楽天スーパーロジスティクス(RSL)とは?概要、料金などを解説

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我々はECにおける総合的な売上向上サービスを展開しています。
楽天、Amazon、Yahoo!ショッピングの大手ECモールや自社サイトのご支援実績のもと、EC売上向上のノウハウをお届けします。

ECサイトを運営する上で物流管理業務は負担が大きいため、できるだけ手間を減らしたいと考えている方も多いでしょう。
そのような方におすすめなのが、「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」です。
本記事では、楽天スーパーロジスティクス(RSL)」について特徴やメリット、料金体系などを解説いたします。

Contents

1.楽天スーパーロジスティクス(RSL)とは

楽天スーパーロジスティクス(RSL)とは、楽天市場に出店している店舗向けの物流アウトソーシングサービスです。商品の入荷作業から保管、発送といった物流業務を一括して依頼できます。
最新の作業機器や情報システム、丁寧なオペレーションによって店舗運営をサポートしてくれます。

楽天はワンデリバリー構想を掲げており、EC店舗向け総合物流サービスに注力していますが、その一つのサービスになります。物流・配送の効率化に取り組み、出店店舗に効率性の高い保管・出荷サービスを提供することで、安定したEC店舗運営を実現しようとしています。
倉庫は各地方にあり、千葉県流山市、千葉県習志野市、神奈川県大和市、大阪府枚方市、福岡県糟屋郡などに拠点があります。

料金体系としては、利用規模に応じた柔軟なプランが提供されており、活用するメリットとしては、迅速な配送による顧客満足度の向上、固定費の削減など多くあります。

本記事では楽天スーパーロジスティクス(RSL)の概要、料金体系、AmazonのFBAとの違いなどについてご説明します。FBAについては以下の記事でご説明していますので併せてご覧ください。

2.楽天スーパーロジスティクス(RSL)のサービス内容

サービス内容概要
入荷・検品事業者から入荷した商品を検品・納品処理対応
商品保管RSL倉庫での在庫管理
(温度・湿度管理対応もあり)
注文処理・梱包楽天市場の注文と自動連携し、即時処理
発送最短当日出荷にも対応
返品・交換処理お客様対応も含めた返品対応が可能
配送状況の追跡購入者・店舗双方が確認可能な配送ステータス連携

2-1.入荷・検品

EC事業者は、OMS(Order Management System:受注管理システム)を通じて、楽天スーパーロジスティクス(RSL)に納品予定情報として入荷指示を送信します。RSLは共有スケジュールに基づき、EC事業者またはメーカーから納品された商品を受け入れ、検品を実施します。

2-2.商品保管

納品された商品は、出荷指示に迅速に対応できるよう、広大な倉庫で適切に保管されます。RSLでは、消費期限のある食品・飲料・サプリメントなども扱っており、期限管理を徹底。期限が近い商品から優先的に出荷するなど、きめ細かな商品管理が行われています。

2-3.注文処理・梱包

お客様の注文が入ると、OMS経由でRSLに出荷指示が送られ、倉庫スタッフが丁寧に梱包・出荷を行います。ギフトラッピングやメッセージカード封入などのオプション対応も可能です。

RSLが使用する梱包資材には楽天のロゴが入っておらず、楽天市場以外のプラットフォームでも共通して使用できるため、事業者にとって利便性が高い点も特長です。また、出荷指示は楽天内の倉庫連携システム「BOSS(Back Office Support System)」を活用して自動化することも可能です。

2-4.発送

RSLからの発送は日本郵便を通じて行われ、365日対応しています。土日祝日や年末年始でも発送が可能です。

15時までの注文で翌日配送に対応するなど、スピード感のある出荷が実現されています。さらに、楽天市場のお買い物マラソンやスーパーセールといったイベントスケジュールにも対応しており、各店舗の注文増加にも柔軟に対応できる体制が整っています。

2-5.返品・交換処理

購入者都合による受取拒否や返品が発生した場合でも、RSLが受け取りと検品を行います。EC事業者への返品通知や、事業者倉庫への返送にも対応しています。

返送が発生した際は、システム上で通知を確認でき、事業者側が適切な処理方法を選択できる仕組みになっており、安心して運用することが可能です。

3.楽天スーパーロジスティクス(RSL)のメリット

①立ち上げ時に専任担当者からのサポートを受けられる

楽天スーパーロジスティクスに申し込みをし、進めると専任の担当者がつき、楽天市場での店舗立ち上げに関するサポートを受けられます。

サポートでは、費用面や商品のことなど、不明点を気軽に聞くことができます。担当者はネットショップを立ち上げる時のポイントを理解しているので、初めて楽天市場に出店する人や物流アウトソーシングを利用する人でも安心して利用できます。

②あす楽に対応ができる

普段店舗から自社発送をされている方だとあす楽の大変さを理解されている方が多いかと思いますが、楽天スーパーロジスティクスであれば当日15時までの注文で商品が翌日到着するあす楽を利用することができます。また、365日出荷対応することができ、土日や祝日であっても発送ができます。配送スピードが売上に直結する商材をお持ちの店舗はかなり有利になってきます。

③チラシ、販促物の封入もできる

こちらはオプションでチラシや販促物を封入するか決めることができます。
もちろん追加での料金が発生しますが、リピート購入に繋がる施策となるので、費用が合うのであればつけてみるのをおすすめします。またすべての出荷物に同梱するのか、対象商品を限定するのかなど、全オーダー、指定オーダーで条件を指定することができます。

④ギフトラッピングにも対応できる

店舗オリジナルのギフトラッピングやメッセージカードの封入ができます。これらを積極的に行うことで、ユーザーの満足度も向上し、店舗のファンになってくれる可能性が高まります。指定すると楽天スーパーロジスティクスで用意したギフトラッピング用の資材で包装し、出荷してくれます。

楽天におけるギフト商品の売り方については、下記記事を参考にしてみてください。

⑤コンテナで入荷できる

あらかじめ楽天スーパーロジスティクスにコンテナでの入荷のスケジュールを伝えておくことで可能になります。海外から大量に入荷することもできるので、海外の商品を扱っている店舗にとっては大きなメリットと言えるでしょう。

⑥不着返品受入もできる

発送した商品がお客さんに受け取ってもらえなかったり、返品されるケースがあるかと思いますが、そのような時でも返品されてきた商品を倉庫で受け取り、検品を行ってくれます。

⑦物流業務以外にリソースをさける

自社で入荷作業、保管、配送などの業務を行うためには、時間と人件費がかかってきます。楽天スーパーロジスティクスを利用することにより、その部分のリソースを販売戦略や商品企画、ページ改善などの売上UPに繋がる業務に集中することができます。繁忙期などは多くの店舗が発送業務で一日が終わってしまい、悩んでいる方もいるかと思います。その悩みも解消してくれるでしょう。

⑧セール・イベント時の急増出荷にも対応

楽天スーパーセールやお買い物マラソンといった繁忙期でも、RSLが安定して出荷処理を担ってくれるため、機会損失の防止につながります。

⑨RSL対象商品が検索優遇されるケースも

楽天の検索アルゴリズムでは、RSL商品が上位表示されやすくなる傾向があります。特に「翌日配送」「送料無料」などの条件がそろうと、CVR(転換率)にも好影響です。

4.楽天スーパーロジスティクス(RSL)のデメリット

次に、楽天スーパーロジスティクスのデメリットも紹介していきます。

①コストがかかる

楽天スーパーロジスティクス(RSL)に申し込みをするとまず初めに見積りを行う必要があります。見積りをされたことがある方はご存じかと思いますが、保管費やオプションをつけていくと想定よりもコストがかかってしまうケースもあります。

②取り扱うことができない商品がある

楽天スーパーロジスティクス(RSL)で取扱のない商品は、販売価格が30万円を超えるような高額商品、医薬品、生もの、危険物、組み立てが必要な商品、配送業者が約款上扱えない商品となります。今後は扱いが可能になってくる可能性もありますが、自社の商材が楽天スーパーロジスティクスを利用できるのかは事前に確認が必要でしょう。

5.楽天スーパーロジスティクス(RSL)を利用するにあたっての条件・注意点

5-1.楽天スーパーロジスティクス(RSL)の利用条件

利用条件は以下です。

  • 楽天市場に出店していることが前提条件
  • 倉庫との連携のための受注管理システムの導入が必要
    ※代表的な受注管理システム:BOSS、ネクストエンジン、クロスモール、助ネコ、通販する蔵など。一方、FBAマルチチャネルは受注管理システムの導入は不要です。

5-2.楽天スーパーロジスティクス(RSL)利用時の注意点

利用時の注意点は以下です。常温便、かつ大型でない場合は基本的に利用可能となります。

  • 商品に管理用バーコードが表示されている必要
  • 商品は空調設備のない環境にて保管されるため、夏場は最大40度程度、冬場は0度程度
  • 店舗ごとの個別オプション対応やカスタマイズは不可
  • 倉庫の状況に応じて物流拠点が決まるため、RSLを利用している最中に稼働拠点が変更になる場合あり

5-3.楽天スーパーロジスティクス(RSL)で取り扱い不可の商品

  • 引火性、発火性、可燃性物質を始めとする危険物や毒物
  • 常温保管が不可な生ものや生体
  • 3辺合計160cm以上、25kgを超える商品
  • 医薬品(第1類・第2類・第3類)
  • 高度医療機器・管理医療機器
  • 梱包されていない裸商品
  • 梱包ができない異形・長尺商品
  • 販売価格が30万円を超える高額商品
  • 利用運送約款及び、配送業者の約款上取り扱えない商品

商品だけでなく、事業者側から梱包の指示はできない・お客様への納品時に組み立てや設置は行えないなど、対応できないサービスがある点も注意が必要です。

6.楽天スーパーロジスティクス(RSL)の料金体系について

楽天スーパーロジスティクスの料金体系は、① 保管料 + ② 出荷手数料 + ③ 資材料+ ④配送料の三つの料金体系になります。
詳細は個別に見積もりが必要となりますが、以下の料金表を参考にしてみてください。

7.楽天スーパーロジスティクス(RSL)の導入の流れ

1.楽天担当者に相談・申し込み
2.利用審査(RSL対応条件を満たすか確認)
3.商品情報・在庫情報の登録
4.商品をRSL倉庫へ納品
5.RSL稼働開始(楽天店舗と自動連携)

導入から稼働まで、約1ヶ月程度が目安です(商品数やカテゴリーにより前後)。

8.楽天スーパーロジスティクス(RSL)の導入事例

実例.ギフト雑貨販売A社

ギフト向け商品の販売を行うA社は、商品数増加に伴い発送日の遅れや即日対応できない事態が発生していました。改善策として楽天スーパーロジスティクス(RSL)を導入。物流費・配送費・人件費のトータル費用の削減も実現したようです。

365日出荷できるようになり、サービスレベルも向上しています。楽天スーパーロジスティクス(RSL)契約後は売れ筋商品の欠品が起こらない状態を半年で実現できました。

結果、楽天スーパーロジスティクス(RSL)取り扱い商材の売上を、楽天スーパーロジスティクス(RSL)利用開始前の約4倍に成長できています。自社の商品に適した楽天スーパーロジスティクス(RSL)のシステムを上手に活用し、成果を挙げた好事例です。
※引用元:https://logistics.rakuten.co.jp/rsl/casestudies/03/

こんな店舗にオススメ

・売上が伸びてきて自社発送の限界を感じている店舗
・楽天ランキング上位を目指しているが出荷スピードに課題がある
・少人数運営で、コア業務に集中したいと考えている企業

楽天スーパーロジスティクス(RSL)の導入で物流業務の負担が軽減できるだけでなく、得られる成果の幅が広がり、円滑なネットショップの運営を長期的に行えます。そしてさらなる強化を行える、楽天スーパーロジスティクス(RSL)と受注管理システムの連携も重要な要素となっています。

9.楽天スーパーロジスティクス(RSL)とFBAの比較

最後に、Amazonの物流サービスであるFBAと比較した際の違い紹介します。

9-1.料金体系が違う

楽天スーパーロジスティクスは、他モール向け出荷も同じ料金である一方、Amazon(FBA)は、Amazon向けと他モール向けの出荷で料金が異なることが大きな違いとなります。
また、FBAからAmazon以外のモールでの購入に発送する場合には料金が上がるため注意が必要です。

9-2.配送スピードが違う

楽天スーパーロジティクスは、通常配送の場合、遅くても翌日中には出荷され、当日配送には対応できません。翌日配送は繁忙期に関係なく当日15時30分までの出荷指示で対応しています。
一方で、Amazon(FBA)の場合、通常配送は出荷日の約束は基本的にはありません。翌日配送は注文確定日から3日以内に商品を届けます。
年末年始などのイベント時は対応できないケースもあり、当日配送は一部エリアに限って対応しています。

9-3.他モール出荷の際の梱包資材が違う

楽天スーパーロジティクスの場合は、標準サービスとして、楽天以外で購入した顧客への発送を考慮しているため、ロゴ無しの梱包資材で出荷が可能です。
一方で、Amazon(FBA)でロゴ無しの梱包資材を利用する場合は標準サービスではないため、別途申請が必要となります。

9-4.配送会社が違う

楽天スーパーロジティクスは日本郵便と提携しています。
Amazon(FBA)の場合は、大手配送会社以外にも複数の配送業者と提携しています。
そのため、配送会社によってクオリティにばらつきが生じるため、その点は考慮しておく必要があります。

10.楽天スーパーロジスティクス(RSL)まとめ

今回は楽天スーパーロジスティクス(RSL)について説明してきました。

ECサイトにおける物流業務には面倒な作業や管理が発生します。楽天出品者は楽天スーパーロジスティクスに委託することにより、自社の経営やマーケティングに集中できる環境が構築できます。
「自社での業務負担を減らしたい」「物流業務をアウトソーシングし効率化を図りたい」などのECサイトの運営課題がある場合は導入を検討してみてはいかがでしょうか。

Proteinumでは元楽天コンサルタントが在籍しており、集客も含め、分析~戦略立案~実行まで一気通貫してサポートするコンサルティングサービスを提供しています。
「ECサイトの構築を検討している」「既にECサイトは運用しているが、売上アップのためにどのように動けばよいか悩んでいる」という方は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

こちらの記事が皆様のお役に立てていますと幸いです。

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よくある質問

RSLを利用する際、どのような商品が取り扱い不可となりますか?

高額商品(販売価格が30万円を超えるもの)、医薬品、生もの、危険物、組み立てが必要な商品、配送業者が約款上扱えない商品などは取り扱い不可となります。出店者は、自社の商品がRSLの取り扱い条件に合致するかを事前に確認する必要があります。

RSLの利用により、出店者はどのような業務負担を軽減できますか?

商品の入荷作業、保管、発送といった物流業務を一括して委託できるため、出店者はこれらの業務負担を大幅に軽減できます。これにより、販売戦略や商品企画、ページ改善などの売上向上に直結する業務に集中することが可能となります。

RSLの料金体系にはどのような要素が含まれますか?

RSLの料金体系は、保管料、出荷手数料、配送料の三つの要素で構成されています。詳細な料金は、利用規模やオプションの有無により異なるため、個別の見積もりが必要となります。

Writer渡邊 嵩大

株式会社Proteinum 取締役

楽天市場に入社し、広告企画販促部で広告の企画および販促を担当。コンサル会社に転職後、大手通信事業者の新規事業(EC)の立ち上げ、大手化粧品メーカーのブランド戦略、外資系生保の営業戦略などに携わる。あるときECの可能性を再確認し、プロテーナムに参画。ECの上流設計をメインにしつつ、D2C事業にも携わる。ベンチプレス120kgを目指し、日々自分の限界に挑んでいる。

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