Amazon広告のROAS改善事例|広告グループ再設計で売上2倍を実現した方法【ECコンサルレポート】

株式会社Proteinum ECコンサルタントマネージャー
「Amazon広告を運用しているけれど、ROASがなかなか改善しない…」「広告費ばかりかさんで、費用対効果が合わない…」そんなお悩みを抱えていませんか?実は、広告の”設定”を見直すだけで、大きな成果改善につながるケースがあります。この記事は、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が、Amazonスポンサープロダクト広告の広告グループ構成を見直してROASを大幅に改善した事例について解説します。広告運用の効率化に悩む方にとって、明日から実践できるヒントが見つかるはずです。
Contents
Amazon広告のROASが伸び悩む原因とは?
Amazonのスポンサープロダクト広告を運用していると、「クリックはされるのに売上につながらない」「広告費が増える一方でROASが下がっていく」といった壁にぶつかることがあります。
こうした伸び悩みの原因はさまざまですが、意外と見落とされがちなのが広告アカウントの”構成”そのものです。キーワード選定やクリエイティブの改善に注力する方は多いものの、広告グループやキャンペーンの設計が最適化されていないケースは少なくありません。
特に、商品数が増えてくると「とりあえず1つの広告グループにまとめて運用している」という状態になりやすく、これがROAS悪化の大きな要因になることがあります。
▼Amazon広告の基本的な仕組みについては、こちらの動画でも解説しています。
スポンサープロダクト広告の「広告グループ設計」が重要な理由
ここからは、Amazon広告において広告グループの適切な設定がなぜ重要なのか解説します。
広告グループの役割をおさらい
Amazonスポンサープロダクト広告では、キャンペーンの中に「広告グループ」を作成し、その中に広告対象となる商品(ASIN)とキーワードを登録します。
広告グループは、どの商品に対して、どのキーワードで、いくらの入札額で広告を出すかを管理する単位です。つまり、広告グループの設計は入札戦略の土台であり、ここが適切でないと、いくらキーワードを調整しても効率的な運用にはなりません。
「1広告グループに複数ASIN」が招く問題
運用初期や商品追加のタイミングで、複数の商品(ASIN)を1つの広告グループにまとめて登録するケースはよくあります。一見すると管理がラクに思えますが、この構成には以下のような問題があります。
- 商品ごとの入札調整ができない: 同じ広告グループ内の商品はキーワードと入札額を共有するため、「商品Aはこのキーワードに強いから入札を上げたい」「商品Bはこのキーワードでは成果が出ないから入札を下げたい」といった商品単位の最適化ができません。
- パフォーマンスデータが混在する: 広告グループ単位でレポートを見ても、どの商品がどのキーワードで成果を出しているのか判別しづらくなります。
- 予算が非効率に消化される: 成果の出にくい商品にも広告費が配分されてしまい、ROAS全体が押し下げられます。
このような構成上の問題は、商品数が多いほど深刻になりやすいです。
【改善事例】広告グループの再構成でROASが2倍以上に改善
ここからは、弊社が支援した某食品ジャンルのA社の事例をご紹介します。スポンサープロダクト広告のアカウント構成を見直したことで、大幅な成果改善を実現したケースです。
※数値は傾向を損なわない範囲で一部加工しています。
改善前の状況:属性の異なる商品が1つの広告グループに混在
A社では、属性の異なる複数の商品を1つの広告グループにまとめて運用していました。たとえば、主力商品と関連商品が同じグループに登録されており、すべての商品に対して同じキーワード・同じ入札額で広告が配信されている状態です。
この構成では、商品ごとにキーワードの入札強弱をつけることができません。結果として、一般キーワード(ビッグワード)での広告効率が悪く、一般キーワード経由のROASは約200%程度にとどまっていました。
一方で、指名キーワード(ブランド名を含むキーワード)のキャンペーンに広告費が偏っており、全体の広告費のうち約4割が指名キーワードに消化されている状況でした。指名キーワードのROASは高いものの、新規顧客獲得につながる一般キーワードの効率が悪いことが課題でした。
実施した施策:ASIN単位で広告グループを分割
この課題に対して実施した施策は、広告グループをASIN(商品)単位に分割するというものです。
具体的には以下のような変更を行いました。
- 1広告グループ=1ASINの構成に再編成
- 商品ごとに最適なキーワードを選定し、それぞれの広告グループに設定
- 商品の利益率や競合状況に応じて、キーワードごとの入札額を個別に調整
- 一般キーワードと指名キーワードのキャンペーンを明確に分離
この変更により、「この商品にはこのキーワードでいくらまで入札する」という商品×キーワード単位の細かな運用が可能になりました。
改善後の成果:一般キーワード経由の売上が約2倍に
アカウント構成変更後、約1か月で以下のような成果が得られました。
一般キーワードキャンペーンの変化
- 売上: 約50万円 → 約100万円(約2倍に増加)
- ROAS: 約200% → 約430%(2倍以上に改善)
- 広告費はほぼ横ばいのまま、売上が大きく伸長
指名キーワードキャンペーンの変化
- 広告費: 約15万円 → 約1万円台(約90%削減)
- ROASは大幅に向上(指名キーワードの無駄な広告費を大幅カット)
全体の変化
- 合計広告費: 約40万円 → 約25万円(約35%削減)
- 合計ROAS: 約510% → 約600%(約1.2倍に改善)
特筆すべきは、広告費を削減しながら一般キーワード経由の売上を大きく伸ばせたという点です。広告グループの設計を見直すことで、予算を成果の出やすい商品×キーワードの組み合わせに集中投下できるようになったことが、この結果につながりました。
Amazonの広告レポートの見方については以下の動画でも解説していますので是非ご覧ください。
この事例から学べる3つのポイント
今回の事例はAmazon広告運用の初期段階で起こりがちなケースで、ここから学ぶポイントは主に以下の3点です。
1. 広告グループは「商品単位」で分けるのが基本
今回の事例の最大のポイントは、広告グループをASIN(商品)単位に分けたことです。これにより商品ごとの入札調整が可能になり、広告費の配分を最適化できました。
特に、商品ラインナップが多い店舗では、広告グループの粒度を細かくすることで得られるメリットは大きくなります。まずは主力商品から分割を始め、段階的に展開していくのがおすすめです。
2. 一般キーワードと指名キーワードのバランスを見直す
改善前の状態では、指名キーワード(ブランドキーワード)に広告費が偏っていました。指名キーワードはもともとコンバージョン率が高いため、ROASの数値は良く見えがちです。しかし、指名検索するユーザーは広告がなくても購入に至る可能性が高く、広告費の投資効率としては必ずしも最適とは言えません。
一般キーワードへの投資配分を増やすことで、新規顧客の獲得とROASの実質的な改善を両立できます。
3. 構成変更の効果は「短期間」で現れやすい
広告グループの再設計は、クリエイティブ改善やSEO対策と比べて効果が出るまでのスピードが速いのが特徴です。今回の事例でも、構成変更後およそ1か月で明確な成果が確認できました。
「何から手をつければいいか分からない」という場合は、まずアカウント構成の見直しから着手してみるのも一つの手です。
広告グループ設計でよくある失敗パターン
Amazon広告の広告グループ設計でよく見られる失敗パターンをご紹介します。自社の運用に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。
「とりあえず全商品を1グループ」で放置してしまう: 運用開始時にまとめて登録したまま、商品が増えても構成を見直していないケースです。商品数が5〜10点を超えたあたりから、パフォーマンスの差が見えにくくなり、改善の打ち手が限られてきます。
広告グループを分けすぎて管理しきれなくなる: 逆に、細かく分けすぎると運用負荷が高くなり、入札調整やレポート確認が追いつかなくなることもあります。まずは売上上位の商品やカテゴリを優先して分割し、管理可能な範囲で最適化を進めるのがポイントです。
一般キーワードの成果が悪いからすぐに停止してしまう: 一般キーワードはもともと指名キーワードに比べてCVR(転換率)が低くなりやすい傾向があります。短期間の数値だけで判断して停止してしまうと、新規流入の獲得チャンスを逃してしまいます。広告グループ単位で商品との相性を見極めながら、最低でも2〜4週間は検証期間を設けることをおすすめします。
まとめ
今回は、Amazonスポンサープロダクト広告のアカウント構成を見直し、ROASを大幅に改善した事例をご紹介しました。ポイントを整理します。
- Amazon広告のROAS改善には、キーワードや入札額だけでなく広告グループの設計が重要
- 複数ASINを1つの広告グループにまとめると、商品単位の最適化ができず非効率になりやすい
- ASIN単位で広告グループを分割することで、商品ごとの入札調整が可能になり、広告費の最適配分が実現できる
- 今回の事例では、構成変更により一般キーワード経由の売上が約2倍、ROAS が2倍以上に改善
- 広告グループの再設計は、比較的短期間で効果が出やすい施策
広告運用の改善というと、キーワード追加やクリエイティブ変更に目が行きがちですが、「そもそもの構成設計」を見直すことで、同じ広告費でもパフォーマンスが大きく変わる可能性があります。まずは自社のアカウント構成を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。
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