ECを始めるには?自社サイトとECモールの主な違いを徹底解説!
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楽天、Amazon、Yahoo!ショッピングの大手ECモールや自社サイトのご支援実績のもと、EC売上向上のノウハウをお届けします。
Contents
1.ECモールと自社サイトの違い
今回は新たにEC事業を始めようしている企業様向けに自社サイトとECモールの違いについて解説していこうと思います。新たにECに参入する際に色々悩む部分が多いと思います。
一方、大前提として、自社がどういう方向に持っていきたいのか(売上が上がれば良いのか、ブランディング目的が大きいのかなど)で方向性は変わってくるため、それぞれ店舗/ECモールの特徴を把握した上で、企業に合った戦略をとっていく必要があります。
今回は自社サイトとECモールの違いや、新規で参入する場合の優先順位などについて考察していきます。ECモールではECに必要な様々な要素が最初から揃っていますが、自社サイトで構築する場合は自前で用意する必要があります。 自社サイトとECモールの特徴は以下の通りです。
自社サイトの特徴 |
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集客の難易度がモールと比較すると相対的に高く、集客コストが一定以上必要であり、かつ急激な売上増加は難しい |
直販であることから、利益率はモール販売に比べ高い |
プラットフォームに左右されない施策展開が可能(顧客情報の直接の取得が可能) |
SEOで勝負する場合はGoogleの動向に大きく左右されてしまいがち |
ECモールの特徴 |
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一定数の会員がすでにモール自体についており、(比較的)売上を立てやすい |
販売手数料や家賃がかかることで、利益率が自社サイトに比べ低い傾向(5%-10%前後変動) |
モール内に競合がおり、常に競争にさらされることで、価格競争が起きやすい |
楽天SEOなどのモール独自の検索対策が必要(GoogleSEOよりは攻略難易度が低い) |
それぞれ一長一短あり、かつ商材によって方針が異なってくるものの、トップラインを立てていくことを第一目標とする場合は、ECモール出店を検討する必要がありそうです。
逆に、型番商品でかつ利益率が非常に薄い場合や、メーカーでブランディングが大事になる場合は、自社サイトを基軸として展開していく方針をとる場合が多いですが、その場合は集客施策を厚めに施していくことが必須条件になるケースが多いです。
2.ECモール別の違い(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)
ECモールとは、最初に出店を検討することが多い「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」の3大ECモールに絞って解説していきます。
それぞれの特徴は以下の通りです。
楽天市場 | Amazon | Yahoo!ショッピング | |
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売上高 | 4兆4510億円 | 2兆1893億円 | 7108億円 |
月額出店料 | 50,000円(スタンダードプラン) | 4,900円+販売手数料(大口出品) | 無料 |
システム利用料 | 2.0%~4.5% | 8〜15% | 無料 *ストアポイント原資、キャンペーン原資負担 |
登録可能商品数 | 20,000商品 | 月50品以上 | CSVファイルで1度に2万件まで |
参照元:優良WEB
市場規模を見てもお分かりの通り、まずは楽天市場とAmazonの出店を検討しましょう。
楽天の方が店舗構築の自由度が高いため、色々な見せ方が可能です。一方で、ある程度のリテラシーや工数が必要となってくるため、いわゆる型番商品の場合は、価格や納期などの部分で競合他社と戦えそうであれば、Amazonをメインとしていくと良いでしょう。
また、Yahoo!ショッピングについてですが、特別な事情がない限りは、出店する方針で間違いないかと思います。理由としては、固定費がかからない上に、販売手数料が低い(約3%-4%程度)ことです。加えて、楽天市場のページ等が移植しやすいので、楽天市場→Yahoo!ショッピング、の順で出店していくケースが多いです。
余談ですが、自社サイト含め、複数店舗を運営していくのであれば店舗情報の連動システム(クロスモールやネクストエンジンなど)の導入も同時に検討が必要です。
3.どういう優先順位で進めていくべきなのか
結論、どうすればいいのかという話ですが、大きく以下の2通りになるかと思います。
ブランディング目的 |
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最初は自社サイトでの稼働をメインとする |
その後、売上状況や自社で使えるリソースに応じて楽天市場やAmazonを第一の選択肢としてモール展開を検討 |
売上向上目的 |
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基本的には自社商材の特性に合わせて楽天市場やAmazonへの出店を検討 |
その後、サイト制作や販売状況に応じてYahoo!ショッピングや自社サイト/その他のモール(au PAY マーケットなど)への出店を検討 |
一方、中長期的にはしっかり利益を確保していく必要があるため、短期的にはモール販売で売上を伸ばしつつ、中期的に自社サイトをじっくり、確実に成長させていくことケースも考えられます。 |
また、複数のECモールに展開する必要があるのか、という部分も大きな論点かと思いますが、基本的には複数のECモールを展開している企業が多いのが現状です。複数のECモールに展開している割合は、小売業では約70%、メーカーでは約60%と、複数のECモールに展開している企業が多い状況です。
出所:公正取引委員会 「2019年 消費者向けeコマースの取引実態に関する調査報告書」
4.自社サイト作成方法~準備編~
前述でもご説明させていただいたように自社サイト持ちたいと思う方は多くいらっしゃると思います。いざ自社サイトを作ろうと思っても実際何から手を付けるべきか分からない方も多いのではないでしょうか?
まず自社サイトを作るにあたって何を準備すればよいのかご説明します。
4-1.自社ECドメインを用意する
自社ECを始めるためにはまず「独自ドメイン」が必要です。
BASEなどのASPカートを利用する場合は「独自ドメイン」がなくても始めることが出来ます。
しかし広く認知させたい、広告を運用していきたいと考えるのであれば、やはり独自ドメインを取得したほうが良いでしょう。
コーポレートサイトで既にドメインを持っているのでこちらで運用したいと考えがちですが、コーポレートサイトとECサイトは全く機能が違います。
コーポレートサイトとは別にEC用のドメインを取得しましょう。
ドメインは年間500~3,000円程度の費用で運用できます(ドメインにより価格が変わります)
comまたはjpドメインを利用するのが一般的です。ドメインの取得は「お名前ドットコム」などのサイトで取得できます。
4-2.メールアドレスを用意する
お客様とのコミュニケーションに必ず必要なメールアドレス。
こちらもフリーメールなどで済ませるのではなく、取得したドメインのアドレスを用意しましょう。
独自ドメインのメールアドレスを取得するためにはドメインとは別にメールサーバの契約が必要です。
ASPカートのほとんどは独自ドメインを使用でき、メールアドレスも用意してもらえるのでASPカートでお願いするのが一番簡単な方法です。
4-3.配送業者と契約する
通販で商品を発送するためには必ず必要になる配送業者との契約。
近年は配送料が値上がりしており、また送料を負担するケースが多くなっているので出来るだけ費用を押さえたいところです。どちらの業者でも配送量が多くなりにつれて料金が安くなるプランを持っています。
配送量が多くなった場合にどの金額で契約できるかを確認しておくことも重要なポイントです。
また、最初から配送料を抑えた業者も増えてきています。
重要なポイントですので予め配送量が増えた場合のシミュレーションをしておくと良いでしょう。
4-4.倉庫・配送スペースを確保する
配送量が少ない時点ではあまり考える必要はないかもしれませんが、多くなってくると一定のスペースを確保する必要があります。倉庫スペースだけでなく梱包や検品を行うスペースも必要です。
配送量が多くなるにつれてコスト負担も高くなりますので、代行業者に委託するのも一つの方法です。 代行業者では少量から発送してくれて、検品やギフト包装なども対応してもらえる業者があります。
自前で用意するコストと比較して、選択肢として考えてみましょう。
5.自社サイト作成方法~自社サイトの種類~
自社サイト型ECの場合、ASP、パッケージ、オープンソース、クラウドEC、フルスクラッチの5種類があり、その特徴は以下の通りです。
5-1.ASP
Shopifyなど、サービス提供元のウェブサイト上でECサイトの開設、制作、商品登録、注文管理などができ、ECサイトに必要な基本的な機能が揃っているものです。テンプレートで用意されているので、すぐにECサイトをはじめられ、コストも低くおさえられます。利用料として、月額の基本料金や注文金額の数%の手数料などが必要になりますが低額です。
機能がテンプレート化されているので、若干オリジナル性に欠ける部分もありますが、特殊な販売方法やマーケティング手法を行う予定などがなければ、ほとんどの場合はASPで事足ります。
5-2.パッケージ
ecbeing、EC Orangeなどがあり、パッケージ化されたECサイトを購入して自社のサーバーにインストールするかたちになります。
後述するフルスクラッチの場合は、ECサイトの管理画面もフロントも自分でデザインしプログラミングする必要がありますが、パッケージの場合はテンプレートとして用意してあり、必要に応じてそれらをカスタマイズしていきます。
デザインやプログラミングの知識は多少なりとも必要になるので、それらを自社で用意するか、外注する必要があります。もちろん、用意されているテンプレートをそのまま使用しても問題ありません。
その場合はプログラミングなどの知識はほとんど必要ありませんが、それでしたらASPのほうが手軽で安上がりです。
5-3.オープンソース
代表的なものにEC-CUBEやMagentoがありますが、ECに関するプラグインの導入でWordPressもオープンソースのひとつとなるでしょう。
パッケージが有料なのに対しオープンソースは無料のソフトで、パッケージ同様、自前のサーバーにインストールする必要があります。
インストールさえできればASPやパッケージとそれほど変わらない機能などを利用することができますが、無料なだけに保証面ではASPやパッケージに比べると劣る部分があります。
5-4.クラウドEC
ebisumart、mercartなどで提供されているクラウドECサービスは、クラウドという言葉に表される通り、自社でサーバーを持たず、サービス提供元のサーバーにECサイトを置くことになります。
そのため、サーバーの維持費などがかからず、またECサイト自体もサービス提供元に置かれることになるので、そこでソフトウェアのアップデートや、新しい機能の追加などを行ってくれます。
逆に、自社でECサイトのプログラムを変更しようと思ってもできず、サービス提供元に相談・依頼する必要があります。サービス提供元の負担が多い分、利用料もそれなりに高くなります。
5-5.フルスクラッチ
ECサイトの制作をすべて自前で行う方法です。完全にオリジナルのECサイトをつくり上げることができますが、その分コストも跳ね上がります。上記4つのどれを選択しても、やろうとしていることが実現できない場合には検討の余地があるかと思います。
6.自社サイトの作成方法~集客編~
どれだけ綺麗で洗礼されたサイトを構築していても見てもらいたい人がサイトに訪れないと売上を立てることができません。そのためにどのような集客方法があるのか解説していきます。
6-1.SEO対策を行う
自社サイトは立ち上げても集客を行わなければ誰も訪れてはくれません。
サイトを知ってもらうために一番重要なポイントがgoogle検索で上位にいることです。
時間も労力もかかる対策ですが、手抜きをせずコツコツと行うことが重要です。
アクセスの解析を行うツールなどが世に出ているので、それらを活用しながらどのようなサイトの構成にすれば検索順位が上がるのか分析することが大切です。
SEO対策については、下記記事で解説しているので参考にしてください。
6-2.広告を運用する
売上を拡大していくためには広告の運用が不可欠です。
広告の最大のメリットは短期間で集客が出来るところです。まずは少額から運用できるgoogle広告やYahoo広告を検討しましょう。
また広告を運用することによりどのようなユーザーが訪れ、どのページがよく見られているかなどが早い段階で分析できます。その分析結果をSEO対策やサイト改善に活かせることもメリットです。
6-3.SNSを運用する
近年では集客ツールとして欠かせないものになっているSNS。
SNSの運用はとにかく継続して行うことが重要です。始めたはいいが更新が止まってしまったなどはよく聞くケースですが更新が止まってしまうとユーザーにあまり良いイメージを与えません。
担当の割り振りや更新スケジュールを明確にし、無理のない運用を心がけることが重要です。
6-4.定期的なイベントを開催する
モールの場合は定期的にセールがあったり、ポイントが付いたりするのでユーザーからすると自社サイトで購入するメリットが少なくなりがちです。
自社サイトでも積極的にイベントを行い、自社サイトで購入するメリットを打ち出していかなくてはなりません。
逆にいえばモールにはない特別感を演出できるのが自社サイトのメリットです。
自社サイトならではの独自のキャンペーンを行い、集客につなげましょう。
6-5.ブログやコンテンツを運用する
ブログやコンテンツはユーザーに自社の商品を知ってもらうために重要な役割を果たします。
商品を知ったユーザーにより深く理解してもらい、購入につなげていく側面もあります。
また、SEO対策にも有効な施策です。
SNSと同様、継続していくことは大変ですが中長期的にみれは大きな財産となります。根気強く運用していきましょう。
前述のSEOを運用するでも記述した通り、各ブログの記事が今現状どのキーワードで検索順位にいるのかなどをツールを使いながらアクセス解析を行うことも重要になります。
7.終わりに
以上、簡単ではありますが、モールと自社サイトの特徴や参入方針の際に検討すべき事項と自社サイトの始め方や運用方法についてまとめました。
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