楽天市場で客単価をアップさせる4つの実践施策!

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はじめに

客単価は「注文個数を増やす仕組み」で上がる!
楽天市場で客単価を上げるには、一件あたりの注文個数を増やす施策が最も効果的です。
今すぐ実践できる4つの方法

  1. 送料バーの設定(例:5,000円以上で送料無料)
  2. 複数買いクーポン(例:3個購入で300円OFF)
  3. 金額別割引クーポン(例:5,000円以上で20%OFF)
  4. 同梱商品の提案(ページ内に関連商品を配置)

本記事では、これらの施策を実際にどう設定するか、具体的な手順と数値例を交えて解説します。

客単価の仕組みについて

ここでは客単価の仕組みについて解説していきます。

客単価とは?

ビジネスで最も重要な指標の一つ客単価とは、顧客が一度の購入で支払う平均金額を指します。

計算式:客単価 = 総売上金額 ÷ 顧客数

例えば、月間売上が300万円で購入客数が150人なら、客単価は2万円です。

この指標は単なる数字ではなく、マーケティング戦略や販売効率を最適化するための羅針盤となります。
広告費の回収率や在庫戦略にも直結するため、EC事業者にとって常に把握すべき数値です。

EC特有の客単価の考え方

楽天市場のようなECサイトでは、客単価をさらに分解して考えます。

客単価 = ①一件あたり注文個数 × ②商品単価

多くのEC店舗では「売上 = アクセス数 × 転換率 × 客単価」という公式を意識していますが、アクセス数や転換率の改善に比べて客単価対策は見落とされがちです。

なぜ②商品単価ではなく①注文個数に注目するのか?

②の商品単価を上げる(値上げする)方法は、既に最適価格で販売している前提では現実的ではありません。価格を上げれば競合に顧客が流れる可能性が高まります。

そのため、本記事では①注文個数を増やす方法に焦点を当てます。

ただし、商品ラインナップ戦略として、単価が高い商品(例:2,000円の単品→5,000円のセット商品)を広告で注力販売する方法も有効です。

EC特有の注意点|送料負け対策

ECでは送料が発生するため、商品単価が低すぎると送料で利益が圧迫されます。目安として送料が売上の10%以内に収まるよう単価設定が必要です。

例:商品単価800円、送料700円の場合 → 送料が売上の約47%を占め、利益が出にくい

客単価が下がる3つの原因と対策

施策を実行する前に、なぜ客単価が下がるのかを理解しておきましょう。

原因1. 低価格商品の販売比率が高い

状況: セール商品や低価格帯の商品ばかりが売れている状態です。
影響: 短期的には売上個数が伸びますが、客単価は低下し、利益率も圧迫されます。
対策:セット商品や高単価商品を広告で露出/低価格商品購入時に高単価商品をレコメンド

原因2. 購入点数が減少している

状況: 顧客が必要最低限の商品しか購入しなくなっている状態です。
影響: 一度の購入で1個しか買わない顧客が増えると、客単価は商品単価とほぼ同じになります。
対策: → 本記事で紹介する「複数買いを促す施策」が有効

原因3. 価格競争の激化

状況: 競合が値下げ合戦を繰り広げ、価格だけが購入の決め手になっている状態です。
影響: 販売価格が下がり続け、利益率が低下します。顧客も価格にしか注目しなくなります。
対策:価格以外の価値(品質、サービス、特典)を訴求/クーポンで「まとめ買いした方がお得」という構造を作る

客単価を上げる4つの具体的施策【実装手順付き】

ここからは客単価を上げる4つの具体的施策について解説します。

施策1. 送料バーを設定する

送料バーとは?

「○○円以上購入で送料無料」という購入金額のラインを設定する施策です。

なぜ効果があるのか?

顧客は送料を「損」と感じやすいため、「あと少し買えば送料が無料になる」と気づくと追加購入する傾向があります。

設定例

ケース:雑貨店(現状客単価4,000円)

  • 現状:送料700円(全国一律)
  • 施策:5,000円以上で送料無料
  • 効果:顧客は「あと1,000円分買えば700円の送料が浮く」と判断し、追加商品を購入

楽天市場の注意点:39ショップ制度

楽天市場では「39ショップ」という制度があり、3,980円以上の購入で送料無料が実質義務化されています。

例外対象

  • クール便
  • 大型商品(家具、家電など)
  • 離島配送

これらは送料別設定が可能です。

実装手順

  1. 楽天RMS管理画面にログイン
  2. 「3-1. 送料設定」を選択
  3. 「送料無料ライン」を設定(例:3,980円以上)
  4. 商品ページに「3,980円以上で送料無料」のバナーを設置

施策2. 複数買いクーポンを発行する

どんな施策?

同じ商品を複数個購入した場合に適用される割引クーポンです。

なぜ効果があるのか?

顧客心理として「まとめ買いでお得になる」という動機付けが働きます。特に消耗品やストック可能な商品で効果的です。

設定例

ケース:500円のサプリメント販売店

  • 通常価格:500円/個
  • 施策:5個購入で300円OFFクーポン
  • 計算:2,500円→2,200円(12%割引)
  • 効果:客単価が500円から2,200円に向上

設定個数の決め方(重要)

ステップ1:現状の平均購入個数を確認

  • 楽天RMS「データ分析」→「売上分析」から確認

ステップ2:実現可能なラインに設定

ポイント: 現状から「少し頑張れば届く」ラインが理想的です。高すぎる設定は逆効果になります。

実装手順

  1. 楽天RMS「2-2. クーポン」を選択
  2. 「店舗内全商品対象クーポン」を作成
  3. 「購入個数条件」を設定(例:3個以上購入で適用)
  4. 割引額を設定(例:300円OFF)
  5. 商品ページに「3個買うと300円お得!」と明記

施策3. 金額別割引クーポンを配布する(例:5,000円以上で20%OFF)

送料バーとの違い

送料無料ではなく、購入金額に応じた割引率を設定する施策です。より高額な購入を促すことができます。

なぜ効果があるのか?

「普通に3,500円分買うより、5,000円分買って20%割引を受けた方が実質お得」という判断が働きます。

設定例

ケース:化粧品店(現状客単価3,500円)

  • 施策:5,000円以上で20%OFF
  • 計算:5,000円×0.8=4,000円(実質支払額)
  • 比較
    • 通常購入:3,500円
    • クーポン利用:4,000円で5,000円分購入
  • 効果:客単価が3,500円→5,000円に向上(約43%アップ)

実施タイミング

この施策は以下のイベント時に特に効果的です。

実装手順

  1. 楽天RMS「2-2. クーポン」を選択
  2. 「購入金額条件付きクーポン」を作成
  3. 最低購入金額を設定(例:5,000円以上)
  4. 割引率を設定(例:20%OFF)
  5. 配布期間を設定(イベント期間中)
  6. トップページと商品ページにバナー設置

施策4. 同梱率が高い商品をページ内に配置する

同梱率とは?

「その商品とよく一緒に買われる商品」の割合です。Amazon風に言えば「よく一緒に購入されている商品」です。

なぜ必要?

楽天の商品ページは他ページへの導線が弱い構造になっています。そのため、ページ内で積極的に関連商品を提案しないと、追加購入に繋がりません。

データの見つけ方

ステップ1:楽天RMSで同梱商品を分析

  1. 「データ分析」→「購買分析」を選択
  2. 「併売分析」をクリック
  3. 対象商品を選択
  4. 一緒に購入されている商品ランキングを確認

ステップ2:上位3〜5商品をピックアップ 同梱率が10%以上の商品を優先的に選びましょう。

実装例

ケース:高級シャンプー販売ページ
メイン商品: ボタニカルシャンプー(2,980円)

同梱率が高い商品

  1. 同シリーズのトリートメント(2,480円)- 同梱率28%
  2. ヘアオイル(1,980円)- 同梱率15%
  3. 頭皮ケアブラシ(1,200円)- 同梱率12%

ページ内の配置場所

  • 商品説明文の中間〜下部
  • カートボタンの直前
  • レビューの下

訴求文の例
【この商品を買った人の68%が一緒に購入!】
シャンプー+トリートメントのセットなら
→ 5,000円以上で送料無料&20%OFFクーポン適用!

実装手順

  1. 商品ページ編集画面を開く
  2. 商品説明文(HTML)に関連商品セクションを追加
  3. 商品画像とリンクを設置
  4. 「よく一緒に購入されています」などの見出しを追加
  5. 可能であれば「セット購入で○○円お得」と具体的な金額を明記

FAQ(客単価アップ施策でよくある質問)

Q1. クーポンの原資(割引分)はどこから出すべき?

A. 広告費の一部をクーポンに振り分ける考え方が有効です。

計算例

  • 現状:広告費率15%、客単価3,000円
  • 施策後:広告費率12%、クーポン3%、客単価5,000円
  • 結果:1件あたり粗利は増加

客単価が上がれば1件あたりの粗利も増えるため、長期的にはプラスになります。

Q2. 39ショップに対応すべき?

A. 楽天市場で本格的に販売するなら対応を強く推奨します。

理由

  • 検索結果で「送料込み」表示になる
  • 顧客が価格比較しやすくなる
  • 送料が理由で離脱されるリスクが減る

ただし、クール便や大型商品など例外もあるため、商材に応じて判断しましょう。

Q3. 客単価施策の優先順位は?

A. 以下の順番で実施するとスムーズです。

優先度:高

  1. 送料バー設定(設定が簡単で即効性がある)
  2. 複数買いクーポン(消耗品を扱う店舗に特に有効)

優先度:中 3. 金額別割引クーポン(イベント時に実施)
優先度:やや低 4. 同梱商品の配置(データ分析と実装に時間がかかる)

まずは取り組みやすい施策から始め、効果を検証しながら他の施策も導入しましょう。

Q4. 客単価が上がると何が変わる?

A. 以下のような好循環が生まれます。

Q5. 客単価アップ施策で失敗するパターンは?

A. 以下のような失敗例があります。

失敗例1: 高すぎる送料バー設定

  • 現状客単価3,000円なのに、10,000円以上で送料無料 → 顧客にとって非現実的

失敗例2: 割引率が低すぎるクーポン

  • 5,000円以上購入で50円OFF → 顧客にメリットが感じられない

失敗例3: 関連性のない商品を提案

  • シャンプー購入者に食品をレコメンド → 同梱率が上がらない

まとめ

楽天市場で客単価を上げるには、価格を上げるのではなく「一件あたりの注文個数」を増やすことが効果的です。

本記事で紹介した4つの施策は、いずれも今日から実装可能なものばかりです。送料バーの設定や複数買いクーポンは設定が簡単で即効性があるため、まずはここから始めましょう。金額別割引クーポンはイベント時に、同梱商品の提案は中長期的な改善策として取り組むのがおすすめです。

重要なのは、施策を実施したら必ずデータで効果を確認し、改善サイクルを回すことです。現状の平均購入個数や客単価をRMSで確認し、顧客にとって現実的なラインで条件設定を行いましょう。客単価が上がれば一件あたりの粗利も増え、広告費率の改善にもつながります。

すぐにでも実施できる内容ですので、ぜひ試してみてください。

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