ECサイトの顧客対応の基本業務と顧客のファン化について徹底解説!

この記事は、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が「ECサイトの顧客対応の基本業務、いかに顧客をファン化できるか」について解説します。

Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

慶応義塾大学を卒業後、楽天グループ株式会社に入社。ECコンサルタントとして、ショップオブザイヤー受賞店舗を含むのべ700店舗以上を支援。その後、小売業を中心に経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、EC戦略策定・実行支援など)し、株式会社Proteinum(プロテーナム)を創業。
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。

ECサイトでの基本業務や顧客対応について、どう対処をしたらよいか、迷われる場面はございませんか?
本サイトでは、ECサイトでの顧客対応やファン化について解説しますので、普段の店舗運営のご参考として頂ければと思います。

1.ECサイトの顧客対応についての概要

ECサイトでは、お客様は商品を直接手に取ることができず、店員の顔も見えません。そのため、不安を感じやすく、トラブル時の対応ひとつで「二度と買わない」という評価にも、「またここで買いたい」というファン化にも繋がります。

顧客対応の基本は、「迅速(スピード)」「正確(情報の正しさ)」「丁寧(ホスピタリティ)」です。
顧客獲得コストという点でも、新規顧客の獲得コストよりも、既存顧客への維持コストの方が圧倒的にコストパフォーマンスも高いので、顧客対応については投資面も含め、しっかり対応をしていきましょう。

2.ECサイトの顧客対応の基本業務

ECサイトの顧客対応は、画面の向こう側にいる「人」を想像し、寄り添う仕事です。
一つひとつの対応を丁寧に行うことが、結果としてLTV(顧客生涯価値)を高め、ショップの持続的な成長を支える土台となります。

2-1.受注・注文確認業務

お客様がネットショップで商品を購入した直後は「本当に正しく買えたかな?」「いつ届くのかな?」と不安を感じやすいタイミングでもあります。
この不安を解消し、スムーズな配送へつなげるのが受注業務の役割です。
「注文データの確認と在庫の確保」「決済ステータスの確認」といった事務的な処理に抜け漏れがないか確認しましょう。

2-2.お客様への「サンクスメール(受注確認メール)」の送信

注文直後の自動配信メールとは別に、「スタッフが内容を確認しました」という意思表示をするメールを送ることで、お客様に大きな安心感を与えられます。

「注文番号」「注文商品」「合計金額」「お届け先住所」「今後の発送予定スケジュール」をしっかり明記することが望ましいです。

2-3.配送(ピッキング)への連携指示

受注確認が終われば、次は物流(倉庫)への発送指示です。納品書やピッキングリストを発行します。お客様からの「ラッピング希望」「宅配ボックスに入れてほしい」「配送日時の指定」などの要望を、配送ラベルや梱包スタッフへ正確に伝達します。
ここでの見落としはクレームに直結するため、最も注意が必要です。

2-4.メール対応

メールはECサイトで最も利用されるツールです。
「言った・言わない」のトラブルを防ぎ、お客様のペースで確認してもらえるメリットがあります。

スピード感(24時間以内の返信)

原則として、営業日の24時間以内の返信が鉄則です。
すぐに回答できない内容でも、「現在確認中であり、〇日までに回答します」と一次回答を送るだけで、お客様の不安や不信感は大幅に軽減されます。

適切な言葉選び

対面ではないため、言葉選びが非常に重要です。
クッション言葉(「恐縮ですが」「あいにくではございますが」)などを使い、冷たい印象を与えない工夫が必要です。
誤字・脱字などでお客様へ違和感を与えないよう、しっかり確認しましょう。

お手間を取らせない工夫や配慮

何度もやり取りをさせるのはお客様の負担です。
例えば「サイズ交換」の問い合わせなら、単に「可能です」と返すのではなく、「返送先住所」「送料の負担について」「在庫の有無」を一度に伝え、1回で手続きが進むようにするとお客様の負担も軽減できます。

2-5.電話対応

電話は、文字では伝わりにくいニュアンスを汲み取ったり、緊急度の高い問題を即座に解決したりするのに適しています。
お客様によっては電話対応の方を好む方も多くいらっしゃいます。

「声」のトーン

相手の顔が見えない分、明るく落ち着いたトーンで話すことが重要です。
特にクレームの場合、相手のペースに合わせつつ、共感の姿勢(「左様でございましたか」「ご不便をおかけしております」)を示すことで、鎮静化を早めることができます。

復唱と確認の徹底

電話は記録が残りにくいのが弱点です。名前、電話番号、注文番号、特に「結論(何を約束したか)」については、必ず最後に復唱して相違がないか確認します。

通話記録の作成

終話後は「いつ、誰が、どのような内容で、どう対応したか」を顧客管理システムに記録しましょう。
これにより、次回別のスタッフが電話を取ってもスムーズに対応できます。

クレームなどについては「電話で謝罪し、結論をメールで送る」という方法が効果的です。
電話で誠意を伝え、メールでエビデンス(証拠)を残すことで、お客様は「丁寧で安心できるショップだ」という強い印象を持ちます。

2-6.レビュー・フィードバックの管理

商品レビューやショップレビューへの返信も、顧客対応の重要な一環です。
ポジティブな意見に対しては感謝の気持ちを伝えることで、リピート率向上に繋がります。
反対にネガティブな意見に対しては真摯に受け止め、改善や時には謝罪をお伝えします。他のお客様もそのやり取りを見れるため、誠実な対応を心掛けましょう。

3.顧客対応や業務の質を向上させるポイント

記事URL:https://proteinum.co.jp/blog/ec-crm/

3-1.顧客対応マニュアルの整備

「受注確認」「発送連絡」「返品案内」など、よく使う文面はテンプレート化します。ただし、コピペ感が出すぎないよう、文頭や文末にお客様の状況に合わせた一言を添えるのもポイントです。
また、担当者によって対応内容に違いが出ないよう、ケーススタディごとにマニュアル化しましょう。
お客様の質問やご意見に対して、担当に確認しますのでしばらくお待ちくださいが続いてしまうと、印象もあまり良くなくお客様へストレスを与えてしまう場合もあります。

3-2.マルチチャネルへの対応

メールだけでなく、LINEやチャットなど、お客様が使い慣れているツールを導入することで、心理的ハードルを下げることができます。

3-3.情報の共有管理

誰がいつ、何と答えたか」をチームで共有できるシステム(CRM)を導入し、二重対応や対応漏れを防ぐことが基本です。

3-4.注文管理システム(OMS)の活用

注文件数が増えてくると、手動での確認には限界が来ます。OMS(Order Management System)を導入することで、入金確認の自動化や、住所不備の自動アラートなどが可能になり、ミスを劇的に減らすことができます。

3-5.「サンクスメール」をマーケティングに活用

単なる事務連絡で終わらせるのはもったいないと言えます。

  • 「この商品と一緒に使うと便利なアイテム」の紹介
  • レビュー投稿で次回使えるクーポンの案内

ショップの公式SNSや公式LINEへの誘導 などを盛り込むことで、次回の購入につなげる「接客」の場に変えることができます。

記事URL:https://proteinum.co.jp/blog/useai/

4.ECサイトでお客様をファン化させる重要ポイント

「もし自分がこのショップのユーザーだったら、何をされたら嬉しいか?」 この視点から受注〜アフターフォローまで考えていきましょう。

4-1.「梱包・同梱物」による感動体験

お客様が商品を手にする瞬間は、最も期待値が高まっているタイミングです。
ここで期待を上回る工夫をしましょう。

手書きメッセージカード

デジタルな時代だからこそ、一言「〇〇様、ありがとうございます」と手書きのカードが添えられているだけで、好感や特別感を持ってもらえます。

実用的なオマケ・サンプル

購入商品に関連したサンプルや、オリジナル冊子などを同梱し、別の商品紹介や、使い方FAQなどがあると満足度も高まります。

梱包は丁寧に

届いた商品の箱が潰れていたり、汚れがついていたりすると、商品に支障が無くてもネガティブな印象を与えてしまいます。単なる梱包と思わず、注意を払って感謝の気持ちを届けましょう。

4-2.トラブルを信頼に変えるリカバリー対応

ECサイト運営では様々な要因が重なり、トラブルが起きることは十分に考えられます。
商品破損や配送遅延が起きた際、マニュアル通りの返金・交換だけで済ませず、誠心誠意の謝罪メールや、次回使えるクーポンを添えるなどの配慮をしましょう。
短期的な利益よりも「お客様の納得感」を優先した対応を徹底することで「このショップならトラブルがあっても安心」という信頼(ロイヤリティ)が生まれます。

4-3.コミュニケーションとパーソナライズ化

誰にでも送っている一斉送信メールは、なかなかファン化へと結びつきません。
「以前購入された靴に合う、お手入れクリームが新登場しました」など、購入履歴に基づいた提案は非常に効果的です。
また、お客様のやり取りの中で「〇〇様が以前お問い合わせいただいた」など過去の経緯も把握しているとで、ぐっと信頼感がアップします。

4-4.理念や「中の人」の想いを発信する

スペックや価格だけで比較されないために、ショップの「ストーリー」に共感してもらうことも重要です。
「こだわり」「開発秘話」など「なぜこの商品を売っているのか」の言語化し発信してみましょう。
また、スタッフの作業風景や商品テストの様子など、運営の裏側を見せることで、お客様がショップに対して親近感を抱き、応援したくなる存在(ファン)への変化も期待できます。

5.ファン化がもたらす最大のメリット

ファン化がもたらす最大のメリットは「ビジネスの生存率と収益性の向上」です。
しかし、本質は「売上が上がる」という表面的な部分だけではありません。

5-1.LTV(顧客生涯価値)の最大化と安定化

ファン化の最も直接的なメリットは、1人の顧客が一生涯を通じて支払ってくれる金額(LTV)が飛躍的に高まることです。
ファンは「次もここで買おう」と決めているため必然的にサイトへ訪れ、信頼関係があるため高単価商品や関連商品も「このお店なら」という理由で購入されやすくなります。

5-2.集客コスト(CPA)の改善

ビジネスにおいて最もコストがかかるのは「新規顧客の獲得」ですが、ファンは自ら再訪してくれるためリマインドのための広告費が不要になります。
また、SNSや口コミ、知人への紹介など自発的に商品を宣伝してくれるのもメリットです。お店が宣伝をしなくても自然とブランドが広まる期待ができます。

5-3.価格競争からの脱却

ファンは商品そのものだけでなく、ブランドの哲学、ストーリー、作り手の想いに価値を感じています。スペックで選んでいる客は1円でも安い方へ流れますが、ファンは「このお店・ブランドであること」に価値を感じているため、多少の価格上昇でも離脱しにくくなります。
そのため、「似たような安い商品」が現れても競合他社へ流れにくいです。

6.まとめ

今回はECサイトでの顧客対応とファン化について解説してきましたが、いかがでしたしょうか。

ファン化とは「目の前のお客様」をどれだけ大切にできるかという誠実さの積み重ねです。
丁寧な顧客対応は、短期的には効率が悪く見えるかもしれません。しかし、その一つ一つの小さな積み重ねがお客様のファン化へと繋がります。
顧客対応は「作業」ではなく、ファンを生み出す「最大のマーケティング活動」という気持ちで日々の業務に取り組んでみてはいかがでしょうか。顧客対応の重要性については、こちらの記事でも触れておりますので、合わせて参考にしてください。

「アクセス数はあるのに売上が伸びない」「広告費ばかりかさんで利益が出ない」「何から改善すればいいか分からない」「やりたいことはあるが手が回らず困っている」

こんなお悩みはありませんか?
弊社では、EC事業のプロフェッショナルが貴社の店舗・サイトを分析し、売上アップのための具体的な改善ポイントをご提案する「EC無料診断」を実施しています!

毎月5社様限定とさせていただいておりますので、枠が埋まってしまう前に、まずはお気軽にご相談ください。

バナー

▼弊社のECコンサル/運営代行については以下で詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください▼

詳細はお気軽にお問い合わせください!

    入力内容を確認して「送信」ボタンをクリックしてください。

    お問い合わせありがとうございます。
    折り返し担当よりご連絡させていただきますので、今しばらくお待ち下さいますよう、お願い申し上げます。

    は必須項目です。

    氏名(漢字)

    氏名(かな)

    貴社名

    電話番号

    メール

    ウェブサイトURL

    お問い合わせ内容

    こちらからご確認ください

    お気軽にお問い合わせください。