EC・ネットショップで重要な商品写真の撮影について| 押さえておきたい商品写真のポイントをプロが解説!

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楽天、Amazon、Yahoo!ショッピングの大手ECモールや自社サイトのご支援実績のもと、EC売上向上のノウハウをお届けします。

EC市場が拡大し続ける中、ユーザーが商品を購入する際、最も大きな影響力を持つのが「商品写真」です。
どれだけ良い商品でも、写真の質が低ければ魅力は伝わらず、クリック率(CTR)も購入率(CVR)も上がりません。

本記事では、これまで楽天・Amazon・Yahoo!ショッピング・自社ECサイトなど多数のショップを支援してきた立場から、「ECで売れる写真とは何か」「初心者でも実践できる撮影のポイント」を体系的に解説します。

EC・ネットショップで商品写真が重要な理由

ECサイトでは、実店舗とは違い、ユーザーが商品のサイズ感・質感・使い心地を手で確かめることができません。そのため、“視覚情報”が購入のすべてを決めます。

どんなに魅力的な商品でも、写真で魅力が伝わらなければ購入につながりません。高品質で分かりやすい写真は、商品の価値を正しく伝え、購入意欲を引き出す最大の武器となります。

ECサイトにおける商品写真の役割

  • クリック率を左右する最初の接点
  • 商品の特徴=事実を最も早く正確に伝える媒体
  • 使用イメージ=商品を買う理由やメリットを伝える要素
  • 購入後のギャップを減らし返品・低評価を防ぐ
  • ショップ全体の世界観・ブランド価値を作る

つまり、商品写真は“売れる仕組み”の核といえます。

ECで売れる商品写真の特徴

売れているショップの商品写真には、以下のような共通点があります。

・商品特徴が明確に伝わる

形、サイズ、素材感、色、構造、機能。
ユーザーの疑問を解消してくれる写真は信頼につながります。

・「使ったときのイメージ」が湧く

使用シーン=購入メリットを伝えるイメージ写真が必須。

・光量が適切でピントが合っている

明るさ不足は初心者の最も多い失敗例。
光が弱いとピントが甘くなり、“なんとなく安っぽい”印象になります。

・複数角度からの情報が揃っている

360°に近い情報があるほど不安がなくなり、購入率が上がります。

・ショップ全体で統一感がある

背景・光・構図がそろうと「このショップは信頼できる」と感じてもらえます。

モールごとに写真は変えるべきか?

ECの売上を最大化しようと考えるなら、自社サイトだけ、楽天だけ運営している方は少ないと思います。
お客様は複数のサイトやECモールを見て商品を選びます。

それではサイトごとに写真を変更する必要があるか?というと基本的には変更する必要はありません。
自社サイトであってもECモールであっても商品の訴求するポイントは同じだからです。

ただしアマゾンは例外です。アマゾンではサムネイル画像(商品の一番最初に出る画像・検索する際に
一覧に出る画像)は商品の背景が白でなければいけません。また文字や商品に含まれないもの(洋服の
場合はセットにはなっていない帽子や靴下など)も入れることが出来ません。

アマゾンでの商品画像の見せ方についてはまた別の回で詳しく説明します。
ZOZOTOWNやSHOPLISTなどのファッションモールもルールやトレンドがあるので注意が必要です。

ECにおいて必要な撮影写真の種類

商品のページに必要な写真は大きく分けて2つ「イメージ写真」「ディテール写真」です。
「イメージ写真」はサムネイル(1枚目画像)にも使われ、クリック率に直結します。お客様の興味を引き、購入意欲を沸かせることが必要です。
「ディテール写真」では詳細が分かるポイントによった写真が必要です。

イメージ写真に必要なポイント

イメージ写真はお客様が最初に見るサムネイル画像に設定しましょう。
例えばTシャツを販売する場合、Tシャツに合わせるパンツやジャケットを着せて自分が実際に着た時の
イメージを想像させるようにします。
訴求したいターゲット層と同じ年代のモデルを使用したり、同じ生活環境(シンプルなインテリアや都会的な生活など)を意識した場所で撮影するなど工夫が必要です。
取り扱う商品数が多い場合は商品を一覧で見たときにすべて同じ背景、同じモデルになりがちなので種類によって背景を変えたり、モデルを変えたりすることも必要です。

ディテール写真に必要なポイント

ディテール写真は文字通り商品の詳細を伝える写真です。
ネットショップのお客様は実際に商品を手に取ってみることができないため、商品の詳細を伝える写真を掲載する必要があります。

例えばバッグの場合、商品の全体が分かる写真に加え、裏面や底面の写真が必要です。
形状によっては真上からの画像も必要です。
さらに持ち手やポケットの形状をよく見せるため、ポイントに寄った写真が必要です。
バッグ内側にポケットがある場合は中を開いた写真も必要です。

お客様は商品の詳細が分からないと購入されません。
お客様が知りたい情報をより多く伝えることが重要になります。

必要な商品写真の点数

商品写真は 基本10枚前後を目安に“多いほど良い” とされます。ただし撮影コストも考慮し、イメージ写真は最低1枚をベースに、角度違いやモデルの立ち・座りなどのバリエーションを3〜5枚程度追加すると効率よく豊富な構成が作れます。バッグの場合は持ち方や置き方を変えるだけでも数枚の変化をつけられます。

加えて、電話中・カフェでの使用など、実際の利用シーンを1〜2枚入れると、お客様が使うイメージを描きやすくなり、購入意欲アップに繋がります。

一方、ディテール写真は商品理解に不可欠なため、5〜8枚程度を目安に、形状・裏面・内側・素材のアップ・質感(ツヤ/マット)・ロゴやタグなど、必要な情報をできるだけ網羅しましょう。

撮影品質を上げる3つの重要ポイント

ECの商品写真は、「光・背景・角度」の3つを整えるだけで、印象が大きく改善します。

難しいテクニックよりも、この基本を丁寧に押さえることが、最短で“売れる写真”に近づく方法です。

① 照明|写真のクオリティを左右する最重要要素

写真の仕上がりは、まず光で決まります。どれだけ良いカメラを使っても、光が弱かったり硬かったりすると、色がくすみ、質感も伝わりません。
撮影では明るいLEDライトを用いて、ディフューザーで光を柔らかくしてから、商品に対して少し斜め気味に当てると、立体感と自然な質感が出ます。

特に食品は“やや逆光”、アパレルや雑貨は“斜め45度”が素材の魅力を引き出す王道パターンです。

ポイント

  • 光は「明るく・柔らかく・少し斜めから」
  • 食品は逆光、アパレルは45°が基本

② 背景|ブランドの世界観と情報の見やすさをつくる

背景は、ただの脇役ではなく、商品の印象を左右する“ステージ”です。
商品を正確に伝えることを優先するなら白背景が最適で、ECモール全般でも使いやすい万能タイプ。一方で、木目・大理石・布などを使うと、雰囲気やブランドイメージを強く演出できます。

ただし、どんな背景を使う場合でも「清潔感」と「水平/垂直の整い」は必須。背景が乱れているだけで、商品の価値が下がって見えてしまいます。

ポイント

  • 白背景は最も“伝わる”、素材背景は“世界観を出せる”
  • シワ・汚れ・歪みは避けてプロ感を保つ

③ 撮影角度|商品の魅力を引き出す“最適視点”を探す

角度は、商品の魅力をどう見せるかを決める重要な要素です。
上から撮れば構成がわかりやすく、斜め45度なら形と立体感が最も自然に伝わります。目線に近い水平アングルは、実際に使う場面を想像しやすく、アパレルや雑貨で特に効果的です。

撮影時には、画面の水平と垂直を必ずチェックしましょう。少しの歪みでも、不安定に見えたり、安っぽさにつながります。影も完全に消すより、薄く残した方が自然で立体的な印象になります。

ポイント

  • 歪みをなくし、自然な影で立体感を出す
  • 上から=全体把握、斜め45°=バランス最良、水平=使用イメージ

ジャンル別:商品写真の撮り方のコツ

商品はジャンルによって「伝えるべき情報」や「魅力が引き立つ見せ方」が異なります。

ここでは、ECで特に撮影機会の多いジャンルを中心に、“どこを押さえれば売れる写真になるのか” を具体的にご説明します。

アパレル(衣類)|シルエットと質感が最重要

アパレルは、実際に着たときのイメージがどれだけ想像できるかで購買率が大きく変わります。
まずは真正面・横・後ろのスタンダードな3方向を押さえたうえで、自然な動きのある姿勢(歩く・軽く腕を広げるなど)も数枚入れると、服のドレープや素材感が伝わりやすくなります。

また、首元・袖口・裾などディテールも近距離で撮影し、素材の厚み・編み目・ツヤ感がわかる“触れそうな写真”を入れると説得力が大幅に向上します。

バッグ・小物|サイズ感と収納力を正確に伝える

バッグやポーチは「大きさ」「容量」「使用シーン」の3点が最重要です。
正面・側面・底面の形状を明確に写したうえで、手に持つ・肩にかける・机に置くなど、複数の使い方を見せると理解が深まります。

さらに、中身の入った状態(財布・ノート・ボトルなど)を撮影すると収納力が直感的に伝わり、購入前の不安が解消されます。素材のアップ、金具の質感、ブランドロゴのクローズアップも必須カットです。

アクセサリー(ジュエリー)|輝き・立体感・サイズが決め手

アクセサリーはサイズが小さいため、光の質と撮影距離が仕上がりを大きく左右します。
柔らかい光を斜めから当てると金属や石の輝きが自然に出やすく、背景には白や淡い色を使うと商品が際立ちます。

着用カットも1〜2枚入れると、サイズ感や着けた時の印象が一気に伝わりやすくなります。ピアスなら横顔、ネックレスなら胸元が定番の見せ方です。

食品|“鮮度”と“おいしさ”が伝わる光と構図

食品写真は、光の使い方がとても重要です。逆光気味に柔らかい光を当てると、湯気・ツヤ・みずみずしさが美しく表現できます。
料理単体だけでなく、「箸を持つ手」「盛りつける瞬間」など、少し動きを入れたカットを足すと“食べたくなる写真”に近づきます。

パッケージ商品であれば、パッケージ+中身+盛り付け例 の3点セットが鉄板構成です。

インテリア・家具|サイズ感と生活イメージが鍵

家具・インテリアは商品の世界観がとても重要。部屋の一部をセットとして写し、実際に置いたときのイメージがしやすい構図を作ると購入のハードルが下がります。

広角にしすぎると実際より大きく見えてしまうため、自然な画角で撮影することも大切です。素材のアップ(木目・布地・金属部)や、引き出しの開閉など動作がわかる写真も信頼性につながります。

コスメ・美容アイテム|清潔感と質感の再現がポイント

コスメは「清潔感」「透明感」「質感」が伝わる写真が理想です。
背景は白や淡色が相性がよく、ボトルの質感(マット・ツヤ・ガラス感)を自然な光で丁寧に表現します。

テクスチャーカット(クリームの質感、リップの色味など)は購入判断で非常に重要で、スマホ画面でも色が正確に見えるよう調整が必要です。
使用シーン(手の甲に塗布した状態など)を入れると、より伝わりやすくなります。

まとめ

今回は、イメージ写真とディテール写真の撮り方、枚数の目安、ジャンル別のコツまで、売れる商品写真のポイントをご紹介しました。

ECサイトでは、商品写真が「購入の決め手」となることがほとんどです。写真ひとつで商品の魅力が伝わるかどうかが決まり、逆にどんなに素晴らしい商品でも、写真で魅力が伝わらなければ購入にはつながりません。

写真はEC成功の第一歩。少し工夫を加えるだけで、商品の印象は大きく変わります。ぜひ、今回ご紹介したポイントを意識して撮影に取り組んでみてください。

弊社は、楽天、Amazon、Yahoo!ショッピングなどECモールや自社サイトの支援実績多数です。ぜひお気軽にお問い合わせください。

Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

慶応義塾大学を卒業後、楽天グループ株式会社に入社。ECコンサルタントとして、ショップオブザイヤー受賞店舗を含むのべ700店舗以上を支援。その後、小売業を中心に経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、EC戦略策定・実行支援など)し、株式会社Proteinum(プロテーナム)を創業。
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。

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