楽天市場のLINE配信構成を改善し売上約2.6倍|PDCAで成果を伸ばす検証事例

株式会社Proteinum 代表取締役
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。
楽天市場でLINE公式アカウントを運用しているものの、「配信しても開封率が伸びない」「クリックはされても売上に繋がらない」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。実は、配信内容そのものよりも「配信の構成(見せ方)」を見直すだけで、成果が大きく変わるケースは少なくありません。
この記事は、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が、楽天市場におけるLINE配信構成の改善ポイントについて、実際の検証データを交えて解説します。読了後には、自社のLINE配信を改善するための具体的なヒントを得ていただけるはずです。
Contents
楽天市場のLINE配信が「成果につながらない」と感じる主な原因
楽天市場店のLINE公式アカウントを運用していて、「思うように成果が出ない」と感じる方は非常に多いです。具体的には、次のような悩みをよく耳にします。
- 配信しても開封率が20〜30%程度で頭打ちになっている
- クリックはされるものの、購入まで至らない
- どんな配信内容が効果的なのか、判断基準が分からない
- 商品の魅力をしっかり伝えているのに、転換率が上がらない
こうした課題の背景には、「配信の構成設計が固定化している」という共通点があります。多くの店舗では、新商品が出るたびに同じフォーマット(商品画像+商品名+価格+リンク)で配信を続けてしまい、結果として読者の関心が薄れていくのです。
LINEは、メールマガジンと比べてユーザーとの距離が近く、視覚的なインパクトが成果を大きく左右します。だからこそ、「何を売るか」よりも「どう見せるか」が重要になるのです。
LINE配信における「構成」が成果を左右する理由
LINE配信における「構成」とは、メッセージ内のテキスト・画像・リンク・カード型コンテンツの組み合わせと、それらをどの順序で配置するかという設計全体を指します。
プロダクト訴求とイメージ訴求の違い
LINE配信の構成は、大きく分けて以下の2タイプに分類できます。
| 構成タイプ | 特徴 | 向いているシーン |
|---|---|---|
| プロダクト訴求型 | 商品画像・価格・スペックを並べる構成。複数商品を一覧で見せる | リピーター向け、セール告知 |
| イメージ訴求型 | 世界観や使用シーンを伝える写真+簡潔なメッセージで訴求 | 新規ファン獲得、ブランド認知向上 |
プロダクト訴求型は「すでに商品に興味のある層」には有効ですが、LINE登録者の多くは「なんとなく登録した潜在層」も含まれます。そのため、いきなり商品スペックを並べても「広告感」が強くなり、開封・クリックすらされないケースが多いのです。
開封率・クリック率・転換率はそれぞれ別の指標
LINE配信の効果を判断する際、ひとつの数値だけを見ていては正しい改善ができません。
- 開封率:配信のサムネイル(プレビュー)と件名で決まる
- クリック率:開封後のメッセージ内容(画像・テキスト・CTA)で決まる
- 転換率:遷移先(楽天市場店の商品ページ・特集ページ)の質で決まる
つまり、「開封率は良いのにクリック率が低い」「クリック率は高いが買われない」など、どこに課題があるかによって打つべき施策は変わります。次の章で紹介する事例も、この3つの指標を切り分けて分析していきます。
【事例】コスメ・スキンケアブランドA社のLINE配信改善PDCA
ここからは、弊社が支援するコスメ・スキンケアブランドA社(楽天市場店)の事例を、匿名化したうえでご紹介します。同店舗では、LINE公式アカウントを運用しているものの「配信効果が安定しない」という課題を抱えていました。
改善前の状況|プロダクト訴求型配信での成果が頭打ち
改善前のA社では、ベースメイク関連商品を中心に、商品画像と価格を並べたカルーセル型の配信を行っていました。配信内容は丁寧に作り込まれていましたが、結果は次のとおりでした。
プロダクト訴求型配信の成果(改善前)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 配信数 | 約4,400件 |
| 開封率 | 約25% |
| クリック率 | 約9.5% |
| 転換率(通常メッセージ) | 約9% |
| 訪問者数 | 約50 |
| 売上件数 | 約5件 |
| 売上金額 | 約2.7万円 |
クリック率は決して悪くないものの、「そもそも開封されていない」ことが最大の課題でした。LINEのプレビューに商品画像が小さく並んでいるだけでは、ユーザーの興味を引けていなかったのです。
仮説と施策|配信構成を「イメージ訴求型」へ変更
そこで弊社では、以下の仮説のもと、配信構成の大幅な変更を提案しました。
仮説:商品スペックを並べる構成より、ブランドの世界観や商品の使用シーンを伝える「イメージ訴求型」のほうが、開封・クリックを促せるのではないか。
具体的には、次のような変更を実施しました。
- トップ画像の刷新:商品単体の写真ではなく、モデル使用シーンや商品の質感を伝えるビジュアル中心に変更
- 訴求文の簡潔化:商品スペックの羅列をやめ、商品が解決する悩みや得られる体験を一言で伝える形式へ
- カルーセルの削減:複数商品を並べるのをやめ、主力商品1〜2点に絞り込み
- CTAの明確化:「ご購入はこちら」「商品一覧はこちら」をシンプルに大きく配置
ポイントは、「情報量を増やす」のではなく、「情報を絞り、伝わるメッセージを1つに集中させる」設計に切り替えたことです。
改善後の成果|開封率は約2.3倍、売上は約2.6倍に
構成変更後の配信結果は、以下のとおりです。
イメージ訴求型配信の成果(改善後)
| 指標 | 改善前 | 改善後 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 開封率 | 約25% | 約56% | 約2.3倍 |
| クリック率 | 約9.5% | 約6% | やや低下 |
| 転換率 | 約9% | 約15% | 約1.6倍 |
| 訪問者数 | 約50 | 約90 | 約1.8倍 |
| 売上件数 | 約5件 | 約13件 | 約2.6倍 |
| 売上金額 | 約2.7万円 | 約7万円 | 約2.6倍 |
特筆すべきは、開封率が大幅に向上した結果、最終的な売上件数・売上金額が約2.6倍に伸びたことです。クリック率自体はやや下がりましたが、それは「興味のある人に絞ってクリックされた」結果であり、転換率(購入率)が高まったことで、トータルの売上は大きく伸びました。
クリック率が下がっても売上が伸びる──この現象は、「広く浅く」から「狭く深く」への構成変更がうまく機能した証拠といえます。
クリエイティブABテストで分かった「効果が出る配信」の特徴
イメージ訴求型への変更で成果が出たA社では、さらに「どのデザインが最も反応されるか」を検証するため、複数のクリエイティブパターンを用いたABテストを継続実施しました。
5パターンの配信デザインを検証
検証期間中に配信した5パターンの結果は以下のとおりです(マラソン期間と平常時を含む)。
| 配信 | 期間タイプ | 開封率 | クリック率 | 転換率 | 売上件数 | 売上金額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ① 商品特徴なし/使用シーン中心 | マラソン期間 | 約56% | 約6% | 約15% | 約13件 | 約7万円 |
| ② 商品特徴なし/質感訴求 | マラソン期間 | 約56% | 約7.5% | 約17% | 約22件 | 約16万円 |
| ③ 商品特徴なし/ランキング訴求 | 平常時 | 約57% | 約6% | 約2% | 約2件 | 約1万円 |
| ④ 商品特徴あり/詳細スペック | 平常時 | 約56% | 約4% | 約9.5% | 約7件 | 約4万円 |
| ⑤ 商品特徴あり/POINT訴求 | 平常時 | 約55% | 約4.7% | 約12% | 約9件 | 約4万円 |
検証から見えた3つの傾向
このABテストから、以下の傾向が見えてきました。
①「商品特徴を詳しく書かない」配信のほうがクリック率が高い
①〜③の「商品特徴を絞った構成」は、④⑤の「特徴を詳しく書いた構成」よりもクリック率が高い結果となりました。LINEの限られた表示スペースでは、情報を詰め込むより削ぎ落とすほうが、ユーザーの行動を促せます。
② 転換率は「マラソン期間か平常時か」の影響が極めて大きい
③は配信デザインが優れていたにもかかわらず、平常時の配信だったため転換率が約2%と低迷しました。一方で、マラソン期間中の①②は転換率15〜17%と高水準でした。
つまり、配信タイミングの設計が、クリエイティブの良し悪し以上に売上を左右するということです。楽天市場では、お買い物マラソンや楽天スーパーSALEなどのイベント期間に合わせた配信設計が必須です。
③ マラソン期間中の最適解は「商品特徴を絞り、使用感やイメージを訴求する」構成
マラソン期間内で比較すると、商品特徴を詳しく書かない②の配信が最も売上が高い結果となりました。「マラソン期間中=買う気のあるユーザーが多い」状況では、購買のきっかけになる「使ってみたい」と思わせるイメージ訴求が最も効きやすいということです。
事例から学べる|LINE配信改善の3つの実践ポイント
A社の事例から、自社のLINE配信に応用できるポイントを3つ整理します。
ポイント1|配信構成は「情報を盛る」より「絞る」
多くの店舗が陥りがちなのが、「せっかく配信するなら多くの商品を紹介したい」という発想です。しかし、ユーザーは数秒でLINEのプレビューを見て、開くか閉じるかを判断します。情報を絞り、「これは何の配信なのか」を一目で伝える構成のほうが、結果的に成果が出やすくなります。
ポイント2|配信タイミングはイベント期間を最優先で設計する
楽天市場では、月に1〜2回のお買い物マラソン・スーパーSALEなどのイベントが、売上の大部分を占めます。LINE配信もこのリズムに合わせ、「告知配信→当日配信→終了前配信」の3段階で設計するのが基本です。平常時の配信は、ファン化や次回購入の準備期間と位置付け、無理に売上を狙わない設計のほうが効率的です。
ポイント3|ABテストは「指標を分けて」評価する
開封率・クリック率・転換率は、それぞれ別々の要素で決まります。「クリック率が下がった」という事実だけで失敗と判断せず、「開封率は上がっているか」「最終的な売上はどう変化したか」まで含めて総合的に評価することが重要です。1つの指標だけを追うと、本当に良い施策を見逃すリスクがあります。
LINE配信改善でやりがちな失敗パターン
最後に、LINE配信改善に取り組む際に陥りやすい失敗パターンも紹介します。
失敗1|1回の配信結果だけで判断する
LINE配信は、配信日のイベント有無や曜日、時間帯によって結果が大きくブレます。1回の配信結果だけで「この構成は効果がない」と判断せず、最低3〜5回は同条件でテストしてから結論を出しましょう。
失敗2|開封率だけで一喜一憂する
開封率が高くても、購入につながらなければ売上は伸びません。逆に、開封率が低くても、ターゲットを絞ったことで転換率が高ければトータルの売上は伸びるケースもあります。常に「最終的な売上」を判断軸に置くことが大切です。
失敗3|変更点を多くしすぎてテストにならない
配信構成・画像・テキスト・配信時間を一度に変えてしまうと、何が効果的だったかが分かりません。ABテストを行う際は、「変える要素は1つだけ」というルールを徹底することが、改善のスピードを上げるコツです。
まとめ|楽天市場のLINE配信は「構成」次第で大きく変わる
今回ご紹介した事例のポイントを、改めて整理します。
- LINE配信の成果は、配信内容よりも「構成(どう見せるか)」が左右する
- プロダクト訴求型からイメージ訴求型へ変更したことで、開封率は約2.3倍、売上は約2.6倍に向上
- 商品特徴を詳しく書くより、絞った訴求のほうがクリック率は高い傾向
- 転換率は配信タイミング(マラソン期間か否か)の影響が極めて大きい
- 改善はABテストで段階的に進め、複数指標を総合的に評価することが重要
LINE配信は、店舗とお客様を直接つなぐ重要なチャネルです。一度配信構成のフォーマットができてしまうと変えづらいものですが、思い切って構成を見直すことで、成果が大きく変わる可能性があります。
ぜひ、自社の配信内容を「構成」の視点から見直してみてください。
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