自社ECサイト|アップセルで顧客単価を上げよう!クロスセルとの違いや成功のポイントを解説
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EC運営において、売上や顧客満足度、そして顧客生涯価値(LTV)を向上させることは非常に重要です。新規顧客の獲得にはコストがかかることから、既存顧客(=リピーター)の売上をアップさせなければ継続的な売上拡大が難しくなるためです。
今回はLTV向上に取り組む方へ「アップセル」の位置づけやクロスセルとの違い、進め方のポイントについて解説します。
自社ECサイトでの販売戦略について、以下の記事でもまとめていますので併せてご覧ください。
Contents
自社ECサイトで売上を拡大する方法
はじめに、ECサイトで売上拡大するためには、次の3つのポイントが重要です。
再現性のある新規顧客獲得
CVRを最大化させる集客方法を見つけて、限界CPAを設定し新規獲得に再現性を持たせられる状態を整えます。広告を活用する際にはリスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告など様々な媒体や手法がありますが、それぞれの経路で流入してくる顧客のCVRがどうなのかを計測することで限界CPAの算出が可能です。
LTVの最大化
新規獲得ができるようになってきたら、CRM(顧客関係管理)に取り組み、顧客の再購入の機会を増やしLTV(顧客生涯価値)を最大化させていくことが重要です。
購入時のアップセル・クロスセル
既存顧客がついてきたら、購入時のアップセルやクロスセルで、顧客単価のアップを狙います。
上記がECサイトで売上をアップさせるための基本的な仕組みになります。
今回はこの中でも「アップセル」について解説をしていきます。
アップセルとクロスセル
アップセルとクロスセルは、どちらも顧客単価を上げるための施策です。それぞれの違いをしっかり理解しましょう。
アップセルとは?
アップセル(Up-selling)とは、顧客が購入した(しようとしている)商品に対して、より多く、もしくはより価格の高い商品やサービスを購入するよう顧客に促すことです。
アップセルの主な目的は、平均注文価格を上げ、それによってビジネスの売上高を増やすことです。
クロスセルとは?
クロスセル(Cross-selling)とは、顧客が過去に購入したものや購入を検討している商品とは別で関連する商品やサービスを提案する手法で、今の商品では満たされていないニーズを補うことをアピールします。
アップセルとクロスセルの違い
クロスセルとアップセルはどちらも顧客単価を上げるための手法のひとつですが、単価を上げるための方法が違います。
アップセルは、同じ商品系統でより価格の高い商品を提供することに焦点を当てていますが、クロスセルは一般的にはある商品と補完的な商品を販売することを目的としています。
自社ECサイト運営におけるアップセルのメリット
ECサイトでの販売を強化する手法のアップセルには様々なメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。
顧客単価の向上
顧客ひとり当たりの売上をあげられることは大きなメリットです。アップセルを行い上位の商品が購入されれば売上が伸びるため、新規顧客を増やさなくても全体の収益が向上します。
仮に新規顧客を増やすことで売上を伸ばそうとすると、マーケティングや営業にかかる費用や労力などのコストがかかり、これは既存顧客に対して5倍かかると言われています。なるべくコストをかけずに利益を出すためにアップセルは有効な方法です。
顧客満足度の向上
アップセルを行うと上位モデルの商品を購入するため、顧客は優れた機能や使い心地の商品を得られます。そのため顧客満足度の向上も見込めます。
例えば、安いシャツを購入しようとしていた顧客にアップセルを行い、結果的にアイロンがけ不要のシャツを購入した場合、毎日のアイロンが不要になる便利さに想像以上の満足感を得られる可能性が高くなります。
もともと使っていた商品でニーズが満たされていても、潜在的なニーズを満たし期待以上の効果が感じられれば、商品の選択肢が増えると同時に顧客満足度の向上につながります。
LTVの向上
アップセルによりLTV(顧客生涯価値)の向上が期待できます。LTVは顧客が企業との取引でもたらす利益の総額を指し、企業との取引が長くなればなるほど大きくなります。
前述したようにアップセルで顧客のニーズをより満たすような提案を行うことで、顧客満足度を向上させることができます。前回の購入時に良い印象を持ってもらえれば、リピート購入や友人に勧めてくれる可能性もあるでしょう。リピート購入は経営の安定化にもつながるので、信頼感を醸成する上で大切となります。
LTVは「顧客の購入金額から顧客獲得や維持にかかるコストを引いた額」とも言い換えられ、新規顧客を獲得するより既存顧客にアップセルを行うほうが有効です。
自社ECサイトにおけるアップセル実施のポイント
それでは具体的にアップセルを行うためにはどういったポイントを意識すればよいのでしょうか。
顧客や実施タイミングを見極める
アップセルが成功するのは、「自社の商材に対して愛着度や信頼度(ロイヤルティ)が高い顧客」です。CRMなどの顧客データ管理システムを活用して、顧客情報を分析した上で、成功率の高い顧客を選定するのがポイントです。
また、実施するタイミングを見極めることも重要です。アップセルを実施するタイミングとしては以下がおすすめです。
無料お試し期間や割引キャンペーンが終了する直後、プラン更新の時期が近づいている間際は、アップセルを行うべきタイミングです。
顧客のニーズを理解する
アップセルの進め方が、顧客ニーズに沿ったものであれば嫌悪感を持たれるリスクは高くありませんが、「顧客単価を向上させたい」という思いを強く出しすぎないようにしましょう。
アップセルの成功に大切なのは、「顧客のニーズを正確に把握する」ことです。購入履歴や顧客情報を分析し、現在使っている商品の使い心地、商品に対する不満などを、さりげなく聞き出すことが大切です。
具体的なメリットを提示する
定期購入などの継続利用を前提とした商品では、契約初月の料金を無料にしたり、割引を適用すると長期的にはユーザーはお得感を感じるため、アップセルが成功しやすくなります。
アップセルができるよう準備をしておき、具体的なメリットを提示することが重要です。
プレッシャーを与えないようにする
アップセルを実施する場合には、お客様にプレッシャーを与えないように気をつけなければなりません。
一歩間違えると、無理な押し売り販売や強制に繋がる恐れがあり、お客様が不信感を覚えてしまい信頼関係が崩れてしまう恐れがあります。プレッシャーを与えずに、お客様が本当に需要のある商品やサービスのマーケティングを実施することを大切にしましょう。
まとめ
今回はアップセルとクロスセルとの違いや進めていく上でのポイントについて解説しました。
アップセルを推進していくためには、顧客ニーズに沿った形でさりげなく行うのがポイントです。ニーズに沿わない提案を行うと、ユーザーはプレッシャーを感じてしまい、押し売りと受け取られる可能性もあるため注意が必要です。
また、アップセルを実施するタイミングも大切です。顧客情報や購入履歴などを徹底的に分析し、タイミングを見計らってアップセルを実施してみてください。
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株式会社Proteinum 代表取締役