自社ECとは?モール型との違いやメリット・デメリット、成功のポイントを徹底解説!
本記事は、楽天市場出身者が創業し、支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が、長年の運営経験に基づいて「自社ECの特徴」について解説いたします。

株式会社Proteinum 代表取締役
プロテーナムでは、楽天、amazon、自社EC、Yahoo!ショッピングを中心に、データに基づく圧倒的な成果にこだわった支援を行っている。ナショナルブランドを中心に累計1,000社以上の支援と年間広告費10億円以上の運用実績を持ち、独自のEC運用支援システム「ECPRO」も提供している。
【結論】自社ECとは?
結論から申し上げますと、自社ECとは、企業が独自ドメインを取得し、自力で構築・運営するネットショップのことです。
ショッピングモール型(Amazon、楽天など)が「百貨店内のテナント」であるのに対し、自社ECは「路面店(直営店)」に例えられます。集客の難易度は高いものの、「顧客リスト(資産)の保有」「高い利益率」「自由なブランディング」が可能であり、D2C(Direct to Consumer)トレンドの中で最も注目されている手法です。
この記事では、自社ECとモール型ECの決定的な違いから、具体的なメリット・デメリット、そして成功させるための手順までをプロの視点で解説します。
【記事の対象となる方】
- これからEC事業を立ち上げたいが、どの形態で始めるべきか迷っている方
- Amazonや楽天などのモールに出店しているが、利益率やブランディングに限界を感じている方
- そもそもECサイトが何かわからず事業を始められていない方
Contents
自社ECとは?モール型ECとの違いを比較表で解説
自社ECとは具体的にどのようなものを指し、モール型とは何が違うのか?
自社ECとは、自社の独自ドメイン(〇〇.comなど)を持ち、システムの選定からデザイン、集客までを自社でコントロールするECサイトです。一方、モール型ECは巨大なプラットフォームの中に場所を借りて出店する形式です。
両者の違いを理解するために、よく使われる「店舗」の例えと、具体的な比較表を見てみましょう。
「路面店」と「テナント」の違い
- 自社EC = 路面店(ブランド直営店)人通りのない場所に店を構えるため、自分でチラシを配ったり広告を出して人を呼ぶ必要があります。しかし、内装は自由で、顧客の名前や住所を管理でき、売上の手数料も取られません。
- モール型EC = 百貨店やショッピングモールのテナントすでに人が集まっている場所に店を出すため、集客は楽です。しかし、内装には制限があり、売上に応じたロイヤリティ(出店料)が発生し、顧客データはモールのものとなります。
自社ECとモール型ECの比較表
| 比較項目 | 自社ECサイト | モール型EC (Amazon/楽天など) |
| ドメイン | 独自ドメイン | モールのドメイン |
| 集客力 | 低い(自力で集客が必要) | 高い(モールの集客力を利用) |
| 顧客データ | 自社で保有・活用可能 | モール側が保有(制限あり) |
| デザイン自由度 | 高い | 低い(規定あり) |
| 利益率 | 高い(手数料が少ない) | 低い(出店料・手数料がかかる) |
| 立ち上げスピード | 時間がかかる | 比較的早い |
なぜ今「自社EC」なのか?導入する3つのメリット
集客が大変なのに、なぜ多くの企業が自社ECに移行しているのか?
最大の理由は、ビジネスを長期的に安定させるための「資産(顧客リスト)」と「利益構造」を作れるからです。
1. 顧客データ(CRM)を活用し、LTVを最大化できる
自社ECの最大のメリットは、顧客情報をすべて自社で保有できる点です。
モール型では「モールの会員」として扱われるため、顧客に対して自由にメルマガを送ったり、詳細な分析を行ったりすることに制限があります。自社ECであれば、購入履歴に基づいたステップメール配信やLINE連携など、リピーター育成(LTV向上)のためのマーケティングが自由自在です。
2. 手数料が抑えられ、利益率が高い
モール型ECは、初期費用や月額費用の他に、売上の数%~十数%の販売手数料がかかることが一般的です。売上が上がれば上がるほど、支払う手数料も増えていきます。
一方、自社EC(特にASPカートなど)は、販売手数料が低い、あるいは無料のケースが多く、売上が伸びた分だけ利益として手元に残りやすい構造になっています。
3. 独自のブランディングでファンを作れる
サイトのデザイン、購入体験、同梱物の演出などを完全に自由に設計できます。
価格競争に巻き込まれやすいモールとは異なり、「ブランドの世界観」を伝えることで、価格以外の価値でファンを獲得することが可能です。
知っておくべき自社ECのデメリットとリスク
逆に、自社ECのデメリットや注意点はなにか?
最大の壁は「集客」と「信頼構築」です。ここを理解せずに始めると失敗します。
1. オープン直後はアクセスが「ゼロ」
自社ECサイトを作っただけでは、砂漠の真ん中にポツンと店を建てたのと同じです。
Google検索(SEO)やWeb広告、SNS運用を行わない限り、自然に人が訪れることはありません。集客のためのマーケティングスキルと予算が必須となります。
2. 信頼獲得に時間がかかる
「Amazonなら安心だけど、初めて見るこのサイトでカード情報を入力して大丈夫かな?」と不安に思うユーザーは少なくありません。
知名度がない段階では、セキュリティの明示や、丁寧なサイト作り、SNSでの発信などを通じて、信頼を積み重ねる時間が必要です。
具体例:モール依存から自社ECへ
実際にモール型から自社ECへ軸足を移したアパレル企業の事例を見てみましょう。
【Before:モール出店のみ】
- 状況:月商は高いが、モールへの手数料と広告費で利益率が低い。
- 悩み:価格競争が激しく、セールの時しか売れない。顧客リストがないため、リピート施策が打てない。
- 課題:自社ECが何かを知らず、モールの集客力に依存していた。
【After:自社ECサイト構築後】
- 施策:Instagramで世界観を発信し、自社ECへ誘導。会員限定の先行販売やポイント制度を導入。
- 結果:手数料削減により粗利益率が10%改善。顧客への直接アプローチが可能になり、リピート率が1.5倍に向上。
- 変化:「安売り」ではなく「ブランドのファン」に支えられる経営体質へ変化した。
失敗しない自社ECサイト構築の5ステップ
自社ECを成功させるための具体的な立ち上げ手順を解説します。
手順1:コンセプトとターゲットの明確化
「誰に」「何を」「どのような価値」で提供するのかを決めます。ここがブレていると、集客施策もデザインも決まりません。
手順2:システム(カート)の選定
予算と規模に合わせて構築方法を選びます。
- ASP(Shopify, BASEなど): 低コスト・短納期。まずはここからがおすすめ。
- パッケージ / オープンソース: カスタマイズ性が高いが、費用と技術が必要。
- フルスクラッチ: 完全オリジナル。大規模向け。
手順3:サイト構築・デザイン
ユーザビリティ(使いやすさ)を重視したデザインを行います。特にスマホでの操作性は最重要です。
手順4:決済方法・物流の整備
クレジットカード、PayPay、後払いなど、ターゲット層がよく利用する決済方法を導入します。また、配送フローも確立します。
手順5:集客・マーケティングの開始(最重要)
サイトオープン前からSNSで告知を行ったり、SEO対策キーワードを含んだ記事を書いたりして、集客の準備をします。ここがスタートラインです。
自社ECの成功には「リピーター」が不可欠
EC業界の一般的なデータとして、新規顧客を獲得するコストは、既存顧客に販売するコストの5倍(1:5の法則)かかると言われています。
自社ECにおいて利益を最大化する鍵は、一度集客した顧客をいかに「リピーター」にするかです。成功している自社ECサイトは、売上の50%以上をリピーターが占めているケースが多々あります。「自社ECとは、リピーターを育てるための装置である」と定義しても過言ではありません。
▼自社ECサイトでよくある失敗例をを以下で詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください▼
自社ECサイトに関する質問(FAQ)
Q1.自社ECを始めるのに、プログラミング知識は必要ですか?
A.必須ではありません。現在はShopifyやBASEといったASPカートを使えば、ノーコード(プログラミング不要)で直感的にサイトを作成できます。ただし、デザインの微調整や高度な機能追加にはHTML/CSSなどの知識が必要になる場合があります。
Q2.モール型と自社EC、どちらから始めるべきですか?
A. 商品の知名度が全くない場合は、集客力のある「モール型」から始めて認知を広げ、徐々に「自社EC」へ誘導する併用型が王道です。最初からSNSでの発信力がある場合は、利益率の高い自社EC一本でも可能です。
Q3.構築にかかる費用はどれくらいですか?
A.構築方法によりますが、ASPなら月額数千円〜数万円、パッケージなら数百万円〜、フルスクラッチなら数千万円〜が相場です。初期フェーズではASPを利用し、スモールスタートすることを推奨します。
まとめ:自社ECとはビジネスを成長させるための最強のツール
最後に、自社ECサイトについて重要なポイントをまとめます。
- 定義: 自社ECとは、独自ドメインを持ち、自社で集客・販売・顧客管理を行う「路面店」のようなサイト。
- メリット: 高い利益率、顧客データの保有、自由なブランディングが可能。
- デメリット: 集客を自力で行う必要があり、信頼構築に時間がかかる。
- 成功の鍵: 「集客」だけでなく、CRMを活用した「リピーター育成」に注力すること。
自社ECサイトの構築は、単に売り場を作るだけでなく、貴社のブランド資産を積み上げる大きなプロジェクトです。
「アクセス数はあるのに売上が伸びない」「広告費ばかりかさんで利益が出ない」「何から改善すればいいか分からない」「やりたいことはあるが手が回らず困っている」
こんなお悩みはありませんか?
弊社では、EC事業のプロフェッショナルが貴社の店舗・サイトを分析し、売上アップのための具体的な改善ポイントをご提案する「EC無料診断」を実施しています!
毎月5社様限定とさせていただいておりますので、枠が埋まってしまう前に、まずはお気軽にご相談ください。


