東南アジア越境ECとは?特徴や進出のポイント、注意点を解説!
本記事を閲覧頂きありがとうございます。
我々はECにおける総合的な売上向上サービスを展開しています。
楽天、Amazon、Yahoo!ショッピングの大手ECモールや自社サイトのご支援実績のもと、EC売上向上のノウハウをお届けします。
近年、東南アジア越境ECは、市場が急速に拡大しており世界でも注目されている市場の一つです。人口が多く今後ますます成長の期待が持てる市場であること、東南アジアでの日本製品への高い信頼度や地理的な近さなどもあり、日本国内からも越境ECの進出を検討する事業者が増えています。
そこで今回は、東南アジアの越境ECについて、市場規模や特徴、進出の際の注意点などを解説します。
Contents
東南アジアのEC市場規模
東南アジア越境EC市場は年々拡大しており、2019年から2020年にかけて、東南アジア主要6カ国におけるEC市場の成長率は63%を記録しました。今後も20〜30%の高成長率が続くと見込まれ、2025年には約1,720億USドルに達すると予想されています。
※本データの東南アジア主要6か国:シンガポール、タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、インドネシア
引用:Shopee(https://shopee.jp/column/marketsize/)
東南アジア越境ECが注目されている理由
インターネット環境の急速な普及
近年、東南アジアではインターネット環境が急速に普及しており、モバイル端末の保有率が10割を超えている国もあります。多くのユーザーが気軽にインターネットを通じたショッピングを楽しむようになっている中で、特に東南アジアはSNSの利用率が高く、多くのアクティブユーザーを抱えています。
ECが身近な環境になったことから、これまででは入手することが難しかった海外商品を購入する機会も急速に増えてきています。
高い経済成長率と人口増加
インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアの10ヶ国で構成される「ASEAN」は、2021年時点で約6.7億人の人口を誇り、経済規模に至っては約3.3兆ドルにまで及びます。
このASEANを1つの国と仮定すると、人口は世界3位、経済では世界5位に相当します。2020年の経済は大きく低下しましたが、2021年はその反動でプラス成長となり、その後も成長を続けています。
EC需要の高まり
2020年に発生した新型コロナウイルスの影響により、ECを通じた他国製品の購入が活発になり、EC需要がこれまで以上に高まっている背景があります。
東南アジアにおける日本製品の高い信頼度
日本製品は世界的に高い信頼度を誇っていますが、特に東南アジアではその傾向は顕著です。
日本製の化粧品、文房具、食品、カメラ、ハイブランド商品などが人気となっています。
日本とASEAN諸国との貿易額は2021年時点で24兆円以上にまでのぼり、貿易総額の約15%を占めています。質が高いと評価される日本の輸入品は現地で愛され、高い信頼度を獲得しています。
そのため、東南アジア向けに越境ECを始めて日本製品を販売すれば、現地の人に注目される可能性が十分にあります。
東南アジア越境ECの始め方
自社EC
自社ECは、自社の越境ECサイトを構築、または既存のサイトを越境対応にして販売・運営する方法です。カスタマイズの自由度が高く、販売戦略に合わせたマーケティング手法を採用できます。
しかし、輸出入の手続きや言語・配送方法・支払い方法の対応には大きな負担が伴います。また、現地のユーザーとのコミュニケーションが発生するため、対応できる体制を整えなければなりません。状況によっては、専門業者の支援を検討する必要があります。
ECモールへの出店
東南アジアへの越境ECを検討する場合、現地のECプラットフォームを活用して参入するのが一般的となります。すでに多くのアクティブユーザーを抱えているため、自社サイトで参入するよりも集客コストがかからないためです。
東南アジアで代表的な越境ECプラットフォームを2つご紹介します。
Shopee
Shopee(ショッピー)はシンガポールの越境ECモールです。2015年2月の登場時から数年で急成長し、東南アジアでは最も勢いがあるECプラットフォームであるといわれています。2020年の総流通総額は4兆円弱を達成しています。
問い合わせ対応をモールのカスタマーサポートではなく出店している事業者自ら行うのが特徴的で、購入者が直接出品者とコミュニケーションを取れるのがメリットのひとつです。
日本セラーは販売手数料とリスティング手数料が無料であり、コストを最小限に抑えた運営を叶えられることから多くの事業者が出店しています。またShopee担当者からも越境セラー優遇のプロモーションなどもあり、比較的参入障壁の低い越境ECプラットフォームになっています。
Lazada
LazadaはShopeeと並ぶもう1つの東南アジア向けの越境ECプラットフォームです。かつてはラザダグループが運営していましたが、2016年に中国のアリババグループが同社の経営権を獲得して親会社となっています。
タイ・マレーシア・フィリピン・ベトナム・シンガポール・インドネシアの6ヵ国にサービスを提供しており、1つのアカウントで6か国同時に出店できるのもメリットの1つです。
Lazadaには「ローカルアカウント」と「グローバルアカウント」が用意されており、越境ECの出店はグローバルアカウントから行います。
これまでは香港の倉庫に商品を送り、その後に購入者へ届く配送ルートでしたが、日本に物流倉庫が完成したため、商品を日本のLazada倉庫に発送すればそこから購入者へ配送されるようになりました。物流面ではShopeeよりもLazadaのほうがより便利といえます。
主なジャンルは家電やアパレル・日用品などで、その他にも多種多様なジャンルの商品を扱っており、1ヵ国につき3,000店舗以上の出店があるといわれています。2020年の総流通総額は4,762億円で、Shopee同様急速に伸びているプラットフォームとなっています。
東南アジア越境ECのポイント
参入するメリットが大きいとはいえ、何も考えずに始めると失敗するリスクが高まります。
東南アジア越境ECを成功させるためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
東南アジア各国の市場を理解したターゲティング
越境ECを行う予定の各国の市場をリサーチし、どのような商品が流行っているのか、どの日本商品が人気なのかなど、ターゲットとする国のトレンドを把握しておきましょう。市場を理解し、ターゲットを明確に定めることが必要です。
また、日本国内とは市場の傾向が異なるため、現地の状況を押さえずに出店してしまうと、上手く販売できない可能性が高まります。
モバイル最適化
東南アジアではスマートフォンの普及が加速しているため、多くのユーザーはモバイル端末からECサイトを閲覧・利用します。PC最適化のみ注力してしまうと、モバイルからアクセスするユーザーに対して売上を伸ばすことが難しくなります。
ユーザーの満足度にも直結するため、参入時には必ずモバイル最適化を図りましょう。
SNSの活用
東南アジアではソーシャルメディアユーザーが特に多くなっています。ECサイトの商品をSNSから知る機会も多く、越境ECを展開する上ではSNSの積極的な活用が求められます。
特に若年層はSNS利用者が多く、口コミやレビュー、購入前の商品情報収集などに活用しています。幅広い顧客を獲得するためにも、SNSでの商品紹介やキャンペーンを駆使し、知名度の向上やユーザーとの信頼関係を構築することが重要です。
現地に合わせた決済方法の選定
国によってよく利用されている決済方法は異なるため、現地に合わせた決済方法の選定を行うことも大切です。
クレジットカードやPayPal、代金引換、銀行振込、現地独自の決済方法など、事前調査を行ったうえで決済方法を設定しましょう。
東南アジア越境ECの注意点
関税・禁制品の確認
東南アジア進出の際は関税や禁制品の確認が必要です。海外へ商品を輸出すると輸出品の種類に応じて関税がかかるため、調査せずに参入した場合に想定していないコストが発生する可能性があります。
また、国によっては輸出入が禁じられている品物もあるため、自社の商品をターゲット国に届けられるかどうかもチェックしましょう。
まとめ
今回は東南アジア越境ECに関して解説しました。市場規模が拡大しており世界でも注目されている市場ですが、参入する際には関税や販売禁止商品の確認など事前に調査をする必要があります。
しかし、6億人規模の東南アジアEC市場は今後も伸び続けることは間違いありません。東南アジア越境ECへの参入で売上拡大を狙ってみてはいかがでしょうか。
近年では、越境ECに参入するにあたって市場調査から物流設計、運用まで一貫してサポートできる事業者も増えてきています。もし自社だけで対応が難しいと感じた場合は、越境ECに強い事業者への委託を検討することをおすすめします。弊社でも越境EC参入をサポートしておりますので、海外進出をお考えの際はぜひご相談ください。
この他にも当ブログではアメリカや中国での越境ECに関する情報をまとめています。
下記の記事を是非参考にしていただけますと幸いです。
株式会社Proteinum 代表取締役