自社ECサイトのリニューアルとは?検討すべきタイミングから、手順、成功のポイントを徹底解説

自社ECサイトのリニューアルとは?検討すべきタイミングから、手順、成功のポイントを徹底解説

本記事は、楽天市場出身者が創業し、支援実績が1,000社以上、広告運用実績年間10億円以上の弊社(Proteinum)が、長年の運営経験に基づいて、自社ECサイトのリニューアルについて、検討タイミングや手順、成功のポイントを徹底解説します。

Writer小野寺 克吉

株式会社Proteinum ECコンサルタント

Web制作会社、EC総合支援会社(株式会社これから)を経て、現職。現在は自社ECディレクター/コンサルタントとして活動。ネットショップ黎明期より積み上げた20年以上の豊富な知見を武器に、大手メーカーをはじめとするナショナルクライアントのEC進出やブランディングを数多く手掛け、戦略立案から実行支援までを一気通貫でリード。これまで300社を超えるEC事業者を支援し、担当コンサル案件10社で合計月商3億円を達成するなど、業界屈指の支援実績を誇る。Shopify、futureshop、MakeShop、ecforce、ショップサーブといった主要カートシステムからその他のあらゆるカートシステムすべてに深い知見を持ち、商材や事業フェーズ毎に最適な戦略立案と実行支援を得意とする。

初めにリニューアルを検討すべきタイミングについて掲載します。
こちらに該当する事業者様は、ぜひ本記事をご覧いただき、自社ECサイトのリニューアルに対する知見を深めていただけたら幸いです。

検討タイミング主な課題・兆候リニューアルの目的
システムの老朽化デザインが古い、管理画面が使いにくいユーザビリティ向上、運用負荷の軽減
売上の低迷集客しても買われない、施策が打てないCVR改善、マーケティング機能の強化
事業規模の拡大在庫連携が手動、受注処理が追いつかないバックオフィス連携、業務自動化
時代への対応スマホで見づらい、決済手段が少ないモバイル対応、セキュリティ強化
パフォーマンス低下表示速度が遅い、アクセス集中で落ちるサーバー増強、Core Web Vitals改善

Contents

自社ECサイトのリニューアルとは?

自社ECサイトのリニューアルとは、単に古くなったサイトのデザインを綺麗にする「改装」だけではありません。事業の成長段階や市場の変化に合わせて、システム基盤、業務フロー、顧客体験(UX)を根本から見直し、売上を最大化するための戦略的な投資です。

リニューアルには大きく分けて、システムごと入れ替える「フルリニューアル」と、既存システムを活かしつつ改修する「部分リニューアル」があります。

種類内容主な目的・メリット実施のハードル
フルリニューアルECカートやサーバーの移行、デザイン全面刷新根本解決
機能制限の解消、業務フローの抜本的改革
費用・期間大
データ移行のリスク
部分リニューアルTOPページや商品ページのデザイン変更、機能追加局所改善
UI/UXの向上、予算を抑えた改修
費用・期間小
システムの根本課題は残る
運用改善バナー変更、特集ページ作成、軽微な修正鮮度維持
情報の更新、キャンペーン対応
即時対応可能
大きな数値改善は難しい

単なる「見た目の変更」ではなく「事業成長のための再構築」

多くの企業が誤解しがちなのが、「リニューアル=デザインを今風にすること」という認識です。もちろんデザインも重要ですが、本質は「現状のECサイトが抱えるボトルネック(成長の阻害要因)を解消すること」にあります。

  • システムの壁: 「やりたい施策があるのにシステムが対応していない」
  • 業務の壁: 「受注数が増えて手作業が限界に達している」
  • データの壁: 「顧客データが活用できず、リピート施策が打てない」

これらを取り除くために、カートシステムの乗り換えや、バックオフィス連携を含めた全体の設計図を描き直す作業こそが、自社ECサイトのリニューアルです。

「フルリニューアル」と「部分リニューアル」の判断基準

リニューアルを成功させるためには、自社の課題が「どのレベルの改修で解決するか」を見極める必要があります。

  • フルリニューアルすべき場合:
    • 現在のASPやパッケージの機能に限界を感じている。
    • セキュリティサポートが終了する。
    • デザインだけでなく、受注・在庫管理などの裏側の業務フローも一新したい。
  • 部分リニューアルで十分な場合:
    • システム機能には満足しているが、サイトの回遊率やCVRが低い。
    • スマートフォンでの表示崩れだけを直したい。
    • ブランドロゴの変更に合わせて、サイトの雰囲気だけを変えたい。

目的と予算を照らし合わせ、無駄な投資を避けるためにも、この「範囲の定義」が初期段階で重要になります。

自社ECだからこそ求められる「資産化」の視点

Amazonや楽天などのモール型ECと異なり、自社ECサイト(本店)のリニューアルで最も重視すべきは「顧客資産とブランド資産の積み上げ」です。

モールではプラットフォームの集客力に依存しますが、自社ECでは「顧客リスト(会員情報)」や「独自のドメインパワー(SEO)」、そして「ブランドの世界観」がすべて自社の資産になります。 リニューアルは、これらの資産をより強固にし、「広告費をかけ続けなくても売れる仕組み(=ファン作り)」を加速させるためのターニングポイントと言えます。

自社ECサイトのリニューアルを検討する5つのタイミングとは?

ECサイトのリニューアルは、単なる「古くなったから変える」だけではなく、事業成長の阻害要因を取り除くための投資判断です。

主に以下の5つのタイミングが検討の契機となります。

検討タイミング主な課題・兆候リニューアルの目的
システムの老朽化デザインが古い、管理画面が使いにくいユーザビリティ向上、運用負荷の軽減
売上の低迷集客しても買われない、施策が打てないCVR改善、マーケティング機能の強化
事業規模の拡大在庫連携が手動、受注処理が追いつかないバックオフィス連携、業務自動化
時代への対応スマホで見づらい、決済手段が少ないモバイル対応、セキュリティ強化
パフォーマンス低下表示速度が遅い、アクセス集中で落ちるサーバー増強、Core Web Vitals改善

システムやデザインが老朽化し、使い勝手が悪くなったとき

システム導入から数年が経過すると、デザインのトレンドが陳腐化するだけでなく、UI(ユーザーインターフェース)が現在のユーザーの感覚とズレてきます。「商品が探しにくい」「文字が小さくて読みづらい」「導線が分かりにくい」といったサイトは、訪問者の離脱を招きます。

また、フロント側(顧客側)だけでなく、バックエンド(管理画面)の老朽化も深刻な問題です。

  • 商品登録に時間がかかる
  • バナーの差し替えにHTMLの知識が必要
  • 顧客データの抽出がスムーズにできない

こうした運用面での「使い勝手の悪さ」は、担当者の工数を圧迫し、本来行うべき販促活動の時間を奪うため、リニューアルによる刷新が必要です。

売上が低迷し、現状の機能では改善が難しくなったとき

「広告で集客はできているのに、購入率(CVR)が低い」「リピート購入につながらない」といった売上の悩みがあり、それを解決するための機能が現在のシステムに備わっていない場合はリニューアルのタイミングです。

例えば、以下のような施策を行いたくても、現行システムでは対応できない(または高額な改修費がかかる)ケースです。

  • CRM機能: 顧客ランクに応じた会員価格の表示や、ステップメールの配信
  • 販促機能: クーポン発行、セット販売、タイムセールの設定
  • 分析機能: 顧客属性ごとの購買データ分析

システム的な制約が売上向上のボトルネックになっている場合、より多機能なカートシステムやプラットフォームへの乗り換えが推奨されます。

事業規模が拡大し、システム連携や拡張機能が不足したとき

EC事業の立ち上げ期と成長期では、求められるシステム要件が異なります。売上が拡大し、1日の受注件数が増えると、手作業での在庫管理や受注処理が限界を迎えます。

  • 実店舗とECの在庫を一元管理したい(OMS/POS連携)
  • 基幹システム(ERP)と売上データを自動連携したい
  • 物流倉庫(WMS)へ出荷データを自動送信したい

このように、外部システムとのAPI連携や、業務効率化のための拡張機能が不足した際、スケーラビリティ(拡張性)の高いシステムへリニューアルすることで、さらなる事業拡大の土台を作ることができます。

スマホ対応やセキュリティなど、時代に即した対応が必要なとき

EC市場を取り巻く環境は急速に変化しており、「数年前の常識」が通用しなくなっています。特に「スマホ対応(モバイルファースト)」と「セキュリティ」は緊急度の高い課題です。

  • スマホ対応: 現在、EC利用の多くはスマートフォン経由です。PCサイトを無理やり縮小表示しているだけや、操作性が悪いサイトは、Googleの検索評価(SEO)を下げる要因にもなります。
  • 決済手段の多様化: Amazon Pay、PayPay、あと払いなど、ユーザーが求める決済手段がないだけでカゴ落ちします。
  • セキュリティ: クレジットカード情報の非保持化や、常時SSL化など、個人情報保護の基準は年々厳しくなっています。

これらに対応できていない「レガシーシステム」を使い続けることは、機会損失だけでなく、情報漏洩などの経営リスクに直結します。

サイトの表示速度やパフォーマンスが低下してきたとき

サイトの「表示速度」は、ユーザー体験とSEOの両方に直結する極めて重要な要素です。Googleの調査でも、表示速度が数秒遅れるだけで直帰率が跳ね上がることがわかっています。

  • 商品画像を高画質にしたら読み込みが遅くなった
  • アクセスが集中するセール時にサーバーがダウンする
  • データベースが肥大化し、ページの挙動が重い

これらは、サーバー環境の見直しや、ソースコードの最適化、あるいはSaaS型からクラウドサーバー型への移行などで解決する必要があります。パフォーマンスの低下は「顧客を待たせる」ことであり、直接的な売上ダウンにつながるため、早急なリニューアルが必要です。

自社ECサイトのリニューアルが重要な4つの理由とは?

ECサイトのリニューアルは、単なる「店舗改装」以上の意味を持ちます。それは経営課題を解決し、利益構造を改善するための重要なプロジェクトです。

UX(顧客体験)の改善によるCVR(購入率)の向上

リニューアルの最大の目的の一つは、ユーザー体験(UX)を向上させ、コンバージョン率(CVR)を高めることです。 古いサイトでは、「欲しい商品が見つからない」「購入までの入力項目が多い」「エラーが出やすい」といったストレスが、ユーザーを購入直前で離脱させています。

リニューアルによって、検索精度の向上、決済ステップの簡略化(EFO)、レコメンド機能の最適化を行うことで、「迷わず、快適に買えるサイト」を実現します。これにより、同じアクセス数でも売上を大きく伸ばすことが可能になります。

業務フローの自動化・効率化によるコスト削減

ECサイトの運営には、受注処理、在庫確認、出荷指示、問い合わせ対応など、膨大なバックヤード業務が発生します。リニューアルによってこれらの業務フローを見直し、システムによる自動化を進めることが重要です。

例えば、受注データを物流倉庫へ自動連携できれば、担当者がCSVを手動でダウンロード・アップロードする手間がなくなります。これにより、人件費を削減できるだけでなく、人為的なミス(誤出荷など)も防ぐことができ、結果として利益率の改善につながります。

セキュリティリスクの回避と信頼性の担保

サイバー攻撃の手口は日々巧妙化しており、ECサイトは常に標的にされています。特に、サポートが終了した古いバージョンのECパッケージやプラグインを使い続けることは、セキュリティホールを放置しているのと同じです。

リニューアルによって最新のセキュリティ基準(最新のカートシステムやサーバー環境)に移行することは、顧客の大切な個人情報やクレジットカード情報を守るために必須です。「セキュリティ対策が万全である」ということは、ユーザーに安心して買い物をしてもらうための信頼の証となります。

ブランドイメージの刷新と競争力の強化

ECサイトはブランドの「顔」です。デザインが古臭かったり、操作性が悪かったりすると、取り扱っている商品の品質まで低く見られてしまう恐れがあります。

リニューアルを通じて、ブランドの世界観を正しく表現し、ストーリーを伝えるコンテンツを充実させることで、他社との差別化を図ることができます。単なる「売り場」ではなく、ブランドのファンを育てる「メディア」としての機能を強化することで、価格競争に巻き込まれない強い競争力を手に入れることができます。

自社ECサイトのリニューアルのフェーズとそれぞれの実施内容とは?

リニューアルプロジェクトは長期にわたり、多くの関係者が関わるため、正しい手順で進めることが成功の鍵です。一般的なフローは以下の通りです。

フェーズ目的主な実施内容
構想・分析課題の特定とゴールの設定現状分析、KGI・KPI策定、プロジェクト体制構築
要件定義実現したい機能・仕様の言語化RFP(提案依頼書)作成、機能・非機能要件の洗い出し
選定・契約最適なシステムとパートナー決定ECカートシステム選定、開発ベンダー比較・決定
設計・開発サイトの具現化と実装サイトマップ・UI設計、システム開発、外部連携テスト
移行・公開安全な切り替えとSEO評価の維持データ移行、受入テスト、リダイレクト設定、公開

フェーズ1. 現状分析とリニューアル目的(KGI・KPI)の策定

いきなりデザインの話を始めるのは失敗の元です。まずは「なぜリニューアルするのか」を明確にします。 Google Analyticsなどのアクセス解析データや、顧客からの問い合わせ内容、社内スタッフのヒアリングをもとに、現状の課題を洗い出します。

その上で、リニューアル後のゴール(KGI)と、それを測る指標(KPI)を設定します。

  • KGI例: ECサイト経由の年間売上◯億円達成
  • KPI例: CVRを1.5%に改善、スマホ経由の直帰率を40%以下にする、受注処理時間を50%削減

ここがブレていると、開発途中で追加要望が次々と出てしまい、予算超過や納期遅延の原因となります。

フェーズ2. 要件定義とRFP(提案依頼書)の作成

リニューアルにおける最重要ドキュメントが「RFP:提案依頼書)」です。 自社が実現したい機能、解決したい課題、予算、スケジュール、技術的な条件などを文書化し、開発会社に提示します。

  • 機能要件: 必須の機能(決済方法、定期購入、ポイント機能など)
  • 非機能要件: セキュリティ基準、サーバー性能、保守体制など
  • 連携要件: 基幹システムや外部ツールとの連携仕様

RFPを作成することで、開発会社からの提案内容の精度が上がり、「言った・言わない」のトラブルを防ぐことができます。

フェーズ3. ECカートシステムの選定・開発会社の決定

作成したRFPをもとに、複数の開発会社やカートベンダーから提案を受け、比較検討を行います。 「ASP」「パッケージ」「フルスクラッチ」など、どの構築手法が自社の規模と要件に合っているかを判断します。

選定のポイントは、初期費用や月額費用だけでなく、以下の点も考慮します。

  • 将来的な拡張性はあるか
  • 自社の業界・商材での構築実績はあるか
  • 担当者の理解度やコミュニケーション能力
  • 公開後のサポート体制

カートシステムの選定については以下の動画でも解説していますので、是非ご確認ください!

【関連動画:おすすめ自社ECカート7選】

フェーズ4. 設計・デザイン・システム開発

パートナーが決まったら、詳細な設計に入ります。

  • サイトマップ・ワイヤーフレーム作成: ページ構成や画面レイアウトを決定します。
  • UI/UXデザイン: ブランドイメージを体現しつつ、使いやすさを重視したデザインを制作します。
  • システム開発・実装: 裏側のデータベース構築や、フロントエンドのコーディングを行います。

このフェーズでは、定期的な定例会を行い、進捗状況と品質を細かくチェックすることが重要です。丸投げにせず、テスト環境で実際の画面を触りながらフィードバックを行います。

フェーズ5. データ移行・テスト・公開

システムが完成したら、いよいよ公開準備です。ここが最も慎重さが求められるフェーズです。

  • データ移行: 旧サイトの会員データ、商品データ、注文履歴などを新サイトへ移行します。特に会員のパスワード移行は注意が必要です。
  • 受入テスト: 想定通りの動きをするか、決済が正しく行われるか、表示崩れがないかを全デバイスで確認します。
  • リダイレクト設定(301): 旧URLにアクセスしたユーザーを新URLへ自動転送する設定を行い、SEO評価を引き継ぎます。

すべての確認が完了したら、日時を決めてサイトを切り替え(リリース)、リニューアルオープンとなります。

自社ECサイトのリニューアル費用目安

ECサイトのリニューアル費用は、どの「構築手法」を選ぶかによって桁が変わるほど大きく異なります。

自社の年商規模や必要な機能に合わせて適切な手法を選ぶことが重要です。

構築手法費用相場特徴・向いている企業
ASPパッケージ数十万円〜500万円低コスト・短納期
年商1億円未満〜中規模、標準機能で十分な場合
パッケージ / オープンソース500万円〜数千万円拡張性・独自性
年商数億円以上、独自の業務フローや連携が必要な場合
フルスクラッチ数千万円〜億円単位完全オーダーメイド
年商数十億円以上、大規模で既存システムが合わない場合

ASP型でリニューアルする場合

Shopify、futureshop、MakeShopなどのクラウド型システムを利用する方法です。 サーバー管理やセキュリティ対策がベンダー任せにできるため、運用コストを抑えられます。

  • 費用感: 初期費用は安く抑えられますが、デザインにこだわったり、アプリ(プラグイン)を多数導入したりすると、カスタマイズ費用として数百万円かかるケースもあります。
  • メリット: 常にシステムが自動更新されるため、陳腐化しにくい点も強みです。

オープンソース・パッケージ型でリニューアルする場合

ecbeingやebisumartなどの商用パッケージや、EC-CUBEなどのオープンソースを利用する方法です。 基本機能をベースにしつつ、自社独自の機能を追加開発(カスタマイズ)することが前提となります。

  • 費用感: ライセンス費用に加え、カスタマイズ要件が増えるほど開発費が膨らみます。
  • メリット: 基幹システムとの連携や、特殊な販売方法(定期・頒布会・B2Bなど)に対応しやすく、中堅〜大手企業で最も選ばれている手法です。

フルスクラッチでリニューアルする場合

既存のカートシステムを使わず、ゼロからすべてを独自開発する方法です。 ZOZOTOWNやユニクロのような、超大規模かつ独自のビジネスモデルを持つ企業が採用します。

  • 費用感: 開発費はもちろん、インフラ維持や保守にも多額の費用がかかります。
  • メリット: 制約が一切なく、完全に理想通りのシステムを構築できますが、開発期間も1年以上かかることが一般的です。

リニューアル費用を変動させる主な要因

同じ構築手法でも、以下の要素によって見積もり金額は大きく変動します。

  • デザインの凝り具合: テンプレートを使用するか、完全オリジナルで制作するか。
  • データ移行の難易度: 移行するデータ量(商品数・会員数)や、旧システムとのデータ形式の違い。
  • 外部システム連携: WMS(倉庫管理)、POS(実店舗レジ)、MAツールなどとのAPI連携数。
  • SEO対応: 旧URLからのリダイレクト設定や、構造化データ記述などの内部対策工数。

自社ECサイトのリニューアルを成功させるポイント

リニューアルプロジェクトは難易度が高く、失敗すると売上ダウンに直結します。成功のために押さえておくべき重要ポイントを整理しました。

ポイントなぜ重要か
目的と優先順位の明確化あれもこれもと欲張ると、予算超過・納期遅延・使いにくいサイトになるため
詳細なRFPとベンダー選定自社の要望を正しく伝え、最適なパートナーを選ばないと開発が迷走するため
UI/UXとモバイルファーストユーザーの使い勝手を無視した「自己満足なデザイン」は売れないため
社内体制と現場の声実際に運用するスタッフが使いにくいシステムは、業務効率を悪化させるため

リニューアルの目的と優先順位を明確にする

「とりあえず新しくしたい」という曖昧な動機では失敗します。「スマホでのCVRを120%にする」「受注業務の工数を半分にする」など、具体的な数値目標(KPI)を立てましょう。 また、予算には限りがあるため、機能には「Must(必須)」「Should(推奨)」「Want(あれば良い)」の優先順位をつけ、開発範囲をコントロールすることが重要です。

詳細なRFPを作成し、自社に合ったベンダーを選定する

開発会社への発注ミスを防ぐためには、RFP(提案依頼書)の精度が命です。 口頭での要望は「言った言わない」のトラブルになります。また、ベンダーにも得意不得意があります(デザインに強い、システム開発に強い、マーケティング支援ができる等)。自社の課題解決に最も適した強みを持つパートナーを選定しましょう。

UI/UXを最優先し、モバイルファーストで設計する

担当者はPCで作業するためPC画面を重視しがちですが、多くの商材でユーザーの7〜8割はスマートフォンです。 「PCでは綺麗だがスマホでは押しにくいボタン」などは致命的です。デザイン確認は必ず実機(スマホ)で行い、購入までのタップ数や入力のしやすさを徹底的に追求してください。

社内体制を整え、現場スタッフの声を反映させる

リニューアルはシステム担当やマーケティング担当だけで進めてはいけません。 日々の受注処理や顧客対応を行う「現場スタッフ」を初期段階から巻き込むことが重要です。「今の管理画面のここが不便」「ここが改善されると助かる」という実務レベルの要望を吸い上げることで、リニューアル後の業務効率が劇的に向上します。

自社ECサイトのリニューアルで発生しやすい失敗

多くの企業が陥りやすい「失敗パターン」を知っておくことで、リスクを未然に防ぐことができます。

失敗ケース主な原因対策
SEO順位の激減URL変更に伴うリダイレクト設定の不備301リダイレクト計画の徹底、Google SCでの監視
予算・納期の超過要件定義の甘さ、開発中の追加要望要件の凍結、フェーズ分け(追加機能は第2期へ)
使いにくいサイト化デザイン重視で導線を無視ワイヤーフレーム段階でのUX検証、ユーザビリティテスト
ログイン不可トラブルパスワードのハッシュ形式違いパスワード再設定の案内フロー準備、SSO導入検討

リニューアル後にSEO順位(検索流入)が激減する

最も多い失敗が、リニューアルオープン直後のアクセス激減です。 ドメインやURL構造が変わる場合、旧ページから新ページへの転送設定(301リダイレクト)を適切に行わないと、それまで積み上げたGoogleからの評価(ドメインパワー)がリセットされてしまいます。SEOを考慮したサイト設計と移行計画が必須です。

機能を盛り込みすぎて予算・納期が超過する

「せっかくだから」と開発途中で機能を追加していくと、プロジェクトは泥沼化します。 これを防ぐには、「リリース時は最小限の機能(MVP)でスタートし、運用しながら機能追加していく」というアジャイル的な発想を持つか、最初の要件定義で機能を厳選し、それ以降の変更は原則認めないという強い管理が必要です。

デザイン重視で使いにくいサイトになってしまう

おしゃれなデザインを追求するあまり、文字が小さすぎたり、メニューが分かりにくかったりするケースです。 ECサイトの目的は「商品を売ること」です。アート作品を作るわけではありません。「購入ボタンの位置」「入力フォームの分かりやすさ」など、コンバージョンを阻害しないデザインバランスが求められます。

【関連動画:自社ECの失敗理由5選】

顧客データの移行に失敗し、既存会員がログインできない

システムが変わると、セキュリティの仕組み(パスワードの暗号化方式)が変わることが多く、旧サイトのパスワードがそのまま使えないケースがあります。 これを知らずにオープンすると、ユーザーから「ログインできない」という問い合わせが殺到します。「パスワードの再設定が必要であること」を事前に周知し、再設定特典(ポイント付与など)を用意するなどの対策が必要です。

自社ECサイトをリニューアルする際のお知らせ方法

リニューアルによる顧客の混乱を防ぎ、むしろ「期待感」を持ってもらうためのコミュニケーションが必要です。

タイミング手段伝えるべき内容
リニューアル前メルマガ、SNS、サイト内告知日時、メンテナンス案内、リニューアルのメリット
リニューアル直後メルマガ、LINE、TOPページ開店のお知らせ、パスワード再設定のお願い、新機能紹介
キャンペーンクーポン、ポイント付与リニューアル記念セール、ログインキャンペーン

リニューアル前:メールマガジンやSNSでの事前告知

オープン1ヶ月前〜1週間前にかけて、複数回告知を行います。 「◯月◯日にリニューアルします」という事務的な連絡だけでなく、「リニューアルでこんなに便利になります!」というポジティブなメッセージを伝えます。また、切り替え作業に伴う「サイト停止期間(メンテナンス期間)」の案内もしっかり行いましょう。

リニューアル直後:サイト内での案内とパスワード再設定の誘導

オープン時には、既存会員に対して「【重要】パスワード再設定のお願い」という件名でメールを送ります。 サイトのトップページでも目立つ場所に再設定方法のガイドを掲載します。ここがスムーズにいかないと、既存客が離脱する最大の要因となります。

キャンペーンの実施:リニューアル記念クーポン等の配布

「パスワード再設定」という手間をユーザーにかけるため、その対価としてインセンティブを用意するのが定石です。 「リニューアル記念!全品10%OFF」「パスワード再設定で500ポイントプレゼント」などのキャンペーンを実施し、リニューアル直後のアクセスと購入をブーストさせます。

自社ECサイトのリニューアルに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 自社ECリニューアルにはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 規模によりますが、一般的に3〜6か月程度が目安です。大規模ECでは1年かかる場合もあります。

Q2. リニューアル費用はどのくらい必要ですか?
A. システム刷新やデザイン改善の範囲によって異なりますが、中小規模で300〜800万円、大規模で1000万円以上になることもあります。

Q3. リニューアルせずに売上改善する方法はありますか?
A. デザイン変更やSEO対策だけで効果が出る場合もあります。ただし、根本的なUXやシステムに問題がある場合はリニューアルが必要です。

Q4. モール型ECと自社EC、どちらを優先すべきですか?
A. 短期的にはモールが成果を出しやすいですが、長期的なブランド育成や利益率改善を考えるなら自社EC強化が不可欠です。

まとめ

自社ECサイトのリニューアルは、単なるシステムの入れ替えではなく、事業成長の「天井」を取り払うための戦略的投資です。成功には、見た目の刷新以上に、経営課題の解決と収益構造の改善が求められます。

プロジェクトを成功に導くための要点は、以下の通りです。

  • 目的の明確化:単なる改装ではなく、「CVR改善」や「業務効率化」など具体的な課題解決をゴールに据える
  • 準備の徹底:曖昧な発注を避け、数値目標(KPI)と提案依頼書(RFP)で要件を詳細に定義する
  • 2つの視点:顧客視点での「スマホファースト」と、運用視点での「現場の使いやすさ」を両立させる
  • リスク管理:リリース後の売上減を防ぐため、SEO評価の維持(リダイレクト)とデータ移行計画を綿密に行う
  • パートナー選定:自社の年商規模や将来像(拡張性)に合致した、最適なカートシステムと開発会社を選ぶ

まずは「システムが古いから」という理由だけで動き出すのではなく、現状のボトルネックを特定する分析から始めてみてはいかがでしょうか。

最後に、「アクセス数はあるのに売上が伸びない」「広告費ばかりかさんで利益が出ない」「何から改善すればいいか分からない」「やりたいことはあるが手が回らず困っている」

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