楽天のTDA-EXP（エクスパンション）とは？概要からメリットや予算、利用開始方法を徹底解説！

この記事は、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社（Proteinum）が楽天市場のTDA-EXP（エクスパンション）について、概要からメリットや予算、利用開始方法に至るまで徹底解説します。

【この記事の対象者】

• 楽天市場内での集客が飽和状態にあり、楽天外からの新規流入を増やしたい店舗様
• 外部広告に興味はあるが、バナー制作や複雑な入稿設定にリソースを割けない担当者様
• 低工数かつ中長期的に、安定したROAS（広告費用対効果）を維持したい運用者様

【この記事を読むことで得られるメリット】

• 楽天ユーザーが「楽天以外」に滞在している時間を売上に変える具体的な手法がわかる
• バナー制作コストをゼロにし、自動運用で効率的に新規客を獲得する仕組みが理解できる
• RPP広告や通常のTDA広告と組み合わせた、売上最大化のポートフォリオが構築できる

TDA-EXP（エクスパンション）とは？

TDA-EXP（エクスパンション）とは、楽天関連のサービス以外の様々なメディアで商品の訴求ができるディスプレイ広告で、他の楽天市場内の広告と合わせて使用することで更に数多くの消費者にアプローチできます。
楽天関連のサービスの中で表示される広告の運用では認知してもらえない人にも商品の訴求が可能になるため、売上金額の向上や新規ユーザーの獲得の効果が見込めます。

既存の楽天市場の広告との比較

TDA-EXPを含めた主要な楽天市場の広告の役割は下図のように整理することができます。

引用：楽天市場 店舗運営Naviより

TDA-EXP、RPP-EXPを除く広告は楽天グループのサービスを利用しているユーザーにアプローチします。一方でTDA-EXP、RPP-EXPの二つの広告のみ、楽天グループ外へ配信され、ユーザーの認知、興味、購買全てにアプローチします。

各広告の特徴については、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

【楽天市場】広告の種類別効果・売上UP方法を徹底解説

TDA-EXP（エクスパンション）で楽天市場外に広告を出稿することの重要性とは？

下の図のように、楽天ユーザーであったとしても楽天関連のサービスを閲覧している時間は限りがあります。
楽天市場内の広告を出稿するだけでなく、楽天以外のメディアで商品や店舗の訴求をすることも楽天の店舗での売上を最大化する上では有効です。

ユーザーの「楽天外」での滞在時間を売上に変える

楽天ユーザーであっても、1日の中で楽天関連のサービスを閲覧している時間は限られています。多くのユーザーは、日常の大半をSNS（Instagram、Facebook）やその他のWebサイト、アプリの閲覧に費やしています。

引用：楽天市場 店舗運営Naviより

楽天市場内の広告だけでなく、楽天以外のメディアで商品や店舗の訴求をすることは、ユーザーの生活動線すべてをタッチポイント（接点）に変え、売上を最大化する上で非常に有効な手段となります。

新規顧客獲得における外部広告の高いポテンシャル

下の図を見ると分かるように新規顧客の獲得に強いのは、楽天市場「内」の広告よりも楽天市場「外」の広告です。
それぞれの広告で広告を配信できる層も異なりますので、両方を活用することで楽天市場の店舗の売上を伸ばしやすくなります。

引用：楽天市場 店舗運営Naviより

TDA-EXP（エクスパンション）の3つのメリットとは？

本章ではTDA-EXP（エクスパンション）の3つのメリットについて「顧客」「商品訴求」「広告効果」の3軸から整理して解説していきます。

メリットの項目	概要	具体的な内容・配信先
①新規顧客の獲得と認知向上	楽天外メディアへの配信手法	Meta社が提供するプラットフォームへ配信。楽天未利用層へアプローチし、売上アップに貢献。
②商品訴求の簡便化・最大化	機械学習によるクリエイティブ自動生成	全キャンペーンが「自動」設定。 Meta社の機械学習が、ユーザーに合わせて最適な商品名と画像を自動で組み合わせて配信。
③ROASの最適化	ターゲット・予算の自動調整	「ユーザー最適化」「リーチ重視」「リターゲティング重視」の3つから選択。誘導単価を抑えつつ効果を最大化。

①売上アップ、新規顧客の獲得、商品やブランドの認知向上

TDA-EXPは楽天市場の広告の中では数少ない「楽天関連のサービスではないメディアのみに配信することが可能な広告」です。
楽天のサービスを普段利用していない人にも訴求が可能であるため
楽天を利用していないユーザーを新規顧客にすることや商品や店舗の認知向上、それらに伴う売上アップが期待できます。

配信先は、Meta社が提供している以下のメディアで可能です。

• Facebook
• Instagram
• Metaが提携しているオーディエンスネットワーク（サイトやアプリ）

引用：楽天市場 店舗運営Naviより

Meta社の膨大なメディア利用者に配信することができます。

②商品やセールの良さを伝えやすい

TDA-EXPは全てのキャンペーンタイプが「自動」となっており、煩雑な設定を手動で行ったり原稿編集や画像入稿を行う必要がありません。

Meta社の質が高い機械学習によって、それぞれの人の行動の特徴や興味や関心がある分野の傾向に合わせて、自動で商品名や画像を組み合わせて広告を配信します。
提携しているメディアの豊富な広告フォーマットを活用でき、自動で生成されるクリエイティブで表現できる内容が多いので、広告配信の工数は抑えられていますが商品やセールの良さを確実に伝えることができます。

今後さらに配信機能の充実に加えて、ターゲティング設定や広告フォーマットなどをカスタマイズできる機能が追加される予定です。

③ROASの最適化が可能

日予算や配信ターゲットを自動で調整し、ユーザーごとに最適な広告を効率的・効果的に配信し、誘導単価を抑えることができます。
設定可能なターゲティングは以下です。

　・ユーザー最適化配信
　・リーチ重視配信
　・リターゲティング重視配信

TDA-EXPの利用開始までの4つの手順とは？

本章ではTDA-EXPの利用開始手順についてご紹介します。

項目	具体的な操作・設定内容
➀RMS広告メニューへアクセス	RMSトップの「広告・アフィリエイト・楽天大学」＞「1. 広告（プロモーションメニュー）」をクリック
②TDA-EXP管理画面の選択	広告メニュー一覧から「ターゲティングディスプレイ広告-エクスパンション（TDA-EXP）」を選択
③TDA-EXPの利用申し込み	画面の案内に従い、TDA-EXPの利用申し込み（利用規約への同意等）を完了
④キャンペーンの新規作成	「新規作成」ボタンを押下し、各項目を設定して配信を開始

手順➀：RMSの広告メニューへアクセス

RMSの「広告・アフィリエイト・楽天大学」の「1.広告（プロモーションメニュー）」をクリックします。

手順②：TDA-EXP（エクスパンション）管理画面の選択

ターゲティングディスプレイ広告 – エクスパンション（TDA-EXP）をクリックします。

手順③：TDA-EXP（エクスパンション）を申し込む

手順④：キャンペーンの新規作成

TDA-EXPのタブから「新規作成」を押下して以下のステップで広告の設定を行ってください。

• キャンペーンの名称を記入
• キャンペーンのステータスを選ぶ
• 日ごとの予算を記入
• ターゲティングの設定を選ぶ
• （必要に応じて）除外商品を登録

TDA-EXP（エクスパンション）の予算の算出方法とは？

TDA-EXPの予算管理は日次で行います。
予算を変える設定を行うと即座に反映されますので、配信した結果やイベントの有無に合わせて日ごとの予算を調節することができます。

【TDA-EXPの月ごとの予算の推定方法】
　・配信開始前：設定している日次の予算 ✕ その月の残りの日数
　・配信期間中：前日までに消化した広告費 ＋（設定している日次の予算 ✕ その月の残りの日数）

TDA-EXP（エクスパンション）を利用する際に注意すべき点とは？

TDA-EXPは非常に強力な集客ツールですが、楽天市場内の広告（RPPなど）とは運用の性質が大きく異なります。成果を最大化し、無駄な広告費を抑制するために、導入前に必ず押さえておくべき4つの注意点を解説します。

注意すべき項目	概要・対策	具体例・運用のポイント
配信対象商品の除外登録	意図しない商品の広告配信を防ぐため、必ず除外設定を行う	在庫僅少、低利益、季節外れの商品など、広告費の無駄になるものは除外
商品画像のクオリティ	商品画像がそのまま配信されるため、商品画像をきれいにする	SNSに馴染む清潔感のある画像やライフスタイル画像がクリック率向上に寄与
機械学習の安定期間	配信開始直後はAIの学習フェーズ。短期的な数値で判断しない	開始から1〜2週間は設定を固定する。少額すぎる予算は学習が滞るため避ける
評価指標（KPI）の設定	RPP広告等の「内」広告とは、指標を切り分けて評価する	直接のROASだけでなく、「新規顧客数」「LTV」などを加味して判断する
予算の管理と推計方法	日次予算の仕組みと、月間予算の計算ロジックを把握する	日次予算は即時反映される。残日数を計算し、着地予算を常に意識する

配信したくない商品は必ず「除外登録」が必要

TDA-EXPはデフォルトの状態では、店舗内の多くの商品が配信対象の候補となります。そのため、意図しない商品の広告が楽天外メディアに流れてしまうリスクがあります。

【除外登録を行うべき商品の具体例】

• 在庫僅少商品： 広告経由でアクセスしても購入できない場合、広告費の無駄遣い（クリック損）になります。
• 低単価・低利益商品： 外部広告のクリック単価（CPC）に対して利益が見合わない商品は除外を推奨します。
• 季節外れの商品： 夏に冬物コートが表示されるなど、ユーザーニーズと乖離があるものは除外します。

商品画像の質が成果を直接左右する

TDA-EXPはバナーを自動生成するため、RMSに登録されている「商品画像」がそのままMeta社の広告枠に配信されます。

引用：楽天市場 店舗運営Naviより

商品画像がそのまま広告配信に使用されるので、工数がかからないというメリットはありますが商品画像の質によっては広告効果を著しく低下させてしまう可能性もあるため注意が必要です。

機械学習の「学習期間」を考慮した運用が必要

TDA-EXPはMeta社の高度な機械学習を利用して配信を最適化します。そのため、配信開始直後はAIが「どのユーザーに配信すべきか」を学習している最中であり、数値が安定しないことがあります。

【運用のポイント】

1. 配信開始から少なくとも1〜2週間は、予算や設定を頻繁に変更しない。
2. 少額すぎる日予算では、学習に必要なデータがたまらず最適化が進まない可能性がある。
3. 短期的なROASの乱高下に一喜一憂せず、最低でも1ヶ月単位で評価を行う。

RPP広告などの楽天市場「内」広告とは評価指標を分けて考える

TDA-EXPは楽天外の潜在層にアプローチするため、すでに購買意欲が高い層を狙うRPP広告に比べると、直接的なROAS（広告費用対効果）は低く出やすい傾向があります。

楽天市場内の広告と比較して、広告効果が悪くとも「新規顧客」の獲得に寄与している可能性が非常に高いため、経由での新規顧客数やLTVを加味して評価する必要があります。

日次予算の管理と「月間の着地予算」の算出方法

TDA-EXPの予算管理は「日次」で行うのが基本です。予算設定を変更すると即座にシステムへ反映されるため、配信結果やイベント（お買い物マラソン等）の有無に合わせて柔軟に調節できるメリットがあります。

一方で、月間での利用金額を把握するためには、以下の計算式を用いて「その月の着地見込み」を常に意識しておく必要があります。

【TDA-EXPの月ごとの予算推計ロジック】

• 配信開始前：設定している[日次の予算×その月の残りの日数]
• 配信期間中：前日までに消化した広告費 ＋（設定している日次の予算×その月の残りの日数）

「日次予算を上げたまま忘れてしまい、月末に予算オーバーしてしまった」という事態を防ぐためにも、設定変更の際は月間の着地予測を確認する習慣をつけましょう。

TDA-EXP(エクスパンション)に関するよくある質問

TDA-EXP(エクスパンション)についてのまとめ

TDA-EXPについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか？
楽天の広告の中では、楽天グループ外に発信できる広告はTDA-EXPのみですので上手に活用していきましょう。

最後に、本記事の要点を箇条書きでまとめていますので是非参考にしてみてください。

【TDA-EXPの概要と外部広告の重要性】

• TDA-EXPとは： 楽天市場外のメディア（主にMeta社のFacebook/Instagram）に広告を配信できる唯一のディスプレイ広告メニュー。
• 外部アクセスの必要性： * ユーザーが楽天関連サービスに滞在する時間は1日の中でも限られている。
  • SNSなど「楽天外」の生活動線にタッチポイントを作ることで、売上最大化を狙える。
  • 楽天市場内広告よりも、新規顧客の獲得力が高いという特徴がある。

【導入による3つの主要なメリット】

• 新規客の獲得と認知拡大：楽天を普段利用していない層へアプローチし、店舗のファン層を広げられる。
• 運用工数の大幅削減：キャンペーンは「自動」設定。
• 効率的なROAS最適化：「ユーザー最適化」「リーチ重視」「リターゲティング重視」から選択可能。
  • AIによる予算・ターゲットの自動調整により、誘導単価を抑えた運用ができる。

【利用開始の手順】

• 開始手順（5つのステップ）：
  1. RMSの「広告（プロモーションメニュー）」へアクセス。
  2. TDA-EXP管理画面を選択し、利用申し込み。
  3. 新規キャンペーンを作成。
  4. キャンペーン名称・日予算・ターゲット戦略を設定。
  5. 必要に応じて「除外商品」を登録。

【運用成功のための4つの注意点】

• 除外登録の徹底： 在庫僅少品や低利益・季節外れの商品は、無駄な広告費を抑えるために必ず除外する。
• 商品画像の質： SNS（Instagram等）に配信されるため、楽天向けの文字の多い画像より、清潔感のあるライフスタイル画像がクリック率（CTR）を高める。
• 学習期間の確保： 機械学習を安定させるため、開始後1〜2週間は予算や設定を固定し、最低1ヶ月単位で評価する。
• KPIの差別化： 顕在層を狙うRPP広告等と比較せず、**「新規獲得数」や「LTV（顧客生涯価値）」**を軸に評価する。
• 予算管理： 日次予算設定のため、イベント（お買い物マラソン等）に合わせた柔軟な変更が可能。

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