Amazonの売上が落ちたときの改善チェックリストまとめ

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楽天、Amazon、Yahoo!ショッピングの大手ECモールや自社サイトのご支援実績のもと、EC売上向上のノウハウをお届けします。

Amazonは最大級のモールであり、ユーザー数も多いため軌道に乗れば売り上げもアップしていきます。しかし、運用を放置したり適切な施策を実施しないと売り上げ低迷することも多々あります。
本記事では、Amazonにおける売り上げが落ちた時の改善について解説いたします。

1.Amazon市場における売上が落ちる原因を調査

Amazonの売上低迷には、複合的な要因が考えられます。以下にその主な原因を解説します。

1-1.競合の激化と価格競争の激しさ

Amazonは参入障壁が比較的低いため、年々新規出品者が増加しています。
その結果、同一カテゴリー・同一商品の出品数が増え、価格競争が激化します。
特に中国を中心とした海外セラーの参入が進み、低価格・薄利多売のビジネスモデルが市場を圧迫していることも要因の一つです。
また、Amazonでは「Buy Box(カートボックス)」を獲得できなければ売上に直結しにくいため、競合他社が低価格・高速配送などでBuy Boxを取り続け、売上が落ちたという声も多いです。

1-2.Amazonのアルゴリズムやポリシーの変更

Amazonの検索アルゴリズム(A9)は、頻繁にアップデートされてます。
これにより、以前は上位表示されていた商品が突然順位を下げ、検索結果での露出が減少 → 売上低下につながることがあります。
また、レビュー数や評価スコアが販売成績に強く影響する傾向が強まっており、評価が少ない、または一時的な低評価が続くことで商品ページの信頼性が低下し、購買率が落ちる可能性があります。

1-3.広告費の高騰

Amazon広告(スポンサープロダクト等)の利用はもはや必須ですが、クリック単価(CPC)が年々上昇しており、広告を出稿しても十分なリターンが得られないケースが増えています。
特に中小のEC事業者は、予算面で大手セラーと競争できず、集客力が弱まる → 売上減少につながっています。

1-4.Amazon自身の競合化(Amazonベーシック等)

Amazonが自社ブランド(例:AmazonBasics)を展開しており、売れ筋ジャンルにおいてはAmazon自体が最大の競合となるケースがあります。
Amazonは自社商品を優遇しやすい立場にあるため、他の出品者の売上が削られる原因となります。

2.セラー側(商品)の市場調査や改善点を考える

2-1.消費者の購買行動の変化

消費者の慎重化・コスト意識が高まっています。
経済的な不確実性やインフレなどの影響で、消費者は価格により敏感になり、より安価で信頼できる商品を選ぶ傾向が強まっています。
ブランド力やレビュー数で劣るセラーは選ばれにくく、売上が落ちる要因とも考えられます。
Z世代・ミレニアル世代を中心に、InstagramやTikTokを通じた購買行動が増え、Amazon以外の販路で商品を購入するケースも増加しました。
Amazon一極集中からマルチチャネル化が進み、Amazon売上だけで見ると「減少しているように見える」場合もあります。

2-2.商品品質の再確認

品質の問題は、Amazonにおける売上低下の中でも大きな要因一つです。
特に商品自体の品質に起因するトラブルや不具合は、購入者の信頼を著しく損ない、結果として売上に深刻なダメージを与えることがあります。

たとえば、初期不良や故障が頻発した場合、購入者は「当たり外れのある商品」と判断し、以後の購入を避ける傾向が強まります。
衣類やファッション小物の場合でも、写真では良く見えていたが実際には生地が薄くて安っぽい、洗濯後に型崩れした、といった品質面での不満があると、購入者の満足度は大きく低下します。
このようなネガティブな体験は、レビューや評価として商品ページに反映されるため、将来的な購入見込み客に対してもマイナスの印象を与えることになります。特にAmazonのようにレビューが意思決定に与える影響の大きいプラットフォームでは、低評価レビューが1件投稿されただけでも、その商品の売上が10〜20%程度落ち込むリスクがあると、Amazonの内部データでも示されています。

低評価レビューは単なる売上減少にとどまらず、Amazonのアルゴリズムによって検索順位が下がる、Buy Boxの獲得率が低下する、さらにはアカウント健全性に影響が出る場合があります。

Amazonでの安定的な売上確保には、何よりもまず「品質管理の徹底」が欠かせない条件と言えるでしょう。

2-3.価格設定の見直し

価格設定の適正さは、Amazonにおける売上を左右する非常に重要な要素です。特に、同じカテゴリーに複数の類似商品が存在する場合、消費者は品質やブランドだけでなく「価格と性能のバランス(コストパフォーマンス)」を重視して購入を判断します。そのため、価格が相場よりも明らかに高すぎると、たとえ品質が優れていても、消費者は他の安価で評価の高い商品に流れてしまう傾向があります。

多くの消費者はAmazon上で商品を比較検討する際に、価格順やレビュー評価順でソートをかけるため、価格が高く設定されている商品は自然とリストの下位に表示され、視認性自体が低くなってしまうリスクもあります。これはクリック率の低下へとつながります。

市場調査を基に、競合の動向や自社商品の価値に応じた価格戦略を慎重に設計することが、Amazonでの継続的な売上確保には不可欠だと言えます。

3.Amazonで売上が下がったときの改善ポイント

3-1.「売上の構成要素」に分解して考える(分解思考)

まず初めに頭に入れておきたいこととして、
「売上 = アクセス数 × コンバージョン率 × 単価 × 購入頻度」です。

売上を単純に「落ちた」と捉えるのではなく、どの要素が変化したのかを分解して考えましょう。

項目確認ポイント
アクセス数セッション数(流入数)が減っていないか?
広告・SEO対策は維持されているか?
コンバージョン率商品ページに来た人が買っていない?
レビュー、価格、説明に問題がないか?
単価値下げ、安いバリエーションへのシフトがないか?
購入頻度リピーターや定期購入の減少がないか?

3-2.ビジネスレポートを活用する(セラーセントラル)

Amazonセラーセントラルの「ビジネスレポート」機能を活用すれば、以下のようなデータが確認できます。

  • 商品別セッション数(アクセス数)
  • ユニットセッション率(CVR=転換率)
  • 販売個数・売上推移
  • Buy Box獲得率の変動

売上が下がった期間とそれ以前の期間で比較する、セッションが減っていれば「集客の問題」、ユニットセッション率が落ちていれば「商品ページや価格の問題」など分解して考えることが大切です。

特に複数のセラーが同一商品を販売している場合は、Buy Boxの獲得率が下がると売上が激減します。
他セラーにBuy Boxを奪われていないか?配送スピード、価格、評価などで負けていないか?など定期的にチェックしましょう。

3-3.競合状況の変化をチェック

売上が下がった原因は自社だけでなく、競合の台頭によることもあります。

  • より安価な類似商品が登場していないか?
  • 競合の広告露出が増えていないか?
  • 同カテゴリー内の検索順位で抜かれていないか?

これらは自社運用にだけ目を向けていると気付かず、売り上げが落ちる大きな要因になります。
Amazonの検索結果ページや広告枠をこまめにチェックしておきましょう。

また、価格変動履歴も可能な限り追跡したいです。
価格を上げた/下げたタイミングと売上の推移に相関が見られるケースがあり、「セール終了後に通常価格に戻した」「競合が値下げしたのに、自社は価格維持」といったことも考えられます。

3-4.広告のパフォーマンス低下

ブランド広告、SP広告、動画広告など適切な広告フォーマットを選定しましょう。
広告運用は常にチューニングすることが大切です。

  • タイトル:メインとなるキーワードは前方に配置。
  • キーワード:検索ボリュームが高く、商品に関連性のあるキーワードを配置。
  • 商品説明:より詳しい製品の特徴やメリットの記載。

広告運用はAmazonの売上に大きく影響を与えます。費用対効果は逐一分析し、無駄なコストが発生しないよう最適化しましょう。

まとめ

Amazonでの売上低下には、さまざまな要因が絡み合っています。感覚的に対処するのではなく、データに基づいて冷静に分析し、問題の根本原因を特定することが、的確な改善につながります。
まずは売上を「アクセス数 × コンバージョン率 × 単価 × 購入頻度」といった構成要素に分解し、それぞれに異常がないかを確認することが基本です。セラーセントラルのビジネスレポートを活用すれば、セッション数、ユニットセッション率、Buy Box獲得率、広告パフォーマンスなどを具体的に分析できます。

売上低下は一時的なものもあれば、構造的な問題に起因していることもあります。
単なる価格変更や広告強化といった短期的な対策にとどまらず、継続的なデータモニタリングとPDCAサイクルを実行しましょう。

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Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

大学卒業後、楽天株式会社に入社。 初期配属は東北エリアグループにて、牛タンやりんごなどの東北の名産品の販売支援に従事。 その他、アパレル業界を専門として、大手企業を中心に各種ECコンサルティング活動に従事 (のべ担当店舗数700以上)。楽天を卒業後、経営コンサルタントの道へ進み、小売企業を中心に様々な業界において経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、実行支援、EC戦略策定等)その後、株式会社Proteinumを創業。”EC業界にとってなくてはならない存在に”をミッションに、現在は自社ブランドの立ち上げとクライアントのEC事業の支援に従事。

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