【Amazon広告】TACOSとは?概要から算出方法、TACOSの目安、改善策まで徹底解説!

【Amazon広告】TACOSとは?概要から算出方法、TACOSの目安、改善策まで徹底解説!

Amazon広告の運用において、ACoSは改善しているのに手元に利益が残らないと悩んでいませんか?

Writer樋口 智紀

株式会社Proteinum ECコンサルタントマネージャー

戦略コンサルティングファームおよびECコンサルファーム(NE株式会社)を経て現職。現在はECコンサルタントとして、多数のAmazonセラーの売上拡大を支援。電子機器やアパレルから日用品、食品まで多岐にわたる商材を担当し、緻密なデータ分析に基づいた施策立案で月商を10倍以上に引き上げた実績を多数持つ。Amazon特有の購買行動を数値化し、広告費の最適化とCVR改善を同時に実現する手法を得意とする。コンサルタントの視点から、リピート商材の分析を通じた継続的な収益構造の構築を強みとしている。

この記事は、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)がAmazonの広告指標の一つであるTACOSについて概要から算出方法、TACOSの目安、改善策まで徹底解説します。

【この記事の対象者】

  • ACoS(広告売上高コスト比)だけでは事業の健全性が判断できない担当者
  • 広告費が利益を圧迫しており、適正な投資バランスを把握したい方
  • Amazonでの中長期的な成長戦略を構築したいマーケター

【この記事を読んでわかること】

  • AmazonにおけるTACOSの定義とACoSとの決定的な違い
  • 自社でTACOSを正確に算出するための具体的な3ステップ
  • カテゴリー別・フェーズ別に見るべき適正な目標値と改善策

AmazonのTACOS(タコス)とは何か?

AmazonのTACOS(タコス)とは何か?

Amazon広告の運用において、近年ACoS以上に重要視されている指標が「TACOS」です。ACoSが「広告経由の売上」に対する広告費の比率を見るのに対し、TACOSは「売上全体」に対する広告費の比率を算出します。

結論から申し上げますと、TACOSを管理することで、広告がブランド全体の成長(オーガニック売上の伸長)にどれだけ寄与しているかを可視化できます。広告効率だけを追うのではなく、ビジネス全体の利益体質を把握するために不可欠な指標といえます。

全売上に占める総広告費の比率を指す指標

TACOSとは「Total Advertising Cost of Sale」の略称であり、Amazonにおける全売上高(広告経由売上+自然検索経由売上)に対する広告費の割合を示します。
ACoSが「広告の投資対効果」を測る指標であるのに対し、TACOSは「Amazon内売上全体の広告依存度」を測定する指標です。

ビジネス全体の収益性と成長性を測る指標

TACOSを定点観測することで、広告投資が自然検索(オーガニック)売上の拡大に繋がっているかを判断できます。例えば、ACoSが一定でもTACOSが低下していれば、広告によってブランド認知が高まり、自然検索での購入が増えていることを意味します。

これは、AmazonにおけるEC事業の収益性が向上している健全な状態といえます。

指標算出式目的着目点
ACoS(%)(広告費 ÷ 広告経由売上) × 100広告運用の効率化個別広告枠のパフォーマンス
TACOS(%)(広告費 ÷ 店舗内売上) × 100Amazon内EC事業の健全性の確認オーガニック売上への波及効果

また、ACosについては以下の記事でも解説していますので、ぜひ確認してみてください!

AmazonでTACOSを定点観測することで確認できる内容とは?

AmazonでTACOSを定点観測することで確認できる内容とは?

Amazon内での競争が激化する中、広告費は上昇傾向にあります。その中でTACOSを追跡することは、単なる数字の管理以上に、戦略的な意思決定において大きなメリットをもたらします。

特に、広告を止めた瞬間に売上が激減するような「広告依存状態」を回避し、自走可能なブランド成長を実現するためには、TACOSの視点が欠かせません。

【TACOSを定点観測する2つのメリット】

  • 広告投資が店舗内売上に与える影響度
  • 広告によるオーガニック売上貢献の可視化

広告投資が店舗内売上に与える影響度

TACOSを算出することで、店舗内売上に広告費がどれほど影響しているかを明確にできます。ACoSが良好でも、全売上に占める広告費の割合(TACOS)が高すぎれば、利益を圧迫してしまいます。

TACOSを追うことで、投資すべき広告予算の限界点を見極めることが可能になります。

広告によるオーガニック売上貢献の可視化

Amazonのアルゴリズムにおいて、売上実績(特に件数)は検索順位に直結します。広告で売上を作ることは、自然検索順位の向上を促す副次的効果があります。

TACOSが低下傾向にある場合、広告が呼び水となってオーガニックな流入・購入が増加していることを証明でき、施策の正当性を図ることができます。

AmazonのTACOSを算出する具体的な手順とは?

AmazonのTACOSを算出する具体的な手順とは?

AmazonのTACOSを以下の3つのステップに沿ってご紹介します。
前提として、TACOSの算出には「広告費」と「店舗内売上」の2つが分かればよいので、非常に簡単に算出することができます。

【TACOSを算出する具体的な手順】

  1. 広告キャンペーンから対象期間の「支出(広告費)」を取得する
  2. ビジネスレポートから対象期間の「注文総売上(店舗内売上)」を取得する
  3. 計算式(広告費 ÷ 店舗内売上 × 100)を用いて比率を算出する

1. 広告キャンペーンから対象期間の「支出(広告費)」を取得する

広告費取得操作➀

まず、Amazonセラーセントラル(またはベンダーセントラル)にログインし、レフトナビから「広告 > 広告キャンペーンマネージャー」を開いてください。

広告費取得操作②

キャンペーンマネージャーを開いたら、データの集計期間の設定を行ってください。
また、広告部分が「すべて」選択されているかどうかも併せてご確認ください(画像青枠)。

広告費取得操作②

集計期間の設定が完了したら、「適用する」をクリックして、ページ下部にスクロールしてください。

広告費取得操作④

下部にスクロールしたら「キャンペーンを作成する」ボタンをクリックして、キャンペーンを出力してください。

2. ビジネスレポートから対象期間の「注文総売上(店舗内売上)」を取得する

売上データ取得方法➀

まず、Amazonセラーセントラル(またはベンダーセントラル)にログインし、レフトナビから「レポート > ビジネスレポート」を開いてください。

売上データ取得方法➀

ビジネスレポート画面が開けたら、レフトナビから「売上・トラフィック」をクリックしてください。
「売上・トラフィック」画面遷移後に画像下部の日付を対象期間に設定し、最後に「ダウンロード」をクリックしてください。

3. 計算式(広告費 ÷ 店舗内売上 × 100)を用いて比率を算出する

最後に、それぞれ抽出したデータを基に、各指標を以下の計算式に当てはめることでTACOSを算出できます。

TACOS = (広告費 ÷ 店舗内売上) × 100

この算出を週次、あるいは月次でエクセルやスプレッドシートに記録し、推移をグラフ化することを推奨します。単月の数値だけでなく、「売上が伸びているときにTACOSがどう動いたか」という傾向を掴むことが、戦略立案において重要です。

AmazonのTACOSにおける適正な目安の考え方とは?

AmazonのTACOSにおける適正な目安の考え方とは?

TACOSには「一律で何%が正解」という基準はありません。店舗の成長フェーズや販売している商品の利益率によって、目指すべき投資バランスが大きく異なるためです。

特に、Amazon内でのシェアを拡大している時期と、利益を回収する時期では、許容できるコストの考え方が根本から違います。

目標営業利益率からTACOSの目安を逆算する

店舗運営において最も健全なTACOSの算出方法は、最終的に残したい利益から逆算することです。広告費は販売促進費であると同時に、営業利益を削る変動費でもあります。

以下の計算式を用いることで、許容できる広告投資の限界値を明確にすることが可能です。

TACOSの目安 = 粗利益率 – 目標営業利益率

例えば、粗利益率(商品売価から原価・配送費・販売手数料を引いたもの)が40%の商品において、目標営業利益率を15%に設定する場合、許容できるTACOSの上限は25%となります。

このように、「いくらまで広告に投資しても利益が出るか」を構造的に把握することが、戦略的な運用の第一歩となります。

AmazonのTACOSを改善するための施策とは?

AmazonのTACOSを改善するための施策とは?

TACOSが高すぎる(=広告依存度が強い)場合、そのままでは利益率が悪化し続けます。数値を改善するためには、広告運用の調整だけでなく、Amazonにおける「売上の構造」そのものを変革していく必要があります。
具体的には、以下の3つのアプローチを並行して実施することが効果的です。

【TACOSを改善するための3つの施策】

  1. SEO(検索エンジン最適化)を強化し、自然検索からの流入・売上を最大化する
  2. 広告運用のターゲットを精査し、無駄なクリックやコンバージョンの低い広告を削減する
  3. 商品ページのクリエイティブを改善し、ユニットセッション率(転換率)を高めて広告効率を底上げする

検索キーワード最適化による自然流入の拡大

TACOSを下げるための最も本質的な解決策は、自然検索(オーガニック)での売上比率を高めることです。商品タイトル、箇条書き、説明文、およびバックエンドの検索キーワードに、ターゲットが実際に検索しているワードを網羅的に盛り込みます。

検索順位が上昇すれば、広告費を増やさずとも売上が増え、結果としてTACOSは改善されます。

AmazonのSEO最適化に関する内容は以下記事でも解説していますので是非ご確認ください!

広告ポートフォリオ整理と入札最適化の実施

広告運用面では、ACoSが悪化している要因を特定します。特に「クリックはされるが購入に繋がっていないキーワード」を徹底的に除外設定(ネガティブターゲティング)することが重要です。

また、特定のSKUに広告費が偏りすぎていないかを確認し、収益性の高い商品に予算を集中配分することで、全体のTACOSを抑制できます。

商品ページのクリエイティブ改善によるユニットセッション率向上

広告や検索で流入しても、ページ内で離脱されては投資が無駄になります。A+(商品紹介コンテンツ)やメイン画像、サブ画像を改善し、ユニットセッション率(転換率)を向上させることが、TACOS改善の近道です。

ユニットセッションが1%向上するだけで、同じ広告費でも売上が増えるため、相対的にTACOSの数値は劇的に改善します。

AmazonのSEO最適化に関する内容は以下記事でも解説していますので是非ご確認ください!

AmazonのTACOSに関する注意点とは?

AmazonのTACOSに関する注意点とは?

TACOSを分析する際には、いくつかの落とし穴に注意する必要があります。数字の表面だけを追うと、本来必要な投資を止めてしまったり、逆にリスクを見逃したりする可能性があるからです。

以下の3つのポイントを念頭に置き、多角的な視点で数値を分析することを心がけましょう。

商品カテゴリーごとの市場環境の差異

競合が非常に多く、広告単価(CPC)が高騰しているカテゴリーでは、どうしてもTACOSが高くなりがちです。自社の数値だけを見るのではなく、競合他社の広告占有率や市場全体のトレンドを把握してください。

市場全体が広告激戦区である場合、TACOSの低減よりも、LTV(顧客生涯価値)を高めてリピート率で利益を出す戦略への転換が必要になるかもしれません。

新商品リリース時の一時的な数値上昇

前述の通り、新商品のローンチ時はTACOSが跳ね上がりますが、これは「将来のオーガニック売上のための先行投資」です。この時期にTACOSの高さだけを懸念して広告を抑制すると、Amazon内のスコアが上がらず、結果的に商品の立ち上がりに失敗することになります。

ローンチから3ヶ月間は、TACOSの許容範囲を広めに設定しておくのが実務的な判断です。

外部要因による売上変動の影響

プライムデーやブラックフライデーなどの大型イベント期間や、季節商材の需要期には、広告費と売上のバランスが大きく崩れます。特にイベント前は、消費者が買い控えをするためTACOSが一時的に上昇することがあります。

単日の数値に一喜一憂せず、前年同月比や4週間平均などの長期的なトレンドで判断することが、誤った意思決定を防ぐ鍵となります。

AmazonのTACOSに関するよくある質問

AmazonのTACOSに関するよくある質問

Q1:理想的な数値は何%を目指すべきか?

A1:一般的には10%〜15%が健全とされますが、利益率によって異なります。
まずは自社の売上原価、Amazon販売手数料、物流費(FBA手数料など)を差し引いた「広告費をかける前の利益率」を算出して下さい。例えば利益率が30%の商品であれば、TACOSを15%に抑えれば15%の利益が残ります。事業計画上の目標利益から逆算して、自社独自の「限界TACOS」を設定することが重要です。

Q2:ACoSとTACOSはどちらを重視すべきか?

A2:広告の効率を見るならACoS、事業の健全性を見るならTACOSを重視します。
現場の運用担当者は、日々のキーワード調整や入札管理のためにACoSを追う必要があります。一方で、店長や経営層などのマネジメント側は、ビジネスが広告依存に陥っていないかを確認するためにTACOSを重視すべきです。どちらか一方ではなく、両方の指標を組み合わせて「広告効率と事業成長の両立」を確認するのが正解です。

Q3:TACOSが上昇し続ける原因は何か?

A3:広告単価の高騰、成約率の低下、あるいはSEO順位の下落が主な原因です。
特に、売上高が変わらないのにTACOSだけが上がっている場合は、オーガニック売上の比率が低下しているリスクがあります。競合に自然検索順位を奪われていないか、あるいは商品ページの魅力が相対的に落ちていないかを確認してください。また、広告のターゲティングが広がりすぎて無駄打ちが増えていないかも精査対象となります。

AmazonのTACOSについてのまとめ

いかがでしたでしょうか。ここまでAmazonのTACOSについて解説してきました。

  • TACOSの定義と定点観測の重要性
    • TACOSは「店舗内総売上に対する広告費の比率」であり、事業の利益体質や広告への依存度を可視化する最重要指標である。
    • ACoSだけでは見えない「広告が自然検索(オーガニック)売上に与える波及効果」を把握することで、健全な事業成長を判断できる。
  • TACOSの算出手順と目安の考え方
    • 算出手順は「広告費 ÷ 店舗内総売上 × 100」と非常にシンプル。週次・月次で定点観測し、推移をグラフ化することが戦略立案の鍵となる。
    • TACOS目安は販売している商品の利益率や店舗のフェーズによっても異なるため、一概には言えず、「どの程度営業利益を残したいか」によって決まる。
    • 粗利益率から目標とする営業利益率を引くことでTACOSの目安を算出可能。
  • 数値を改善するための具体的施策と注意点
    • 改善には「SEO強化による自然流入の拡大」「広告ポートフォリオの精査」「クリエイティブ改善による転換率(CVR)向上」の3軸が不可欠。
    • ただし、カテゴリー特性や新商品発売時、大型イベントなどの外部要因による一時的な数値上昇を考慮し、中長期的な視点で分析する必要がある。

Amazon広告の運用は、もはやACoSの最適化だけで勝てる時代ではありません。TACOSという視点を持ち、ビジネス全体の利益構造を最適化していくことが、持続可能な成長への最短ルートです。

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