LTVとは?ECでLTVが重要な理由や算出方法、向上のための施策を紹介!
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EC事業者なら一度は聞いたことがある「LTV(ライフタイムバリュー)」という指標。
しかし言葉を聞いたことがあっても、LTVの重要性について正しく理解できていない人もいるのではないでしょうか。
この記事ではそもそもLTVとは何か、LTVの算出方法、LTVを上げるための施策について紹介します。
Contents
LTVとは
LTV(ライフタイムバリュー)とは、日本語に言い換えると「顧客生涯価値」となり、ECビジネスの場合は初回購入でそのサイトのお客様となったユーザーが、一生のうちにどれだけの利益をもたらすのかを数値化した指標です。
LTVが高いと、その顧客は購入額が多く、商品に満足している状態であると判断できます。
LTVは主に既存顧客の維持や売上増加の施策を考えるにあたって、指標として活用されています。
ECにおけるLTVの重要性
LTVの向上は、お客様が企業と取引する回数や期間が増えることを意味し、言い換えると、リピーターが増えるということになります。
リピーターを増やす施策を続けることで顧客ロイヤリティが向上し、LTVが高いユーザーの育成にもつながります。
また、新規顧客の獲得はリピーターの維持よりもコストが多くかかってしまうため、収益性の改善が見込めるようになります。
このようにリピーター維持のメリットは大きく、その指標であるLTVが重要視されています。
LTVの向上はEC事業の拡大や企業の成長にもつながるサイクルを生み出す重要な指標であるため、詳しく分析して企業の課題を見つけ、LTVを向上させるための施策の実施が求められています。
LTVの計算式と算出方法
基本的なLTVの計算式
LTVの計算方法は複数ありますが、最も基本的な計算式は以下のとおりです。
LTV = 平均購入単価 × 購入頻度 × 継続購入期間
具体的な数値で説明すると、全顧客の平均購入単価が5,000円、購入頻度が年6回、継続購入期間が2年だった場合は、以下のように計算できます。
LTV = 5,000円 × 6回 × 2年 = 60,000円
この計算式は基本的な売上情報があれば容易に計算でき、不特定多数のお客様を持つECサイトなどで主に用いられています。
また、事業全体の収益性を把握しやすい特徴もあるため、まずはこの計算式で経営実態の全体像を把握し、部門やカテゴリーごとのLTV分析に移るのにも用いられます。
しかし、上記の式では顧客単位でのLTVは把握できないため、優良顧客の抽出や、顧客の行動パターンの分析などには向きません。
リピート商材におけるLTVの計算式
LTV = 1顧客の年間購入金額 × 1顧客の継続期間
具体的に見ると以下です。
顧客A: 20,000円 × 3年間 = 60,000円
顧客B: 30,000円 × 1年間 = 30,000円
1年間だけで見ると、顧客Bの方が購買金額が高く優良顧客に思われますが、中長期的な視点で見ると顧客Aの方が高い売上をもたらしてくれていることがわかります。
顧客Aのような顧客モデルが多いのであれば、アップセルやクロスセルによる客単価の引き上げをしたり、収益率を改善したりすることで事業全体の利益率が改善します。
逆に、顧客Bのような顧客モデルが多いのであれば、長期間定期的に継続して商品を購入してもらえるように改善する必要があります。
このように、リピート商材や定期購入(サブスク)において、優良顧客や離反顧客を特定し、改善策を立てていくのに役立つ算出方法です。
LTVを上げるための具体的な施策
LTVを上げるために必要なこと
LTVを上げるためには、LTVの計算式に使われている各要素を改善させる施策が必要です。
ただ、各要素を改善させるといっても、単に値上げをしたり商品の品質を落としたりすれば、顧客の購買意欲が下がってしまいます。場合によっては、購入頻度や継続購入期間が低下し、LTVも下がりかねません。
LTVを上げるためには、顧客のロイヤリティを高めることが必要となります。そのためには、ブランドや商品、ECサイトのファンになってもらえる施策を実施することが重要です。
ブランドや商品に対し愛着を持ってもらうことで、繰り返し購入したり、口コミで商品を紹介したりしてもらえるようになっていきます。
LTVを上げるための具体策
平均購入単価を上げる
平均購入単価を上げるためには、高額な商品への乗り換えをしていただく「アップセル」、追加で関連商品を購入していただく「クロスセル」の施策が効果的です。
アップセル
高額な商品を購入する際の割引や無料サポートの追加、おまけのノベルティグッズを提供するというような施策を、タイミングに合わせて実施する方法があります。
クロスセル
代表的な施策は、関連商品のレコメンドです。顧客の購入時に関連商品をレコメンドする、購入後の連絡で新商品のお知らせをするというような施策が考えられます。
購入頻度を上げる
購買頻度を上げる主な施策としては、セール情報や自社商品に関する知識や活用方法などの定期的な情報発信が挙げられます。また、過去に取引があった休眠顧客への施策も有効な場合があります。
顧客が商品の購入をやめたきっかけを調査し、再度購入する可能性の高い休眠顧客に対してアプローチを行えば、リピーターに引きあがる可能性があります。
継続購入期間を延ばす
継続購入期間を延ばすには、次に購入する際のベネフィットを顧客に提示するのが方法のひとつです。
例えば、初回購入時に特典として次回使えるクーポンを進呈する、購入ポイント制度を作る、累計購入額によって会員のランクが決まる、といったような施策があります。
また、オムニチャネル戦略も効果的とされています。オムニチャネルとは、実店舗やECなど複数の購入経路(チャネル)をまとめ、どの購入経路でも同じように購入できたり特典が受けられたりする施策です。
顧客獲得率(CVR)を上げる
収益率まで加味してLTVを計算している企業の場合、CVRを上げることで獲得に必要な広告などのコストを下げられるため、CVRを上げる施策も重要です。
重要な施策としては以下3点が挙げられます。
SEO強化
- 狙っているキーワードをサイト内に多く配置する
- ターゲットに合ったメタ情報を正確に記載する
SEOについては、下記記事で詳しく解説しているので読んでみてください。
分析に基づいたECサイトの改善例
- 回遊強化(直帰率、離脱率の低下)
- かご落ち対策
- 決済方法の最適化
広告の最適化例
- 配信セグメントの見直し
- LP構成の見直し
- 広告文、クリエイティブなどのABテストの実施
まとめ
LTVを構成する要素はさまざまで、各要素はいくつもの顧客体験によってつくられています。
ECでは商品を手に取って確認することができないため、LTVを上げるためには即効性のある施策だけではなく、数字の背景にある顧客のニーズを想定し、消費者目線での商品・サイトの改善をすることで満足度を高めていく取り組みが必要です。
株式会社Proteinum 代表取締役