楽天市場でCVR(転換率)が改善できないのはなぜ?CVR向上のためのおすすめ施策8選もご紹介!

楽天市場では「アクセス数があるのに売上が伸びない」「広告を出しても思ったほど成果が出ない」という悩みを抱える店舗が多くあります。そんな中で大きなカギとなる指標が「CVR(コンバージョン率/転換率)」です。

本記事では、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が楽天市場でのCVR改善にフォーカスし、なぜ改善できないのか/どうすれば上がるのかを、初心者にもわかるよう丁寧に解説します。

【結論】楽天市場でCVRを改善できない主な原因とは?

まず最初に結論からお伝えします。
楽天市場でCVRが改善しない原因は、複雑に見えて大きく以下の3つに集約されます。

  • 商品ページに“購入を決断させる構造”が足りない
  • 価格・送料・配送・決済などの“購入ハードル”が高く、離脱を招いている
  • 期待値とページ内容がズレている/競合比較で負けている

CVR改善は「ちょっと画像を直せば上がる」レベルではありません。
ユーザーがページに訪れてから購入に至る“心理導線”を整えることが本質です。

CVR改善は、店舗運営において最も費用対効果が高く、得られるメリットが非常に大きいのも特徴の1つです。

  • 広告費をかけずに売上UP
  • アクセスに依存しない売れる仕組み
  • 安定した売上成長

この記事を参考に、正しいCVR改善で店舗の売上を伸ばしていきましょう!

楽天市場でCVRを改善するにはどんな対策が効果的なのか?

楽天市場におけるCVR改善の本質は「原因を正しく理解し、それに対応した具体施策を実行すること」です。

ここからは、これらの課題を解決し、実際にCVRを引き上げていくための具体的な8つの改善ポイントは以下の通りです。

  1. 価格・送料
  2. クーポン
  3. ポイント
  4. 特典・プレゼント
  5. 納期
  6. 商品ページ
  7. レビュー
  8. 店舗内回遊

施策は「すぐに取り組めるもの」「費用対効果が高く成果が出やすいもの」から順番にまとめています。

価格・送料・クーポン・商品ページ改善といった、楽天特有の売れ方に合わせた施策を実践することで、同じアクセス数でも売上を2倍以上に伸ばせる可能性があります。

それでは、効果の高い施策から順に解説していきます。

対策1:価格・送料

転換率に影響する要素は様々ありますが、最も影響が大きいのは価格を調整し競合他社よりも安く販売することです。
具体的な対策内容としては、他社の類似商品の価格を確認し、自社商品が最安値に合わせられるか検討します。
このとき、送料も含めた価格で最安値をとれるようにすることが前提になりますので注意しましょう。
値引き額が対応可能な範囲の場合、以下の順に値下げを検討します。

1.イベントや5の倍数日にのみ値下げを実施
2.1で検索順位が上がらない場合、通常時もしくは自社独自イベント時に値下げを実施

対策2:クーポン

価格調整の次に有効な方法はクーポンです。価格調整と異なり、定価を維持しつつ一時的に値下げが可能になります。
楽天市場でのクーポンは4種類あり、店舗側で設定内容の調整ができるのは1~3です。

1.配布型クーポン:店舗内で獲得を促進することで、ユーザー自身が獲得するクーポン
2.自動付与型のサンキュークーポン:商品購入後、自動でユーザーに付与されるクーポン
3.クーポンアドバンス:クーポン付きの運用型広告、検索結果画面で値引きされているように表示される
4.楽天発行クーポン:楽天側で不定期に発行されるクーポン

【クーポン発行画面】

【クーポンアドバンス広告】

クーポンの割引額はターゲットを想定しつつ設定しますが、効果検証をしつつ効率の良い割引額に調整していきます。

クーポンアドバンス広告については、下記記事で詳しく解説しているので読んでみてください。

想定されるターゲット・割引額

・新規ユーザー:競合商品の金額を下回るように設定
・リピーター:新規獲得用のクーポンよりも低い価格(割引率)で設定

クーポン発行のタイミング

・スーパーSALE、お買い物マラソン等のモールイベント
・5の倍数日

対策3:ポイント

自社の販売価格は下げたくない(メーカー等卸との兼ね合いで下げられない)ものの、競合他社商品に価格で負けている場合はポイントを活用することで売上を上げることができます。
競合商品の金額を下回る倍率で設定することで新規獲得を強化することも可能です。
楽天市場におけるポイント設定は大きく3種類あります。

・楽天市場実施のキャンペーン
・店舗作成の独自のキャンペーン
・商品別のポイント変倍設定

楽天実施のキャンペーンは必ず実施できるわけではありませんが、申し込むことで実施可能店舗として選定されると、楽天負担でポイントキャンペーンを実施することができます。
店舗作成のキャンペーン、商品別のポイント変倍設定はポイント原資を店舗側で実施する必要がありますが、店舗のタイミングで、店舗が設定したいポイントを設定可能です。

【ポイント変倍設定画面】
   

ポイント変倍率はクーポンの割引額同様にターゲットを想定しつつ設定しますが、効果検証をしつつ効率の良い変倍率に調整していきます。

想定されるターゲット・変倍率

・新規ユーザー:競合商品の金額を下回るように設定
・リピーター:自社の利益から逆算して、許容できる最大のポイント倍率を把握した上で、5倍ずつポイント倍率を刻んで設定

クーポン発行のタイミング

・スーパーSALE、お買い物マラソン等のモールイベント
・5の倍数日

対策4:特典・プレゼント

価格・クーポン・ポイントでの調整が難しい、または他社最安値に合わせても転換率が向上しない場合は商品購入での特典やプレゼントをつける施策を実施します。
特に転換率を上げたい商品と親和性の高い特典をつけることで大きく転換率を伸ばすことが可能です。
例えば、スマホケースの場合はスマホの充電コードを付けたり、化粧水の場合はパックのサンプルを付けたりするとよいかと思います。
特典が消耗品の場合はクロスセルでのリピート購入への引き上げも期待できます。

対策5:納期

価格、クーポン、ポイントの実施で転換率があまり上がらない場合は配送納期が他社商品より遅い可能性があります。特にあす楽設定をした場合は検索結果画面にアイコンがつきますので、消費者からの視認性が上がり転換率向上に寄与する可能性が高いです。

【検索結果画面】

対策6:商品ページ

商品の転換率を向上させるためには、ページを一定の水準の品質まで引き上げる必要があります。
消費者から見た時に信頼を得られ、購入の意思決定を助ける内容になっていることが重要です。
以下制作時のポイントをおまとめしましたので確認してみてください。

1.キャンペーン内容:ページ冒頭でキャンペーンを訴求することで、まずページを読む気を起こさせましょう
2.基本的な商品情報:商品のイメージが湧く画像を差し込み、どういう商品なのかの全体像を伝えます
3.実績訴求:「楽天でのランキング受賞」「楽天外部での受賞歴」「インスタでの掲載内容」「レビュー内容の記載」などを掲載し、商品への信頼感を醸成します
4.商品詳細情報:他の商品と比較してどこがすごいのか、具体的なセールスポイントなど、この商品に関する具体的な情報を記載しましょう
5.今買うべき理由:期間限定キャンペーンなどは必ず記載しましょう
6.レビューキャンペーン:最後に「レビュー記入でクーポンプレゼント」などのキャンペーンでレビューを促進しましょう

対策7:レビュー

レビューは商品の転換率を上げるための重要な要素の一つです。
点数は最低でも4点以上、件数は競合他社の件数にあわせることが目安となります。
レビューを増やすためにはレビューキャンペーンの実施が効果的で、以下2パターンあるのでぜひ実施してみてください。

1.レビュー記載で〇〇円OFFクーポンプレゼント
2.レビュー記載で〇〇プレゼント(エコバッグ、タオル、スマホ充電コードなど)

特に2の場合は商品と親和性の高いプレゼントだと記載率が大きく伸びる傾向にあります。
通常時ですと記載率は1~3%に落ち着き、レビューキャンペーンを実施すると4~10%まで伸びることがあります。

対策8:店舗内回遊

商品ページでの転換率対策をやり切った後は回遊施策によって店舗全体の転換率向上を目指します。
商品ページから別の商品ページへ回遊させる際のポイントは、同じジャンルの商品ページへ回遊させることです。
例えば、カーディガンの商品ページからはニット系の商品ページというように、消費者の潜在的なニーズを想定し回遊バナーを設置していきます。

商品ページから他商品ページへの回遊の際は、アップセルを狙える商品への回遊を強化することで客単価の向上にも繋がります。
この際のポイントは、もとのページの商品よりも若干価格が高いけれども魅力的な内容(機能、効果・効能など)になっていることが重要なポイントになります。

また、関連商品ページ以外にも様々な切り口での回遊も有効となります。
価格から選ぶ、サイズから選ぶ、使用用途から選ぶなどこちらの場合も消費者の潜在的なニーズを想定し設置していくことが重要です。

楽天市場でCVR改善に成功した具体例は?

CVR改善は抽象的に聞こえますが、実際の成功例を知ることで施策が明確になります。
ここからは、具体的なCVR改善事例をご紹介いたします。

具体例1:クーポン施策でCVRが2〜3ポイント改善

効果が出やすく、初心者でも取り組みやすいのがクーポン・ポイント施策による成功例です。価格を下げずに“お得感”を演出でき、CVRに直結する結果となりました。

改善した内容

  • 3,000円以上で300円OFFのクーポンを常時発行
  • クーポンのリンクをファーストビューに配置
  • スマホ表示でクーポンが見やすいUIに改善

結果
CVRが 2〜3ポイント改善
広告費なしで売上が大きく伸びた。

ポイント

  • クーポンは「購入を迷うユーザーへの最終一押し」として機能
  • 常時クーポンは“値下げせずお得感を演出”できて利益率も維持
  • スマホで見える位置へ配置するのがCVR改善のコツ

具体例2:商品ページの全面リニューアルでCVRが3.5ポイント改善

CVR改善でもっともインパクトが大きいのは、ページ改善です。
商品の魅力を“画像中心”で伝えることで、ユーザーが購入を決めやすくなります。
ポイントやクーポンなどの施策よりも工数はかかりますが、その分インパクトも大きいのが特徴です。

改善した内容

  • 1枚目の画像を「メリットが伝わる」デザインに変更
  • Before/After・使用シーンの画像を追加
  • 問題解決型のキャッチコピーに変更
  • レビュー引用画像・受賞歴をページ上部へ
  • モバイルの読み込み速度を改善

結果
CVRが3.5ポイント上昇

ポイント

  • 画像の改善は短期間で高い効果を発揮しやすい
  • “悩み → 解決 → 実績” の流れにするだけでユーザーが納得しやすくなる

また、RPP広告の転換率を上げる具体策については以下の動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。

楽天市場でCVRが上がらない時のよくある質問(FAQ)

CVR改善で特に多い質問に、実務者視点でわかりやすく回答します。

Q1:アクセス数は十分あるのに売れないのはなぜ?

  • ページの訴求不足
  • 購入ハードル(送料・納期)の高さ
  • 競合との比較負け

このいずれかが原因です。
アクセスがある=需要はあるため、改善余地が非常に大きい状況です。

Q2:楽天市場の平均CVRはどれくらい?

ジャンルにもよりますが、おおよそ 2〜3% が平均ラインです。

  • リピート品:高め(3〜6%)
  • 高価格帯:低め(1〜2%)

自社のジャンル特性を把握し、現実的な目標を設定することが大切です

Q3:クーポン・ポイント施策はやったほうがいい?

はい。特に楽天市場では“お得感”が購入理由として強く働くため、CVR改善に直結します。
コストを抑えつつCVRを上げられるため、最初に取り組むべき施策です。

Q4:スマホ対応はどれくらい重要?

極めて重要です。
楽天市場のユーザーの7割以上はスマホで閲覧するため、

  • スマホ画像最適化
  • ファーストビュー構成
  • 読み込み速度改善
    は必須です。

Q5:改善してからどれくらいで効果が出る?

  • ページ改善 → 1〜2週間
  • 価格・納期改善 → 即日
  • 回遊・競合対策 → 1〜3ヶ月

“継続的な改善サイクル”を回すことで、CVRは着実に上がります。

【まとめ】転換率(CVR)改善は売上アップの特効薬!今すぐ見直すべき4つのポイント

本記事では、アクセスを集める前に必ず整えておくべき「転換率(CVR)」の改善策について解説しました。

いくら広告で集客しても、ザル(CVRが低いページ)で水を掬うような状態では、利益は残りません。

以下のチェックリスト(表)を参考に、自店のページが「お客様が買いたくなる状態」になっているか、改めて診断してみてください。

▼ 楽天CVR改善チェックリスト

改善カテゴリユーザー心理具体的なチェック項目・施策
① 商品画像・LP
(視覚情報)
「欲しい!」
「自分に合いそう」
・1枚目画像(サムネイル): 文字入れ、権威性(ランキングNo.1等)はあるか?
・スマホ最適化: 文字サイズは適切か?縦長で見やすい構成か?
・ベネフィット提示: スペックだけでなく「使うとどうなるか」が伝わるか?
② 価格・オファー
(お得感)
「今買わなきゃ」
「他より得だ」
・クーポン/ポイント: 競合と比較して見劣りしていないか?
・限定感の演出: 「5のつく日」「期間限定」などのバナーを目立つ位置に配置しているか?
・松竹梅の法則: 比較検討させ、選びやすくする価格設定ができているか?
③ 信頼性・レビュー
(安心感)
「失敗したくない」
「みんな買ってる」
・レビュー施策: 直近のレビューが入っているか?(レビュー投稿クーポンの活用)
・店舗の信頼感: 配送スピード(あす楽・優良配送)や、受賞歴のアピールはできているか?
④ 導線・ユーザビリティ
(買いやすさ)
「面倒くさい」
「迷う」
・カート周り: 項目選択肢(色・サイズ)は選びやすいか?
・回遊バナー: 類似商品やセット商品へのリンクは適切か?(離脱防止)

CVR改善は「小さな積み重ね」が鍵

転換率は、魔法のように一撃で上がるものではありません。上記の表にあるような「お客様の不安を取り除く作業」「背中を押すオファー」を一つひとつ積み重ねることで、確実に数字は上向いていきます。

「分析する時間がない」「どこから手をつけていいかわからない」という場合は、ぜひ一度弊社Proteimumにご相談ください。

現状のデータを分析し、貴店にとって最もインパクトの大きい「CVR改善の処方箋」をご提案いたします。

EC無料診断

Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

大学卒業後、楽天株式会社に入社。 初期配属は東北エリアグループにて、牛タンやりんごなどの東北の名産品の販売支援に従事。 その他、アパレル業界を専門として、大手企業を中心に各種ECコンサルティング活動に従事 (のべ担当店舗数700以上)。楽天を卒業後、経営コンサルタントの道へ進み、小売企業を中心に様々な業界において経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、実行支援、EC戦略策定等)その後、株式会社Proteinumを創業。”EC業界にとってなくてはならない存在に”をミッションに、現在は自社ブランドの立ち上げとクライアントのEC事業の支援に従事。

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