越境ECとは?基礎知識から始め方まで徹底解説

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楽天、Amazon、Yahoo!ショッピングの大手ECモールや自社サイトのご支援実績のもと、EC売上向上のノウハウをお届けします。

【記事の対象となる方】

  • 越境ECを始めたいという方
  • 越境ECを始めるべきか悩んでいる方
  • 越境ECを始めるための準備で何をすればいいか調べている方

越境ECというものについてご存知でしょうか?コロナの影響もあり、ECはあらゆる年代で、使って当たり前のサービスになっているかと思います。
越境ECというのは、日本国内ではなく、海外向けにネットを介して販売することです。
越境ECの市場は継続的に伸びていくことが見込まれており、市場規模の大きさから今後は越境ECに取り組んでいくことは必須になっていくでしょう。
この記事では、越境ECの始め方やメリットについて記載しています。ぜひ参考にしていただけますと幸いです。

1.越境ECとは

世界地図

越境ECとは、多言語多通貨対応している通販サイトを通じて行う国際的な電子取引のことです。
基本的には、海外の消費者に向けて日本の商品を販売するビジネス形態を指します。
例えば、日本の事業者が中国やアメリカ、東南アジアの顧客に商品を販売するケースが代表例です。

近年では海外のECモールに出店(出品)し、外国消費者へ販売する形態も広義で使われています。国内市場だけでは、販売対象が限定されてしまったり、自社の商品が国内ニーズにフィットしないといったケースもあると思います。
国内でシェア10%を獲得できる商品があれば、越境ECを活用するとさらに大きな売上を狙うことができることになります。

世界の越境EC市場は年々拡大しており、海外消費者の “日本製品への信頼や関心” は依然として高いことも追い風です。

1-1.越境ECの販売形態

海外ECモールへの出店

Amazon、eBay、Shopee、Lazada、Tmall Global など。

自社ECサイトの多言語展開

Shopify・Makeshop・Magento などを使い、多言語・多通貨・海外配送に対応。

ソーシャルコマース

Instagram、TikTok など SNS を活用した越境販売。

2.越境ECを始めるメリット

越境ECを始めるメリットは以下の通りです。

2-1.商圏が広がる

日本国内市場だけでなく、中国やアメリカの消費者に対して商品を販売するため、単純にターゲット市場が広がるということです。これまで国内市場でトップシェアを誇っていても売上が100万円しかなかった商品が、単純に越境ECを行うと何倍にも拡大するチャンスがあるということです。
また、先の話になりますが、日本は人口減少の影響で、市場規模が縮小していくことは目に見えています。一方世界の人口は確実に伸びていくという推計がありますので、将来的な市場規模の縮小に備えるという意味でも有効な施策になるでしょう。

2-2.Made in Japanというブランドで勝負できる

日本産(Made in Japan)というのは海外で非常に強い武器になります。
日本産の商品といえば、「高品質」といったイメージが今も根強いです。越境ECであれば、Made in Japanという強みを活かして、価格ではなく品質で勝負が可能になります。

2-3.国内市場だけでは勝負できないニッチな商材でも一定水準の売上が見込める可能性がある

これは商圏拡大につながる話ですが、対象となる市場が拡大すれば、日本国内のニーズだけではビジネスが成り立たなかった商材でも一定の売上が見込める可能性が出てきます。
特に日本独自のアニメ関連商材などは、海外にもコアなファンがたくさんいます。
自社の商品の特性を見極めて、越境ECを始めるべきか検討してみてください。

3.越境ECを始めるデメリット

越境ECは市場拡大のチャンスが大きい一方で、国内ECとは異なる“独自の壁”が存在します。
これらを理解せずに参入すると、コストが膨らんだりクレームが増えたりと、運用が破綻する可能性もあります。

3-1.国際物流のコスト

越境EC最大のハードルが「物流」です。
国際便は国内配送に比べて送料が高額になります。
主な要因が「航空便の燃油サーチャージ」「国際宅配便(DHL・FedEx・UPS)は高価格帯」「コロナ以降の物流逼迫で送料が不安定」となっており、「中国→日本で送る」よりも「日本→中国」のほうが2〜4倍高いこともあります。

配送リードタイムが長く・不安定であることも挙げられます。
国際郵便は2週間〜1ヶ月かかることもあり、税関での検査・通関遅延や航空便の混雑や天候の影響も受けやすい事もあるため注意しましょう。

3-2.税関・関税・各国規制

越境ECでは 「相手国の法律」に従う必要がある ため、国内ECにはない専門知識が求められます。
一般的に関税は購入者負担ですが、「受け取り時に追加で20〜40%の料金がかかった」とクレームになることも散見されます。
特に注意したいのは商材ごとに規制が異なるという点です。

  • コスメ : 成分規制や使用量の制限
  • 食品・サプリ : 医薬品扱いされる可能性
  • 電化製品 : 電波法・PSEなど安全規格の問題

上記のように販売できると思っていたのに、相手国では輸入不可というケースもあります。

3-3.多言語・時差を含むカスタマーサポートの負荷

越境ECでは多言語対応が必要ですが、運用はハードルが高いです。

「物流状況の問い合わせ」「商品に対する質問(素材、使用方法、サイズなど)」など販売する国に合わせて英語・中国語等、複数言語で対応が必要になります。
また、時差でレスポンスが遅くなる場合もあるため注意しましょう。

4.現地法人によるグローバル展開とは?

海外進出には大きく分けて 「越境EC」 と 「現地法人(海外法人)設立によるグローバル展開」 の2つの方法があります。
現地法人による海外展開とは、海外のターゲット国に自社の法人(子会社)を設立し、現地拠点を中心に事業を行います。
越境ECのように“日本から海外へ販売する”のではなく、現地企業としてその国でビジネスを行う形です。

4-1.現地配送による配送スピードと利便性

越境ECのように2週間〜1ヶ月かかることはなく、多くの場合 1〜3日で配送 が可能で、配送リードタイムが短いのがメリットです。
他にも、国際送料ではなく各国のローカル配送になるため送料が安くなり、返品・交換も現地で対応可能なため物流コストが全体的に抑えられます。

4-2.ブランドの信頼性の強化

「海外企業からの越境配送」より「現地企業」からの購入のほうが安心感があります。
ローカル販促施策が自由にできるため「現地インフルエンサーとのコラボ」「オフラインイベント」「POPUPストア」など、オンライン+オフラインのシナジーも期待できます。

4-3.現地市場に合わせた商品最適化

現地法人があれば、色・サイズ・味・素材などの商品ローカライズがやりやすくなります。
それぞれの地域に合わせた商品設計ができれば、より海外向けの販路を拡大できます。

4-4.運用負担・リスクが高い

現地法人はメリットが十分にありますが、初期投資・運用負担も大きくなります。

  • 法人設立費
  • 資本金
  • 現地倉庫の契約
  • スタッフの採用
  • 会計・法務の外注

費用の他にも薬機法、食品規制、商標、税制度など国ごとの知識が必要となり、現地スタッフのマネジメントも管理しなければいけません。

5.越境ECのおすすめの始め方

越境ECには大きく分けて以下の3つのやり方があります。

  • 国内ECモールの海外販売サービスを活用する(Amazon)
  • 自社サイトでの販売(shopify)
  • 海外ECモールへの出店(Tmallなど)

なかでも初めて越境ECをするという方でも始めやすい上の2つについて細かく説明していきます。

5-1.国内ECモールの海外販売サービスを活用する(Amazon)

amazon出品

国内ECモールといえば、Amazonと楽天市場が頭に浮かぶ方が多いのではないでしょうか?ただ、楽天市場については、2020年6月29日に越境ECサービス「Rakuten Global Market(楽天グローバルマーケット)」を終了しておりますので、越境ECをするという意味では、事実上Amazon一択となっています。ということで、Amazonの越境ECについて説明していきます。

【越境ECの始め方@Amazon】

  1. Amazonグローバルセリングアカウントを設定する
  2. FBA海外発送を活用する
  3. 商品を登録する

5-2.Amazonグローバルセリングアカウントを設定する

Amazonには各販売エリアに応じてマーケットプレイスが存在しており、それぞれのマーケットプレイスで販売するには、それぞれアカウントを設定する必要があります。以下amazonの説明ページを参照ください。

出典:Amazonグローバルセリングアカウントの設定

5-3.FBA海外発送を活用する

FBA海外発送

FBA海外配送プログラムでは、追加料金なしで、67以上の国や地域にビジネスを展開できます。
FBAを利用していれば、FBA海外発送を利用できますが、商品の原料などの理由から、国によっては発送できない場合があるので、注意しましょう。登録は以下のリンク先に従って行えば簡単に利用開始できます。

出典:Amazonの出品(出店)方法

5-4.商品を登録する

越境ECの最大の障壁が言語じゃないでしょうか?そんな不安にもamazonは対応しています。グローバル出品連携ツールを使いましょう。グローバル出品連携ツールがあれば、以下が実現可能です。

  • メインのマーケットプレイスの出品商品を、同じASINがすでに存在する対象のマーケットプレイスに作成します。
  • 対象のマーケットプレイスで商品詳細ページの翻訳と作成を試みます。
  • メインのマーケットプレイスで設定した出品価格と価格設定ルールに基づいて、対象のマーケットプレイスの出品価格を同期します。
  • 対象のマーケットプレイス通貨の為替レートの変動を反映するため、定期的に価格を調整します。更新の頻度は1日1回から週1回の間で、場合に応じて異なります。変動が1%未満の場合は更新されません。
  • メインのマーケットプレイスで対象商品のASINが変更された場合、対象のマーケットプレイスの出品商品を追加または削除します。

出典:グローバル出品連携ツール

5-5.自社サイトでの販売(shopify)

shopify

自社サイトで海外向けにサイトを構築するというのも一つの手段です。ただそれには、前述の通り、言語と通貨の壁が存在します。そこで越境ECに最適なshopifyをおすすめします。

【shopifyの特徴】

  • 多言語、多通貨に対応
  • 100種類以上の決済方法
  • 配送業務が簡単
  • マーケティング機能が充実

多言語、他通貨に対応

Shopifyは、50の言語と130ヶ国以上の通貨に対応しています。言語に関しては、制作したECサイトをアプリで別の言語に自動で翻訳でき、設定画面で翻訳を直接入力することも可能です。また、カート画面など、ストアの基本となるような箇所は言語設定をすることで、自動で他の言語に対応可能です。さらに、通貨に関しては市況に応じて自動でレートを変換できるようになっています。

100種類以上の決済方法

Shopifyでは、世界最大規模のオンライン決済サービスであるPayPalがサイト開設時からすぐに利用でき、世界各国の100種類以上の決済方法にも対応しています。

配送業務が簡単

海外配送には、送料の設定、関税や税金の計算、送り状やインボイスの作成などの煩雑な仕事が付随します。
Shopifyでネットショップを運営すると、アメリカのように州ごとに税金が異なる場合でも、顧客に請求する税率を自動的に管理するよう設定できます。また、出荷する商品のサイズや重量を入力すると、運送会社各社の料金を比較したり、送り状やインボイスを発行したりすることが可能になります。

マーケティング機能が充実

Shopifyには、SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)対策のためは基本事項が最初から備わっているため、複雑な設定は不要です。また、広告に関しては、Facebook広告やGoogle広告と連携して、広告を自動作成できます。
Shopifyのストア分析では、広告を打った後の効果を確認したりチャネルごとの売上を分析したりできます。ネットショップのパフォーマンスを詳細に分析したい場合は、上位のプランにアップグレードして、詳細な個別レポートを見ることも可能です。

6.中国の越境ECの特徴

中国ではECモールの影響力が圧倒的に強く、自社サイトでの売上は非常に少ないのが特徴な市場となっています。
また、中国におけるモバイル決済サービスは、アリババグループが提供している「アリペイ」と、テンセントの「ウィーチャットペイ」が代表的です。
市場規模に関しても日本の10倍以上の市場規模となっており、中でも毎年11月11日は中国では独身の日と呼ばれ、ECの大セールが行われ記録的な取引が行われます。
世界中で自国にはない品質のよい商品を低価格でECサイトで購入する動きが活発となっています。
PCとスマートフォンが世界中で普及したことにより、海外の商品であっても誰でも、手軽に購入できるインターネット環境が整ってきたことや、中国人ユーザーの高い消費意欲が世界の越境EC市場を牽引しています。

7.中国越境ECの始め方

中国の越境ECの始め方は下記の4つの方法があります。

  1. 「TMall Global」や「JD Worldwide」などの越境ECモールに出店する
  2. 越境ECの自社ECサイトを開設する
  3. 販売代理店に卸売りをする
  4. 中国の個人オークションサイトに出品する

7-1.「TMall Global」や「JD Worldwide」などの越境ECモールに出店する

「TMall Global」「JD Worldwide」「全日空海淘」といった、越境ECモールに出店する方法です。
上記で説明したように中国においてはECモールの影響力が大きいため、出店が可能な場合は積極的に検討していきましょう。
また、中国に法人を設立せずに、本格的に越境ECを行いたい企業に向いています。

7-2.越境ECの自社ECサイトを開設する

日本にサーバを置き、独自ドメインで越境ECを行う方法になります。
近年、「T-Mall Global」などモールの出店基準が厳しくなり、出店が難しいケースも出てきていることから、今後は自社ECサイトで越境ECを行う企業も増えていく可能性があります。

7-3.販売代理店に卸売りをする

中国の販売代理店や輸入業者など、現地のパートナー企業に卸売りする方法になります。
販売ボリュームが大きくなるメリットがある反面、エンドユーザーのニーズが見えにくいためにマーケティングが難しいことや、中国のパートナー企業の都合でビジネスが左右されるといったデメリットがあります。

7-4.中国の個人オークションサイトに出品する

個人オークションサイト「タオバオ」に出品する方法になります。
中国に法人を設立せず、安価に越境ECを始められるというメリットがあります。

上記の方法から自社にとって最も取り掛かりやすい方法を選択して始めることをおすすめします。

8.まとめ

越境ECについてご説明させていただきました。もし不明点等ありましたら、下記フォームよりお問い合わせください。
また、弊社では楽天などのECショップの運営代行を行っていますので、それについてのご質問でも構いません。

Writer渡邊 嵩大

株式会社Proteinum 取締役

楽天市場に入社し、広告企画販促部で広告の企画および販促を担当。コンサル会社に転職後、大手通信事業者の新規事業(EC)の立ち上げ、大手化粧品メーカーのブランド戦略、外資系生保の営業戦略などに携わる。あるときECの可能性を再確認し、プロテーナムに参画。ECの上流設計をメインにしつつ、D2C事業にも携わる。ベンチプレス120kgを目指し、日々自分の限界に挑んでいる。

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