楽天メルマガの開封率を上げる件名の書き方|改善事例から学ぶ3つのポイント

Writer米沢 洋平

株式会社Proteinum 代表取締役

慶応義塾大学を卒業後、楽天グループ株式会社に入社。ECコンサルタントとして、ショップオブザイヤー受賞店舗を含むのべ700店舗以上を支援。その後、小売業を中心に経営コンサルティング業務に従事(事業戦略策定、EC戦略策定・実行支援など)し、株式会社Proteinum(プロテーナム)を創業。
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。

楽天市場でメルマガを配信しているものの、「開封率がなかなか上がらない」「せっかく配信しても読んでもらえていない気がする」と感じている運営担当者の方は多いのではないでしょうか。実は、メルマガの開封率は件名の書き方ひとつで大きく変わることがあります。

この記事では、某食品・栄養補助食品ブランドの楽天市場店舗での件名テスト事例をもとに、開封率を40%台から50%前後へと改善した施策の内容と、そこから得られる実践的な知見を解説します。この記事は、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)がメルマガ件名の最適化について解説します。

件名の見直しという比較的取り組みやすい施策から、メルマガの効果を高めるヒントをぜひ持ち帰ってください。

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楽天メルマガの開封率、実は「件名」で決まる

楽天メルマガの開封率、実は「件名」で決まる

楽天市場のメルマガは、既存顧客や会員へのリーチ手段として非常に重要な施策です。しかし、精度の高いセグメントで配信しても、件名に問題があると開封すらされずに終わってしまいます。

メルマガが受信トレイに届いてから開封されるまでの判断は、ほんの数秒です。読者はその短い時間の中で、件名だけを見て「読む・読まない」を決めます。つまり、件名は本文の入り口であり、メルマガ施策全体の成否を左右する最重要要素のひとつといえます。

にもかかわらず、件名の設計が後回しになっているケースは少なくありません。「商品名を冒頭に入れる」「クーポン情報を必ず入れる」といった慣習的なルールだけで運用され、効果の検証が行われていないことも多いです。

まずは、楽天メルマガにおける開封率の現状と、件名が果たす役割について整理しておきましょう。

楽天メルマガの開封率の目安

楽天市場のメルマガ開封率は、業種やセグメントによって異なりますが、一般的には30〜50%程度が現実的なレンジとされています。既存顧客向けのターゲティングメールであれば40%台が出ることも珍しくなく、件名の工夫によってはさらに上を狙えます。

一方で、開封率が30%を下回っている場合は、件名・配信リスト・配信タイミングのいずれかに改善余地がある可能性が高いです。まずは自店舗の数値を確認し、どのくらいの水準にあるかを把握することが改善の第一歩です。

メルマガ件名に関する基礎知識

メルマガ件名に関する基礎知識

具体的な事例に入る前に、件名設計の基本的な考え方を押さえておきましょう。

開封率に影響する3つの要素

メルマガの開封率は、主に以下の3つの要素によって決まります。

① 件名の内容・文言 読者が「自分に関係ある」「読む価値がある」と感じるかどうかが重要です。具体的な便益(割引率、キャンペーン内容など)や、読者の課題・ニーズに寄り添った訴求文言が効果的です。

② 件名の文字数と表示領域 スマートフォンでは、件名の表示文字数に限りがあります。重要な訴求内容が後半に隠れてしまっていると、開封率に悪影響を及ぼすことがあります。読者が目にしやすい前半部分に、伝えたいメッセージをできるだけ凝縮することが大切です。

③ 配信タイミング・セグメント どれだけ優れた件名でも、読者にとって無関係な商品や、興味がないタイミングで届くメルマガは開封されにくいです。件名の最適化と並行して、配信リストの質やタイミングの見直しも検討する価値があります。

件名の「型」とよく使われるパターン

楽天メルマガの件名でよく使われるパターンとして、以下のようなものが挙げられます。

  • 特典型:「【○○%OFFクーポン】」「【ポイント○倍】」など、具体的な特典を冒頭で提示する
  • 問いかけ型:「○○していませんか?」「○○に悩んでいませんか?」など、読者の課題に問いかける
  • 商品訴求型:商品名や特徴を前面に出して、商品に興味のある読者に刺さる件名にする
  • ベネフィット型:商品名よりも「使うとどうなるか」という便益・効果を訴求する

これらの型を組み合わせながら、どの要素を優先するかが件名設計の腕の見せどころです。

事例紹介:件名の構成変更で開封率が約10ポイント改善

事例紹介:件名の構成変更で開封率が約10ポイント改善

ここからは、実際の事例をもとに、件名の最適化がどのような効果をもたらしたかをご紹介します。

改善前の状況と課題

某食品・栄養補助食品ブランドの楽天市場店舗では、メルマガを定期的に配信していましたが、開封率は40%台前半で推移していました。

改善前の件名の構成は、以下のようなパターンが中心でした。

【主力商品名 ○○%OFFクーポン】ユーザーへの訴求文言 主力商品名(再掲)

具体的には、件名の冒頭に商品名とクーポン情報を配置し、その後に訴求文言、さらに商品名をもう一度繰り返す構成でした。この構成の問題点として、以下が挙げられます。

  • 件名の前半部分が商品名で占領されており、訴求文言が後半に押し込まれていた
  • 商品名の繰り返しにより、実質的な情報量が少なく見えた
  • スマートフォンでの表示において、読者が最初に目にする部分に刺さる文言が届きにくかった

この時期の開封率は40〜44%程度で、クリック数・送客数も一定水準で推移していました。

実施した施策の内容

Proteinumとの取り組みの中で、件名の構成を見直すテストを実施しました。変更のポイントは以下の通りです。

① 冒頭の商品名を削除 件名の冒頭から商品名を取り除き、代わりに特典情報(ポイントバック率など)を配置しました。「商品名→特典」の順序から「特典→訴求文言」の順序へと変更することで、読者が最初に目にする情報を変えました。

② 訴求文言を前方・長く見せる設計に変更 読者の課題やニーズに寄り添った訴求文言(「食が細くて効率的にカロリーを摂りたい方などにおすすめ!」といった内容)を、件名の前半寄りに配置しました。また、末尾に商品名を再掲するのをやめ、訴求文言が続いているように見える構成に変えました。

③ 特典の表現を「OFFクーポン」から「ポイントバック」へ変更 割引クーポンからポイント還元に施策の性質が変わったタイミングでもあり、件名上での表現もそれに合わせて変更しました。

改善後の件名構成のイメージは以下のようなものです。

【○○%ポイントバック】読者の課題に寄り添う訴求文言+商品の紹介

改善後の成果・数値変化

件名の構成変更後、開封率は50%前後へと上昇しました。改善前が40〜44%台で推移していたことと比較すると、約10ポイント前後の改善となります。

具体的には、変更後の配信では以下のような数値が見られました。

指標改善前(参考値)改善後(参考値)
開封率40〜44%前後47〜55%前後
転換率20〜26%前後12〜31%前後(商品・セグメントにより差あり)

※数値はスライド記載の実績をもとに概数で表示しています。転換率は配信商品・セグメントによって幅があります。

開封率の向上は、メルマガからの送客数・売上にも直接影響します。同条件の配信であれば、開封率が上がるほどクリックや購買に至るユーザー数の母数が増えるため、売上へのポジティブな影響が期待できます。

なお、今回の事例では件名の構成変更と、施策内容(クーポンからポイントバックへの変更)が同時に行われているため、開封率改善の要因を件名のみに断定することは難しい面もあります。しかしながら、「商品名を冒頭から外し、訴求文言を前方に置く」という構成変更の方向性は、他の配信データとも整合しており、有効なアプローチといえるでしょう。

事例から学べるポイント・自店舗への応用

事例から学べるポイント・自店舗への応用

今回の事例から、自店舗のメルマガ件名に応用できるポイントをまとめます。

ポイント①:件名の「先頭」は最重要エリアと意識する

スマートフォンで受信トレイを見るとき、読者が目にするのは件名の前半部分だけです。商品名や記号(【】など)で前半が埋まっていると、肝心の訴求内容が見えません。

「この件名を受け取った読者が、最初の数文字で何を感じるか」 を意識して件名を設計しましょう。特典情報か、課題への共感か、いずれにせよ「自分に関係ある」と感じさせる言葉を前半に置くことが重要です。

ポイント②:商品名の繰り返しは削減を検討する

改善前の件名には「商品名→訴求文言→商品名(再掲)」という構成が見られましたが、同じ商品名を2回繰り返しても情報としての価値は増えません。むしろ件名が長くなり、後半の訴求文言が切れてしまうリスクがあります。

商品名は1回で十分です。削った文字数分を、読者のニーズや特典の訴求に充てましょう。

ポイント③:A/Bテストで仮説を検証する習慣をつける

今回の事例では、同じ商品・同じセグメントに対して複数パターンの件名で配信するテストが行われていました。メルマガの件名最適化は「どれが正解か」を事前に完全に予測することが難しいため、小規模なA/Bテストで仮説を検証する運用が非常に効果的です。

楽天市場のメルマガ配信機能では、セグメントを分けて複数回配信することが可能です。まずは件名の構成パターンを2〜3種類用意し、開封率・クリック率・転換率を比較することから始めてみてください。

ポイント④:開封率だけでなく転換率・売上もあわせて評価する

開封率が上がっても、転換率や売上が伴わなければ施策の成功とはいえません。今回の事例でも、配信する商品やセグメントによって転換率には大きなばらつきがありました。

メルマガの効果評価は、開封率・クリック率・送客率・転換率・売上をセットで見ることが重要です。開封率の改善が最終的な売上にどう結びついているかを確認する習慣をつけましょう。

よくある失敗パターン・注意点

よくある失敗パターン・注意点

失敗①:件名をテストせずに「なんとなく」変え続ける

感覚的に件名を変え続けていても、何が効いているのかが分かりません。変更は必ず「何を変えたか」「なぜ変えたか」を記録し、数値で評価する形で行いましょう。

失敗②:開封率だけを追いかけて内容と乖離した件名をつける

「開封率が高い件名ならなんでもいい」という発想で、本文の内容と関係のない煽り文句を件名に入れてしまうケースがあります。開封後に「思っていた内容と違う」と感じたユーザーは、次回以降の開封率低下や配信停止(オプトアウト)につながるリスクがあります。件名は本文の内容を正しく予告するものであることが大前提です。

失敗③:件名の改善だけに注力して配信品質を軽視する

件名の最適化は重要ですが、メルマガ全体の成果を左右するのは件名だけではありません。本文のクリエイティブ・リンク先のページ品質・セグメントの精度・配信タイミングなど、複数の要素が絡み合っています。件名の改善と並行して、これらの要素も定期的に見直すことをおすすめします。

まとめ

今回の事例から、楽天メルマガの開封率改善に向けて押さえておきたいポイントをまとめます。

  • 件名の冒頭は最重要エリア。商品名ではなく、特典情報や読者のニーズに寄り添う訴求文言を前半に配置する
  • 商品名の繰り返しは不要。削った文字数を訴求内容の充実に使う
  • A/Bテストで仮説検証を習慣化し、データに基づいた件名の最適化サイクルを回す
  • 開封率・転換率・売上をセットで評価し、件名変更の効果を多角的に確認する

メルマガの件名は、一度見直すだけで効果が出ることもある比較的取り組みやすい施策です。ぜひ今回の事例を参考に、自店舗の件名設計を見直してみてください。

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