Amazonで売れない主な理由7選|改善のポイントをECコンサルが解説!

Amazonで売れない理由7選と改善のポイントをECコンサルが解説!

「Amazonに出品したけれど、全く売れない……」 「最初は売れていたのに、急にパタッと売れなくなってしまった」

世界最大級の集客力を誇るAmazonでも、ただ商品を登録しただけで飛ぶように売れる時代は終わりました。しかし、売れないことには必ず「明確な原因(ボトルネック)」が存在します。

この記事は、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)がAmazonで商品が売れない時に考えられる主な理由と、ECコンサルタントが現場で実践している具体的な改善対策を解説します。

Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

慶応義塾大学を卒業後、楽天グループ株式会社に入社。ECコンサルタントとして、ショップオブザイヤー受賞店舗を含むのべ700店舗以上を支援。その後、小売業を中心に経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、EC戦略策定・実行支援など)し、株式会社Proteinum(プロテーナム)を創業。
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。

Amazonで売上を作るための基本公式

Amazonで売上を作るための基本公式

Amazonで売上が上がらない時、多くの人は「安くしなきゃ」や「とりあえず広告を出そう」と闇雲に動きがちです。しかし、対策を打つ前に、まず以下の公式に当てはめて「どこが悪いのか」を特定する必要があります。

売上=アクセス数(セッション)×転換率(CVR)×客単価

Amazonにおいては、「ユニットセッション率(CVR)」という指標が極めて重要です。 セラーセントラルの「ビジネスレポート」>「商品別詳細ページ 売上・トラフィック」を開き、自社の商品が以下のどちらの状態にあるかを確認しましょう。

  1. アクセス不足(セッションが少ない): 商品ページにお客さんが来ていません。検索順位が低いか、広告が出ていないことが原因です。
  2. 転換率不足(ユニットセッション率が低い): お客さんは来ているのに、買わずに帰っています。画像、価格、レビュー、商品説明のどこかに「買わない理由」があります。

コンサルの目安:一般的に、Amazonでの平均的な転換率は2%〜5%程度と言われています(商材によります)。もし1%を切っているなら、集客よりも先に「ページ改善」が必要です。

もしアクセスが課題でスポンサープロダクト広告について検討される際は以下の動画も参考に御覧ください。

Amazonで売れない主な理由7選

Amazonで売れない主な理由7選
Amazonで売れない主な理由7選

ビジネスレポートの数字が悪い背景には、具体的な「理由」があります。ここでは代表的な7つの原因を深掘りします。

1. 検索順位が低く、商品が見つけられていない

Amazonユーザーの約7割は、検索結果の1ページ目しか見ないと言われています。上位表示されていなければ、店舗が存在しないも同然です。

  • 詳細な原因
    • 商品名(タイトル)に、「メンズ」「長財布」「本革」などのビッグキーワードが入っていない。
    • 検索キーワード(検索語句)の設定において、ユーザーが使う「言い換え語(例:スマホケース / iPhoneケース / 携帯カバー)」が網羅できていない。
    • 直近の販売実績が足りず、Amazonのアルゴリズムから「売れる商品」と認識されていない。

AmazonのSEOについては以下の動画もご覧ください!

2. 「カートボックス(ショッピングカート)」が取れていない

Amazon最大の特徴であり、売れない最大の原因がこれです。 Amazonは1つの商品ページに複数の出品者が相乗りする仕組みです。商品ページの右側にある「カートに入れる」ボタンを押した時に売上が入るのは、「カートボックスを獲得している1社だけ」です。

  • 詳細な原因
    • 競合他社より価格が高い(送料込みの総額で負けている)。
    • 配送スピードが遅い(リードタイムが長い)。
    • 出品者評価が低い、または在庫切れを起こしている。
    • ※重要:自社ブランド品でも、転売屋にカートを取られているケースがあります。必ず自社商品ページを毎日チェックしましょう。

3. 商品画像(メイン画像・サブ画像)の魅力不足

検索結果に並んだ時、クリックされるかどうかは「メイン画像」と「価格」で9割決まります。また、クリック後の購入率は「サブ画像」で決まります。

  • 詳細な原因
    • メイン画像:Amazon規約(白背景・商品のみ)を守りすぎて地味になっている。または、画質が悪く安っぽく見える。
    • サブ画像:商品のパッケージや単体の写真ばかりで、「使っているシーン」や「サイズ感」「他社との比較」などの情報がない。スマホユーザーは画像しか見ない傾向があるため、画像への文字入れ(テキスト訴求)がないと致命的です。

4. 商品価格が市場相場とズレている

Amazonユーザーは価格に非常にシビアです。「Keepa」などの価格追跡ツールを使っているユーザーも多く、競合より割高だと選ばれません。

  • 詳細な原因
    • 競合他社がセールを行っているのに、自社だけ定価のまま放置している。
    • 機能性は高いが、その付加価値が画像やテキストで伝わっておらず、単なる「高い商品」に見えている。

Amazonの価格追跡ツールKeepaについては以下の記事でも解説しています。

5. レビューが少ない、または評価が低い

Amazonにおいてレビュー(口コミ)は、接客のないネット通販における「信頼の証」です。

  • 詳細な原因
    • レビューが0件(サクラチェッカーなどを気にするユーザーは、レビュー0を警戒します)。
    • 平均評価が★3.5未満。
    • ※重要:直近のトップレビューに「★1:壊れていました」などのネガティブな投稿が表示されていると、転換率は激減します。

6. 商品ページの情報量が薄い

クリックしてページに入ってきたのに購入されない場合、情報不足により「失敗したくない」という心理が働いています。

  • 詳細な原因
    • 商品説明文(ブレットポイント)がスペックの羅列だけで、「どんなメリット(ベネフィット)があるか」が書かれていない。
    • 「商品紹介コンテンツ(A+)」が設定されておらず、テキストだけの読みづらいページになっている。

7. FBAを利用していない(自社出荷)

Amazonにおいて、プライムマーク(prime)がついているかどうかは死活問題です。

  • 詳細な原因
    • 自社出荷のため、配送日が「3〜4日後」などになっている。
    • 現代のAmazonユーザーは「明日届く」ことが当たり前になっており、配送が遅い商品は検索結果の絞り込み(Prime対象のみ表示)で除外されてしまったり、転換率が大きく下がる場合があります。

コンサルが語る!売れない状況から脱却するための5つの具体策とは?

原因が特定できたら、改善のアクションプランを実行します。ECコンサルの視点で、成果が出やすい順に対策を紹介します。

① キーワード(SEO)の再選定とタイトル最適化

商品名(商品タイトル)を見直しましょう。ユーザーは前半部分を見て主観的にどのような商品か把握するため、特に「左側(冒頭)」に重要なキーワードを入れるのが鉄則です。

  • 具体的アクション
    • Amazonの検索窓にキーワードを入力し、メインキーワードのサジェスト(候補)に出てくるワードをリストアップする。
    • 「ブランド分析」などのツールを使い、競合商品が流入を獲得しているキーワードを特定する。言い換え語や関連表現からの流入がある場合はそのキーワードを設定する。
    • 商品名構成案 [ブランド名] + [メインKW] + [サジェストKW] + [特徴・サイズ・色]
      • 悪い例:オリジナルTシャツ 高品質 春夏
      • 良い例:[Brand] Tシャツ メンズ 半袖 おしゃれ コットン100% 無地 吸汗速乾 大きいサイズ

② メイン画像とサブ画像の刷新(スマホ最適化)

Amazonでは画像が全てと言っても過言ではありません。「読む」のではなく「見る」だけで伝わるクリエイティブを目指します。

  • 具体的アクション
    • メイン画像:規約(白背景100%)を守りつつ、商品を枠いっぱい(85%以上)まで大きく配置し、視認性を高める。
    • サブ画像(2枚目以降):以下の要素を必ず盛り込む。
      • 文字入れ:特徴やメリットを画像内にテキストで記載する。
      • 使用イメージ:実際に使っているシーン(モデル着用など)。
      • 比較画像:「従来品との違い」や「他社製品との違い」を可視化する。

③ FBA(フルフィルメント by Amazon)の利用

自社出荷で売上が伸び悩んでいるなら、Amazon倉庫に商品を預けて配送を代行してもらう「FBA」への切り替えを強くおすすめします。

  • メリット
    • 商品に「Primeマーク」が付き、転換率が劇的に向上する。
    • 検索順位が優遇されやすくなる。
    • カートボックス獲得率が大幅に改善される。
    • 土日祝日もAmazonが24時間体制で発送してくれる。

④ スポンサープロダクト広告の活用(初速ブースト)

Amazon SEOの特性上、「売れた実績」がない商品は検索順位が上がりません。新規商品や順位が低い商品は特に、広告を使って強制的に実績を作る必要があります。

  • 具体的アクション
    • オートターゲティング:AmazonのAIに任せて広告を出し、「どのキーワードで売れるか」のデータを収集する。
    • マニュアルターゲティング:オートで成果が出たキーワードを、手動設定で入札単価を強めて狙い撃ちする。
    • 広告で販売件数を稼ぐことで、結果として自然検索(オーガニック)の順位も上がる「好循環」を作ります。

⑤ カートボックス獲得率の改善と価格戦略

ビジネスレポートで「カートボックス獲得率」を確認してください。ここが90%を切っている場合、機会損失が発生しています。

  • 具体的アクション
    • 価格の自動設定:セラーセントラルの機能を使い、競合の最安値に合わせて価格を自動追従させる。
    • ポイント付与:実質価格を下げるために、Amazonポイントを1%〜数%付与して差別化する。
    • 在庫管理を徹底し、欠品によるカート落ちを防ぐ。

売れている店舗の実践ポイント、というテーマについては以下の動画でも解説しています!

Amazon売れない に関するよくある質問

Amazon売れない に関するよくある質問
Amazon売れない に関するよくある質問

Amazon運営において、出品者様から頻繁にいただく質問をまとめました。

Q1. 新規出品した商品が全く売れません。どうすればいいですか?

Amazonには「ハネムーン期間(新規出品直後の優遇期間)」があると言われますが、それでも「販売実績」がない商品は検索上位に表示されにくいのが現実です。 最初は利益度外視でクーポンを発行して価格を下げたり、スポンサープロダクト広告への投資を行ったりして、「最初の10個」を売るための施策に集中してください。レビューが1件つくと、風向きが変わることが多いです。

Q2. 今まで売れていたのに、急に売れなくなりました。なぜですか?

原因は主に3つ考えられます。

  1. カートボックスの喪失:競合(転売屋やAmazon本体)が安値で相乗りしてきていませんか?
  2. ネガティブレビュー:直近で★1〜2のレビューがつき、それがトップに固定されていませんか?「役に立った」ボタンを押されると悪いレビューが上位に来てしまいます。
  3. 競合環境の変化:類似の強力な新商品が登場した、あるいは競合が広告費を倍増させて露出を奪われた可能性があります。

Q3. 「商品紹介コンテンツ(A+)」は必須ですか?

必須ではありませんが、転換率(CVR)を上げるためには非常に重要な施策です。 特にブランド登録をしている場合は無料で利用できるため、設定しない手はありません。テキストだけの説明文はほとんど読まれませんが、A+を使って画像付きで解説することで、商品の魅力が伝わりやすくなり、購入の後押しになります。スマホでの閲覧時にも非常に効果的です。

まとめ:Amazonは「仕組み」で売る場所

Amazonで売れない理由は、運やタイミングではありません。検索され、クリックされ、比較され、カートを取るという「販売ロジック」のどこかに詰まりがあるからです。

まずは感情的にならず、以下のステップで冷静に自社の商品ページを見直してください。

  1. カートは取れているか?(価格・配送の見直し)
  2. 検索されているか?(キーワード・広告の見直し)
  3. クリックされているか?(メイン画像の見直し)
  4. 買われているか?(サブ画像・A+・レビューの見直し)

一つずつボトルネックを解消していけば、Amazonの巨大な集客力を味方につけ、必ず売上を伸ばすことができます。

弊社ProteinumはAmazonを中心とした、ECモールや自社ECの運用代行コンサルティングをご支援しています。
運用の代行や売上アップのコンサルティングをご検討されている企業様は、ぜひお気軽に無料診断へお申込みください。

Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

慶応義塾大学を卒業後、楽天グループ株式会社に入社。ECコンサルタントとして、ショップオブザイヤー受賞店舗を含むのべ700店舗以上を支援。その後、小売業を中心に経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、EC戦略策定・実行支援など)し、株式会社Proteinum(プロテーナム)を創業。
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。

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