【薬機法】の広告表現違反とは?NG例・言い換え例・罰則までわかりやすく徹底解説!

Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

慶応義塾大学を卒業後、楽天グループ株式会社に入社。ECコンサルタントとして、ショップオブザイヤー受賞店舗を含むのべ700店舗以上を支援。その後、小売業を中心に経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、EC戦略策定・実行支援など)し、株式会社Proteinum(プロテーナム)を創業。
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。

薬機法(旧:薬事法)は、医薬品・医療機器・化粧品・健康食品などの品質や安全性を確保し、国民の健康被害を防ぐことを目的とした法律です。特に広告表現においては、消費者に誤解や過度な期待を与えないよう、厳格なルールが設けられています。

近年では、ECサイトの商品ページやLP、SNS広告、インフルエンサー投稿なども規制対象となるため、広告担当者やEC運営者にとって薬機法の理解は必須と言えるでしょう。

この記事では、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が、WebサイトやWeb広告で商品を販売する上で必要な知識である、薬機法の基本的な内容や気を付けるべき点について解説します。

Contents

1.薬機法(旧:薬事法)とは?

薬機法の正式名称は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と言い、2014年11月にそれまでの薬事法が改正されて施行されました。
冒頭でも述べましたが、2021年8月に一部内容が改正され、違反への厳罰化が行われました。

医薬品、医薬部外品、化粧品、医療用具を取り扱う事業者が従うことになっています。医薬品や医療機器は消費者の健康に直接影響を与えるので、厳しい決まりが設定されています。この法律では、広告についての規制が定められており、広告主や広告代理店はこれに合わせたマーケティングを行う必要があります。

インフルエンサーの投稿であっても、商品の名称をPRのために表示している投稿は、広告であるとみなされます。薬機法は、インフルエンサーマーケティングにも関与している法律と言えるのです。

1-1.広告、LP・商品ページにおける薬機法(旧:薬事法)の役割

薬機法には、はっきりとした目的があります。広告において適切な製造や表示がされず消費者への誤解を招いてしまえば医薬品等は、人体に悪い影響を及ぼす可能性があります。そのため、過剰な表現や虚偽の内容で広告を打ち出すことは、薬機法では禁止されており、厳しい罰が定められています。

・第10章第66〜68条「医薬品等の広告」
・第66条「誇大広告の禁止」
・第67条「特定疾病用の医薬品及び再生医療等製品の広告の制限」
・第68条「承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止」
など広告の規制について記載されている条文があります。

▼売れるLPについて解説しているブログもございます。合わせてご覧ください。

1-2.薬機法(旧:薬事法)の対象となる商品

薬機法は医薬品等の質や有効性、安全性を保って、保健衛生上の危害を予防する目的があります。
薬機法の対象となるのは、直接規定されている医薬品や化粧品に加えて、健康食品、医療機器、医薬部外品、健康器具、美容器具なども「医薬品的効果効能」をうたってしまうと、薬機法の規制対象となります。

医薬品・医薬部外品

  • 医薬品・医薬部外品
  • 化粧品
  • 医療機器・美容機器
  • 健康食品・サプリメント(※効能表現に注意)

「医薬品的効能効果」とは、医薬品のように見える表現のことです。たとえば、「肝臓回復」「血糖値が気になる方に」「白髪解消」などの表現を、健康食品に使うと違反となります。広告の原稿には、より商品をアピールするために目を引くキャッチコピーを使いたいところですが、薬機法の範囲内の表現にする必要があります。

2.薬機法(旧:薬事法)で広告表現が厳しく規制されているのか?

なぜ薬機法で広告表現が規制されているのでしょうか?
薬機法には以下の目的があり、法律で定められています。

この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。

引用元:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

つまり、医薬品などは人体への影響が大きく、人の健康や生死に関わるため、誤った使われ方がされないよう薬機法が定められているということです。
薬機法は広告表現においても目的は同じで、消費者が広告内容を信じて商品を購入・使用する点にあります。もし誇大な表現によって誤解を与えた場合、健康被害やトラブルに直結する恐れがあります。そのため、薬機法では「事実に基づいた、正確で客観的な表現」が求められているのです。

3.薬機法(旧:薬事法)の広告規制

薬機法が設けられている理由はここまでで説明した通りですが、具体的には以下のような内容が定められています。

3-1.虚偽・誇大広告等の禁止(薬機法第66条)

医薬品等の名称、製造方法、効能、効果、性能などに関して、明示的・暗示的を問わず、虚偽・誇大な広告を行うことは禁止されています。

3-2.承認前医薬品等の広告の禁止(薬機法第68条)

承認を受けていない医薬品等について、名称、製造方法、効能、効果、性能に関する広告を行うことは禁止されています。
たとえば、化粧品や健康食品にもかかわらず、医薬品的な効能効果を謳うことはできません。承認を受けていない効能効果を謳うと、「未承認の医薬品の広告」とみなされてしまいます。

このように、薬機法では広告表現において禁止事項が設けられています。
上記の他に、薬機法で認められている表現の範囲など、具体的な広告表現のルールに関しては「医薬品等適正広告基準」というガイドラインで定められているので確認しておくといいでしょう。

参考:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について(厚生労働省)

3-3.薬事法における医薬品等の広告の該当性について

薬機法では以下を満たす場合、広告に該当するとみなされます。

  • 顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昴進させる)意図が明確であること。
  • 特定医薬品等の商品名が明らかにされていること。
  • 一般人が認知できる状態であること。

参考:薬事法における医薬品等の広告の該当性について

4.薬機法(旧:薬事法)違反した場合の罰則

薬機法に違反すると、2年以下の懲役または200万円以下の罰金、もしくはその両者が科せられます。

また、2021年に行われた薬機法の一部改正によって、課徴金制度が導入され、違反した広告表現を使用していた期間中に対象商品が売れていたら、売上高のうち4.5%が課徴金として徴収されるようになりました。

この他、行政処分(業務停止命令など)により会社の信用が失われたり、経営に損害が及ぶなどのリスクもあるため、薬機法に違反した広告表現を使わず、適切に商品を宣伝するように注意しましょう。

  • 行政指導・改善命令
  • 課徴金や罰金
  • 企業・ブランドイメージの低下

5.薬機法(旧:薬事法)違反に該当する広告表現

5-1.疾病の治療、予防効果を目的とした表現

疾病の治療、予防効果があるように誤認させる表現は、医薬品的な効能効果とみなされるため使用できません。
「あせもが治る」「特定の病気が治る」などといった表現の使用はNGとなります。行政指導や禁固刑を受けるケースもあります。

ほか例)「このサプリで糖尿病が治る」「飲むだけで高血圧を予防」

5-2.身体の機能増強や増進を目的とした表現

同じ製品の使用した場合、人によって効果効能が異なる表現は消費者に誤解を招く可能性があるため、「ダイエットに効果的」「便秘予防に効果的」などの表現には注意しましょう。

ほか例)「確実に脂肪を燃焼」「視力が回復する」

5-3. 【一覧表】NG表現/OK表現の対比(薬機法対応)

広告実務で特に検索・参照されやすいのが「NG表現とOK表現の違い」です。以下の対比表は、EC・LP・広告文作成時にそのままチェックリストとして活用できます。

商品カテゴリNG表現(使用不可)OK表現(言い換え例)解説ポイント
健康食品・サプリ痩せる/脂肪が落ちる健康的な体型維持をサポート医薬品的効能を断定しない
健康食品・サプリ高血圧を改善生活習慣を意識する方をサポート疾病名の使用はNG
化粧品シミが消えるうるおいを与え、明るい印象の肌へ効果の断定は不可
化粧品シワがなくなる乾燥による小ジワを目立たなくする承認効能の範囲内で表現
美容機器たるみを治療肌を引き締めるようにケア治療・医療表現は不可
雑貨・日用品肩こりが治るリフレッシュタイムをサポート身体改善の断定を避ける

※上記は一般的な例であり、商品特性や訴求文脈によって判断が異なる場合があります。

6.【商品別】薬機法(旧:薬事法)における広告表現

6-1.医薬品広告の表現における薬機法(旧:薬事法)

医薬品は、その製品が承認を受けた効能効果であれば訴求内容として謳うことが可能です。
逆にいうと、医薬品であってもその製品が承認を受けていない効能効果を訴求することはできません。

例えば、薬局製剤品目の広告の場合、「よく効く」「しっかり治す」などの強調表現は、保証的な表現になってしまい使うことはできませんが、単に「治す」等の表現であれば、その製品が承認を受けた効能効果であれば使うことが可能です。

6-2.化粧品広告の表現における薬機法(旧:薬事法)

化粧品も薬機法の規制対象です。そのため、製造方法や成分、効果効能を宣伝することや、医薬関係者の推薦文を広告に使うことはできません。

例えば、洗顔料の広告の場合、「○○で赤ちゃんのようなお肌へ」などの表現は使うことはできませんが、「○○でハリ・ツヤのあるお肌へ」のような表現であれば使うことが可能です。

化粧品の広告を行う場合は、「化粧品の効能の範囲」を必ず確認しておきましょう。

参考:化粧品の効能の範囲の改正について(厚生労働省)

6-3.健康食品・サプリメント広告表現における薬機法(旧:薬事法)

健康食品・サプリメントは医薬品ではなく、「一般食品」に該当するため、健康を促進する、健康を維持するなどを訴求することは問題ありませんが、医薬品的な効能効果を訴求内容として使おうとすると薬機法違反となります。

具体的には、「便秘が治る」「免疫力アップ」等が挙げられます。

6-4.医療機器広告表現における薬機法(旧:薬事法)

ペースメーカーや電動マッサージ器、眼鏡などの医療機器にも薬機法の規制対象となっており、人体に与える影響によってクラス分類がされています。

医療機器は、厚生労働大臣から承認を得た効能・効果であれば表現が可能となっており、名称や製造方法、操作方法などに関する表現も承認を受けた範囲内で表現が可能です。

例えば、コンタクトレンズの広告の場合、「ドライアイでも使える目にやさしいレンズ」などの表現は使うことはできませんが、「乾燥しづらくやわらかい付け心地のレンズ」のような表現であれば使うことが可能です。

7.薬機法(旧:薬事法)違反を防ぐ広告表現のポイント

薬機法に違反しない広告表現を作るためのポイントとしては、大きく以下2点を押さえておきましょう。

7-1.薬機法だけではなく、ガイドラインも確認する

薬機法に違反しないためには、薬機法そのものだけでなく、「医薬品等適正広告基準」など、厚生労働省が公表している、薬機法の広告に関するガイドラインもしっかり理解しておくことが基本となります。

参考:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

7-2.薬機法に関する最新の情報収集する

薬機法や広告のガイドラインを確認するだけでなく、薬機法に関わる最新の動きを収集しておくことも重要となります。

国や医薬品等の各業界団体などが発信している情報や、薬機法関連のニュースも細かくチェックし、常に最新の情報を持っておくと安心です。

8.薬機法(旧:薬事法)に準拠した広告表現の言い換えを習得する

これまでにも述べたように、広告表現チェックツールは簡便に利用できる反面、薬機法の最新の改正や行政の通知などに完全に対応しきれていない場合があります。そのため、ツールによって提示される代替表現も、やや一般的・形式的なものにとどまる傾向があります。

そうした背景から、薬機法に触れない表現の工夫や適切な言い換えを自ら学習したり、「言い換え表現集」といった資料を活用する方法も、有効な対策の一つとなります。

8-1.メリット

薬機法を理解するために一定の学習時間や費用(初期コスト)はかかるものの、「チェックツール」や「専門家による表現確認サービス」を継続的に利用する場合と比較すると、長期的にはコストを抑えられる可能性が高い。

8-2.デメリット

実際に薬機法のルールを学び、広告文の適否を自分で判断する必要があるため、社内リソース(人材・時間)を要する。

法律に精通した専門家による監修と比較すると、表現の正確性や安全性の面でやや劣ることがある。

▼楽天市場での広告種類について解説しているブログもございます。合わせてご覧ください。

9.薬機法において特に広告規制に抵触しやすい表現例

9-1.健康食品(サプリメント・飲料など)

健康食品はあくまで「食品」であり、身体の構造や機能に影響を与える表現(医薬品的効能効果)は一切禁止されています。

項目NG表現(違反例)理由
疾病の治療・予防「ガンが治る」「糖尿病の方に」「風邪の予防に」特定の病気の治療や予防を暗示するため。
身体機能の増強「視力が回復する」「血行を良くする」「免疫力を高める」身体の機能(生理作用)に影響を与える表現。
部位の指定「肝臓に効く」「肌に潤いを与える」「目に良い」特定の臓器や部位を特定して効果をうたうことは不可。
変化の保証「飲むだけで5kg痩せる」「若返る」「細胞が活性化」効果の保証や、老化防止(アンチエイジング)の逸脱。

9-2.化粧品(スキンケア・ヘアケアなど)

化粧品は、薬機法で定められた「56の効能範囲」の中でのみ表現が認められています。それ以外の劇的な変化をうたうと違反になります。

項目NG表現(違反例)理由
シミ・美白「シミが消える」「肌が真っ白になる」消失や漂白を意味する表現は不可。
シワ・アンチエイジング老化の逆転(若返り)は認められない。「シワが治る」「若返る」「エイジングケア(根拠なし)」
浸透の範囲「肌の奥深くまで浸透」「真皮まで届く」化粧品の浸透は「角質層まで」が限界。
肌荒れ・ニキビ「ニキビが治る」「アトピーに効く」治療や殺菌を連想させる表現は不可。

9-3.雑貨・美容機器(美顔器・マッサージ器など)

医療機器としての承認を受けていない「雑貨(一般家電など)」の場合、身体の構造に影響を与える表現はできません。

項目NG表現(違反例)理由
ダイエット機器「脂肪を燃焼させる」「巻くだけで痩せる」脂肪への直接的な効果は医療機器の範疇。
マッサージ効果「肩こりが治る」「血流を改善して冷え解消」治療器としての表現になるため。
美顔器「リフトアップ」「小顔になる」「ほうれい線消滅」骨格や筋肉の変化、シワの消失はNG。

9-4.その他、注意すべき見せ方

言葉選びだけでなく、広告の「見せ方」にも厳しい規制があります。
「個人の感想です」と注釈を入れても、「これのおかげで病気が治った」という主旨の体験談を載せるのはNGです。
化粧品や健康食品において、短期間で劇的な変化(シワが消える、激痩せするなど)を見せる写真は、不当な誘引とみなされます。
「世界一」「最高」「日本初(根拠なし)」といった最大級の表現は、客観的な事実がない限り認められません。

10.専門家による「広告表現チェックサービス」の活用

広告の表現が薬機法に抵触していないかを判断するには、法令そのものだけでなく、国や行政機関が発信する通知やガイドラインなどの関連情報も把握しておく必要があります。
しかし、こうした情報を網羅的に理解するには専門的な知識が求められ、一般の担当者が対応するのは簡単ではありません。

薬機法違反を未然に防ぐための確実な対策としては、薬機法に精通した専門家が提供する「広告表現チェックサービス」の利用が有効です。
このサービスでは、広告表現が法令に適合しているかを専門家が詳細に確認し、必要があれば修正方法の提案まで行ってくれます。

10-1.利用するメリット

  • 自社内で専門知識を持った人材を用意する必要がなく、リソースを抑えられる
  • 薬機法だけでなく、景品表示法や健康増進法など、広告に関わる複数の法令に対応したチェックが期待できる
  • 法令違反となる表現の指摘にとどまらず、訴求力を保ったままの代替表現を提案してもらえるケースもある

10-2.利用時のデメリット

  • サービス利用にはコストが発生する

11.まとめ

薬機法(旧:薬事法)についてお話ししてきました。薬機法で定められているルールはとても複雑で、誤った解釈のまま商品やサービスを販売すると、薬機法違反で行政指導や禁固刑などのペナルティを受けることになります。 薬事法に関係するビジネスには法律に抵触するといったリスクもあるため、薬機法チェックサービスの利用が有効です。ぜひ自社に合った薬機法チェックサービスを導入し、法律を厳守した健全な広告の取り扱いを目指しましょう。

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