YouTube活用でEC売上アップ|メリットや活用事例を紹介

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ECサイトと比較し、1日の接続時間が長いと言われるSNS。
スマートフォン普及後インターネット利用時間も年々増え、総務省情報通信政策研究所「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>」によると、2022年に休日のインターネット利用時間がテレビ視聴時間を初めて超過したという調査結果が出ています。

中でもYouTubeを含む動画投稿・共有サービスの視聴時間は全年代平均で1時間を超える結果になり、生活の一部となりつつあります。
現在YouTuberは大きな影響力を持つようになり、YouTube出身のタレントや起業家が誕生したりする中、数多くのEC事業者も参入しています。

本記事ではEC事業者として、SNSの中でも影響力の大きなYouTube活用のメリットやポイント、売上を伸ばすために実施すべき事、他社事例をご紹介いたします。

1.YouTubeとECの関係性

1-1.ショッピング機能の拡充

2022年7月よりYouTubeとShopifyの連携が可能になり、Shopifyで商品を販売しているEC事業者であれば、YouTubeでライブ配信中に商品にタグ付けができたり、動画下に購入可能な商品リストを表示することが可能です。
上記のことからYouTube自体がショッピング機能の拡充を進めており、EC事業者としてはますます目が離せない存在となっております。
(現在YouTubeショッピング連携が可能なカートが続々と増えています。)

1-2.2人に1人がYouTube動画視聴きっかけで商品購入

動画マーケティング支援などを手がける株式会社エビリーが公開しているデータ(2023年1~12月 YouTube・動画SNS市場概況レポート)によると、20代の77%以上、60代の50%以上がYouTubeを利用していると言う結果が出ています。
加えて無視できないのが「YouTubeを見て商品やサービスを購入・検討したことがある」人が全年代平均で5割を超えており、いまや2人に1人がYouTubeきっかけで商品購入・検討に至っています。
YouTubeきっかけで知った商品をシームレスでECサイトにアクセスできるようになり、EC事業者としては今後必須の集客ツールになると言えるでしょう。

2.ECサイト運用においてYouTubeを活用すべき理由

大きくは以下3点があげられます。

  • 動画により商品理解が深まることで、ECサイトからの購入と言う心理ハードルを下げる
  • 圧倒的に視聴者が多いプラットフォームのため、新規顧客の獲得に寄与する
  • 検索エンジンの一つとしてYouTubeが活用され始めている

では1点ずつ詳細を解説していきます。

2-1.商品理解が深まり購入時の心理ハードルを下げる

まず1つ目ですが、動画による商品への理解度を深める効果です。
ECサイトでは商品の画像とテキストのみの説明になりますが、実際に使用している様子を動画にすることで、より詳しい商品の外観や大きさ、素材感やテクスチャー、効果的な使い方まで紹介することが可能です。
また注文が入ってから実際に梱包して発送するまでの動画などもおすすめです。
ECでお買い物をする際、特にギフト目的の場合、ユーザーが最も気にする点は梱包状況です。
自分が購入した商品が丁寧にきれいに梱包されて届くことが事前に把握出来れば、購入時の心理ハードルも下がり、購買意欲につながるでしょう。

2-2.新規顧客の獲得

2つ目は圧倒的な集客力です。
YouTubeは他SNS媒体同様に独自のアルゴリズムでユーザーにおすすめ動画が表示されます。
競合店や類似商品に関する動画を視聴しているユーザーに対し、おすすめとし動画が自動表示されるため、店舗名や商品名を全く知らない視聴者に対し商品を紹介することが可能です。
動画を多く公開しているほど、おすすめに表示される確率は高くなります。

視聴者数の多いYouTubeを集客エンジンとして使うことで、モール外からの集客が狙えるようになるため、まずはショート動画からでも良いので初めていただくことをお勧めいたします。

2-3.検索エンジンの1つとして活用され始めている

3つ目は、現在YouTubeは検索エンジンとして世界で2番目に位置しているという事です。
ユーザーの日常経済圏内(楽天/Amazon/Yahoo!)で商品を探すことはもちろんですが、自分の悩みや課題にマッチした商品を探す際、GoogleではなくYouTubeで検索するケースが増えてきています。

例えばYouTube「毛穴に効果的な化粧下地」や「長時間デスクワークにおすすめの椅子」などと検索し、実際に商品が紹介されている動画で使用イメージや使用結果を見て、ECサイトに遷移といったケースです。
現在では紹介した商品の購入リンクをYouTube概要欄に掲載している店舗やインフルエンサーも多く、YouTube経由の売上は増加傾向にあると考えられます。

3.EC事業者がYouTubeを活用する際のポイント

3-1.動画の目的を明確にする

動画さえ公開していれば新規顧客の獲得につながるわけではありません。
動画のターゲットと目的を明確にし、動画のコンテンツを決める必要があります。

例えば、家電製品などは「商品の使い方を伝え、購入前の不安を払拭する」、アパレル商品であれば「体系別モデルによる試着で、購入後イメージを想起させる」などです。
まずはターゲットと目的を定め、そのうえで企画・制作を進めましょう。

3-2.制作方法を検討する

いきなり動画撮影、編集と言ってもできる人はまずいないと思います。
自社で内製する場合、機材が無ければまず機材を購入するところから必要になり、撮影、編集可能な人材を確保する必要もあります。

自社で動画制作をするのか、制作会社などに外注するのか予算とスケジュールを立て検討しましょう。
外注の場合、会社によって料金は異なりますが動画1本あたり撮影込みで3~5万円が相場になりますが、大がかりな撮影やスタジオを借りる場合は数十万円かかることもあります。

3-3.動画の長さ

最近ではTikTokやYouTubeショートなど、短い動画が主流になりつつあります。
そこで気にしていただきたいのが動画の長さです。
YouTubeに公開するようの動画は10分程度、それを1分以内に再編集しInstagramや自社のECサイトに流用すると良いでしょう。

3-4.動画に統一感を持たせる

1つのチャンネル内に「店長の趣味ラーメン屋紹介」と「新作コスメ紹介」と言った異なるターゲット、目的の動画を混在させると、視聴者も一体何のチャンネルなんだと困惑し定着していきません。
自社やブランドのイメージとチャンネルの目的に沿った統一感のある動画制作を心がけましょう。

4.ECの売上アップに直結YouTube企業案件

YouTubeがもたらすECへの影響と動画制作のポイントをご紹介しましたが、自社でYouTubeチャンネルを立ち上げ、定期的にコンテンツを公開し続けることは難しいのも事実です。
そこで効果的なYouTube活用方法が「企業案件」です。
YouTubeの企業案件とは、自社商品やサービスをYouTuberに宣伝してもらうマーケティングの一つで、メリットは大きく分けて3つあります。

4-1.YouTubeという媒体の特性から拡散されて話題性が増す

YouTuberのファンはYouTuberが宣伝している商品をX(旧:Twitter)やInstagram・TikTokといった媒体を使って拡散する可能性があります。
ただ一度だけ依頼したYouTuberに宣伝してもらうだけでなく、その動画を見た人が紹介するといった拡散が拡散を呼び、注目を集められる点が企業案件のメリットです。

4-2.狙ったターゲット層にアプローチしやすい

YouTubeの企業案件を行う最大のメリットは、自社商品をYouTuberのファンへ訴求できる点です。
テレビCMやテレビ上での案件は、視聴者を選ばずに放映するためターゲットを絞ることなく商品をアピールすることになります。
しかし、YouTube企業案件の場合はYouTuberのチャンネルに登録しているファンに対してのみ商品を訴求できます。
YouTuberのファンは属性がハッキリしている傾向が高いため、ターゲットを絞ってアプローチすることが可能です。

例えば、20代の美容系女性YouTuberのチャンネルには20代で美容に興味のある女性のファンがつきやすいでしょう。
このようにしてYouTuberのファン属性を把握できれば、企業案件は効果的なマーケティング手法となります。

4-3.継続的に効果がある

YouTubeの動画は一度アップすると長期間にわたりチャンネルに残り続けます。
テレビなどのメディアでの広告ですと、放映されている時間でしか露出はされず、保存がきかないです。
そのため動画が長期的に残り続けるというのはYouTubeの企業案件の大きなメリットといえるでしょう。

5.YouTube広告活用でECサイト売上アップ

圧倒的な集客力を誇るYouTubeは広告の出稿先としても大変魅力的なプラットフォームです。
年々EC事業者も増え、広告競争も激化している今、YouTube広告の活用で売上アップにつなげましょう。
EC事業者におけるYouTube広告活用メリットは以下4点です。

5-1.比較的低予算で運用が可能

ECサイトの広告をYouTubeに出す場合、費用を最小限に抑えられます。低コストで広告を出したいなら、動画サイトのYoutubeが最適です。
YouTubeにはいくつか広告の種類が存在しますが、クリック課金型のもので1クリックあたり数円~数十円と他SNS、WEB広告と比較し安価になっています。

5-2.狙ったターゲットに絞って配信ができる

YouTubeの動画サイトでは、年齢や性別はもちろんのこと居住地や世帯収入、子供の有無などを細かく設定が可能です(未登録ユーザーも多く存在する)。
そのため、狙ったターゲットに目がけて広告を配信することができます。

5-3.ECサイトへの誘導がシームレスで行える

YouTubeでは、潜在層に向けて自社商品のアプローチが行えます。
CMを視聴中、ユーザーが気になったその瞬間、購入サイトにアクセスできる仕様になっています。
YouTube広告特徴の一つとして広告の見出しや外部サイトへの誘導ボタンを設定できるため、購買意欲がピークの瞬間を逃さずECサイトに誘導することが可能です。

6.Youtubeを活用しECサイトの売上を伸ばすコツ

ただYouTubeチャンネルを開設し、動画を投稿するだけでは売り上げは伸びません。
ECサイトの売り上げを伸ばすために、重要になってくるのがYouTubeチャンネルでもしっかりファンを作る事です。
YouTubeチャンネルが面白いとなれば、自然と視聴者が増え、ECサイトへの集客にも繋がるでしょう。

YouTubeでアクセスを伸ばす方法として広告を活用することも1つですが、企業案件としてYouTuberに紹介してもらう、コラボ動画を作成するというものもあります。
また動画投稿の頻度を高くすることも重要です。
いつまでも新しい動画が投稿されないのでは、視聴者は見なくなります。
そうならないように定期的に動画を上げ続けることが大事だと思います。

YouTubeをうまく活用し、ECサイトの売上を伸ばしているチャンネルをいくつか紹介します。

6-1.有隣堂

書籍以外に文具などを取り扱う有隣堂では書店員自ら様々な商品を紹介し、チャンネル登録者数も現在31.9万人(2024年12月時点)まで増えており、Yahoo!店ではYouTube紹介商品がまとめられ、実店舗以外への集客にしっかり寄与している良い例と言えます。

有隣堂のYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@Yurindo_YouTube/featured

6-2.北欧、暮らしの道具店

株式会社クラシコムが運営するライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」は2024年10月にチャンネル登録者数60万人突破、総再生回数も1億5,000万回以上を記録しています。
主要顧客となる35歳以上の女性のニーズに応える企画を強化しており、ECサイトへの誘導に貢献している代表的なチャンネルです。

北欧、暮らしの道具店のYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@hokuoh_kurashi

7.終わりに

YouTubeでは現在ショッピング機能も搭載されており、ますますECとは切り離せないSNSプラットフォームになっています。
ご自身の商品をYouTuberに紹介してもらうのも1つの手ですが、自社の商品を最も熟知している人が商品解説するチャンネルでファンが増えることで、一過性ではない売上が期待できるのもYouTubeの良い点です。

弊社では楽天などのECショップの運営代行を行っていますので、ECショップ運営に関わるご質問やご不明点等がありましたら、下記フォームよりお問い合わせください。

ECにおいて、インフルエンサーを活用するという点においては、下記記事も参考になりますので合わせて読んでみてください。

Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

大学卒業後、楽天株式会社に入社。 初期配属は東北エリアグループにて、牛タンやりんごなどの東北の名産品の販売支援に従事。 その他、アパレル業界を専門として、大手企業を中心に各種ECコンサルティング活動に従事 (のべ担当店舗数700以上)。楽天を卒業後、経営コンサルタントの道へ進み、小売企業を中心に様々な業界において経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、実行支援、EC戦略策定等)その後、株式会社Proteinumを創業。”EC業界にとってなくてはならない存在に”をミッションに、現在は自社ブランドの立ち上げとクライアントのEC事業の支援に従事。

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