台湾越境EC|EC市場の特徴や進出のポイント、注意点を解説!
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台湾におけるECの市場規模は右肩上がりに成長を続け、市場成長率も高い数値になっています。
コロナ禍で一気に成長した台湾人のEC消費額も順調に増え続けており、食品から家電まで、身の回りの物はほとんどネット上で購入するようになってきています。
近年では、台湾でビジネス拡大を検討する企業が増えていますが、台湾越境ECを行う際にはどのようなことに注意しなければいけないのか、売上を上げるにはどういった取り組みをしていくのか、などが気になる部分かと思います。
そこで今回は、台湾越境ECについて、EC市場規模や特徴、進出の際の注意点などを解説します。
Contents
台湾のEC市場規模
まず初めに、台湾での市場規模の確認をしていきましょう。
引用:経済部 オンライン小売売上高と年間成長率
2023年の台湾でのEC市場規模は5,035新台幣億元(※2.3兆円)となっており、前年比2.14%の成長となっています。
※2024年2月時点のレート
また、2019年~2021年の間に台湾の大手ECモール6社の成長率は※43.8%と、非常に高い成長率となっています。
参考:未来流通 ビジネスデータ図解
台湾EC利用者のうち越境EC利用者数は約16%とされていて、越境ECの割合も比較的多いため、越境ECとして台湾進出を成功させる余地は十分にあると言えます。
台湾越境ECが注目されている理由
なぜ台湾越境ECが日本企業から注目されているのか、その理由をまとめました。
日本商品への信頼度が高い
多くの面で日本商品への信頼が厚くなっています。
例えば台湾製の商品に「東京」のような日本を連想させる言葉をつけているケースもありますし、「日本式」を謳った飲食店が台湾国内にも数多く存在します。
最近では、日本の冷凍食品が評価されており、日本市場以上の伸びを見せているケースもあります。
今後も、台湾市場全体が日本企業にとって価値の高い進出先であることは間違いありません。
輸送コストやコミュニケーションでの障壁が少ない
時差は1時間、飛行機移動で2~4時間という近い距離にある、日本語を話せる人材が多いなど、輸送やコミュニケーションにかかるコストを抑制できます。
未婚率が高く、消費が活発
女性の未婚率の高さは非常に高く、32%となっています。日本は12%となっていますので、比較すると約3倍程度高い割合です。
日本と同様晩婚化が進んでいて、その原因として「理想の相手に出会ってない」と回答する人が6割を占め、経済的要因や仕事が理由となっています。
また、台湾の女性は貯金をしない人が多く、欲しい物があればすぐ手に入れるという実態もあるため消費活動が活発化しています。
インターネット環境が整っている
台湾ではインターネット環境が整っているため、公共施設・飲食店・地下鉄など多くの場所で無料のWi-Fiスポットが完備されています。
全人口の約9割程度にあたる約2,000万人がインターネットを利用していて、インターネット利用者の約8割の人々はFacebookを利用しています。
限定商品が売れやすい
台湾での消費者の傾向として「質より量」から「量より質」の方へシフトし始めていて、日本限定販売商品や伝統工芸品、アニメキャラクターグッズなどの嗜好品は高価であっても価値が高い商品として高い人気があります。
こういった日本限定商品などが売れやすい土壌があるというのも注目の理由の一つです。
台湾越境ECの始め方
自社ECサイトの構築
自社ECは、自社の越境ECサイトを構築、または既存のサイトを越境対応にして販売・運営する方法です。カスタマイズの自由度が高く、販売戦略に合わせたマーケティング手法を採用できます。
しかし、輸出入の手続きや言語・配送方法・支払い方法の対応には大きな負担が伴います。また、現地のユーザーとのコミュニケーションが発生するため、対応できる体制を整えなければなりません。状況によっては、専門業者の支援を検討する必要があります。
ECモールへの出店
台湾越境ECを検討する場合、現地のECプラットフォームを活用して参入するのが一般的となります。すでに多くのアクティブユーザーを抱えているため、自社サイトで参入するよりも集客コストがかからないためです。
台湾で代表的な越境ECプラットフォームを3つご紹介します。
蝦皮購物(Shopee)
最も台湾人の利用率が高いのが、蝦皮購物(Shopee)です。EC購入者の6割以上が利用しており、男女問わず人気のECモールです。近年、台湾やASEANで急拡大しているモールになります。
台湾では、圧倒的な品揃えで高い流入量を誇っています。
出店者にとってのメリットは、「台湾現地法人がなくても出店できる」点です。
ただ一方で、Shopeeは偽物の商品が多い、ということもあり信頼性に欠けます。そのため企業の出店には不向きになります。
momo購物網
https://www.momoshop.com.tw/main/Main.jsp
momoは2020~2023年で大きく成長しているECモールです。
コロナ禍で需要が伸びた時期に倉庫の数を多く増やしたことで配送を強化しました。アプリのUI/UXの評価が高く、リピーターが多くなっていることが特徴です。ユーザー層としては女性の割合が高くなっています。
メーカー正規品のみの取り扱いページがあり偽物商品が少なくなっているため、安心して購入できる点も評価されています。
ECモールで、ブランドネームを活かして高額商品を販売したい場合は、momoを推奨します。
PChome
PChomeは以前までは台湾で一番大きいECモールでしたが、momoやShopeeと比較すると売上の伸びが小さくなってきているモールです。
元々品揃えが豊富で、24時間以内に届くサービスや、家電や電子・パソコン周辺商品に強みがありました。しかし、割引やレコメンドといった機能が少ないことや他モールのサービスと比較して強みが無くなってきた点で他モールの伸びに押されている状況です。
台湾越境ECのポイント
ここまで、台湾ECの市場規模や注目されている理由、出店を検討すべきモールなどお伝えしました。
それでは、実際に進出した際にはどうやって売上を上げていくのかのポイントを解説します。
SNSの活用
台湾では特にFacebookの利用率が高くなっています。台湾国内企業についても自社ホームページは持っていなくてもFacebookページを持っているほどです。
越境ECをするのであれば、Facebookを中心に各種SNSの公式ページを作成することを推奨します。
台湾ユーザーとSNS上で活発に交流することで自社のアピールもでき、興味を持ったユーザーからの問い合わせ窓口としても機能するでしょう。公式アカウントにDMで連絡や問い合わせをしてくるユーザーも多いため、対応次第で好感度を上げてファン獲得をしていくことが可能です。
口コミやレビューを充実させる
台湾人も日本人同様、初めて出会った商品については検索をした上で「他人の評価」「最安値」などを調査してから購入するケースが多くなっています。そのため、販売開始時にブランド名や商品名での検索結果に口コミが存在している事が重要です。
また、検索対策として覚えやすい漢字のネーミングやブランドコピーを用意するということも大事な要素です。
ライブコマースの活用
台湾でのEC市場に進出する場合、台湾でもライブ配信から直接商品を購入できる「ライブコマース機能」が注目されている、というポイントを押さえておきましょう。
台湾では、主要ECモールでも次々とライブコマース機能を実装していて、ライブコマース経由での売上は年々右肩上がりで推移しています。
決済方法の選択肢を増やす
台湾で越境ECをするのであれば、クレジットカード払い以外にも、ATM振込、代金引換、後払い決済など主要な決済方法をカバーしておく必要があります。
特徴的な部分としては、台湾ではコンビニ受取やコンビニ決済が人気となっています。
ユーザーは自分自身が使い慣れている決済方法が使えない場合に、購入意欲がなくなって離脱してしまうことが多くなります。ECサイトを構築する際はどの決済方法をカバーするかを検討することが必要です。
台湾越境ECの注意点
返品・交換のアフターフォロー体制を整える必要がある
台湾では商品到達から7日間のクーリングオフが認められております(未使用の場合)、また商品使用後に「商品に問題があったので返品したい」と連絡が来る場合もある為、事前に対応方法を決定しておく必要があります。
日本や台湾で返品商品を受け付ける場所を確保しておくことや、返品理由や商品状態確認のために写真を送ってもらうなどのコミュニケーションが必要になります。
税務処理(関税・営業税)
関税は商材毎に国が定めた関税率があらかじめ決まっているため事前の確認が必須となります。適切な税務処理をしないと商品が通関で時間がかかってしまう恐れもあり、最悪のケースでは通関できずに戻ってくることもあります。
また、台湾では関税のほかに「営業税」がかかります。営業税は、台湾国内で発生した利益にかかる税金で、利益の5%を支払う義務があります。税金を考慮して売値をいくらで設定するのか、しっかり検討することが必要です。
薬事法や景品表示法への対応
越境ECを行う際には、一般的にラベルの表記を販売国の言語に合わせるなどのルールがあります。
化粧品や健康食品などを取り扱う場合は薬事法に従った表記が求められます。
景品表示法にも注意しましょう。台湾国内でも度々取り上げられ問題になっているため、メディアで取り上げられた際には自社ブランドに致命的なダメージを負ってしまう可能性が高いです。
まとめ
今回は台湾越境ECの市場規模や特徴、販売におけるポイントなどを解説しました。
まずはECモールへの出店から入る企業が多いのが実情ですが、販売の際には税金などを考慮して進めていくことも重要です。
近年では、越境ECに参入するにあたって市場調査から物流設計、運用まで一貫してサポートできる事業者も増えてきています。もし自社だけで対応が難しいと感じた場合は、越境ECに強い事業者への委託を検討することをおすすめします。弊社でも越境EC参入をサポートしておりますので、海外進出をお考えの際はぜひご相談ください。
この他にも当ブログではアメリカや中国、東南アジアでの越境ECに関する情報をまとめています。
下記の記事を是非参考にしていただけますと幸いです。
株式会社Proteinum 代表取締役