【Amazon】適切な広告費はどれくらい?ジャンル別・売上別の目安を徹底解説!
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Amazonでの売上拡大を目指すうえで、広告の活用は欠かせません。
しかし、
「広告費はどのくらいが目安なのか?」
「売上やジャンルごとに最適な広告予算をどう決めればよいのか?」と悩む出品者は少なくありません。
本記事では、Amazon広告費の基本から、ジャンル別・売上別の具体的な目安、シミュレーション例、最適化のコツまで徹底解説します!
▼動画でもAmazon広告について解説しています。ぜひご覧ください!
Contents
1.Amazon広告費の基本的な考え方
まず、Amazon広告費は「いくらかけるか」ではなく「売上に対して何%投資するか」で考えることが重要です。一般的に広告費は売上の10〜20%が目安とされますが、利益率や競合状況により適正値は変動します。
広告効果を判断する代表的な指標は以下の2つです。
- ACOS(広告費 ÷ 広告経由売上):20〜30%以内が理想ライン
- ROAS(広告経由売上 ÷ 広告費):300〜500%を基準に考える
例えば売上100万円の商品群に対し、広告費20万円(広告比率20%)を投じて広告経由売上が80万円なら、ACOS=25%となり、まずまず健全なラインといえます。
2.Amazon広告の種類と費用感
Amazon広告にはいくつかの種類があり、目的やターゲットによって最適な選択肢が変わります。費用は基本的にCPC(クリック課金制)ですが、クリック単価や表示面は広告の種類によって大きく異なります。
2-1. スポンサープロダクト広告(Sponsored Products)
Amazon広告の中で最も利用率が高く、個別の商品を直接訴求できる広告形式です。検索結果や商品詳細ページに表示され、購入意欲の高いユーザーにリーチできます。
- 費用感:クリック単価は30〜150円程度(ジャンルや競合による)
- メリット:購入直結型で効果が見えやすい
- 活用シーン:新商品の露出強化、主力商品の販売拡大
2-2. スポンサーブランド広告(Sponsored Brands)
検索結果の上部に表示され、ブランドロゴや複数の商品をまとめて訴求できる広告です。ブランド登録をしている出品者のみ利用可能で、認知拡大やブランドイメージ強化に適しています。
- 費用感:クリック単価は50〜200円程度(やや高め)
- メリット:ブランド全体を訴求できるため、ファン獲得につながる
- 活用シーン:複数商品のクロスセル、ブランドストーリーの訴求
2-3. スポンサーディスプレイ広告(Sponsored Display)
Amazon内の商品詳細ページや、Amazon外の提携サイトにも配信される広告です。競合商品のページに出せるため、新規顧客の獲得に効果的です。
- 費用感:クリック単価は20〜100円程度(比較的安めだが競合次第)
- メリット:競合商品を閲覧中の顧客に直接アプローチできる
- 活用シーン:市場シェア拡大、新規顧客獲得
2-4. 動画広告(Sponsored Brands Video)
検索結果の一部に動画として表示される広告です。動画で商品の魅力を伝えられるため、視覚的訴求力が高いのが特徴です。
- 費用感:クリック単価は50〜200円程度(競争が激しいジャンルではさらに高騰)
- メリット:短時間で商品の特徴を伝えられる
- 活用シーン:差別化が難しい商品や高価格帯商品
▼動画広告について、詳しく記載している記事がございますので、よろしければ参考にしてください。
2-5. Amazon DSP広告
Amazonの外部サイトやアプリに配信できる大規模な広告ソリューションです。ターゲティング精度が高く、リターゲティング広告としても活用できます。
- 費用感:数十万円〜の予算規模が必要(大手ブランド向け)
- メリット:Amazon内外に幅広くリーチ可能
- 活用シーン:ブランド規模の拡大、大規模キャンペーン
まずは「スポンサープロダクト広告」で基礎データを収集し、売れ筋商品を確立。その後「ブランド広告」や「ディスプレイ広告」で認知拡大を狙うのが王道の流れです。
3.広告費の目安を決める3つの基準
Amazon広告において「広告費はいくらが適正か?」は一概に言えません。商品ジャンル・競合状況・利益率によって最適な金額は変動するためです。そこで、広告費を決める際に参考にすべき3つの基準を紹介します。
3-1. 売上規模から逆算する
広告費を決める際の最も基本的な考え方は、**「売上目標から逆算する」**ことです。
たとえば、月商100万円を目指す場合、広告経由でどの程度売上を作りたいかを決め、その割合に応じて広告費を算出します。
- 売上目標:月商100万円
- 広告経由での売上目標:30万円(全体の30%を広告で獲得)
- 目標ACOS:20%
この場合、広告費は 30万円 × 20% = 6万円 が適正目安となります。
広告売上比率は商品によって調整しましょう。競合が多いジャンルでは40〜50%を広告に頼る場合もありますが、リピート率が高い商品は15〜20%程度で十分なケースもあります。
3-2. 利益率から逆算する
広告費の上限は、利益率に強く依存します。
利益率が低い商品で広告を打ちすぎると赤字になりやすく、逆に利益率が高い商品であれば積極的に広告投資できます。
例:商品A(販売価格2,000円、粗利率40%)
- 粗利額:800円
- 許容できる広告費:800円以内
例:商品B(販売価格2,000円、粗利率20%)
- 粗利額:400円
- 許容できる広告費:400円以内
利益率を基準に「1注文あたりの広告費上限」を決めておくと安心です。特に新商品は赤字覚悟で広告を打ち、リピート購入で回収する戦略も有効です。
3-3. 競合状況・クリック単価を考慮する
同じジャンルの商品でも、競合状況によって必要な広告費は変わります。
- 競合が多いジャンル(例:日用品、美容系) → 入札単価が高騰しやすく、広告費比率20〜30%は想定した方がよい
- 競合が少ないジャンル(例:ニッチな専門商品) → 広告費比率10〜15%でも十分効果を出せる
- 新規参入直後 → 初期は広告で露出を増やす必要があり、広告費比率30〜40%になるケースもある
競合リサーチを行い、自社のCPC(クリック単価)がどの水準にあるか把握することが欠かせません。
4.ジャンル別のAmazon広告費目安
ジャンルによって適切な広告費率は変わります。以下は一例です。
- 日用品・消耗品:リピート購入が多いためACOS30%程度まで許容可能
- 家電・ガジェット:競合激戦。ACOS20%以下を目標にし、効率重視
- ファッション・アパレル:競争が激しく広告費率20〜25%程度を見込む
- 食品・飲料:リピーター獲得狙いでACOS25〜30%を許容範囲とする
5.売上規模別の広告費目安
Amazon広告は「売上に比例して投資を拡大していく」ことが基本です。
目安としては、売上の10〜20%程度を広告に充てるケースが多く、成長フェーズによって適正比率は変化します。
5-1. 売上月商50万円未満(小規模・新規出店段階)
- 広告費の目安:5〜10万円程度(売上の15〜20%)
- 戦略:まずは商品ページにアクセスを集め、レビューを獲得することが最優先。赤字覚悟で広告を強めに出すケースも多いです。
- 具体例:
- 月商30万円、広告費6万円(広告経由売上12万円、ACOS=50%)
- 初期段階はACOSが高めでも、レビュー数を積み上げることで自然検索売上が増加し、徐々に広告依存を下げられる
5-2. 売上月商50〜200万円(成長段階)
- 広告費の目安:10〜30万円程度(売上の10〜15%)
- 戦略:SP広告を中心に、売れ筋商品の露出を強化。SB広告も併用してブランド認知を高めるフェーズ。
- 具体例:
- 月商100万円、広告費15万円(広告経由売上60万円、ACOS=25%)
- 利益を残しつつも広告を攻めることで、売上をさらに伸ばしていく段階
5-3. 売上月商200〜500万円(安定拡大期)
- 広告費の目安:30〜75万円程度(売上の10〜15%)
- 戦略:SD広告でリターゲティングを活用し、広告効率を改善。広告依存度を下げつつリピート顧客を増やす。
- 具体例:
- 月商300万円、広告費40万円(広告経由売上150万円、ACOS=26%)
- ブランド内でのシェアを広げ、広告費を効率よく使う
5-4. 売上月商500万円以上(大規模運営・ブランド展開)
- 広告費の目安:75万円〜100万円以上(売上の8〜12%)
- 戦略:DSP広告なども活用し、Amazon外での認知拡大も狙う。広告を“売上確保”ではなく“ブランド投資”として位置づける。
- 具体例:
- 月商1,000万円、広告費100万円(広告経由売上600万円、ACOS=16%)
- 大量のトラフィックを生みつつ、自然検索売上も増加するため広告比率は下がる傾向
売上規模別・広告費目安(まとめ表)
| 売上規模(月商) | 広告費目安 | 広告費率の目安 | 戦略のポイント |
|---|---|---|---|
| 〜50万円 | 5〜10万円 | 15〜20% | レビュー獲得・露出強化 |
| 50〜200万円 | 10〜30万円 | 10〜15% | 売れ筋集中・ブランド認知 |
| 200〜500万円 | 30〜75万円 | 10〜15% | 広告効率化・リピート促進 |
| 500万円〜 | 75〜100万円以上 | 8〜12% | ブランド投資・DSP活用 |
ポイントは「規模が大きくなるほど広告費率は下がる傾向にある」ことです。
ただし、競合ジャンルや利益率によって変動するため、上記はあくまで目安として、自社商品の特性に合わせて調整するのが重要です。
6.広告費を最適化するためのポイント
- ACOSの目標設定:利益率から逆算し、20〜25%程度を目安に調整
- 自動と手動の併用:自動入札でデータ収集 → 手動入札で精査
- 否定キーワードの活用:無駄クリックを減らし費用対効果を改善
- 定期的なレポート分析:週次でキーワード単価やコンバージョンをチェック
7.よくある失敗と注意点
Amazon広告では「広告を出せば売れる」と思い込み、予算をかけすぎたり、逆に抑えすぎたりして失敗するケースが少なくありません。ここでは実際によくある失敗パターンを、具体例とともに紹介します。
7-1. 広告費をかけすぎて利益が残らないケース
あるセラーは月商100万円の商品群に対して広告費を30万円投入しました。広告経由の売上は確かに伸びましたが、ACOSは35%を超え、最終的に利益がほとんど残らない結果に。売上だけを見ると成功に見えますが、実際には「赤字拡大」の悪循環でした。
7-2. 短期間で効果を判断してしまうケース
別の事例では、出品から2週間で広告を出したものの、クリックは多いのに購入につながらず「効果がない」と判断して広告を停止。しかし、実際はレビューがまだ少なく購入に至らなかっただけで、数か月後にレビューが増えてから広告を再開したら、同じキーワードで高いコンバージョン率を記録しました。短期的に判断しすぎたことで機会損失となった典型例です。
7-3. 広告を抑えすぎて成長のチャンスを逃すケース
食品ジャンルのセラーが、月商200万円の段階で広告費をわずか5万円(売上比率2.5%)しか使わずに運用していました。確かに利益は守れましたが、競合が積極的に広告を出して新規顧客を獲得する中で、自社は売上の伸びが頭打ちに。後から広告費を増やしても、失った市場シェアを取り戻すのに時間がかかりました。
7-4. 放置運用による「無駄な出費」ケース
家電カテゴリーで広告を運用していたセラーは、最初に設定したキーワードを半年以上放置。クリック単価が上がり、競合が増えたことで、以前はACOS20%だった広告がいつの間にか40%超に。レポートを定期的に見直さなかったことで、知らぬ間に広告費が利益を食いつぶしていました。
このように「かけすぎ」「止めすぎ」「抑えすぎ」「放置」といった失敗は、誰でも陥りやすい落とし穴です。定期的なデータ分析と調整を怠らず、広告費の投資バランスを見直すことが重要です。
8.まとめ:Amazon広告費は「ジャンル×売上規模×利益率」で判断しよう
Amazon広告費の目安は一律ではなく、売上規模・商品ジャンル・利益率によって大きく変わります。
まずは売上の10〜20%を目安に設定し、ACOSやROASを見ながら調整するのが基本戦略です。
小規模出品者はデータ収集に重点を置き、成長期には効率化、拡大期には認知獲得とステージごとに広告投資をシフトしていきましょう!
▼もし難しい場合は、広告運用も外注できますので、下記記事を参考にしてください。

株式会社Proteinum 代表取締役
