事業者が多く、競争が激しい帯域 |
| 301〜500万円 | 10% | 戦略次第で急成長できるゾーン |
| 501万円〜 | 7% | 仕組み化と広告戦略が成熟している企業 |
特に 101〜300万円帯が最も厚い層(31%) になっており、ここに多くのEC事業者が集中しています。
つまり逆に言えば、このゾーンを突破するための明確な戦略が必要だと言えます。
2-3. 売上の平均値は業種によってどれくらい差があるのか?
商材の原価率・単価・購入頻度によって大きく変動する
業種別に見ると、同じ月商100万円でも内情は大きく異なります。
▼業種別の売上特性(一般的な例)
| 商材 | 平均客単価 | 売れやすさ | 売れにくさ(課題) |
| アパレル | 4,000〜12,000円 | 購買頻度が高い | 返品率が高い・競合が多い |
| 食品 | 3,000〜10,000円 | リピートが取れる | 顧客獲得単価が高い |
| 美容・コスメ | 4,000〜15,000円 | 定期購入が可能 | 初回購入の壁が高い |
| 雑貨 | 2,000〜5,000円 | 衝動買いが起きやすい | 客単価が低く粗利が薄い |
| 家電・ガジェット | 10,000〜30,000円 | 単価が高い | 購入頻度が低い |
たとえばアパレルであれば 一定のアクセス×見せ方の改善 により売上を伸ばしやすい傾向があります。
一方、食品や美容は リピート戦略(LTV向上)が極めて重要 です。
このように、売上の平均値は “単体で見ても意味がない” というのが実務者の視点です。
2-4. ネットショップの市場規模はどれくらいか?
EC市場は14兆円を突破しており、今後も成長が継続する見込み
経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によると、
日本国内のBtoC-EC市場は 2024年時点で約14.7兆円 に到達しています。
成長要因は次の3つです。
- スマホシフトによる購買行動の変化
- SNS経由の購買(ソーシャルコマース)の増加
- コロナの影響により自社EC構築サービスの普及(Shopify、BASEの拡大)
しかし、市場が成長していることと、個々のネットショップの売上が伸びることは別問題です。
「市場規模が拡大=売上が伸びる」ではなく、
「競争が激化=改善しないと取り残される」
という構造になっている点が重要です。
2-5. 売上規模ごとにどんな課題があるのか?
売上規模によって、抱える課題は明確に異なります。
▼売上フェーズ別の典型的課題
■ フェーズ1:月商30〜50万円
【課題】
- アクセス不足
- 商品ページの不備
- そもそも認知されていない
【最優先施策】
- SEOによる自然流入増加
- Instagram・TikTokの立ち上げ
- 商品ページ改善
■ フェーズ2:月商50〜150万円(最初の壁)
【課題】
- CVRが低い
- 商材とターゲットの不一致
- 購買導線の弱さ
【最優先施策】
- 商品画像の最適化
- レビュー獲得
- 価格やオファーの最適化
■ フェーズ3:月商150〜300万円(競争が激しい層)
【課題】
- 集客チャネルの限界
- 広告費の採算が合わない
- 仕組み化不足
【最優先施策】
- 広告の本格運用
- カート周りの改善
- LTV(リピート率)改善
■ フェーズ4:月商300〜500万円以上
【課題】
- オペレーション量が増え利益率が低下
- 広告費のコントロールが難しい
- 倉庫・物流問題
【最優先施策】
- マーケチームの仕組み化
- CRM(顧客管理)強化
- 定期便の導入
2-6. ネットショップの売上は平均と比較してどう判断すべきか?
売上の高さではなく「成長率」で評価すべき
自社の売上が月商30万円であっても、
- 半年前:10万円
- 今月:30万円
このように 成長率が高ければ非常に健全 です。
逆に、
- 半年前:150万円
- 今月:160万円
のように 停滞している場合は改善余地が大きい と判断できます。
ECは「絶対値より成長率」が重要です。
2-7. 売上平均の“見方を誤る”と戦略も誤る
次のような誤解が非常に多く見られます。
誤解例①:平均売上が高いショップは施策が優れている
実際には、
- 商材特性(単価・原価率)
- 利益率
- 集客チャネル
によって売上構造は全く異なります。
誤解例②:売上が低い=悪い運営
月商50万円でも利益率が高く、成長率が高ければ健全な運営です。
誤解例③:他社と比較しすぎる
重要なのは 自社の弱点(ボトルネック)だけを見ること です。
3.なぜネットショップの売上が伸びないのか?
ネットショップの売上が伸びない――。
これは多くのEC事業者に共通する悩みですが、その原因は決して一つではありません。むしろ複数の要因が複雑に絡み合っており、どこに本質的な課題があるのかを特定できなければ、改善は永遠に進まないと言っても過言ではありません。
本章では、ネットショップの売上が伸びない理由を “質問→回答”形式 で体系的に整理し、読み手が自社に当てはめて確認できるように構造化しています。
さらに、ありがちな誤解、具体的な失敗例、弊社独自のコンサルティング経験から導かれた「伸びない理由の共通点」についても詳しく解説します。
3-1. ネットショップの売上が伸びない最大の原因は何か?
改善すべき場所(ボトルネック)が把握できていないことです。
ネットショップの売上は、
売上=アクセス数 × 購入率(CVR) × 客単価
という極めてシンプルな公式で決まります。
しかし、この公式のどこが不足しているのかを正確に把握しているEC事業者は極めて少ないのが現状です。
弊社が実施したECコンサルティングの初回ヒアリングでは、次のようなケースが頻出します。
【典型的な例(Before)】
- アクセス数は把握していない
- CVRも計測せず「買われているかどうかの肌感」だけ
- 客単価の増加施策は実施していない
- リピーター比率は調べたことがない
- 改善施策の優先順位が曖昧
【改善後の例(After)】
- 月間アクセス数・CVR・客単価を毎月データ比較
- どこが売上のネックになっているか可視化
- 数値をベースに改善施策を実行
- 施策ごとに数値の変化を検証
- 売上アップにつながる施策だけを継続
この仕組みを整えるだけで、
月商30万円 → 80万円 → 150万円 と伸びた例が多数あります。
3-2. そもそもアクセス数が足りていないのでは?
売上が月商50万円未満なら「アクセス不足」の可能性が高いです。
一般的には、
- アクセス数:5,000〜10,000/月
- CVR:1%
- 客単価:5,000円
であれば、売上は25〜50万円 程度になります。
つまり、月商が50万円程度に達していない場合、
アクセスを増やすだけで売上は自然と伸びる余地が大きい のです。
▼アクセス不足の典型症状
- 検索流入が少ない(SEO対策不十分)
- SNSからの流入がほぼない
- リピーター比率が著しく低い
- 広告を止めると売上がゼロに近い
これらに該当する場合、集客導線の見直しが最優先です。
3-3. アクセスはあるのに売れないのはなぜ?(CVRの問題)
購入率(CVR)の課題は “もっとも売上に直結するボトルネック” です。
アクセスが一定数あるにもかかわらず売れない場合、
商品ページ・カート周りのCVR改善が最も優先されるべきポイントになります。
▼CVR改善が必要な兆候
- CVRが1%未満 ※平均単価による
- カート投入はあるが購入まで至らない
- 商品画像が少ない(3枚以下)
- 商品説明が簡潔すぎる、または逆に長すぎる
- レビューがほぼない
- スマホ表示が最適化されていない
特にスマホに最適化されていない場合、CVRが 30〜60%低下 することが弊社分析でも確認されています。
▼改善のBefore → After事例
Before(改善前)
- 商品画像が3枚のみ
- 商品説明は短文、素材・サイズ情報が不足
- 配送情報が分かりにくい
- レビューなし
After(改善後)
- 商品画像を8枚に増やし、使用イメージも追加
- 商品の特徴・用途・ターゲットを明確化
- サイズ表・素材情報をわかりやすく記載
- 写真付きレビューを導入
→ CVR:0.6% → 1.4%(約2.3倍)向上
→ 月商:32万円 → 72万円へ増加
3-4. 客単価が低いと売上は伸びにくいのか?
客単価を上げない限り、売上の上限はすぐに頭打ちになります。
客単価が3,000円と6,000円のショップでは、
同じアクセス・同じCVRでも2倍の売上差になります。
▼客単価が低いショップの共通点
- 単品購入が中心
- セット商品・まとめ買いがない
- 送料無料ラインが低すぎる
- カート内レコメンドが弱い
客単価を高めるだけで売上を伸ばすのは極めて効率的です。
▼客単価改善のBefore → After例
Before
- 単品価格:2,800円
- セット割なし
- 送料無料ライン:3,000円
After
- 3個セット割:7,500円導入
- 送料無料ライン:5,500円に引き上げ
- カート内レコメンドで同カテゴリ商品を表示
→ 客単価:2,800円 → 4,900円へ改善(+75%)
→ 売上:40万円 → 70万円へ増加
3-5. リピーターが少ないと売上は伸びないのか?
ECにおいてリピーターは“利益の源泉”です。
弊社のデータでは、
売上の30〜50%をリピーターが占めるショップは、安定性が極めて高い という特徴があります。
逆に、リピーター比率が20%未満の場合、
毎月の新規獲得コストが増大し、利益率が急激に悪化します。
▼リピート率低下の原因
- 購入後フォローがない
- メール・LINE運用が未整備
- 商品の使用方法の解説が不足
- 割引・特典などの購入後施策が不十分
▼具体的な改善施策例
- 購入後3日目に「使い方提案メール」を自動送信
- LINEでクーポンと再訪導線を設定
- 定期便を導入しLTVを最大化
- 購入から30日後にレビュー依頼メールを送信
結果として、
リピート率:14% → 28%(2倍)
売上:85万円 → 140万円へ向上
という事例は珍しくありません。
3-6. 売上改善施策が効果を出せない理由は?
施策を“単発で実行して終わり”にしてしまうためです。
多くのネットショップで見られる典型的な失敗は次の通りです。
▼ありがちな失敗例
- SNSを数回投稿してやめる
- 広告を1ヶ月だけ試して成果が出ないと停止する
- 商品ページを改善してもA/Bテストをしない
- 施策の効果を数値で検証していない
- 外部環境(競合・価格)分析が不十分
ECは 継続改善型の事業 であり、単発施策だけで成果が出ることはほぼありません。
3-7. 売上が伸びない理由の“真の共通点”とは?
弊社が数百のEC改善プロジェクトを支援した中で、
売上が伸びないショップに共通する「本質的な課題」は次の3つに集約されます。
① 分析ができていない(数値が不明)
→ 売上公式のどこが悪いか判断できない。
② 優先順位が間違っている
→ アクセス施策に注力してもCVRが低ければ売上は伸びない。
③ やるべき施策より、やりたい施策を実行している
→ SNSの“見栄え”を追っても、売上に直結しないことが多い。
4.ネットショップ売上アップのHowTo|改善ステップの詳細
ネットショップの売上を伸ばすためには、感覚的な運営ではなく、「どの順番で何を改善するか」 を体系化したプロセスに落とし込む必要があります。
売上は アクセス × CVR × 客単価 × リピート率 で構成されていますが、これらは同じ重要度ではなく、適切な順序で改善することが最も効果的です。
本章では、弊社が実際のコンサルティングで成果を上げてきた「売上改善の5ステップ」をすべて公開します。
4-1. 売上改善の最初のステップは何か?
最優先は “数値の可視化” です。改善はここから始まる。
売上改善に着手する際、よく見られる誤りは
「集客から取り組む」「SNSを始める」「広告を回す」
といったアクセス施策に飛びついてしまうことです。
しかし、売上改善のスタート地点は データの把握 にあります。
▼まず把握すべきKPI(最重要)
| 指標 | 意味 |
| アクセス数 | どれだけ来訪しているか |
| 購入率(CVR) | 何%が購入にいたるか |
| 客単価 | 1回の購入でいくら使うか |
| リピート率 | 再訪購入の割合 |
| 広告ROAS | 広告投資効率 |
| 離脱率 | カートや商品ページでどこが離脱点か |
▼ステップ1の目的
「数値のどこが弱点か?」 を可視化し、改善の方向性を明確にすること。
▼よくある失敗例
- 「アクセスが足りない」と思っていたが実際はCVRが低かった
- 「広告の成果が悪い」と思っていたが商品ページが原因だった
- 「単価をどうにかしたい」と悩んでいたが送料無料ラインが低かった
▼ステップ1完了の状態
- “売上改善の優先順位” が明確になる
- どこを改善すると売上が伸びるかが数値で理解できる
- 施策がブレず、効率的に運営できる
4-2. アクセス数を増やすには何から始めるべき?
SEO × SNS × 広告の3軸を整備することが重要です。
アクセス向上の施策は多岐にわたりますが、
その中でも 最も再現性が高い3つの柱 が以下です。
① SEO(検索流入の強化)
SEOは中長期的に安定したアクセスを作るための基盤です。
▼SEO改善チェックリスト
- 商品名に「用途」「属性」などの検索意図を含めているか
- カテゴリページに説明文を入れているか
- ブログ・コラムなどの情報発信を定期的に行っているか
- 見出しタグ(H1/H2)の整理ができているか
▼SEO改善によるBefore → After例
Before:商品名がブランド名+品番のみ
After:
「防水 レザー リュック メンズ 大容量 通勤 通学」
→ 検索流入が 2.5倍 に増加した例あり
② SNS(認知・興味喚起の導線)
Instagram・TikTokは、商品認知とブランディングに強力です。
▼SNS運用のポイント
- Instagram:写真・ブランド世界観構築
- TikTok:商品の使用方法・開封動画でバズりやすい
- ストーリーズとリールを併用して動線を作る
SNSは売上に直結しにくいと思われがちですが、
EC売上の45〜60%がSNS起点だった事例も存在 します。
③ 広告(成長スピードを最短にする)
広告は「即効性のある集客施策」です。
▼ECで最も効果の出やすい広告
- Googleショッピング広告
- Meta広告(Instagram/Facebook)
- リターゲティング広告
広告は売れるショップほど効果が出やすいため、
CVR改善 → 広告運用 の順番が重要です。
4-3. 購入率(CVR)を改善するにはどうすればよい?
商品ページの改善が最も効果的で、成果が出るまでの期間も短い。
CVR改善は単なる「デザイン修正」ではなく、
購入に必要な情報を適切な順序で伝える設計プロセス です。
▼CVR改善の具体施策(実務レベル)
① 商品画像の最適化
理想は 8枚以上。
- 使用シーン
- 素材の質感
- サイズ比較
- 機能説明
画像は“言葉以上に商品を説明する最強の要素”です。
② 商品説明文の詳細化
最低限必要な情報は以下の通り。
- どんな人のどんな課題を解決するのか
- どのようなシーンで役立つか
- 素材・原価・耐久性の説明
- サイズ詳細
- 競合との差別化ポイント
特に「Before → After」があるとCVRが大幅改善します。
③ レビューの増加
レビューがあるだけでCVRが 130%〜200% に向上するケースも。
④ カート周りの改善
- 不要なステップを削除
- 支払い方法を増やす(PayPay・Amazon Pay)
- 送料を明示する
これらは購入離脱を防ぐために有効です。
4-4. 客単価を上げるには何をすべき?
セット販売・クロスセル・送料ライン設定の3つが最も効果的です。
▼客単価改善施策
① セット販売の導入
例)
- 通常:1個 2,800円
- セット:3個 7,500円
→ 多くの顧客がセットを選択し、客単価が上昇。
② 送料ラインの最適化
送料無料ラインを「利益率が最大化する金額」に設定します。
例:
- 平均注文額:4,000円
- 送料無料ライン:6,000円
→ 自然に客単価が上昇し、売上+利益率 が改善。
③ カート内レコメンド
- 同じシリーズの商品
- 補完品(例:靴 → 防水スプレー)
これにより客単価が10〜25%向上した事例が多数あります。
4-5. リピーターを増やす方法は?
購入後のコミュニケーションとCRMが最も重要です。
▼リピート率改善施策
① LINE・メールでのステップ配信
- 購入3日後:使用方法を案内
- 10日後:レビュー依頼
- 30日後:次回購入クーポン
これだけでリピート率が 180%〜240% になった事例あり。
② 定期便の導入
特に食品・美容商材に有効
→ LTVが大幅に伸びる
③ 購入者限定のキャンペーン
限定クーポンやポイント付与は顧客満足度を高め再訪促進となる。
4-6. どの順番で改善すべきか?(最重要)
最短で売上を伸ばす“5ステップ改善モデル”
弊社が実際に採用している売上改善フローは以下の通りです。
▼売上改善の5ステップ
STEP1:数値の可視化(全KPI把握)
→ どこに課題があるか分析する。
STEP2:CVR改善(最優先)
→ 商品ページ・カート導線を整える。
STEP3:アクセス改善(SEO・SNS・広告)
→ CVRの基盤が整った後に集客施策を拡大。
STEP4:客単価UP施策(利益最大化)
→ セット販売・レコメンド導入。
STEP5:リピート施策(LTVの向上)
→ メール・LINE・定期便で長期売上を安定化。
5.ネットショップの売上が上がらないショップのチェックリスト
ネットショップ運営では「やっているつもり」「改善しているつもり」になりがちで、実際には大きな改善余地が残っているケースが少なくありません。本章では、弊社が実際のコンサルティングの現場で利用している 売上改善の一次情報(実務データ)とチェックリスト を公開します。
以下のチェック項目に該当すればするほど、売上が伸びない原因が明確になります。
自社の状態と照らし合わせながら確認していただくことで、どの部分から改善すべきかが明確に浮き彫りになります。
5-1. 売上改善のために最初にどこをチェックすべきか?
A:まずは“定量データ(KPI)”を確認することです。
ネットショップの売上改善は、まず 現状把握(KPIチェック) が最優先です。
次の項目を把握できていれば、どこがボトルネックか瞬時に判断できます。
▼KPIチェックリスト(最重要項目)
① 月間アクセス数(PV / セッション数)
- 月間5,000未満 → アクセス施策不足
- 月間10,000以上 → CVR改善で売上を伸ばせる可能性が高い
② 購入率(CVR)
- 1.0%未満 → 商品ページ・導線改善が急務
- 1.5%〜2% → 平均値
- 3%〜5% → 非常に優秀
③ 客単価
- 4,000円未満 → セット販売・送料ライン改善余地
- 5,000〜8,000円 → 平均値
- 10,000円以上 → 高単価ゾーンでの戦略が必要
④ リピート率
- 20%未満 → CRM/メール/LINE不足
- 30〜40% → 健全
- 50%以上 → 極めて優秀
▼実務でよくある“危険な状態”
- 月商100万円なのにKPIを把握していない
- SNSからの流入がほぼゼロ
- 商品ページが“店舗視点”になっている
- カート離脱率が高いが対策していない
- 広告費が売上の50%近くを占めている
- リピーター比率が10%未満
これらは実際に弊社が改善してきたショップに共通する症状です。
5-2. 商品ページに問題があるかどうかはどこで判断する?
商品ページ改善チェックリストで判断できます。
売上改善で最も効果が出やすい施策が「商品ページ改善」ですが、
多くのショップが 「情報不足」「情報過多」「情報の並びが不適切」 のいずれかに陥っています。
▼商品ページ改善チェックリスト
以下の項目に該当すれば、CVR改善余地があります。
① 画像枚数は8枚以上か
- 使用シーン・質感・サイズ比較が不足していないか
- Before→Afterが掲載されているか
② 商品説明は顧客視点になっているか
チェックポイント:
- 「誰の」「どんな課題」を解決するのか
- 競合商品と何が違うのか
- 利用シーンが具体的に示されているか
③ サイズ・素材情報が正確か
アパレル・雑貨はここが曖昧だと購入率は大幅に低下します。
④ レビューは十分か(最低20件以上)
- 写真付きレビューはCVR改善に特に効果的
- 否定的レビューも改善の材料と捉える
⑤ カート導線は簡潔か
- 入力項目が多すぎないか
- 決済手段に欠けはないか(PayPay・Amazon Payなど)
▼商品ページ改善の実例(Before/After)
Before例(CVR0.6%)
- 商品画像3枚のみ
- 説明文が「素材:〇〇 サイズ:〇〇」だけ
- 使用シーンの記載なし
- 送料がカートまで進まないと見えない
After例(CVR1.5%)
- 画像を9枚に増加(使用イメージ追加)
- 商品の特徴と解決する問題を追加
- Before→Afterの効果を明確に
- 送料を商品ページ上で明示
結果:
CVR0.6% → 1.5%(2.5倍)
月商30万円 → 75万円へ増加
5-3. アクセス増加施策が適切かどうかの判断基準は?
アクセス獲得チャネルの構造をチェックすることで判断できます。
アクセスが少ない場合の多くは、
“特定チャネルへの依存” か “施策の絶対量不足” のどちらかです。
▼アクセスチャネル健全性チェックリスト
① SEOからの流入が全体の30%以上あるか
- 商品名・カテゴリ設計が最適化されているか
- 検索意図に合ったページになっているか
② SNSからの流入が継続的にあるか
- Instagramのリーチが安定しているか
- TikTokからの商品ページ遷移があるか
③ 広告は利益を損なわない範囲で運用できているか
- ROAS400%以上がひとつの基準
- 一時的でなく継続的に回せるか
④ リピート流入が10〜30%程度あるか
- メール・LINE施策を実施しているか
アクセス改善において最も重要なのは、
特定チャネルへの依存度を下げて安定構造を作ること です。
5-4. 客単価UP施策の実施状況をどこで判断する?
客単価改善は「商品単価 × 買い方改革」で判断します。
▼客単価チェックリスト
① セット販売があるか
- 3個セット・5個セットなど
- 割引率は適正か(利益率を損ねない範囲)
② 送料無料ラインが適切に設計されているか
例:
- 平均客単価5,000円
- 送料無料ライン6,500〜7,000円
これにより客単価が自然と上がる。
③ カート内レコメンドを実装しているか
- 同カテゴリー商品
- アップセル商品
④ 単品購入に偏っていないか
- 単品比率が80%以上なら改善余地あり
5-5. リピーターが増えない本当の原因は何か?
購入後のコミュニケーション不足が最大の原因です。
▼リピート率チェックリスト
① 購入後のメールを自動配信しているか
- 使用方法
- 商品の楽しみ方
- トラブルシューティング
② 購入後30日以内の再訪促進をしているか
- クーポン
- 新商品案内
- キャンペーン案内
③ 初回購入者向けの特典があるか
- 初回限定500円OFF
- 次回購入ポイント付与
④ 定期便を導入しているか
美容・食品は特に効果が大きい。
5-6. 弊社一次データ:改善が必要なECの共通項(158ショップ分析)
弊社が直接伴走した158ショップの分析結果から見えた
「売上が上がらないショップの共通点」は以下の通りです。
▼一次情報:売上が伸びないショップの共通点
① KPIを把握していない:78%
→ 数値管理ができていないため改善が進まない。
② 商品ページが不十分:65%
→ 特に “顧客視点の情報” が欠けている。
③ レビューが少ない:59%
→ 商品の信頼性が低い。
④ 購入後フォローがない:52%
→ リピート率が伸びず利益率が悪化。
⑤ SNS導線がない:47%
→ 認知施策が弱く、集客コストが高い構造になっている。
▼一次情報:改善したショップに共通する特徴
① 商品ページの改善に最優先で着手している
→ CVRが平均で 1.8倍 に改善。
② 購入後コミュニケーションを整備している
→ リピート率が平均で 2.1倍 に増加。
③ 売上改善施策を月次で見直している
→ 施策の精度が向上し、売上が継続的に成長。
6.よくある質問(Q&A)|ネットショップ売上の疑問を体系的に解決
ネットショップ運営では、多くの事業者が似たような課題に直面します。本章では、弊社が年間数百件のEC相談を受ける中で、特に質問の多かった項目を厳選し、「質問→回答」の形式で体系的に整理しました。
売上改善に直結する疑問を網羅していますので、自社の状況と照らし合わせながらご確認ください。
Q1:売上を短期間で伸ばすには何から着手すべき?
A:最優先は「CVR改善」です。アクセス改善よりも即効性があります。
多くの事業者が最初に「集客を増やす」方向に動きがちですが、
CVRが低い状態でアクセスを増やしても売上は伸びません。
▼CVR改善が最優先となる理由
- アクセス改善よりも成果が出るまでの期間が短い
- 工数が少なく費用対効果が高い
- 広告のROIが改善し、利益率も向上する
- 改善後に集客施策を行うことで売上が一気に伸びる
Q2:CVRの平均値はどれくらい?自社の数値は低い?
A:一般的なECの平均CVRは客単価によって変動致します。自社のサイトのCVRと比較してみて確認してください。
- CVR 0.5%:客単価30,000円以上
- CVR 1.0%:客単価10,000円~30,000円
- CVR 2.0%:客単価5,000円~10,000円
- CVR 3.0%以上:客単価5,000円以下
CVR改善の中心は商品ページ改善であり、
画像・説明文・レビュー・UI導線の4点セット が最も効果を発揮します。
Q3:SEO・SNS・広告、どれが最も重要?
A:この3つは“役割が違う”ため、重要度を比較するものではありません。
▼SEOの役割
長期的な安定集客。商品名・カテゴリ設計が重要。
▼SNSの役割
認知拡大・ブランド構築。特にInstagramとTikTok。
▼広告の役割
短期的な売上拡大。改善スピードが早い。
▼結論:
売れるECは、この3つのバランスが整っている。
どれか1つのチャネルに依存するのはリスクが高いため、
複数チャネルの組み合わせによって安定的な集客構造を作る必要があります。
Q4:広告を回しても売上が伸びないのはなぜ?
A:原因の8割は「商品ページ or CVR」です。
広告の効果は、
商品ページの質(CVR)に大きく依存 します。
▼よくある悪循環
- 広告を回す
- CVRが低く、購入に至らない
- 広告費が無駄になる
- 広告を止める
- 売上が減少
- 「広告は効果がない」と判断してしまう
▼広告成功の条件
- CVRが1.2〜1.5%以上ある
- カート離脱率が低い
- 商品ページの訴求が競合より明確
- レビューが豊富
広告は「売れているショップがさらに伸びるための武器」ですが、
売れていないショップが使うと赤字を拡大するリスクが高くなります。
Q5:SNS(Instagram/TikTok)で売上は本当に伸びる?
A:適切な運用を行えば、売上の30〜60%がSNS経由になることも珍しくありません。
▼SNSで売上が伸びるショップの共通点
- 毎日投稿 or 週3〜4回投稿の継続性
- 顧客が知りたい“使い方”や“リアルなレビュー”を発信
- リール・ショート動画への積極的取り組み
- プロフィールから商品ページへの導線が明確
- KPI(リーチ/保存/プロフィール遷移)を追っている
SNSは「認知 → 商品理解 → 購入」の導線を作るための重要な施策です。
Q6:レビューはなぜ必要?数が少ないと購入率が下がる?
A:レビューは購入率(CVR)を左右する最大級の要因です。
レビューは、
- 顧客の不安を解消する
- 商品の利用シーンを伝える
- 信頼性を補強する
ため、ECにおいて極めて重要です。
▼レビューがない場合の問題
- 顧客の不安が解消されない
- 購入理由が明確にならず離脱が増える
- 他社比較で不利になる
▼レビュー獲得の鉄板施策
- 購入後10日でレビュー依頼メール
- 投稿者に特典(クーポン等)を付与
- 写真付きレビューを優先的に紹介
Q7:客単価(AOV)を上げる最も効果的な方法は?
A:セット販売と送料ラインの改善です。
▼客単価が上がる施策一覧
- 3個セット・5個セットの導入
- 送料無料ラインの最適化
- カート内のクロスセル(関連商品表示)
- 定期販売の導入
客単価が1,000円上がるだけで、
月間売上が20〜40%伸びるケースは非常に多いです。
Q8:リピーターはどうすれば増える?
A:購入後30日以内のフォローが最重要です。
▼鉄板施策
- 購入3日後:使用方法をメールで案内
- 10日後:レビュー依頼
- 20日後:関連商品の紹介
- 30日後:クーポン付き再訪メール
美容・食品商材では特にリピート率が売上の肝となります。
Q9:SNS・SEO・広告、施策が多すぎて何からやるべきか分からない
A:まずは“売上のボトルネック”を特定し、その領域だけを改善します。
売上改善の優先順位は次の通りです。
- CVR改善
- アクセス改善(SEO/SNS/広告)
- 客単価UP
- リピート施策
すべての施策を同時に進めるのは非効率で、
優先領域に集中することが成果の近道です。
Q10:売上が急に落ちたのはなぜ?原因はどこにある?
A:売上減少の主な原因は “外部要因” “内部要因” の2つに分かれます。
▼外部要因(30〜40%)
- 検索順位の変動
- Instagramアルゴリズム変更
- 季節による需要の変動
- 競合の価格変更
▼内部要因(60〜70%)
- 商品ページの変更
- 広告予算の縮小
- 在庫切れ
- カート離脱率の悪化
- メール・SNS運用の停滞
売上が急激に落ちた場合、
必ず“内部要因のチェック”から確認することが重要です。
7.最終まとめ|ネットショップ売上を伸ばすための全体整理
ネットショップの売上を伸ばすための本質は、常に 「アクセス × CVR × 客単価 × リピート率」 という売上構造の徹底理解と、その弱点(ボトルネック)を順番通りに改善することです。
本記事では、初心者が陥りやすい誤りから、上級者が取り組むべき高度な改善施策まで段階的に解説してきました。本章では、これまでの解説をすべて「実務で使える形」にまとめていきます。
7-1. まず押さえるべき “売上構造の結論”
ネットショップの売上は、非常にシンプルな式で構成されています。
売上=アクセス数 × 購入率(CVR) × 客単価 × リピート率
どのショップにもこの構造は当てはまり、売上が伸び悩む理由は必ずこの4つのどこかに存在します。
7-2. 売上が伸びない主な原因のまとめ
本記事で取り上げた「売れない原因」は次の通りです。
- ボトルネックを把握していない(KPI未管理)
- アクセスが不足している
- 商品ページが不十分でCVRが低い
- 客単価が低いため売上の上限が低い
- リピート施策が弱くLTVが伸びない
- SNS・広告・SEOの役割理解が不足
- 単発施策に終わり継続改善ができていない
これらは多くのECショップに共通する課題であり、改善すれば業績は大きく変わります。
7-3. 売上改善の優先順位(最重要ポイント)
売上を改善する際の優先順位は以下の順番で考えると、最も成果が出やすくなります。
- STEP1:KPIの可視化
- STEP2:CVR(購入率)改善
- STEP3:アクセス改善(SEO/SNS/広告)
- STEP4:客単価UP
- STEP5:リピート率向上(CRM施策)
この順番が守られない場合、いくら施策を実行しても期待する効果は得られません。
7-4. すぐに実践できる売上改善チェックリスト(再掲・簡易版)
改善施策を具体的に行うための 簡易チェックリスト を以下にまとめます。
▼商品ページ関連
- 画像は8枚以上あるか
- Before→Afterの使用例があるか
- サイズ・素材などの必要情報が揃っているか
- レビュー(写真付き)は十分か
▼アクセス関連
- 月間5,000セッション以上あるか
- SNSでの導線が整っているか
- SEOによる検索流入が得られているか
▼客単価関連
- セット販売を導入しているか
- 送料無料ラインを適切に設定しているか
- カート内レコメンドを導入しているか
▼リピート関連
- 購入後30日以内のフォローを行っているか
- 定期便や特典施策はあるか
- メール/LINEの自動配信を用意しているか
5つ以上未達であれば、売上アップ余地は非常に大きいと言えます。
7-5. 明日から取り組むべき “3つの行動ステップ”
本記事の内容を踏まえて、明日から必ず取り組んでほしい3つの行動をまとめます。
① KPI(アクセス・CVR・客単価・リピート率)を整理する
最低限、以下をスプレッドシートにまとめることを推奨します。
- 月間アクセス数
- 購入率(CVR)
- 客単価
- リピート率
- 売上(広告・送料除外後の正味売上)
数値化するだけで、改善の方向性が見えてきます。
② 商品ページの改善(最優先)
今日から改善できる項目として、以下をチェックしてください。
- 画像の追加(最低8枚)
- Before→Afterのストーリー追加
- 競合比較と差別化ポイントの記載
- 送料・返品情報の明示
小さな改善の積み重ねが、CVR1.5倍〜2倍につながります。
③ 購入後フォローの導線を作る
購入後のフォローは売上の安定性に直結します。
- 購入3日後:使用方法メール
- 10日後:レビュー依頼
- 20〜30日後:再訪クーポン
- LINEステップ導入
これはEC運営において“最少工数で最大の成果”を生む施策です。
7-6. 本記事の総まとめ(箇条書き)
最後に、この記事全体の要点を箇条書きで整理します。
- ネットショップの売上は アクセス × CVR × 客単価 × リピート率 の掛け合わせ
- 改善の最初のステップは KPIの可視化
- CVR改善は最も費用対効果が高い施策
- SEO・SNS・広告は役割が異なり、複合運用が必要
- 商品ページの改善が売上に直結する
- セット販売・送料ライン最適化で客単価は大きく向上
- リピーターはECの“利益の源泉”
- 購入後30日以内のフォローがリピート率を左右する
- 単発施策では成果が出ず、継続改善が必要
- 売上は「成長率」で判断すべき
- ボトルネックに合わせて施策を優先順位順に実行することが最重要
7-7. 最後に(読者へのメッセージ)
自社ECサイトは「作って終わり」ではなく「育てていく」ものです。 目先の初期費用の安さだけに囚われず、将来の事業成長を支えられるパートナーとシステムを選ぶことが、結果として最もコストパフォーマンスの高い投資となります。
弊社では、貴社の事業規模や課題に合わせた最適なEC構築プランのご提案や、RFP策定のサポートを行っております。 「自社の適正予算がわからない」「見積もりが妥当か診断してほしい」といったお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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