ECサイト構築にも使える事業再構築補助金とは?注意点や対象経費について解説!
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本記事ではECサイト構築にも使える事業再構築補助金の概要や注意点、抑えるべきポイントなどについて解説していきます。
本記事とは別で、ECサイト構築に使える補助金制度として「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」についても解説していますので、併せてご確認ください。
01.事業再構築補助金とは?
はじめに2021年から始まった事業再構築補助金についてご説明します。
政府は新型コロナウイルスに対する経済対策として「業種・業態転換」や「事業再編を行う中小企業・中堅企業」に対し最大1億円を補助する制度、「中小企業等事業再構築促進事業(通称:事業再構築補助金)」を発表しました。
新分野への展開や、事業・業種の転換、事業の再編という事業再構築に意欲がある中小企業等を支援する補助金になります。
支払いの対象になった場合には全額が補助される訳ではなく、事業再構築補助金に申請した補助枠によって決まる補助率をかけて算出された金額が支払われます。
公募枠や公募要領については下記の公式サイトからご確認ください。
事業再構築補助金の公式サイトはこちら:https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
01-1.補助金支給の対象となる条件
事業再構築補助金の申し込み枠としては全部で下記の8枠があります。
※2023年12月時点
- 成長枠
- グリーン成長枠
- 卒業促進枠
- 大規模賃金引上促進枠
- 産業構造転換枠
- サプライチェーン強靭化枠
- 最低賃金枠
- 物価高騰対策、回復再生応援枠
それぞれの枠で申し込み要件が異なりますが、全枠で共通となる必須要件は以下になります。
01-1-1.事業計画について認定経営革新等支援機関や金融機関の確認を受けること
事業者自身で事業再構築指針に沿った事業計画を作成し、認定経営革新等支援機関(弁護士、税理士、金融機関など)の確認を受ける必要があります。
以下のサイトから支援機関を検索することができます。
〇認定経営革新等支援機関検索システム:https://ninteishien.my.site.com/NSK_CertificationArea
01-1-2.付加価値額を向上させること
補助事業終了後3〜5年で付加価値額の年率平均3.0〜5.0%(申請枠により異なる)以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0〜5.0%(申請枠により異なる)以上増加させることが必要になります。
付加価値額とは「営業利益+人件費+減価償却費の合計」であり、「補助金を受け取って取り組む事業が、設備だけでなく、人も雇って営業利益も増える取り組みであること」が条件となります。
01-2.事業再構築補助金はECサイト構築にも使える
事業再構築補助金は、いまの事業の強みを活かし、別の事業に組み替える事業計画に対して一部の経費を補助するため、事業者がECサイトを立ち上げる費用についても要件を満たせば補助の対象となります。
ただし、事業再構築補助金は、イーコマース(電子商取引)を扱うECサイトを構築すれば採択されるほど単純なものではありません。
ECサイト構築を前提とした事業計画にする場合の注意点や、補助対象の経費項目についてご説明します。
02.事業再構築補助金を使ってECサイト構築を前提とした事業計画にする場合の注意点
02-1.ECサイト構築はあくまで事業を進めるための手段
事業再構築補助金では、事業者が既存事業の強みを活かした事業計画書を提出しますが、「ECサイトを構築する」ことを前提に計画立案する事業者は少なくありません。
業再構築補助金でECサイトを構築する際の注意点は、ECサイト自体を目的としないことです。ECサイトはあくまで商品販売の手段であり、目的ではありません。そのため、どんな商品を販売するのかといった点も重要となってきます。
ECサイトをしてどのような商品を販売していくのか、どのように商品を販売していくのかの計画までを述べることが必要です。
02-2.なぜECサイトが必要なのかをしっかりと述べる
なぜ「事業再構築補助金でECサイトを構築する」ことが必要かをわかりやすく説明しましょう。
現在の自社の状況や、既に提供している、またはこれから提供予定の商品特徴について、ECサイトでの販売と相性が良いことを示せると良いです。
ECサイト構築の効果を明確にして、事業再構築にあたりECサイトを構築するのが最適な戦略であることを説明しましょう。
02-3.自社独自サーバーの購入やレンタルにかかる費用は補助金の対象外
事業再構築補助金で補助対象の経費となるのは、SaaSなどのECサイトのサービスやパッケージを利用したECサイト構築の費用です。事業者が購入またはレンタルでサーバーを調達し、ECサイトの仕組みを用意する場合の費用は対象外となります。
具体的には、サーバーの領域を借りる費用(サーバーの物理的なディスク内のエリアを借入、リースを行う費用)、サーバー上のサービスを利用する費用等が補助対象経費となります。サーバー購入費・サーバー自体のレンタル費等対象になりません。
02-4.補助期間中以外の費用は補助金の対象外
補助事業実施期間中の費用については事業再構築補助金の対象経費として申請できますが、補助事業実施期間終了後の費用については補助対象外となるため注意が必要です。
基本的なルールとして、申請できる経費はサービスや商品の提供を開始する前の準備期間にあたる補助事業実施期間中の経費に限られます。
例えばECサイトの運営において、サーバー費用はECサイトが存在する限り発生しますが、サービスや商品の提供を開始した補助事業実施期間終了後の費用については申請することができません。
商品・サービス提供後のサーバーの費用は全て自己資金で支払う前提で事業計画を立案しましょう。
02-5.パソコン・タブレットなどの購入費は補助金の対象外
事業再構築補助金では原則、汎用性のある品目の購入費用は補助の対象外です。
補助事業以外にも使える車両や事務所の建築費はもちろん、パソコン・タブレット・スマートフォン等の情報端末、プリンター、文具、従業員の給与についても補助対象経費にはできません。
03.事業再構築補助金で申請できるECサイトの対象経費
ここまで、ECサイト構築を前提とした事業再構築補助金申請時の注意点やポイントについて説明してきましたが、対象となる経費についても理解しておきましょう。
03-1.システム構築費用
ECサイトのメインの対象経費となるのがシステム構築費です。
この対象経費には、SEやエンジニアによってECサイトを構築する際の費用が該当します。
IT事業者などと打ち合わせを行って仕様を決定して見積書を発行してもらいましょう。
仕様が決まった時点で、複数のIT事業者やベンダーに相見積もりを依頼するのが通常の流れですが、1件単価50万円以上のシステム構築費用の場合は「理由書」を提出すると、相見積もりなしに特定の1社で計画を進めることが可能です。
03-2.クラウドサービス・サーバーレンタル費用
自社独自のサーバーを購入する場合には事業再構築補助金では補助の対象外ですが、他社が運用しているサーバー領域の一部を借りる際のレンタル料は補助対象となります。
付随するルータなどの付属品購入費・レンタル費用が発生する場合は、その費用も補助対象経費として計上できます。
前述したように、補助事業実施期間の終了後にはクラウドサービスを利用していたとしてもその費用は対象経費として申請できないので注意が必要です。
03-3.外注費
ECサイトでwebデザインを発注する場合にデザイナーやコーダーに支払う費用や、運用を外部委託する場合に保守担当やwebライターなどに支払う費用も補助対象です。
03-4.専門家のからのサポート費用
自社にIT担当者がいない、ECサイトの構築費用にサポート費用が含まれていない場合、サポート費用を別途請求されることもあります。その場合のサポート費用も、事業再構築補助金の補助対象となります。
※事業再構築補助金の申請を専門家に依頼する際の費用については申請することができないので注意しましょう。
04.まとめ
今回は事業再構築補助金をECサイトで活用する際の注意点やポイントについて解説しました。
ECサイトは事業再構築補助金との相性が良く、検討された事業計画書を作成することで採択されることは十分に可能です。他の補助金と比較しても大きな金額の補助を受けることが可能なため、ECサイト構築を検討している場合には、事業再構築補助金の活用についてもお考えください。
事業再構築補助金を活用してECサイトの制作を検討している方は、弊社にご相談いただけましたらお見積りなどご対応させていただきますので、お気軽にお問合せください。
株式会社Proteinum 代表取締役