楽天メルマガの配信時間は12時と20時どちらが有利?検証事例で解説


株式会社Proteinum 代表取締役
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。
楽天メルマガを運用していると、「配信する時間帯で成果は変わるのだろうか」「同じ内容でも、送る時間で開封率や売上に差が出るのか」と気になることがあると思います。本記事では、同一セグメントに対して12時配信と20時配信を比較した検証事例をもとに、配信時間が成果に与える影響を見ていきます。この記事は、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が、楽天メルマガの配信時間の考え方について、実際の検証データを交えて解説します。読み終える頃には、自店舗のメルマガ配信を見直す判断材料が手に入るはずです。
Contents
メルマガの配信時間で本当に成果は変わるのか

楽天メルマガを運用していると、こんな疑問や悩みにぶつかることがあります。
- メルマガからの売上が伸び悩んでいる
- 開封率が配信ごとにばらつき、何が要因か分からない
- 件名や本文は工夫しているが、配信する時間帯まで意識できていない
- 「夜に送ったほうが読まれる」と聞くが、自店舗で確かめたことはない
件名や本文の改善に取り組む店舗は多いものの、配信時間まで検証している店舗は意外と多くありません。しかし、メールが届くタイミングは、ユーザーがメールを開くかどうかに直結する要素です。通勤前の朝、昼休み、帰宅後の夜では、メールを開く余裕も気分も変わってきます。
今回は、実際にひとつの店舗で配信時間を変えて比較した検証データをご紹介します。結論を先にお伝えすると、配信時間は成果に影響する要素のひとつではあるものの、それだけで売上が決まるわけではない、というのが今回の事例から見えてきたポイントです。
楽天メルマガ(R-Mail)の配信時間を考える前に知っておきたいこと

事例の前に、楽天メルマガ(R-Mail)の基本と、配信時間を考えるうえで前提になる知識を整理します。
- 楽天メルマガ(R-Mail)とは
- 配信のたびにコストがかかる点を押さえる
- 配信時間が成果に影響する理由
楽天メルマガ(R-Mail)とは
楽天メルマガ(R-Mail)は、楽天市場に出店している店舗が、メルマガ購読を希望したユーザーへ直接メールを配信できる公式の機能です。RMSの管理画面から、HTMLメールやテキストメールの作成、購入回数や地域などの条件によるセグメント配信ができます。新規顧客の獲得コストが上がり続けるなかで、既存顧客との接点を保ち、再購入を促すCRM(顧客との関係づくり)施策の中心になる機能です。
配信のたびにコストがかかる点を押さえる
R-Mailで意識しておきたいのが、配信通数に応じて費用がかかる料金体系です(無料配信枠を活用する場合を除きます)。1通あたりの配信単価は小さくても、配信数が増えれば全体のコストは積み上がっていきます。だからこそ、限られた配信機会で成果を最大化する工夫が重要になります。配信時間の最適化は、追加コストをかけずに開封率や売上を底上げできる可能性がある、取り組みやすい施策のひとつです。
配信時間が成果に影響する理由
メルマガは、届いてもすぐに読まれるとは限りません。受信ボックスには次々と新しいメールが届くため、配信から時間が経つほど他のメールに埋もれていきます。ユーザーがスマートフォンを手に取りやすい時間帯に配信できれば、受信ボックスの上部に表示されているうちに開封してもらえる可能性が高まります。一般的には、昼休みや通勤・帰宅の時間帯、就寝前などが、メールを確認しやすいタイミングとされています。
【事例】楽天メルマガを12時と20時で配信して比較した検証

ここからは、弊社が支援する楽天市場店舗で実施した、配信時間の検証事例をご紹介します。
- 検証の背景と設計|配信時間以外の条件をそろえる
- 検証で取得したローデータ(全18配信)
- ローデータから読み取れる5つの示唆
検証の背景と設計|配信時間以外の条件をそろえる
検証対象は、健康食品・サプリメント系ジャンルのある楽天市場店舗です。これまで配信時間を明確な基準で決めておらず、「昼と夜、どちらの時間帯がメルマガの成果につながりやすいのか」をデータで確かめたい、という課題がありました。
そこで、9月のうち9日間にわたり、同じ配信リストを同規模の2つのグループ(仮にA・Bとします)に分け、一方には12時、もう一方には20時に同じ内容のメルマガを配信する比較検証を行いました。検証設計のポイントは次の通りです。
- 同一内容のメルマガを、12時配信グループと20時配信グループの2つに分けて送る
- 配信日によって、12時を受け取るグループと20時を受け取るグループを入れ替える
- これにより、グループ間の顧客特性のかたよりが結果に与える影響を抑える
- 各グループの配信数は1,100〜1,400通規模で、9日間・合計18配信分のデータを蓄積する
配信時間以外の条件をできるだけそろえることで、「時間帯の違いが成果にどう影響するか」を比較しやすくしています。
検証で取得したローデータ(全18配信)

実際に取得した、配信1件ごとのデータが以下です。店舗が特定されないよう、店舗名・商品名は伏せ、送信数と1通あたり売上は概算値に丸めています(開封率・送客率・転換率は取得した数値のまま掲載しています)。
| 配信日 | 時間 | グループ | オファー種別 | 送信数 | 開封率 | 送客率 | 転換率 | 1通あたり売上 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 9/1 | 12時 | A | 30%ポイントバック | 1,350 | 51.4% | 1.0% | 30.8% | 15円 |
| 9/1 | 20時 | B | 30%ポイントバック | 1,130 | 48.9% | 1.5% | 23.5% | 15円 |
| 9/5 | 12時 | B | 15%OFFクーポン | 1,130 | 47.3% | 0.4% | 0% | 0円 |
| 9/5 | 20時 | A | 15%OFFクーポン | 1,340 | 51.8% | 0.6% | 0% | 0円 |
| 9/6 | 12時 | A | 30%ポイントバック | 1,350 | 49.1% | 0.5% | 14.3% | 2円 |
| 9/6 | 20時 | B | 30%ポイントバック | 1,140 | 50.4% | 0.4% | 25.0% | 5円 |
| 9/8 | 12時 | B | 15%OFFクーポン | 1,130 | 50.5% | 0.6% | 14.3% | 4円 |
| 9/8 | 20時 | A | 15%OFFクーポン | 1,340 | 54.3% | 0.7% | 22.2% | 11円 |
| 9/10 | 12時 | B | スーパーSALE(最大40%OFF) | 1,130 | 48.8% | 0.8% | 44.4% | 16円 |
| 9/10 | 20時 | A | スーパーSALE(最大40%OFF) | 1,340 | 49.9% | 0.7% | 44.4% | 15円 |
| 9/20 | 12時 | A | 30%ポイントバック | 1,370 | 47.4% | 0.5% | 40.0% | 11円 |
| 9/20 | 20時 | B | 30%ポイントバック | 1,170 | 48.6% | 0.8% | 0% | 0円 |
| 9/21 | 12時 | B | 限定25%OFFクーポン | 1,170 | 50.3% | 0.5% | 16.7% | 3円 |
| 9/21 | 20時 | A | 限定25%OFFクーポン | 1,370 | 48.0% | 1.0% | 7.1% | 2円 |
| 9/22 | 12時 | A | 15%OFFクーポン | 1,370 | 49.1% | 0.2% | 0% | 0円 |
| 9/22 | 20時 | B | 15%OFFクーポン | 1,170 | 46.5% | 0.3% | 0% | 0円 |
| 9/25 | 12時 | B | 限定25%OFFクーポン | 1,170 | 47.9% | 0.3% | 33.3% | 5円 |
| 9/25 | 20時 | A | 限定25%OFFクーポン | 1,370 | 49.5% | 0.8% | 27.3% | 13円 |
数字が細かいので、ここから指標ごとに集計し、それぞれ何が読み取れるか(示唆)を整理します。
ローデータから読み取れる5つの示唆

1. 開封率|20時配信がわずかに高い
平均開封率は、12時配信が49.1%、20時配信が49.8%でした。
示唆:開封率は20時配信が0.7ポイント高い結果です。差は小さいものの、9配信を通じて20時がやや高い傾向は一貫しています。受信ボックスで埋もれにくい時間帯に届くことが、開封のわずかな後押しになっていると考えられます。
2. 送客率|20時配信が約1.4倍
メール経由でサイトを訪れた割合(送客率)は、12時配信が0.53%、20時配信が0.76%でした。
示唆:開封のあとサイトに来てもらう段階では、20時配信が約1.4倍と差が大きく出ています。開封率の差(0.7ポイント)以上に送客の差が開いており、夜は読んだ流れでそのまま来店しやすいことがうかがえます。
3. 転換率|来店後の購入は12時配信が優勢
来店したユーザーが購入に至った割合(転換率)を配信日ごとに比べると、12時配信が高かった日が9日中4日、20時配信が高かった日が2日、引き分けが3日でした。
示唆:送客では20時配信が有利でしたが、来店後に購入する割合はむしろ12時配信のほうが高い日が多くありました。来店後に買うかどうかは配信時間ではなく、その日のオファーや商品の魅力で決まることを示しています。
4. 1通あたり売上|最終的な差は約1.1倍
最終成果である1通あたり売上は、20時配信が12時配信の約1.1倍でした(9配信の売上合計でも約1.1倍)。
示唆:送客率では約1.4倍だったにもかかわらず、売上の差は約1.1倍にとどまりました。送客が増えても、来店後の転換率が追いつかないため、売上の差は送客ほど開かなかったと整理できます。配信時間の効果は「最終売上を少し底上げする」程度と捉えるのが妥当です。
5. オファー種別|売上を最も動かした要因

ローデータをオファー種別で見ると、売上の出方に明確な差があります。
| オファー種別 | 売上の傾向 |
|---|---|
| スーパーSALE(最大40%OFF) | 2配信とも売上が高く、最も成果が出た |
| 30%ポイントバック | 配信日による変動が大きい |
| 限定25%OFFクーポン | 配信日により売上に差がある |
| 15%OFFクーポン | 売上ゼロの配信日が複数発生 |
示唆:売上を最も大きく左右していたのは、配信時間ではなくオファー種別でした。たとえば、ある15%OFFクーポンの配信日は開封率が50%を超えていても売上はゼロで、開封率の高さが必ずしも売上に結びつかないことが分かります。割引率の高いセールやクーポンの日に売上が集中しており、配信時間は成果の土台、オファー設計は売上の主因という関係が読み取れます。
最後に全体を整理します。配信時間(12時か20時か)は、開封・送客の段階で20時にわずかな優位をもたらす一方、最終的な売上を大きく動かしているのはオファー内容でした。配信時間の最適化は、追加コストをかけずに成果の土台を整える施策と位置づけるのが適切です。なお、今回のデータは9日間・18配信分とサンプル数が限られます。明確な優劣を断定できる規模ではないため、「20時配信がやや有利な傾向が見られた」という位置づけでご覧ください。
事例から学ぶ|楽天メルマガの配信時間を最適化する3つのコツ

この検証から、自店舗のメルマガ配信時間を見直す際に応用できるポイントを3つ整理します。
- 1. まずは20時前後を基準に置いてみる
- 2. 配信時間より先に「オファー内容」を磨く
- 3. 配信結果を記録し、同じ条件で繰り返し検証する
1. まずは20時前後を基準に置いてみる
今回の検証では、開封率・送客率・1通あたり売上のいずれも、20時配信が上回りました。1通あたり売上の差は約1.1倍と小幅ですが、方向性は一貫しています。配信時間に明確な基準がない場合は、まず帰宅後にスマートフォンを確認しやすい20時前後を基準に据え、そこから検証を始めるのが現実的です。
ただし、最適な時間帯は商材や顧客層によって変わります。日中に時間のある層が多い店舗では、昼の配信が有効なこともあります。20時を出発点としつつ、自店舗のデータで確かめる姿勢が大切です。
2. 配信時間より先に「オファー内容」を磨く
今回の事例で最も売上を左右していたのは、配信時間ではなくオファー内容でした。割引率の高いクーポンやセール告知の配信日には売上が伸び、訴求が弱い日は開封率が高くても売上につながりにくい傾向がありました。
配信時間の最適化は、あくまで成果の土台を整える施策です。その土台の上に乗せる「何を、どんな条件で訴求するか」というオファー設計のほうが、売上へのインパクトは大きくなります。配信時間とオファー内容は、どちらか一方ではなく両輪で考えていきましょう。
3. 配信結果を記録し、同じ条件で繰り返し検証する
配信時間の効果は、1回の配信だけでは判断できません。今回のように複数日にわたってデータを蓄積し、グループを入れ替えながら比較することで、偶然のばらつきを取り除いた傾向が見えてきます。
楽天メルマガの配信結果はRMS上で確認できます。配信日・時間・件名・開封率・売上などをスプレッドシートに記録し、時系列で振り返れるようにしておくと、自店舗にとっての最適な配信時間が見えやすくなります。
まとめ|楽天メルマガの配信時間は「20時を基準に検証」から
今回は、同一セグメントに対して12時配信と20時配信を比較した事例をもとに、楽天メルマガの配信時間が成果に与える影響を見てきました。
- 開封率・送客率・1通あたり売上のいずれも20時配信が上回った(送客率は約1.4倍、開封率と1通あたり売上の差は小幅)
- ただし差は小さく、9日間のデータでは明確な優劣を断定できる規模ではない
- 売上を大きく左右していたのは、配信時間よりもオファー内容だった
- 配信時間の最適化は、追加コストをかけずに成果の土台を整える施策と位置づけるのが適切
配信時間に迷っている場合は、まず20時前後を基準に置き、オファー内容の改善と並行して、同じ条件で繰り返し検証していくのがおすすめです。配信時間という小さな調整の積み重ねが、メルマガ全体の成果を少しずつ押し上げていきます。
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