食品カテゴリの楽天サムネイルは「商品拡大+容量訴求」でCTRが伸びる?マヌカハニー店舗の改修データで検証

株式会社Proteinum 代表取締役
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。
楽天市場の食品カテゴリで運営していると、「原材料も品質も負けていないのに、なぜか競合にクリックが流れていく」「サムネイルを何度か変えているのに、CTRが思うように伸びない」と感じたことはないでしょうか。
食品は原材料・産地・容量・価格といった比較軸が多く、検索結果画面で差別化ポイントが一目で伝わらないと、ユーザーの指は競合に流れていきます。この記事は、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が、健康食品(マヌカハニー系商材)のサムネイルを「商品画像を競合同等まで拡大する」「容量訴求を前面に立てる」という2軸で改修した際の効果を、実店舗のデータをもとに検証して解説します。
食品ECで「何を訴求軸に据えるか」を迷っている方が、改修の方向性を定めるためのヒントが得られます。
Contents
食品カテゴリで「サムネイル」が売上を左右する理由

楽天市場の食品カテゴリは、検索結果画面の情報密度が非常に高いジャンルです。同じ商品群を扱う店舗が大量に並び、ユーザーは原材料・産地・グレード・容量・価格という複数の軸を、サムネイル1枚でほぼ瞬時に比較しています。このとき、サムネイル上で自店舗の優位点が伝わらなければ、ページを開いてもらうチャンスすら得られません。
特に健康食品・調味料・スイーツ・飲料といった「比較検討型」の食品ジャンルでは、同一カテゴリ内の商品スペックに差がつきやすく、「容量」「グレード」「原材料の希少性」などがそのまま購買理由になります。にもかかわらず、サムネイルではロゴ・商品写真・「無添加」などの定型訴求に紙面を使ってしまい、肝心の差別化ポイントが背面に回ってしまっているケースが少なくありません。
食品サムネイルで陥りがちな「商品が小さく・訴求が弱い」状態
食品のサムネイルは、瓶やパッケージを遠景で撮影し、周囲に食材や調理シーンを配置した構図になりがちです。世界観としては美しくまとまる一方で、検索結果画面のサムネイルサイズまで縮小されると、肝心の商品パッケージが小さくなりすぎて視認性を失うという問題が発生します。
競合店舗が商品を大きく写したサムネイルを使っていると、この差はより顕著になります。同じ検索結果画面に並んだ瞬間、「商品が大きくしっかり見える店舗」と「商品が小さくぼやけて見える店舗」では、ユーザーの視線は前者に吸い寄せられます。訴求テキストをどれだけ作り込んでも、そもそも商品として認識されにくい構図では勝負の土俵に乗れないのです。
さらに、食品ECでは同一商品の複数バリエーション(容量違い・グレード違い)を同時出品している店舗が多いため、「自店舗のサムネイル同士でも差別化できていない」状態に陥りやすいのも特徴です。容量やグレードの違いが一目で伝わらないと、ユーザーは比較を諦め、別店舗の分かりやすい商品に流れていきます。
「差別化ポイントの明示訴求」が注目される背景
近年、食品カテゴリで効果が確認されているのが、「商品の差別化ポイントを、背景色やアイコンで明示的に訴求する」設計です。単なる商品写真ではなく、「容量◯◯g」「産地直送」「◯◯グレード」といった勝ち筋の要素を、視線が行きやすい位置に配置し、周囲と色味を変えることで視認性を確保します。
特に容量・グレードなどの「数値で優位性を主張できる要素」がある商材では、この設計の効果が大きく出やすい傾向があります。数字は言語を介さずに比較を成立させるため、検索結果画面という一瞬の勝負の場で強く機能します。
実例:マヌカハニー系健康食品のサムネイル改修施策

ここからは、弊社がコンサルティング支援した健康食品ジャンルの某楽天市場店舗(A社・マヌカハニー系商材)の事例を、匿名化した上でご紹介します。
施策前の状況と課題(サムネイル改修の目的・背景)
A社は、ニュージーランド産マヌカハニーを品質グレード別(ベーシック/ミドル/ハイグレードの3段階)×容量違いで複数SKU展開する店舗です。マヌカハニーはブランド間の価格差が大きく、ユーザーは「品質グレード」「容量」「価格」の3軸で比較検討するのが一般的です。このうちA社の最大の競合優位は約1kgの大容量サイズを取り扱っていることでした。競合他社の主力サイズが250〜500g程度に留まるなか、「1本で約1kgを買える」ことが単価面でも実質的な優位性につながっていました。
しかし、改修前のサムネイルは以下のような状態でした。
- 瓶とスプーンを遠景で配置した構成で、商品パッケージ自体が小さく、競合サムネイルと並んだときにビジュアル面で引けを取る
- 右下に容量表記があるものの、白ベースの小さな文字で、検索結果画面では視認しにくい
- グレード表記バッジや「無添加・無農薬」訴求は目立つ一方、本来の最大差別化ポイントである容量訴求が最も弱い
つまり、「そもそも商品としての存在感で競合に負けている」「A社最大の強みである大容量が一目で伝わらない」という二重の課題を抱えていました。検索結果画面で商品の見栄えと容量優位の両方が伝わらなければ、ユーザーはA社を比較対象として認識する前に、より目立つ競合商品をクリックしてしまいます。
そこで今回のサムネイル改修の目的は、以下の2点に設定しました。
- 商品画像を競合と同程度のサイズまで拡大し、検索結果画面で競合商品と並んだ際にビジュアル面で引けを取らない状態にする
- A社の競合優位である大容量サイズを、検索結果画面で瞬時に伝わる形で訴求する
実施した施策の内容
2025年9月のスーパーSALEに向けて、店舗内全商品のサムネイル画像を以下の方針で改修しました。
- 瓶の構図を見直し、商品パッケージを競合サムネイルと同程度まで拡大。まずは「商品として視認される存在感」を確保
- 最大の訴求ポイントである容量を目立たせるため、寒色系(ネイビー)のバッジに「大容量!」と容量表記を配置し、周囲の暖色系(はちみつの色調)との対比で視線を引き寄せる
- グレード表記や「無添加・無農薬」といった従来の信頼要素は、配置バランスを整えたうえで維持
- 同じ設計ルールを、容量・グレード違いの全SKUに横展開
白抜き背景から使用シーンへの刷新とは異なり、既存の世界観は崩さずに「商品の見せ方」と「訴求の優先順位」だけを組み直すアプローチです。商品サイズ・背景色・差別化バッジという3点の調整で、検索結果画面における「A社の存在感と強みの可視化」を狙いました。配信面(検索結果・RPP広告枠)や価格、商品ページ本文などの条件はほぼ維持しており、サムネイル変更の効果が単独で見えるよう設計しています。
施策後の数値変化と効果
改修後のスーパーSALE期間(2025年9月上旬)と、改修前のスーパーSALE期間(2025年6月上旬)を比較した結果は以下のとおりです。
単品SKUのRPP広告経由CTRでは、主力の大容量SKU(ベーシックグレード)で約0.07pt改善、小容量のハイグレードSKUで約3.6倍に上昇しました。一方で、小容量のミドルグレードSKUはわずかに低下しました。「商品拡大+容量訴求」を前面に立てた設計のため、容量優位が相対的に小さい中価格帯×小容量SKUでは、訴求との親和性がやや弱かったと考えられます。
ただし重要なのは、改修効果が単品CTRだけでなく、店舗全体のスーパーSALE成果として大きな数字につながったことです。店舗合計の売上は約120万円→約200万円(約+70%)、アクセス人数は約2,200人→約3,700人(約+65%)、客単価は約3,000円→約3,400円(約+10%)へと大きく改善し、新規購入数は約+50%、既存購入数は約+90%と伸びました。転換率はわずかに低下しているものの、アクセスの絶対量が伸びたことで売上件数は約1.5倍規模(約+50%)に拡大しています。
データから読み解く:サムネイル改修効果のポイント

主力SKUでのCTR改善が店舗全体の流入増につながる構造
今回のデータで最も示唆に富むのは、単品のCTR改善幅以上に、店舗全体のアクセス人数が大きく伸びている点です。サムネイル改修はRPP広告経由のCTRを直接押し上げますが、楽天市場ではCTRが高い商品ほど「マヌカハニー」などのビッグキーワードで上位表示されやすくなり、広告・自然検索の両方で露出が増える副次効果があります。
主力である大容量SKUのCTRが改善したことで、「マヌカハニー」KW上位に露出が集中し、そこから派生して容量・グレード違いの他SKUにも流入が分配された、というのが今回のアクセス約+65%の構造だと考えられます。サムネイル改修は1SKUの改善にとどまらず、店舗全体の上位表示ポジションを底上げする入口施策として機能したと読み取れます。
「商品拡大+容量訴求」が効いたSKUと効かなかったSKUの差
小容量のハイグレードSKUでCTRが大きく伸びた一方で、小容量のミドルグレードSKUではわずかに減少しました。両者の違いは、「商品拡大と容量訴求の組み合わせ」が購買判断にどれだけ効くSKUかにあります。
ハイグレード品は1本あたりの価格も高くなるため、パッケージと同サイズで「大容量!」が訴求されることで、「この価格帯で十分な量が手に入る」というコストパフォーマンス面の納得感が生まれ、クリックに結び付いたと考えられます。一方でミドルグレード×小容量SKUは、「まずはワンランク上のグレードを少量で試したい」というユーザーが中心顧客で、大容量訴求との親和性は必ずしも高くありません。商品自体の視認性は向上したものの、訴求軸がこの層の購入動機と噛み合いきらなかった可能性があります。
この結果は、サムネイル訴求は全SKUに同じ設計を当てれば良いわけではなく、商品の位置付けに応じて訴求軸を調整する必要があることを示しています。
新規購入約+50%・既存購入約+90%に表れた「信頼要素維持」の効果
商品拡大と容量訴求を前面に出しながらも、グレード表記や「無添加・無農薬」バッジといった信頼要素は維持しました。その結果、新規購入数が約+50%、既存購入数が約+90%と、既存顧客のリピートも新規獲得も同時に伸びる結果になっています。
サムネイル改修で世界観を大きく変えると、既存顧客が「いつもの店舗が見つからない」と戸惑ってリピート導線が崩れることがあります。今回は商品拡大と寒色バッジ追加というピンポイント改修だったため、既存顧客の認識コストをほぼ上げずに、新規顧客向けの訴求だけを強化できたことが、既存購入数のほぼ倍増に寄与したと考えられます。
サムネイル改修を食品EC店舗に応用するための設計ステップ

同様の施策を食品ECの自社店舗で検討する際のポイントを整理します。
① 「競合と並んだ検索結果画面」で自店舗がどう見えるかを先に確認する
サムネイル改修は、単体で見て良し悪しを判断しても意味がありません。主要な検索キーワードで検索し、自店舗のサムネイルが他店舗と並んだ状態でどう見えるかを必ず確認してください。このとき最初にチェックすべきは「商品が競合と同程度のサイズで見えているか」。商品の視認性で負けていれば、どんなに訴求テキストを工夫しても勝負になりません。
② 差別化ポイントは「数値」で語れる要素を優先する
食品カテゴリで強く効くのは、「容量」「グレード」「糖度」のような数値で表現できる優位です。数値は言語を越えて比較を成立させるため、サムネイル上でも最短で意味が伝わります。定性的な訴求(「こだわり」「厳選」など)より、数値訴求を優先配置するのが基本です。
③ 色設計で「自店舗を目立たせる」
食品カテゴリは暖色系(赤・オレンジ・茶系)のパッケージが多い傾向があります。差別化バッジに寒色(ネイビー・深緑など)を使うと、検索結果画面での視認性が大きく上がります。今回の事例でネイビーの六角形バッジが効いたのも、はちみつ色との補色的なコントラストが大きく影響しています。
④ 信頼要素は残したまま、商品拡大と訴求の優先順位だけを組み直す
食品は「安心して口に入れるもの」という信頼要素が極めて重要です。ロゴ・「無添加」「原産国」「公式」などの信頼バッジは削らず、配置と大きさだけを見直すことが、リピート顧客を失わずに新規獲得効果を得るコツです。
⑤ SKU単位で訴求軸を最適化する
入門SKU・高グレードSKU・大容量SKUでは、刺さる訴求軸が異なります。全SKUに同じ設計を当てるのではなく、「そのSKUの購入動機として最も強い要素」を中心に据える設計思想が必要です。
[内部リンク: 楽天市場 サムネイル設計・改修方法]
よくある失敗パターンと注意点

失敗パターン①:「きれいな写真」で満足してしまう
食品サムネイルは、単体で見れば美しい構図でも、検索結果画面サイズに縮小されると商品が小さくなりすぎていることが多々あります。サムネイルは**「縮小表示された状態で、競合と並んだときにどう見えるか」**で評価すべきであり、撮影データの原寸での美しさを基準にすると判断を誤ります。
失敗パターン②:情報を詰め込みすぎて、どこが主役か分からなくなる
食品のサムネイルは「無添加」「国産」「楽天ランキング1位」「〇〇賞受賞」など、訴求したい要素が増えがちです。詰め込みすぎると、ユーザーは一瞬で情報処理を諦め、結局何もクリックしません。最大の差別化ポイント1つを主役に決め、他は補助という優先順位を徹底してください。
失敗パターン③:CTRの変化だけを見て、SKUごとの相性を検証しない
今回の事例のように、同じサムネイル設計でもSKUによって効果が大きく異なるケースは珍しくありません。改修後はCTRだけでなく、SKU単位の転換率・客単価・売上件数まで追いかけ、訴求軸との相性が悪いSKUには別パターンを用意するPDCAが必要です。
失敗パターン④:スーパーSALEなど需要が伸びる期間の成果を、施策効果と取り違える
スーパーSALE期間は需要が底上げされるため、店舗全体売上の伸びすべてがサムネイル効果ではありません。前回スーパーSALE期間など、同条件の比較対象を必ず置き、季節要因を差し引いた上で効果を評価する視点が必要です。
まとめ
健康食品ジャンル(マヌカハニー系商材)の某楽天市場店舗で、サムネイルを「商品パッケージ拡大+容量の寒色バッジ訴求」へ改修した今回の事例では、前回スーパーSALEとの比較で店舗全体の売上が約+70%、アクセス人数が約+65%、主力SKUのRPP広告CTRが約0.07pt改善という結果になりました。ハイグレード商品では約3.6倍のCTR改善が見られた一方、中価格帯の小容量SKUでは効果が限定的になるなど、SKU特性と訴求軸の相性も明確に表れました。
この結果が示すのは、食品カテゴリにおけるサムネイル改修は「きれいに見せる」ことではなく、「検索結果画面で競合と並んだときに、商品としての存在感と差別化ポイントを瞬時に伝える」設計勝負であるということです。今回の事例では、商品が小さく写っていたために競合に埋もれていたこと、そして大容量という最大の強みが旧サムネイルでは伝わっていなかったことの両方を、「商品拡大」と「容量の明示訴求」で同時に解消しました。
食品ECでサムネイルを検討する際は、単体の美しさではなく「縮小表示されて競合と並んだとき、自店舗の商品が何秒で認識されるか・何が強みとして伝わるか」を基準にしてください。商品の視認性確保・差別化ポイントの数値化・色コントラストの活用・信頼要素の維持という4点を押さえたうえで、SKU単位で訴求軸を最適化する視点を持てば、サムネイル改修は単品施策を超えて店舗全体の流入構造を底上げする入口施策として機能します。
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