【Shopify移行マニュアル】手順やデータ引き継ぎの注意点を徹底解説

株式会社Proteinum ECコンサルタント
この記事は、これまでの支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が【Shopify移行】について解説します。
「現在のカートシステムの機能に限界を感じているが、Shopifyへの移行でデータが消えないか不安だ」 「移行に伴うSEO順位の下落や、会員情報の引き継ぎミスによる顧客トラブルを絶対に避けたい」 「社内にエンジニアがいないため、具体的な移行手順や注意すべき落とし穴を事前に把握しておきたい」
EC事業の拡大に伴い、拡張性の高いShopifyへの移行(リプレイス)を検討する企業が増えています。しかし、カートシステムの移行は単なる「データの引っ越し」ではありません。ドメイン設定、SEO評価の継承、会員データの整合性確保など、一つでも手順を誤れば売上の大幅なダウンに直結する高難易度のプロジェクトです。
結論から申し上げますと、Shopify移行を成功させる鍵は、国内カートとShopifyの「構造的な違い」を理解し、綿密な「事前準備(要件定義・データ整形)」を行うことに尽きます。
この記事では、数多くのECサイト移行を支援してきたProteinumの知見に基づき、Shopify移行のメリット・デメリットから、失敗しないための具体的な手順、プロだけが知る注意点までを網羅的に解説します。
【この記事の対象者】
- 現在のカートシステム(MakeShop、futureshop、BASEなど)からShopifyへの移行を検討しているEC担当者
- リプレイスに伴うデータ移行(商品・会員・注文)のリスクや注意点を知りたい方
- 移行プロジェクトの全体像と具体的なタスクを把握したい方
【この記事を読んでわかること】
- Shopify移行の具体的なメリットと、国内カートとの仕様の違いによるデメリット
- 会員パスワードやポイント情報など、引き継ぎが困難なデータの詳細
- SEO評価を落とさないためのリダイレクト設定やドメイン運用の鉄則
- トラブルを未然に防ぐための詳細な事前準備リスト

Contents
Shopify移行とはどのようなプロセスか?

Shopify移行(リプレイス)とは、現在利用しているECプラットフォームから、世界シェアNo.1のECプラットフォームであるShopifyへ店舗機能やデータを移管する一連のプロジェクトを指します。
- SaaS型ECカートへのシステム乗り換え
- EC事業の成長に伴うプラットフォーム変更
SaaS型ECカートへのシステム乗り換え
従来のパッケージ型やオンプレミス型、あるいは機能が限定的なASPカートから、クラウドベースで常に最新機能が提供されるSaaS(Software as a Service)型のShopifyへシステム基盤を移すプロセスです。これにより、サーバーの保守管理や老朽化対応といった業務から解放され、本来のマーケティング活動にリソースを集中できる環境を整えます。
EC事業の成長に伴うプラットフォーム変更
多くの企業がShopifyへ移行する背景には、「事業のフェーズが変わったこと」が挙げられます。 初期段階で導入したカートシステムでは、「越境ECに対応できない」「外部ツール(MAやCRM)との連携が弱い」「大量のアクセスでサーバーが落ちる」といった課題が発生します。Shopify移行は、これらを解消し、年商10億円、100億円規模のEC事業にも耐えうる拡張性を手に入れるための投資と言えます。
Shopifyについては以下のブログでも解説しています。合わせてご確認ください。
Shopifyへの移行で得られるメリットとは?

Shopifyへ移行することで、具体的にどのような恩恵が得られるのでしょうか。主なメリットは以下の3点です。
- 高い拡張性と豊富なアプリエコシステム
- 越境ECへのスムーズな対応と多通貨決済
- サーバー管理コストとセキュリティ負担の軽減
高い拡張性と豊富なアプリエコシステム
Shopify最大の特徴は、8,000種類以上の「アプリ」による拡張性です。 「定期購入機能を導入したい」「LINEと連携した接客を行いたい」「高度なレビュー機能をつけたい」といった要望に対し、ゼロから開発することなく、アプリをインストールするだけで機能を実装できます。これにより、トレンドに合わせた柔軟な売り場作りが可能になります。
越境ECへのスムーズな対応と多通貨決済
Shopifyは標準で多言語・多通貨に対応しており、海外販売(越境EC)へのハードルが極めて低いプラットフォームです。 配送設定や税率計算も各国のルールに合わせて自動化しやすく、PayPalやStripeなどのグローバルな決済手段も簡単に導入できます。国内市場だけでなく、海外への販路拡大を視野に入れている企業にとって最適な選択肢です。
サーバー管理コストとセキュリティ負担の軽減
Shopifyは堅牢なサーバーインフラを提供しており、大量のアクセスが集中するセール時でもサイトがダウンしにくい設計になっています。 また、PCI DSS レベル1という国際的なセキュリティ基準に準拠しており、セキュリティ対策やサーバー保守にかかるコストと人的リソースを大幅に削減できます。
Shopify移行において特に注意すべきデメリット・難点とは?

Shopifyは非常に優れたカートですが、国内カート(MakeShopやfutureshop、カラーミーショップなど)とは設計思想が根本的に異なります。この違いを理解せずに移行を進めると、「以前できていたことができない」「データの構造が合わない」という深刻なトラブルに直面します。
特に注意すべきは以下の3点です。
- カテゴリー概念と異なる「コレクション」等の階層構造
- 暗号化された会員パスワードや購入履歴の引き継ぎ制限
- ポイント変数の仕様違いによる資産移行の複雑さ
カテゴリー概念と異なる「コレクション」等の階層構造
国内カートとShopifyでは、商品を分類・表示するための「階層構造」の考え方が異なります。
- 国内ECカート(ツリー型): 「大カテゴリー」の下に「子カテゴリー」を作り、その箱の中に商品を紐付けるという、フォルダ分けのような明確な縦の階層構造を持っています。
- Shopify(タグ・コレクション型): 「商品」が起点となります。商品に対して「タグ」を付け、そのタグなどの条件に基づいて「コレクション(グループ)」を作成して表示させます。カテゴリーありきで商品を分類するのではなく、商品から分類を作るイメージです。
このため、移行時には旧カートのカテゴリー構造をそのまま持ってくることが難しく、Shopifyの仕様(コレクションとタグの組み合わせ)に合わせてサイトマップを再設計する必要があります。また、Googleマーチャントセンターへの連携においても、Shopifyと国内カートではカテゴリーの扱いが異なるため注意が必要です。
暗号化された会員パスワードや購入履歴の引き継ぎ制限
多くの担当者が直面する最大の壁が「会員情報の移行」です。
- パスワードの移行は不可: 旧システムにおいてパスワードはセキュリティの関係で暗号化されており、そのままShopifyへ移行することは不可能です。したがって、移行後にユーザーに対して「パスワードの再設定」を依頼するフローが必須となります。
- 購入履歴の引き継ぎ: 過去の購入履歴は、システムによって引き継げる場合とそうでない場合があります。マイページでの表示に関わるため、慎重な確認が必要です。
- 会員IDの扱い: Shopify側で新しいIDが発行されることが一般的です。旧IDを保持するか、新旧IDのマッピング(紐付け)を行うなどの対応が必要となります。
ポイント変数の仕様違いによる資産移行の複雑さ
顧客が保有している「ポイント」は顧客の資産であり、移行漏れはクレームに直結します。 しかし、カートシステムによってポイントの計算ロジックや有効期限の管理方法が異なるため、単純なデータ移行ができません。「1ポイント=1円」としてクーポンに変換して付与するなど、移行先のアプリや機能に合わせた変換ルールを策定する必要があります。
Shopify移行のトラブルを防ぐ重要な事前準備とは?

移行プロジェクトの失敗を防ぐためには、実作業に入る前の「事前準備」が重要です。特にドメイン(メールサーバー)とSEO(リダイレクト)、そしてデータ整形に関しては、専門的な知識に基づく対策が不可欠です。
- ドメイン移管におけるDNS設定とMXレコードの確認
- SEO評価を維持するための301リダイレクトマップ作成
- 移行元データとShopify仕様に合わせたCSVの整形
ドメイン移管におけるDNS設定とMXレコードの確認
ショップのURL(ドメイン)は、原則として既存のものを継続使用することでSEO評価の引き継ぎに有利に働きます。しかし、ドメイン設定の切り替え(DNS設定の変更)には大きなリスクが潜んでいます。
特に注意が必要なのが「メールサーバー設定(MXレコード)」です。 DNS設定をShopifyに向ける際、メールサーバーの設定も適切に維持・移行しないと、「ショップのメールが送受信できなくなる」という重大な障害が発生します。ネームサーバーを変更する際は、MXレコードの設定が正しく引き継がれているかを必ず確認してください。
また、一部のASPカート(BASE等)で取得したサブドメインなどは、仕様上Shopifyに持ち出せないケースがあるため、独自ドメインの契約状況を事前に確認する必要があります。
SEO評価を維持するための301リダイレクトマップ作成
URL構造が変わる場合、旧URLから新URLへの転送設定(301リダイレクト)を行わないと、これまでの検索エンジンからの評価(SEO順位)がリセットされてしまいます。
- リダイレクトマップの作成: 「旧サイトのページA」→「新サイトのページA’」という対応表を作成し、漏れなく設定します。
- URL構造の統一: 末尾のスラッシュの有無や、大文字・小文字の違いなど、細かいURLの不一致にも注意が必要です。
移行元データとShopify仕様に合わせたCSVの整形
商品データの移行は、単にCSVをエクスポート・インポートするだけでは完了しません。 移行元のカートとShopifyではCSVのフォーマット(列の並びや項目名)が全く異なるため、Shopifyのインポート仕様に合わせてデータを整形する作業が発生します。
- 文字コード・改行コード: データ破損の原因となるため、適切な形式に変換します。
- 画像パスとHTMLタグ: 商品説明文に含まれる画像URLやHTMLタグが、移行後も正しく表示されるよう、一括置換やパスの書き換えが必要です。
- バリエーション設定: 「色・サイズ」などのバリエーション構造も、Shopifyの仕様(オプションなど)に合わせて再構成する必要があります。
Shopify移行を実施する具体的な手順とは?
事前準備が完了したら、実際にShopify環境への移行作業を進めます。以下の手順に沿って、計画的に実施してください。
- Shopifyアカウントの開設と基本設定を行う
- 商品・顧客データのインポートと整合性チェック
- ストアデザインの構築と決済・配送ルールの設定
- ドメイン接続と旧カートからの切り替え実施
Shopifyアカウントの開設と基本設定を行う
まずはShopifyのアカウントを開設します。開発用の「開発ストア」を利用すれば、リリースまで料金が発生せずに構築を進めることが可能です。
アカウント開設後は、基本設定(ストア名、言語、通貨、タイムゾーンなど)を行います。特に通貨設定は一度売上が発生すると変更が困難になるため、間違いのないよう設定してください。
商品・顧客データのインポートと整合性チェック
事前準備で整形したCSVデータを用いて、各種データをインポートします。
Matrixifyなどのアプリを活用し、まずは少量のデータでテストインポートを行い、項目ズレや文字化けがないかを確認します。特に商品データにおいては、SKU(商品ID)が変更されると在庫連携や注文データとの整合性が取れなくなるため、旧IDを維持するか、マッピング表を作成して管理することが重要です。
ストアデザインの構築と決済・配送ルールの設定
選定したテーマ(テンプレート)をベースに、ブランドイメージに合わせたデザインカスタマイズを行います。
同時に、バックエンドの設定として「決済方法(Shopify Payments、Amazon Payなど)」と「配送・送料設定」を行います。配送設定では、地域別送料や重量別送料など、自社の物流ルールがShopifyの標準機能で再現可能か確認し、必要であれば配送アプリを導入します。
ドメイン接続と旧カートからの切り替え実施
ストア構築が完了したら、いよいよ公開作業(DNS切り替え)です。
旧カートからShopifyへドメインの接続先を変更します。DNS情報の伝播には数時間〜最大72時間程度かかる場合があるため、アクセスが少ない深夜帯などに実施することを推奨します。切り替え後は、直ちに301リダイレクトが正常に機能しているか、メールの送受信に問題がないかを確認します。
Shopify移行に活用できる便利なアプリとは?

Shopifyへのデータ移行は手作業では膨大な時間がかかるため、専用のアプリを活用するのが一般的です。
- Matrixifyによる大量データの移行
- Store Importerによる他カートからの移行
Matrixifyによる大量データの移行
「Matrixify(旧Excelify)」は、Shopify移行において最も利用されている強力なデータ管理アプリです。
商品、コレクション、顧客、注文データなど、ほぼ全てのデータをExcelやCSV形式で一括インポート・エクスポートできます。特に画像のURLインポートやメタフィールド(カスタム項目)の移行にも対応しており、複雑なデータ構造を持つストアの移行には必須のツールと言えます。
Store Importerによる他カートからの移行
Shopifyが公式に提供している無料アプリ「Store Importer」を使用すると、特定のプラットフォームからの移行をスムーズに行えます。
ただし、対応しているプラットフォームは海外製カートが中心であり、国内独自のカートシステムからの移行には対応しきれないケースがあります。その場合はCSVによる手動移行や、Matrixifyとの併用を検討します。
Shopify移行にかかる費用の相場とは?

Shopify移行にかかる費用は、自社で実施するか、制作代行会社に依頼するかで大きく異なります。また、移行するデータ量やデザインのこだわりによっても変動します。
| 項目 | 自社で対応する場合 | 制作会社へ依頼する場合 |
| 費用目安 | 数万円 〜 10万円 (主にアプリ利用料・テーマ購入費) | 100万円 〜 500万円以上 (要件定義・データ移行・デザイン構築費) |
| 主なコスト | ・Shopify有料テーマ代 ・移行アプリ(Matrixify等)利用料 ・担当者の人件費 | ・ディレクション費 ・データ整形、移行作業費 ・SEO設計、リダイレクト設定費 ・デザイン、機能カスタマイズ費 |
| メリット | コストを最小限に抑えられる。 社内にノウハウが蓄積される。 | 専門家による安全な移行が可能。 SEOやデータ整合性のリスクを回避できる。 本業に集中できる。 |
| デメリット | 膨大な工数がかかる。 技術的なトラブル(データ消失等)のリスクがある。 | コストがかかる。 業者選定や打ち合わせの工数が発生する。 |
自社で移行作業を行う場合のコスト
外部コストとしては、有料テーマ(約2〜4万円)やデータ移行アプリ(月額数千円〜数万円)の実費のみで済みます。しかし、CSVの整形やドメイン設定などの専門知識が必要となり、担当者の学習コストや作業工数が膨大になる点を考慮する必要があります。
制作代行会社へ依頼する場合の見積もり相場
一般的な移行プロジェクトの場合、100万円〜300万円程度が相場となります。
これには、現状分析、データ移行(商品・会員)、リダイレクト設定、基本デザイン構築が含まれます。さらに、基幹システムとの連携開発や、大規模なデザインリニューアルを伴う場合は、500万円〜1,000万円以上の予算が必要になるケースもあります。
Shopify移行に関するよくある質問
移行検討中によく寄せられる質問と、その回答をまとめました。
Q1:現在のSEO評価順位は引き継げるか?
A1:適切な301リダイレクト設定を行えば、基本的には引き継ぎ可能です。
ただし、ドメインを変更する場合や、URL構造(ディレクトリ階層)が大きく変わる場合、一時的に検索順位が変動する可能性があります。SEOへの影響を最小限にするためには、可能な限り「既存ドメインを継続使用」し、全ページに対して「旧URLから新URLへの301リダイレクト」を漏れなく設定することが重要です。
Q2:会員のパスワードはそのまま使えるか?
A2:いいえ、セキュリティの仕様上、パスワードの引き継ぎはできません。
旧システムにおいてパスワードは暗号化されているため、そのままShopifyへ移行することは不可能です。そのため、移行完了後に会員へ案内メールを送り、Shopify上で「パスワードの再設定」を行ってもらうフローが必須となります。また、マイページへの初回ログインを促すためのクーポン配布などの施策を合わせて準備することをお勧めします。
Q3:商品画像の再アップロードは必要か?
A3:移行ツールを使用すれば自動で取り込めますが、HTML内の記述には注意が必要です。
商品データ(CSV)に含まれるメイン画像などは、Matrixifyなどのツールを使えばURL指定で一括取り込みが可能です。ただし、商品説明文(HTML)の中に直接書き込まれている画像リンク(<img src=”…”>)については、旧サーバーの画像を参照している場合があるため、画像の再アップロードとパス(URL)の一括変換処理が必要になります。
Shopify移行についてのまとめ
いかがでしたでしょうか。ここまでShopify移行について解説してきました。
Shopifyへの移行は、EC事業のさらなる成長に向けた重要なステップですが、システムの仕様違いによる落とし穴も多く存在します。成功のためには、以下のポイントを押さえてプロジェクトを進めてください。
- 構造理解: Shopify特有の「商品起点」の分類(コレクション・タグ)を理解し、サイト構造を設計する。
- データ移行の限界: 会員パスワードは移行不可であり、再設定の案内が必要であることを前提にスケジュールを組む。
- 技術的対策: ドメイン移管時のMXレコード設定や、SEO維持のための301リダイレクト設定を確実に行う。
- 事前準備: CSVデータの整形(文字コード、画像パス変換)に十分な時間を割く。
これらの準備を怠らなければ、拡張性の高いShopifyの機能をフル活用し、売上の壁を突破することができるはずです。
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